著者
太田 莉加 西本 実苗 井上 健
出版者
関西学院大学
雑誌
臨床教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.83-96, 2005-03-25

今回の研究では,私立の4年制K大学に通う学生316名(男性105名,女性211名)を対象に,独自に作成した(1)ペット飼育に関する実態調査と(2)対ペット尺度,そして(3)MPI,(4)GHQ 30,(5)UPIの5種の質問紙を用いて一斉調査を行った。その目的は,大学生におけるペット飼育の実態を明らかにすること,外向性一神経症的傾向といった側面からの飼い主の性格的傾向や,ペット飼育による心身両面への効果を検討することであった。また,対ペット尺度を作成することで,ペット飼育による人への影響が,具体的にはペット飼育のどういった側面と結びついているのかも検討することとした。実態調査から,現在ペットを「飼っている」者は被験者全体の31.6%(100名),「実家で飼っている」者は10.8% (34名),「以前飼っていたが今は飼っていない」者は25.9%(82名),「飼ったことがない」者は31.6%(100名)であることが明らかとなった。飼っている(た)ペットの種類においてはイヌが圧倒的に多く,それは飼いたいペットにおいても同様であった。また,現在ペットを飼っていない人における飼っていない理由としては,住んでいるところがペット禁止であるからといったものが多かった。今回,飼い主とペットとの関係を客観的に捉えるために対ペット尺度を作成したが,それについて因子分析を行った結果,3因子が抽出され,57項目中39項目が選出された。抽出された3因子については,項目の内容からそれぞれ,肯定的感情因子,関係性因子,スキンシップ因子と命名した。ペット飼育とMPI, GHQ, UPIとの関係を見たところ,ペットを飼う人は,飼ったことがない人よりも,神経症的な傾向が強い人やストレッサーに敏感な人が多いのではないかと考えられた。よって,もともとそういった特徴をもった人がペットを飼う傾向があるのではないかと思われた。対ペット尺度とMPI, GHQ, UPIとの関係を見たところ,飼い主の飼育態度と心身状態の関係は,ペットを現在「飼っている」のか,あるいは「実家で飼っているのか」といったことや,飼い主が飼育当時どの発達段階にいる(た)のかといったことと関係しているかもしれないということが考えられた。また,イヌとネコとで飼い主の飼育態度が異なるということ,異なる特性をもつペットを飼う人にも異なる特徴があるかもしれないということが考えられた。これらのことから,ペット飼育のどういった側面が人へ影響を与えているのかといったことについては,ペットを飼育している(た)時期(飼育状況)やペットの種類によって異なるであろうと推測された。以上をふまえ,今後,青年期にあたる大学生を対象に,更なる調査を行い,ペットによる人への影響をより詳細に見ていきたい。
著者
伊倉 久美子 太田 陽子
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.394-405, 2003-06-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
23
被引用文献数
3 3

Well-defined Holocene marine terraces are present continuously along the west coast of the Asahi Mountains. This area faces the Sea of Japan and is located east of the epicenter of the 1964 Niigata earthquake, which caused an uplift with considerable westward tilting of Awashima Island, located west of the epicenter. In contrast, the study area subsided at the time of the destructive 1964 earthquake, although the presence of Holocene and stage 5e or other marine terraces record the long-term uplift during the late Quaternary of this area (Ota, 1971). This paper describes the nature and the age of Holocene terraces, which had not been studied in detail, and discusses the uplift pattern and its tectonic significance.The Holocene marine terrace here is usually wave-cut platform with few beach deposits. At large river mouths, however, there are relatively wide and flat valley bottom plains, burying drowned valleys, and separated by sand dunes from the present beach. Radiocarbon age from the bottom of terrestrial deposits on marine deposits is 6.4 ka or slightly younger, and indicates that the emergence of Holocene terrace took place ca. 6 ka. The former shoreline height of the Holocene terrace ranges from 8 m to 4 m. Thus, the maximum uplift rate reaches 1.3 m/ka, which is larger than the uplift rate deduced from the Ml (stage 5e) terrace. The Holocene terrace is subdivided into two on the southern part of the Budo Mountains, where the uplift rate of Ml terrace is the maximum. The late Quaternary uplift of this area, deduced from marine terraces, is discordant with coseismic subsidence caused by the 1964 Niigata earthquake. This means that the uplift of this study area is not caused by seismogenetic fault for the 1964 earthquake. We cannot find the specific onshore active fault within or at both sides of the Budo Mountains and the Maya Mountains that was responsible for the coastal uplift. To interpret such a long-term uplift of the coastal area, we need to assume that offshore reverse active fault dipping eastward is repeatedly activated. Establishing the exact location, nature, and length of offshore faults is important to interpret the coastal uplift of this area.
著者
太田 健一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.117, 2004

1.はじめに大雪山国立公園では,近年の登山ブームによる登山客の増加により,土壌侵食による登山道の荒廃が問題となっている.これまで,後藤(1993),渡辺・深澤(1998),沖(2001)らの研究によって登山道における土壌侵食のメカニズムや,侵食に影響を与える環境因子との関係が解明されてきた.それにより,登山道のきめ細かな維持管理の必要性が議論されるようになった(沖,2001)が,国立公園内全域に渡る登山道の現状把握調査や適切な侵食対策に関する議論はまだ行われていない.そこで本研究では,大雪山国立公園の中でも多くの登山者が利用すると思われる,旭岳,間宮岳,裾合平,沼の平,愛山渓を結ぶ登山道の侵食状況を明らかにし,適切な侵食対策について考察を行った.2.調査地と方法調査地である大雪山国立公園は,北海道の中央に位置し,総面積226,764 haにおよぶ日本最大の国立公園である.調査は2003年8月_から_9月にかけて行った.調査対象地域は,旭岳ロープウェイの終着駅がある姿見を起点として,姿見_-_旭岳山頂_-_裾合平_-_間宮岳山頂_-_沼の平_-_愛山渓を結ぶ登山道約12 _km_とした.この登山道は標高1230 mから2185 mに位置する.この登山道上のほぼ100 mおきにプロットを設置し,各プロットにおいて登山道の両側にアルミアングルを打ち込み,登山道の形状を測量した,測量は,近年,注目を浴びているデジタル写真測量を行った.これは,写真測量の応用で,_丸1_市販のデジタルカメラを用いて被写体を2方向から写しこみ,_丸2_得られたステレオ写真を三次元計測ソフトに入力し三次元座標計算を行い,_丸3_登山道の三次元モデルを作成して断面図を出力し,断面積を求める,という方法である.この測量法は,_丸1_ある区間の侵食量を体積で示せる,_丸2_高い精度が期待できるという利点がある.本研究では,多くの三次元計測ソフトの中でも最も信頼性が高いといわれている倉敷紡績株式会社製の三次元計測システムKuraves-Kを使用した.次に,現地踏査および地形図を用いて登山道が位置する斜面形を谷形斜面,平滑斜面,尾根形斜面の3タイプに区分し,さらに登山道の横断面形をその形態的特徴から平型,ガリー型,谷型,複合型の4タイプに区分した,3.結果と考察 調査の結果,AからHまでの8コース計108地点についてステレオ写真が得られた.それより,Kuraves-Kを用いて各プロットの侵食量を求めた.侵食量は,登山道の両側にあるアルミアングル同士を結んだ線を中心として,登山道の平面図上にアングル幅×1 mの方形区を想定し(図),方形区内における登山道側面の植生と裸地の境界から下の部分の体積を登山道の侵食量として算出した.その侵食量は最大で3453657.4 _cm_<sup>3</sup>(裾合平,D-10),最小で1248.6 _cm_<sup>3</sup>(沼の平,G-10)であった.B,C,Dコース(裾合平_-_間宮岳)において侵食量が大きく,A,Gコース(旭岳,沼の平)において侵食量が小さい傾向が示された.また,コースごとに登山道幅と侵食度合い(侵食量/断面積)を平均し散布図を作成したところ,F,Hコースは登山道幅が狭いにもかかわらず侵食を受ける強度が強く,B,Cコースは登山道幅が広い上にある程度の侵食を受けやすいことが示唆された.これらの登山道には早急な対応策が必要である.
著者
竹田 智雄 棚橋 徳重 飯田 宏樹 太田 宗一郎 加藤 洋海 山本 道雄
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.441-446, 1989-09-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
22

三叉神経障害を経過中の早期に合併した混合性結合組織病の一例を経験した. おもな臨床症状は, レイノー現象, 左顔面のしびれ感, 四肢筋肉低下, 多発性関節痛, 嚥下障害, 全身筋肉痛であり, 血清学的には抗核抗体陽性 (speckled patern), 抗RNP抗体陽性, 抗Sm抗体は陰性であった. 三叉神経障害は, 第二枝および第三枝に著明であり, ステロイド療法に抵抗性であった. チクロピジンにより一時的に寛解したものの再び増悪した. SGBにより症状は改善し, さらにSGBとOHPの併用により, 左上歯肉部を除いてほぼ左右差がなくなる程度まで改善した.
著者
太田 能之 石橋 晃
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.81-89, 1995-03-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
20
被引用文献数
8 11

メチオニン欠乏および過剰によるブロイラーの生産能の低下とそれに対するグリシンの緩和効果の理由を明らかにするため,2つの実験を行った。実験1では,トウモロコシ-大豆粕飼料に段階的にメチオニンを添加してブロイラーの最大生産能の至適なメチオニン水準を求あた。実験2では不足および過剰メチオニン飼料給与時の生産能低下に対するグリシンの緩和効果について調べた。最大成長はメチオニン水準は0.46%,最大成長の70%は0.26および1.56%で得られた。そこで試験2では0.26%, 0.46%と1.56%区を選び,それに0.6%のグリシンを添加した。メチオニン過剰により成長は70%まで低下したが,グリシン添加によって88%まで緩和された。メチオニン欠乏による成長低下はグリシンでは緩和されなかった。体重に差がないにも関わらず,腹腔内脂肪含量はメチオニン過剰では欠乏時に比べ低かった。腹腔内脂肪含量はグリシン添加によって60%までしか回復しなかった。血漿メチオニン濃度はメチオニン過剰飼料によって急激に増加し,グリシン添加によって減少した。血漿グリシン,トレオニンおよびセリン濃度はメチオニン過剰によって低下しなかった。
著者
鶴田 猛 富崎 崇 酒向 俊治 太田 清人 田上 裕記 南谷 さつき 杉浦 弘通 江西 浩一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E4P3193, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】我々は、日常生活における活動場面において、その活動目的や趣味、嗜好に合わせ履物を選択し使用している。仕事で使う安全靴やスポーツ活動で使用する運動靴、外見の美しさを追求するパンプスなど、履物の種類は多種多様である。様々な活動に必要な姿勢変化や動作が安定して行われるためには、足底と床とが十分に接し、足部にて荷重を適切に受け止める必要がある。歩行による、骨・関節、軟部組織など足部の機能変化は、支持基底面や足部支持性に影響を及ぼし、安定した立位や歩行などの能力改善をもたらすものと考える。これまで、履物と歩行との関連に関する研究は多数報告されているが、足部機能等の評価法の一つである「足底圧」との関連を報告した例は少ない。本研究は、歩行時における履物の違いによる重心の軌跡の変化を捉えることにより、履物が足部機能に与える影響を明らかにすることを目的とする。【方法】対象は健康な若年成人女性6名(年齢18~32歳)とし、使用した履物は、一般靴及びパンプス、サイズはすべて23.5cmとした。歩行にはトレッドミルを用い、速度4km/h、勾配3%に設定し、裸足、一般靴、パンプスを着用し、1分間の慣らし歩行の後、30秒間(各靴3回測定)の足圧測定を行った。足圧測定には、足圧分布測定システム・F―スキャン(ニッタ株式会社製)を使用し、裸足、スニーカー、パンプス着用時の重心(圧力中心)の移動軌跡長を比較検証した。実験より得られた足圧分布図において、重心点の開始位置(始点・踵部)及び終了位置(終点・踏み付け部)を算出し、(1)始点(2)終点(3)重心の長さの3項目について、それぞれの全足長に対する割合を求め、裸足、一般靴、パンプスにおけるそれぞれの値を対応のあるt検定にて比較検討した。【説明と同意】被験者には、本研究の趣旨、内容、個人情報保護や潜在するリスクなどを書面にて十分に説明し、同意を得て実験を行った。【結果】始点において、裸足は一般靴及びパンプスとの比較で有意に値が小さく、パンプスは一般靴よりも有意に大きな値が認められた。終点において、裸足はパンプスとの比較で有意に小さな値が、パンプスは一般靴よりも有意に大きな値が認められた。裸足と一般靴との間に有意差は認められなかった。重心の長さにおいて、裸足は一般靴及びパンプスとの比較で有意に大きな値が認められた。一般靴とパンプスとの間に有意差は認められなかった。 始点は、裸足、一般靴、パンプスの順で裸足が最後方(踵部)に最も近く、終点は、一般靴、裸足、パンプスの順でパンプスが最後方(踵部)から最も遠く、重心の長さは、パンプス、一般靴、裸足の順でパンプスが最も短かった。【考察】裸足歩行では、一般靴及びパンプスを着用した歩行に比べて重心の長さが顕著に長く、始点が最も後方に位置していることから、踵部でしっかりと荷重を受けた後、踏み付け部に重心が至るまで、足底全体を使って歩行していることが分かった。また、足圧分布図の重心軌跡を見てみると、重心線の重なりが少なく、履物を着用した歩行の重心軌跡に比べて、足部内外側へのばらつきが大きいことが見られたことから、履物を着用することにより、足関節及び足部関節の運動が制限され、結果的に重心の移動範囲が限定される傾向があることが示唆された。 パンプスを着用した歩行では、始点・終点ともに最も前方に位置していることから、本来、踵部で受けるべき荷重の一部が前足部に分散し、前足部における荷重ストレスが増強していることが推測される。更に、踵離地における荷重が踏み付け部前方もしくは足趾においてなされている傾向があり、蹴り出しに必要な足趾の運動が制限されるなど、足部が正常に機能していない可能性がある。また、重心の軌跡が最も短いことから、足部の限局した部位を使用した歩行であることが示唆された。このような足部の偏った動きが、将来足部病変をもたらす可能性につながると思われる。【理学療法学研究としての意義】我々は、ライフスタイルや職業の違いにより、様々な履物を着用して活動しているが、外反母趾や扁平足、足部の痛みや異常を訴えるケースは非常に多い。歩行時における履物の違いが足部に与える影響を理学療法学的に検証することで、より安全で機能的な履物の開発の一翼を担うことができ、国民の健康増進に寄与できるものと考える。
著者
山田 典一 松田 明正 荻原 義人 辻 明宏 太田 覚史 石倉 健 中村 真潮 伊藤 正明
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.233-238, 2012-08-25 (Released:2012-08-30)
参考文献数
9

●要 約:弾性ストッキングは静脈血栓塞栓症の理学的予防法の一つとして汎用されており一定の予防効果が報告されている.他の予防法と比較しても,出血性合併症のリスクがなく,簡便で比較的安価であることより,使用しやすいという利点がある.わが国でも以前より静脈血栓塞栓症予防法の一つとして用いられていたが,2004年の肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドラインの公表と,さらに同時期に肺血栓塞栓症予防管理料が保険診療報酬改定で認定されたことを契機に急速にその使用頻度が増加した.しかしながら,多くの前向き大規模研究が行われている薬物的予防法と比較すると未だ十分なエビデンスがあるとは言い難い.本項では,静脈血栓塞栓症に対する一次予防法としての弾性ストッキングの現時点でのエビデンスをレビューする.
著者
太田 一昭
出版者
九州大学大学院言語文化研究院
雑誌
言語文化論究 (ISSN:13410032)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-14, 2018

Hope's The Authorship of Shakespeare's Plays, published over two decades ago, is one of the most highly cited books in recent Shakespeare attribution studies. The present paper reviews the book, arguing that although it offers a valuable documentation of how playwrights responded to the rapid rate of change in English grammar in Renaissance England, Hope's method to combine linguistic and statistical analysis is only of limited use for authorship attribution. The Authorship of Shakespeare's Plays explores the authorship of Shakespeare's collaborations with Fletcher and Middleton, and the "apocryphal" plays. Hope attempts to determine the authorship of these plays based on what he calls "socio-historical linguistic evidence." He carries out a comparative investigation of the differences between playwrights in the usage of the auxiliary do, the relative pronouns who, which, and that, and the second person pronouns thou and you, and argues that these three forms of linguistic evidence can be used as authorship tools. Of these three, he decides that auxiliary do evidence serves as the most powerful tool that can be used for distinguishing playwrights. He examines the percentage of the "regulated" (now standard) use of the auxiliary do in each scene of his target texts, Shakespeare's "collaborative" plays, as well as in each of his control texts, Shakespeare sample 1 (six early plays of Shakespeare), Shakespeare sample 2 (ten late plays), and works by other playwrights (twenty-seven plays by five writers). He finds that the average regulation rate of the auxiliary do for the two Shakespeare samples (82%) is much lower than that for any non-Shakespeare sample. For example, the average regulation rates for the Fletcher sample and the Middleton sample are 92 percent and 90 percent respectively. Hope uses these collected statistical data to determine the authorship of individual scenes as well as of individual plays. Hope's approach to authorship attribution based on linguistic evidence has been highly regarded by leading Shakespearean scholars. Brian Vickers calls his method using auxiliary do evidence "a new and powerful authorship tool" (Shakespeare, Co-Author 121), and Tiffany Stern refers to his "tracing different early modern forms of auxiliary 'do'" as a "brilliant" analysis ("Fletcher and Theobald as Collaborative Writers" 130). The problem is that Hope's comparative analysis using the auxiliary do is capable of distinguishing playwrights in some cases but not in others. For example, the overall regulation rates for the Shakespeare samples (82%) and the Marlowe sample (87%) are different enough to discriminate the two writers. However, if we compare the regulation rate of Shakespeare's Richard II (83%) and that of Marlowe's Edward II (85%) — two English history plays analogous in subject matter — the difference is not great enough to be statistically significant. Hope's comparative method using do evidence can be even more problematic with individual scenes than with individual plays. He states that "a significant sample represents a scene of fifty or more tokens" and that "the degree of certainty of any ascription will increase with sample size" (Hope 24). However, his method does not work effectively with some of those "longer" scenes that have "fifty or more tokens." The scene by scene regulation rates for Shakespeare's "collaborative" plays as well as for the control texts are given in the Statistical Appendix (Hope 156-76), and the figures for many of the scenes of "fifty or more tokens" which critics claim Shakespeare may have written appear much closer to the figures for non- Shakespeare plays than to those for the Shakespeare samples. For example, three of the five scenes of The Two Noble Kinsmen which many critics believe were written by Shakespeare show more Fletcherian than Shakespearean regulation rates (1.01=90%, 5.01b=89%, 5.04=90%). The regulation rates for two of the three scenes of Edward III (1.02=91%, 2.02=90%) which many Shakespearean scholars agree were written by Shakespeare are significantly higher than the average rate for the Shakespeare samples (82%). This indicates that Hope's comparative analysis based on auxiliary do evidence is not always a dependable tool to identify Shakespeare's hands in his "collaborative" plays.
著者
石井 晃 太田 奨
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.50-58, 2015

We apply a mathematical theory for hit phenomenon for prediction of the "general election" of AKB48 which is very popular girls group in Japan.
著者
湯田 厚司 小川 由起子 荻原 仁美 鈴木 祐輔 太田 伸男 有方 雅彦 神前 英明 清水 猛史
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.6, pp.833-840, 2017-06-20 (Released:2017-07-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

スギ花粉舌下免疫療法のヒノキ花粉飛散期への効果を検討した. 方法: スギ花粉舌下免疫療法 (SLIT) を行ったヒノキ花粉症合併180例 (平均37.0 ± 17.0歳, 男性105例, 女性75例, CAP スコアスギ4.6 ± 1.1, ヒノキ2.7 ± 0.8) を対象とした. スギ・ヒノキ花粉とも中等度飛散の2016年に日本アレルギー性鼻炎標準 QOL 調査票の QOL およびフェーススケール (FS) と, 症状薬物スコア (TNSMS) を花粉ピーク期に調査した. また, 花粉飛散後に両花粉期の効果をアンケート調査した. 結果: 飛散後アンケートで, 治療前にはスギ期で症状の強い例が多く, SLIT の効果良好例はスギ期68.7%とヒノキ期38.7%でスギ期に多かった. 両花粉期を比較すると, 同等効果42.2%であったが, ヒノキ期悪化が半数以上の54.9%にあった. 各調査項目の平均では両花粉期に有意差がなかったが, 個々の例で TNSMS スコア1以上悪化例が27.2%あり, スギ期軽症の FS 0または1の43.4%で FS が悪化した. 治療前にスギとヒノキ期に同等症状であった例の30.4%でヒノキ期に TNSMS が悪化した. 一方で, 治療前にヒノキ期症状の強かった8/30例 (26.7%) でヒノキ期に改善し, 効果例も認めた. 結論: スギ花粉舌下免疫療法はヒノキ花粉症に効果例と効果不十分例があり, ヒノキ期の悪化に注意が必要である.
著者
上田 尚純 青野 正宏 田窪 昭夫 太田 賢 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モーバイルコンピューティング] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, no.50, pp.33-40, 1999-05-28
参考文献数
7

蓄積されたビデオを通信回線を介して高品質で送るための、アプリケーション層での工夫の一つとしてクライアント端末でのバッファ利用がある。送られてきたビデオデータをある時間分バッファに貯えてから表示することで、通信回線上で生じる遅延による揺らぎ、通信エラーによる表示の中断などを大幅に緩和ないし解消することができる。ハードウエアの高速化、廉価化で、クライアント側である程度の容量のビデオデータ用のバッファを持つことは問題でなくなってきており、バッファを利用することで、アプリケーション層での処理により、受信側のクライアントでの高品質でのビデオ表示が可能になる。この実現方法とシミュレーションによる評価結果を述べる。
著者
北川 裕久 田島 秀浩 中川原 寿俊 牧野 勇 中沼 伸一 林 泰寛 高村 博之 二宮 致 伏田 幸夫 萱原 正都 太田 哲生
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.178-184, 2013-04-25
参考文献数
13
被引用文献数
3

膵頭部癌の膵頭十二指腸切除術後消化吸収障害に対する,腸溶性高力価膵消化酵素剤パンクレリパーゼの有効性を,従来の膵消化酵素剤から本剤に切り替えた7症例で評価した.消化吸収障害は下痢の程度,体重の増減,日常生活の活動性,消化不良の症状を織り交ぜWong-Bakerのフェイススケールにあわせて,0から5までのGrade分類を新たに作成して評価した.1例で重度の下痢がみられ投与中止した.他の6例では腸溶性パンクレリパーゼへの変更によって,5例で体重増加がみられ,4例で止痢剤減量を要した.消化吸収障害Gradeは,体重増加のなかった症例,止痢剤減量ができなかった症例も含め6例全例で0または1にまで改善していた.膵頭部癌術後の消化吸収障害の改善に,腸溶性パンクレリパーゼの投与は,有用であることが示唆された.また,今回考案した臨床に即したGrade分類は,消化吸収障害の評価に有用であった.<br>
著者
松原宏和 新妻弘崇 太田学
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-9, 2014-11-11

ニコニコ動画や YouTube といった有名な動画共有サイトには膨大な動画が投稿されており,動画のあらすじは興味のある動画を効率よく探すために視聴者にとって大変有益である.そこで本稿では,動画の画像特徴量とコメントを用いて動画の重要場面を検出し,要約サムネイルを生成する手法を提案する.提案する動画要約手法の特徴は,画像特徴量の変化に基づいて検出した各シーンの動画をコメントに基づいて分類し,さらに各シーン中で最も盛り上がる場面のサムネイルを抽出する点にある.これにより,動画内容を網羅しつつ,視聴者が盛り上がる場面を抽出する.評価実験により提案手法の有効性を確認する.
著者
高橋 一男 堀田 泰司 芦沢 真五 北村 友人 黒田 一雄 廣里 恭史 小幡 浩司 新田 功 太田 浩 関山 健 花田 真吾 小早川 裕子 田中 祐輔
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度の研究はNAFSA年次大会(アメリカ)、EAIE年次大会(スペイン)、第6回APEC高等教育協力会議(ロシア)、AIEC年次大会(オーストラリア)、CBIE(カナダ)、APAIE(シンガポール)などに出席し、UMAPを中心としたアジア太平洋地域における学生交流に関する発表を行うとともに、国際会議・大会に出席している政府関係者及び、大学関係者に対するヒアリングを行い、国の政策と大学の国際戦略の関係について分析を行った。その中でも、特に英語圏であるカナダとアメリカが、UMAPへの参加を表明するなど、学生交流に関する新たな関心と問題意識が生まれていることが確認できた。8月18、19日にはUMAP国際事務局を担当する東洋大学、留学生教育学会と連携し、カナダ、アメリカ、オーストラリアから学生交流に関する専門家を招聘し、国際フォーラムとワークショップを開催した。アジア太平洋諸国の大学がどのような大学間連携を模索しているか、というニーズ調査を推進するための意見交換をおこなった。また、オーストラリア、カナダ、米国など発足当初のUMAPには参加していた英語圏諸国から関係機関の代表に参加を得て、今後、これらの国からUMAPへの参加を得ていくための課題検証について意見交換をおこなった。本フォーラムとワークショップには国内外の大学教員、大学職員、政府関係者等の150人を超える参加を得られた。2月15日、19日、3月26日にUMAPタスクフォース会議を開催し、本科研メンバーと各国国内委員会の代表が意見交換を行った。その中で、UMAPに実際に係る専門家に対し行ったSWOT分析や、日本国内のUMAP参加大学、非参加大学に対するUMAPに関するアンケート調査の分析を行い、今後のUMAPプログラムの発展に寄与するいくつかのアクションプランが提言された。