著者
加藤 潤三 池内 裕美 野波 寛
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.134-143, 2004
被引用文献数
3

The purpose of this research was to investigate the influences of two types of goal intentions (local-environment focused and environmental-problem focused) on environment-conscious behavior. A questionnaire was randomly assigned to 735 residents who lived in the area within 2 km of the Muko River. Upon analyzing the results, goal intention could be divided into two types. Structural Equation Modeling revealed that behavioral intention was significantly influenced by a local-environment focused goal intention, social norms, cost evaluation and attachment to the Muko River, but not by an environmental-problem focused goal intention. These results suggest that people adopt environment-conscious behavior from the point of view of local conservation, and not overall environmental preservation.
著者
加藤 雅信 青木 清 太田 勝造 河合 幹雄 野口 裕之 藤本 亮 岡田 幸宏 菅原 郁夫 フット ダニエル
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

多くの法科大学院院生は「進学決意時」の職業希望を法科大学院入学後、教育を受けながらも維持していることがあきらかになった。また、そうした理想は理想として、現実的に予想する際にも約3分の2の院生は理想と現実的予想が一致しており、その一致率は年度を追い、微増する傾向が観察された。本調査が執行された段階では、まだ「弁護士の就職難」といわれる現象はメディアがとりあげるような話題にはなっておらず、現在の院生にこのような調査をした場合にはまた異なった回答がなされるであろう。また、実際に司法修習修了後にどういった職種に就いているのか等の追跡調査が今後求められてくるであろう。抽象度の高い法のイメージについての法意識は短期間では大きく変化しないと考えられる。そのため、多くの項目では経年変化はみられなかった。しかし、二年の間をあけた調査問の比較では、より大きな差がいくつかの項目に観察された。このことは三年間のインテンシヴな法科大学院教育がこうした一般的な法意識、法態度にも影響を及ぼすことを示唆している。法科大学院は大学の枠を越えて多くの他大学出身の院生を受入れており、また、受験生も複数の大学院を受験することが通例である。入学前には受験生は全員が適性試験を受験することが義務づけられ、また大学院終了後も全員が司法試験を受験し、司法修習へと進む。したがって個別大学での調査ではなく、本研究のように大学横断的に法科大学院生のさまざまな状況について調査研究することは重要である。
著者
加藤 尚徳 岡田 仁志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.13, pp.1-6, 2014-02-20

作権法では私的領域への課金として私的録音録画補償金制度がもうけられている。一方で、昨今の技術的な進歩に伴って、技術的保護手段も多様化してきた。このような中、私的録音録画補償金制度と技術的保護手段の関係性が争点となった争いが生じた。加えて、欧州司法裁判所でも同様の構図をもった争いが生じている。本稿では、私的録画補償金と技術的保護手段について著作権法の視点から分析を行い、課題を明らかにする。また、昨今の権利者団体の提案を踏まえつつ、今後の制度のあり方について新しい分析手法を提案する。
著者
柴山 守 笠谷 和比古 加藤 寧 山田 奨治 川口 洋 原 正一郎 並木 美太郎 柴山 守 石谷 康人 梅田 三千雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、古文書翻刻支援システム開発プロジェクト(HCRプロジェクト)において、手書き文字OCR技術などを発展的に応用して、古文書文字認識システムの高精度化に関する研究を行うことである。平成14-16年度の研究期間において、主に古文書文字データベースを構築すること、及び日本語文字認識アルゴリズムの適用可能な範囲と問題点を洗い直し、以下の検討課題での研究をすすめ、成果を挙げた。(1)文字切り出し法、及び正規化法について:射影ヒストグラム、文字外形の曲率などの手法を検討し、レイアウト認識では、Hough変換による行抽出方式を提案し、文字データベースの基づく実験を進めた。(2)オフライン文字認識手法について:古文書文字認識に有効と考えられる文字切り出しと文字認識を連携処理させる方法について検討した。非線形正規化手法の研究及び実験を行った。(3)オンライン文字認識手法について:くずし字検索等に適用可能なタブレット入力によるオンライン古文書文字認識手法について検討した。また、『くずし字解読辞典』の文字画像から筆順を推定する手法の研究を行った。本成果は、電子くずし字辞典として平成17年度中に刊行する予定である。(4)東京堂出版『漢字くずし方辞典』の文字パターンを入力し、オンライン検索ソフトウェアの開発を行った。これも上記の(3)に含め、刊行予定である。(5)文字認識用文字パターン辞書として、9種類の古文書文字データベースを公開した。すべてがHCRプロジェクトのホームページは,http//www.nichibun.ac.jp/shoji/hcr/からダウンロード可能である。また、公開したソフトウェアは、2種類GetAMojiマクロ(古文書翻刻中に遭遇する不明文字(ゲタ文字)の正解候補を提示する機能)、及びWeb版GetAMoji(古文書翻刻中に遭遇する不明文字(ゲタ文字)の正解候補を提示する機能のWeb版)である。
著者
加藤 一郎
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.164-166, 1983-10-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
2
著者
加藤 哲太
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.2, pp.223-235, 2014 (Released:2014-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2 4

The role of pharmacists in self-medication is to provide informed and objective advice on medicines and their use, and to promote the concept of pharmaceutical care. In 2012, the teaching of medicines and their use was started in junior high schools, and pharmacists should be providing samples and the example package inserts, and/or giving lessons in cooperation with teachers. In this article, a number of examples of how to do this will be shared. In 2009, the Pharmaceutical Affairs Law was revised and the role of pharmacists being key figures in supplying medicines was significantly increased. Pharmacists should have a professional obligation to provide advice about self-medication and medicines for self-medication. We introduced some approaches for student pharmacists to enhance the self-medication leading ability. 1) Problem-based learning, and combination learning of basic problems and clinical topics for 1st-year students, 2) An e-learning system to provide objective information about medicines, and 3) A case study system to cultivate pharmacists and student pharmacists who can contribute to providing advice about the safe use of over the counter (OTC) medicines.
著者
加藤 慎一朗 濱川 礼
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.27, pp.1-8, 2013-03-06

本研究では Twitter から得られる Tweet を処理することで,全ての単語に感情情報を付加し,その情報を利用してユーザの推薦を行う.例えば 「英語」 という単語に 「楽しい」 感情を抱く人もいるし,「哀しい」 感情を抱く人もいる.そこで,ユーザごとに全ての単語に対して感情情報を付加することで,その単語が使用される際に,ユーザ一人ひとりが単語にどのような感情を持っているのかを調査し,単語に対して同じ感情を抱くユーザを推薦する.In this study, using natural language information obtained from Twitter, we add feeling information to all words, and make recommendation user to user this information. For example, some people may have happy feeling to the word "English", some people may have unhappy feeling to word "English". By adding emotional information to all word, to investigate whether any have implications when that word is used, and recommend the user to feel the same emotion for words.
著者
森田 一三 中垣 晴男 村上 多恵子 加藤 一夫 水野 照久 坪井 信二 加藤 尚一 水谷 雄樹 太田 重正 小澤 晃 瀧川 融 粂野 千代 井上 千恵子 井上 好平 相武 卓樹 飯島 英文 佐藤 和子 大野 知子
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.241-247, 1996-07-30
被引用文献数
22

80歳で20歯以上保持する者(8020者)と19歯以下の者(対照者)について,栄養および食事摂取状況を比較検討した。その結果8020者はエネルギー充足率が有意に低かった。また,糖質摂取量が低い傾向が見られた。食品の摂取品目は8020者の方が多かった。以上より8020者はエネルギー摂取量は少なめで,多くの種類の食品を摂ると結論された。
著者
加藤 孝久 崔 〓豪 田浦 裕生 田中 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ナノスケールの有機分子膜はナノインプリント、MEMS,磁気ディスクドライブなどのマイクロ・ナノシステムにおいて、摩擦摩耗特性、耐食性、離型性などを改善するために用いられている.有機分子保護膜を用いてマイクロ・ナノシステムを長寿命化するためには、有機分子と固体表面とで強い吸着性が必要である.有機分子と固体表面との吸着特性は、固体表面における吸着サイトの面密度に依存しており、固体表面の制御が重要因子である。一方、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は、高硬度、低摩擦、耐摩耗性、耐薬品性を有する材料であり、磁気ディスクドライブの保護膜、工具や金型の表面処理等に実用化されている。本研究では、固体保護膜としてDLC膜上に有機分子を高密度かつ強く吸着させることで、高耐久性ナノスケール保護膜システムを開発することを目標にする。固体表面は以下の二つの観点で制御した。ひとつは、表面改質から潤滑膜固定まで連続したナノ表面処理システムを開発することでDLC表面を清潔に保った状態で有機分子を固定する方法である。真空中一環プロセスでDLC膜の作成と有機分子の吸着を行うことで、空気中の有機汚染物により、DLC表面の吸着サイトがターミネートされることがなくなり、より_0多くの分子がDLC表面に吸着できる。もうひとつは、DLC膜の組成を制御することでDLC膜表面上における吸着サイトの面密度を上げる方法である。DLC膜は作成時、炭化水素ガスを原料として用いるが、原料ガス中に窒素、シリコンなどを含むガスを混合することで様々な組成を有するDLC膜の作成が可能である。DLC膜中に種々の元素を添加することで、その表面組成も変化し、吸着サイトの面密度を制御することが可能になる。本研究では、表面改質から潤滑膜固定まで連続したナノ表面処理システムを開発することで潤滑分子の高い吸着性を実現した。また、様々な組成を有するDLC膜の表面に有機分子を吸着させることで、DLC膜の組成の違いによる潤滑分子の吸着特性を明らかにした。
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 竹内 俊彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.24, pp.236-237, 2008-08-19

本研究では、BBS、Blog、SNSの3つのネットコミュニケーションと対面における、"クラスメイトの風貌や体型(事実)について話す/書く"、"クラスメイトの珍プレーや失敗(事実)を話す/書く"など、7つの行為に関する意識調査を、情報科の教員を目指す大学生を対象に実施した。それぞれの行為に対して、"子ども達は、この行為をしてしまう可能性があると思う"、"子ども達は、クラスメイトからこの行為をされると嫌な気持ちになる"、"あなたは、この行為をネットいじめと考える"の3つの質問に5段階評定(全くそう思わない〜とてもそう思う)で回答を求めた。本稿では、これらの回答の集計分析結果を報告する。
著者
加藤 剛
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.222-256, 1980-09

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
広田 修 加藤 研太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.290, pp.1-6, 2005-09-09

西岡・長谷川・石塚・今福・今井氏らは最初の批判論文[2]において、測定の工夫とある関係式を用いれば「Y-00が従来のストリーム暗号と等価である」と証明ができると主張されたが、我々は当該論文は基本的な測定エラーを無視しており、その帰結は誤りであることを指摘した。それを受けて、前回の当研究会において[5], 今福・今井・西岡・長谷川・石塚(経済産業省産業技術研究所、東京大学、三菱電機)氏らは西岡らの結論の辻褄を合わせることを目的に、今回は盗聴者が得た測定エラーを含むデータ列に対して類似の関係式を使うと西岡の結論が再度得られるという再批判を無理な論理で展開している。本稿では、彼らの論理展開から彼らの結論を演繹することが出来ないことを丁寧に解説し、彼らの解析は"無意味"であることを示す。
著者
射手矢 賢 加藤 俊一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.19, pp.9-12, 2012-05-16

我々は,実店舗において一人一人の消費者に適した情報推薦を行うことを目指しており,実店舗空間(Smart Shop)を構築し,消費者がどのような商品に興味を持っているかを購買行動から推定し,デジタルサイネージを用いることで情報推薦を行う研究を行ってきた.本研究では,商品への興味度は購買行動中に変化していると考え,商品への興味度変化を考慮した情報推薦をすることを目指し,商品への興味度と脳血流などの生理的指標の関係を明らかにすることを目的とした.商品に対して興味がある場合と興味が無い場合では,右側前頭葉に有意差が多く見られ,そのときのoxy-Hb値の増加は興味がある場合の方が大きかった.またLaterality Indexを行ったところ,商品に興味がある場合と興味が無い場合では有意差は見られず,時間が経つにつれて左の反応が強くなる傾向が見られた.
著者
亘 慎一 加藤 久雄 村田 健史 山本 和憲 渡邉 英伸 久保田 康文 國武 学
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.79-87, 2013-03

人工衛星など社会的なインフラに障害を発生させるような宇宙環境の変動を扱う宇宙天気では, 太陽から地球周辺の宇宙空間までの広大な領域を扱う必要がある. 宇宙機による観測は重要であるが, この広大な領域を観測データだけでカバーするのは困難である. そこで, 観測データと数値シミュレーションデータを統合的に処理してサービスを提供できる情報プラットホームの構築が必要となる. 情報通信研究機構が構築しているGfarmによる大容量分散ディスクシステム,スーパーコンピュータ, AVSやIDLなどをインストールした可視化サーバ群, ジョブサービスを行うRCM(R&D Chain Management)System, 様々な観測データをダウンロードしてプロットや解析を行うSTARS(Solar-Terrestrial data Analysis and Reference System)のサーバなどからなる「宇宙天気クラウド」を利用した宇宙天気の情報サービスについて報告する.
著者
相川 拓也 杉木 章義 加藤 和彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.138-151, 2012-10-15

サーバのチューニングは,性能を左右する重要なタスクである一方で,管理者にとって困難をともなう.パラメータの最適値は多くの場合, 1 回のチューニングでは求まらず,さまざまな試行錯誤を行う必要がある.また, 1 回の試行においても,サーバの設定を変更するだけではなく,複数台からなるクライアントの設定を変更し,起動するなど,煩雑な手続きが必要である.本研究では,このチューニングにおける試行錯誤の過程を効率化するスクリプティング環境を提案する.本提案では,サーバやクライアントなどチューニングに関連する要素をすべて分散オブジェクト化し,統一的な環境で高水準に試行の過程を記述可能とする.また,自動チューニングアルゴリズムのライブラリ化を行うことで,利便性の向上を図る.実験では, SPECweb2005 ベンチマーク下の Apache ウェブサーバと Hadoop を対象として実験を行い,本環境を利用してチューニングができることを確認した.Although parameter tuning is critical for server performance, that tuning process is error-prone and time consuming. An administrator must repeat many iterations to find an optimal configuration and even at each step non-trivial tasks, including proper configuration of a server and launching benchmark clients, are required. In this paper, we present a scripting environment for efficiently describing such tuning process. We offer distributed objects as ways to manipulate a server and benchmark clients. By this way, tuning process can be described by scripting them in an integrated environment. We also provide automatic tuning as a library for further efficiency. In the experiments, we confirmed that tuning of an Apache web server under SPECweb2005 benchmark and a Hadoop cluster were successfully possible in our tuning environment.