著者
芳賀 敏郎 竹内 啓 奥野 忠一
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.35-40, 1976-04-15 (Released:2019-03-13)

重回帰分析における説明変数の選択の基準として従来使われていた「残差平方和 RSS」に対して,最近 Allen の提案した「予測平方和 PSS」について検討した.(1) 計算量を大幅に減少するアルゴリズムを考案した. (2) PSS の性質,特に RSS との違いを調べるために,2つのモデル実験を行った.(3) PSS, MSEP, RSS の期待値 (またはその下限) を求めた.(4) 自由度2重調製済重相関係数 R**^2 を提案し,R**^2 の最大を基準とする変数選択は,F IN = F OUT = 2 とする通常の逐次選択法に近いことを証明した.
著者
中室 克彦 奥野 智史 高田 聡子 田口 寛 井上 知明 上田 彬博 福永 勲 加賀城 直哉 服部 幸和 厚井 弘志
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.177-181, 2006 (Released:2010-01-09)
参考文献数
14
被引用文献数
9 6

This study was carried out to clarify the influence of sewage effluent on the temperature of urban river water. This investigation focused on the river basin of the Yodo River. The annual mean water temperature of the river depended on the annual mean atmospheric temperatures at all monitoring points except the Katsura River (Miyamaebashi) located on the lower reaches of a large-scale sewage treatment plant. The annual mean water temperature of Katsura River (Miyamaebashi) was significantly higher than the annual mean atmospheric temperature and increased by approximately 1.2°C within the period from 1972 to 2001. The increase in the water temperature of the Katsura River (Miyamaebashi) was attributable almost entirely to effluent from the sewage treatment plant. Because the temperature of the effluent from the sewage treatment plant was higher than the river water temperature before the inflow of the effluent, Katsura River water warmed significantly following the inflow of the sewage effluent. Katsura River water temperature after the inflow of sewage effluent increased considerably within the period from 1970 to 2003. The influence of sewage effluent was remarkable in winter in comparison with summer. These results suggest that effluent from sewage treatment plants is one of the factors causing the increase in river water temperature.
著者
奥野 みどり 上原 徹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.177-189, 2019-04-15 (Released:2019-04-26)
参考文献数
38

目的 保健師がやり取り遊び等を介して乳幼児の社会性や言語発達,微細運動等を評価する半構造化行動観察(Social Attention Communication Surveillance-Japan;以下,SACS-J課題項目)を導入し,自治体乳幼児健康診査(以下,健診)による継続追跡により得られた医学診断を基に,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;以下,ASD)診断との関連を検討した。方法 A町で平成23年・24年に生まれ,1歳半健診および3歳児健診のいずれも受診し,平成28年12月まで追跡できた372人を対象に,15か月,20か月(1歳半健診),27か月,38か月(3歳児健診)の各月齢時期の健診と並行し,SACS-J課題項目を用いて保健師が行動特性を評価した。医学診断によるASD診断群と医学診断に至らない定型発達群の2群について各月齢時期の行動特性との関連を統計的に比較した。結果 医学診断により,ASD診断8人が明らかになった。ASD群と定型発達群の2群を比較したところ,男児が女児に比してASD群の割合が高く[P<.05],「お座り」・「20か月時点での歩行開始」の獲得時期が定型発達群に比してASD群が有意に遅かった[P<.05]。SACS-J課題項目では,各月齢時期に共通して有意差が認められたのは,アイコンタクト(15か月[P<.05],20か月・27か月・38か月[P<.001],共同注意行動(15か月の「視野外の指さし理解」[P<.001],20か月の「大人」[P<.05],「自分」[P<.01],「応答の指さし」[P<.05],27か月の「自発的提示」[P<.001]),言語発達(15か月[P<.01],20か月[P<.01],27か月・38か月[P<.001])であった。微細運動は,15か月[P<.001],27か月[P<.01]において,定型発達群に比してASD群が有意に高かった。結論 保健師による標準化された行動観察評価を1歳半健診前からの早期に導入することで,ASDが疑がわれる児を自治体における公衆衛生活動のレベルで早期に同定し,地域での保健指導や養育発達支援に結び付けられる可能性が示された。
著者
奥野 卓司 岸 則政 横井 茂樹 原 以起 奥野 圭太朗
出版者
学校法人 関西学院大学先端社会研究所
雑誌
関西学院大学先端社会研究所紀要 (ISSN:18837042)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-54, 2017 (Released:2021-05-15)

人工知能(AI)、自動運転(AD)に関して、政府や自動車産業界の期待は非常に高い。だが、社会科学の分野では、それらの期待は技術決定論、ハイプサイクル、監視社会化にあたるとして、むしろ批判的な言説が多い。一方で、近年、社会学の分野で、アーリの『モビリティーズ──移動の社会学』、エリオットとの共著『モバイル・ライブス』など、現代社会のモビリティに生じている変容に着目して、新たなパラダイムで解読しようする流れが起こっている。本稿は、このパラダイム転換の流れのなかで、先端技術の工学的最前線と社会科学の研究者との共同研究によって、近未来に人間のモビリティがどのように変容し、いかなる社会的課題が生じつつあるのか、考察した。「移動-不動」×「機能性-遊戯性」の2 軸で構成した図で、情報技術の進歩により「移動×機能性」に属する事項が急減し、「不動」領域が拡大していることが実証された。これにより、人工知能、自動運転が進めば進むほど、自動車の必要な作業はロジスティックス(物流)の領域に限定されていくことが判明する。近未来に、人間の移動欲求を解発するには、移動の体感拡張、個人対応の観光情報の移動中での提示、歴史文化・サブカルチャーへの個人対応接触、人間関係の紐帯変化に適応したクルマと社会システムが必要であることを明らかにした。ここから、自動運転小型ビークルによるワイナリー・酒蔵巡り、個人履歴のビッグデータによる文化観光リコメンドシステム、AI による不自由度の低いシェアライドなどの可能性を、技術と社会の両面から検討し、提案した。
著者
奥野 景介 生田 泰志 若吉 浩二 野村 照夫
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.211-223, 1998-08
被引用文献数
1

本研究では,1996年度および1997年度日本選手権大会において,100m自由形に出場した一流選手を対象に競泳のレース分析による各パラメータから検討を行った。分析の結果,1996年度および1997年度ともに決勝進出者は予選失格者よりも,競技レベルにおいて有意に優れていることが明らかになり,年度間の比較では,男女ともに統計的な差異は認められなかった。また,100m自由形レースにおいて,ターン局面は競技力向上に有効な要因となることが示唆された。スタート1回制については,1996年度と比較して1997年度のスタート局面速度の低下がみられ,特に決勝進出者は顕著に影響していることが散見された。ストロークの特徴を表すパラメータであるストローク長およびストローク頻度は,高い負の相関関係があり,それらは従来の方法よりも細部に分類する必要性が示唆された。The purpose of this investigation was to analyze of races and stroke characteristics for the Japanese elite swimmers who had participated in 100-m freestyle event at the 1996 and 1997 All Japan swimming championship. The performance of 32 male and 32 female swimmers in the event were analyzed to determine 14 parameters and to compare within each year and between 1996 and 1997, to asses the relationships between these parameters. The results as follows; 1) The female and male finalist swimmers were superior more than preriminary swimmers in swimming performance. 2) A statistical significant difference was not admited both female and male swimmers in the comparison of swimming performance at the 1996 term and 1997 term. 3) It was suggested that maintaining the 25-45m and 75-95m of stroke phase velocity become the factor of swimming performance improvement. 4) It was able to be comfirmed that the turn phase was also important in the race of 100-m Freestyle. 5) Stroke length and stroke rate showed a high negative correlation in this study was suggested from the current method of race analysis. 6) The once start system had the influence, especially, the finalist was remarkable.
著者
須藤 圭治 今井 義廣 沖井 明 喜多 憲司 近藤 圭三 松本 初男 宮川 智 左古 多佳子 奥野 秀樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.G0405, 2008

【はじめに】ポートフォリオとは、学習者自身の意志で成果や情報を一元化したファイルのことを指す。その作成を通じて学習のプロセスを再確認し、新たな価値を見出すことをポートフォリオ評価という。鈴木らは、当事者の内省と主体性の発揮を促す面で医療者の卒前卒後教育へのポートフォリオ評価導入の有用性を説いているが、理学療法士の臨床実習においては未だ導入経験の報告がない。今回我々は、鈴木の提唱する「ポートフォリオ評価」を基軸にした臨床総合実習を試みたのでその経過を報告する。<BR>【方法】対象:臨床総合実習生1名。期間:実習期間8週、指導者2名が担当。報告会は、医師、作業療法士も同席する症例検討会型式で行い、実習生へのフィードバックは口頭及び用紙記入で行い、回収した用紙は学生に明示した。総括は実習終了時のレポート、感想文、成長報告会での意見を参考に行った。実習の進行は以下のとおり。第1週「目標書き出しシート」にもとづく「目標カード」の作成とオリエンテーション、第2週:主症例の評価開始、第3週:症例初期評価報告会、第5週:文献抄読の報告会、第7週:症例最終評価報告会、第8週:成長報告会。<BR>【結果】ポートフォリオはクリアファイル2冊分になり、内容の割合は症例関係5割、勉強会関係3割、自己学習2割であった。実習生の感想は「気づきのチャンスが増え、主体的に学習できた」「自身の成長過程がわかった」「実習後の取り組みに生かせる」であり、要望は「実習前、実習初期にこの評価の十分な説明があればよかった」であった。スタッフの感想は「振り返る機会になる」「自己の問題点と改善点が整理できている」「自身の目標を持ち続ける大切さを学べたのではないか」である一方で、「この評価法を理解していないため意見し難い」「勉強会が必要」との意見があった。<BR>【考察】一般的な臨床実習は症例の初期評価に始まり最終評価で帰結し、養成校の評価表にそって指導者が実習生を評価するものであるが、今回の試みは、この流れを踏襲しながらも、「ポートフォリオ評価」を導入する事によって実習生の内省が常に必要とされる点が特徴といえる。実習導入期の「目標シート」作成、展開期の報告会および多面的なフィードバッグ、最終週の成長報告会は、ポートフォリオの見直しを通じての自己省察を深める機会となった。課題としては、実習生に簡潔に説明できる当院での「ポートフォリオ評価」マニュアル作成とスタッフ内の周知の必要性があげられる。今後、実習施設でのポートフォリオ評価が浸透すれば、学内教育と臨床教育との連携を強化するための有効なツールになると考える。<BR>
著者
奥野 高廣
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.520-558, 1979-07-01

個人情報保護のため削除部分あり
著者
奥野 志保 橋本 進 猪俣 浩一郎 森本 せつ 伊藤 厚子
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.213-216, 1990
被引用文献数
2

Amorphous Co-ferrite thin films not containing glass formers were prepared by ion beam sputter deposition. Their magnetic properties were invetigated by means of low field dc magnetization and ac susceptibility measurements, which gave evidence of spin glass behavior. Temperature dependence of magnetization in an external field of 50 Oe exhibited an irreversibility below nearly room temperature, which decreased with increasing field. A cusp corresponding to spin freezing temperature was observed at 284 K in ac susceptibility measured at 80 Hz, 1 Oe. Below this temperature, relaxation of thermoremanent magnetization was observed. Besides this transition at 284 K, a sharp peak which suggests another transition was observed at 86 K in ac susceptibility. It is considered that the spin glass ordering with a high spin freezing temperature is mainly caused by amorphousization for strong super-exchange interactions.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 Wagner G. S. 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984
著者
奥野克巳著
出版者
春風社
巻号頁・発行日
2006
著者
笠間 友博 山下 浩之 萬年 一剛 奥野 充 中村 俊夫
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.229-232, 2010
被引用文献数
1

The Futagoyama lava dome, one of the post-caldera central cones of Hakone volcano (Kanagawa, Japan), is though to have formed by a single eruption at 5 ka. However, in this study, we show that the dome formed over the course of at least three eruptions. We discovered a relatively old block-and-ash flow deposit (Hakone-Futagoyama Yamazaki block-and-ash flow deposit [Hk-FtY]) that originated from the Futagoyama lava dome, as indicated by its chemical composition and its age of 20,390 &plusmn; 40 yr BP. We also re-examined the source of the Shinanoya pyroclastic flow deposit, which was previously interpreted to be of Komagatake origin and was dated at 17,920 &plusmn; 320 yr BP (reference), and concluded that this deposit also originated from the Futagoyama lava dome. The recent eruptive history of Futagoyama suggests that its eruptions may have been synchronous with those of Kamiyama. In addition, the eruptive centers of Futagoyama and Kamiyama are aligned with each other along a linear trace.