著者
上岡 千紋 由井 芹菜 山本 栞 山崎 広之 西端 芳彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.O9, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
10

化学構造データベースは、化学に関する研究情報の蓄積・公開には必須のシステムであるが、商用システムは導入・運用コストが高く、大学などの研究機関にはあまり普及していなかった。非営利研究機関向けライセンスやオープンソースソフトウェアの登場により、大学などでの利用も可能にはなったが、実用に供するシステムを開発するには大きな労力が必要である。一方、システム開発の効率化のためにアジャイル開発が注目を集めている。我々は、アジャイル開発と親和性の高いWebフレームワークであるDjangoに注目し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化合物データベースシステムの開発を試みた。我々の研究は、コンピュータプログラミングについての知識のない薬学部の学部学生が、短期間で実用的な化学構造検索システムを開発可能であることを示し、DjangoとRDKit database cartridgeの組み合わせによる化学構造データベースシステム開発の有用性を明らかにした。
著者
山崎 真治 藤田 祐樹 片桐 千亜紀 黒住 耐二 海部 陽介
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.9-27, 2014 (Released:2014-06-24)
参考文献数
8
被引用文献数
2

2012~2013年に沖縄県南城市サキタリ洞遺跡調査区IのII層(約16400~19300 BP[未較正])を発掘し,人骨2点(臼歯1点と舟状骨1点)とともに39点の断片化した海産貝類を検出した。先に報告したI層出土のものと合わせ,計47点にのぼる海産貝類は,人為的に遺跡近辺に運搬され,埋没したものと考えられる。II層由来のマルスダレガイ科(マツヤマワスレ[Callista chinensis]・ハマグリ類[Meretrix sp. cf. lusoria]),クジャクガイ[Septifer bilocularis],ツノガイ類[“Dentalium” spp.]について組成や形状,割れ方について記載するとともに,微細な線条痕および摩滅・光沢を観察したところ,マルスダレガイ科の破片には定型性が認められ,二次加工と考えられる小剥離痕が高い頻度で見られた。また,特定の部位に使用痕や加工痕と推定できる摩滅・光沢や線条痕が観察できることから,少なくともその一部は利器として使用されたと考えられる。また,クジャクガイの一部にも,使用痕と見られる線条痕や損耗が観察できた。ツノガイ類は,産状から装飾品(ビーズ)として用いられた可能性が高く,その一部には人為的な線条痕が観察できた。以上のことから,II層出土の海産貝類の少なくとも一部は,利器・装飾品を含む道具(貝器)として使用されたものと考えられる。II層出土の人骨と合わせて,こうした貝器の存在は,サキタリ洞での人類の活動痕跡が,少なくとも16400~19300 BP にまで遡ることを示している。
著者
山崎 友里江 蓮見 孝
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.161, 2011 (Released:2011-06-15)

現状の病院食は、患者の症例に合わせた数百食もの食事を用意するための作業コストや配膳時の都合により、見た目が損なわれている傾向がある。充実した食事を摂ることは患者にとって精神的健康に繋がるため、どのような状況下においても、おいしいと感じながら食事を摂ることができるような仕組みづくりをデザインの観点から行うことが望まれる。本研究では、病院食の見た目を損なう原因として、ここで使われている特殊なトレーの形状によって食器の配置が乱れていることに着目した。そこで、病院食のトレーの上に、パターンを施したシートを敷くことによって、トレー上の構成を美しくし、食事をおいしそうに見せるためのパターンデザインに取り組んだ。
著者
山崎 友裕 西野 博満 片山 大希
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.76, no.762, pp.145-150, 2010-02-25

Electromagnetic acoustic transducer (EMAT) is applied to resin cure monitoring in manufacturing process of fiber reinforced plastic (FRP) by resin transfer molding (RTM) method. The RTM is suitable for fabrication of FRP products of three-dimensional complex shape. In order to reduce the cost by minimizing the cycle time, cure monitoring is required. Authors have already ensured that the EMAT can detect the resin flow front in RTM process by monitoring the change in reflection coefficient at mold surface due to resin impregnation. The reflection factor is also affected by the resin viscosity. In this study, during the curing process, we measure the attenuation coefficient of standing wave introduced in the mold. Results are compared with impedance of dielectric sensor located inside the mold, showing that the degree of cure can be evaluated by EMAT at outer surface of the mold.
著者
山崎 征子 小田 義隆 上村 晶
出版者
高田短期大学
雑誌
高田短期大学紀要 (ISSN:09143769)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.107-116, 2012-03

2009年度から「子ども理解」を深める姿勢を培う取り組みである「子ども発見ノート」の実践を開始して3年目をむかえた。本稿は、2009年度に入学した学生を対象とした継続的な「子ども発見ノート」の取り組みに関する分析の2年目にあたる。この取り組みを2年間継続したことの有効性を可視的に数値で表わすとともに、学生たちが継続して「子ども発見ノート」を記録し続けたことによって修得した学びの実態(「子ども理解」に関する成長)を考察したものである。
著者
山崎 益吉
出版者
高崎経済大学
雑誌
産業研究 (ISSN:09155996)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.27-44, 2011-09-30
著者
大槻 眞 坂本 長逸 前田 光雄 岡野 邦泰 尤 芳才 山崎 富生 馬場 茂明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.359-365, 1978 (Released:2007-12-26)
参考文献数
14
被引用文献数
1

1-phenyl-1-hydroxy-n-pentane (PHP) をラット十二指腸内へ注入し, 血中セクレチン濃度, 膵液, 膵アミラーゼ分泌量を同時に測定した. さらにPHPの作用に対するソマトスタチン (GIF) の影響もあわせて検討した.PHP 200mg/kg/min の注入により血中セクレチン濃度は, 5分後には前値の4~5倍にまで増大したが, PHP 50mg/kg/h 注入では血中セクレチン濃度は変動しなかつた. しかし両注入量に対する膵外分泌反応には差がなかつた.PHP 200mg/kg/min に対するセクレチン反応はGIFで完全に抑制されたが, 膵外分泌反応は認められた. 以上より PHP のセクレチン分泌作用は比較的弱く, セクレチン以外の膵外分泌刺激因子 (例えばCCK•PZ) に対し, 強い分泌刺激作用を示した.
著者
山崎 先也 岡本 啓 松久 ミユキ 野原 隆司 田口 貞善
出版者
日本運動生理学会
雑誌
日本運動生理学雑誌 (ISSN:13403036)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.99-105, 2001-10-31

The purpose of this study was to compare the bone turnover between eleven young female rhythmic sports gymnasts(aged 19-21 yr.)and nine sedentary control female subject(aged 21-22 yr.). The gymnasts were training 4-6 hours per day, 7 times per week with dieting. Bone turnover was assesed using speciific biomarkers of formation(serum intact osteocalcin)and resorption(the 24 hours urinary deoxypyridinoline). The gymnasts had significantly lower percent fat and body weights than the control females. The gymnasts showed significantly lower levels of serum calcium but slightly higher urinary calcium concentrations compared with the controls. The gymnasts had significantly higher bone resorption and lower bone formation compared with the control females. The findings suggest that an increased bone resorption in the female rhythmic sports gymnasts may cause loss of bone mass which was probably due to the vigorous exercise training under dieting regimes.
著者
木下 信博 日高 滋紀 塚本 裕二 山崎 伸一 平川 和生 松永 勝也 小野 直洋 志堂寺 和則
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.C0873-C0873, 2007

【目的】高齢化の進行に伴って、変形性膝関節症(以下膝OAと略す)は頻繁に見られる疾患であり、病状が進むと機能的障害を残し日常生活に支障をきたすことが多く、今後高齢者の増加に伴い大きな社会問題になってくる可能性が大きい。膝OAについて、新潟大学大森教授らは、正常な膝伸展時に起こる下腿の外旋:screw home 運動(以下SHMと略す)が膝OAのステージが高くなるに従って出現が低値となっており、ステージ4に至っては、逆SHMが出現していると報告している。このSHMの異常が膝関節の関節軟骨に対する大きなshear stressになっている可能性が大きいと思われる。そこで我々は、九州産業大学大学院の松永教授らとの研究で、健常者と膝OAで歩行時のSHM機能の違いを検討した、更に患者の1日の歩行数の変化もここに報告する。<BR>【方法】大腿と下腿の回旋角度を測定するための装置として、トランスミッタより磁界を発生させ、レシーバはポヒマス社製を使用した。実験は3.5km/hの速度でトレッドミルの上を2分間歩行した、最初の1分間は練習歩行期間とし、残り1分間の内45歩分のデータを解析対象とし、レシーバの位置は大腿部では大腿骨外顆で、下腿部では腓骨小頭とした。そこで本研究では、大腿に対する下腿の回旋角度の傾向を測定することとし、SHM靴(大腿に対する下腿の回旋を促す機能付き靴)の有効性を検証した。<BR>【検証靴の概容】SHM機能が付いていない通常の靴と、立脚期にSHMを発生させるため、靴底に外旋方向の回転トルクを発生させるスクリュー状の弾性体が装着されている靴で比較をおこなった。<BR>【対象】対象者は、膝に障害がない健常者2名と当院に受診中の軽度膝OA患者2名とした。1日歩数の対象者は軽度膝OA患者24名で、SHMなし、1mm、4mmの靴で比較した。<BR>【結果】<BR>結果その1:グラフは縦軸に大腿に対する下腿の回旋を示し、横軸は踵接地からの経過時間を表す。更に、黒の実線が通常の靴で、その他の破線がSHM靴である。これによると健常者における大腿・下腿の回旋運動では、踵接地からスムーズな外旋運動がみられた。<BR>結果その2:軽度膝OA患者2名では踵接地より内旋傾向が見られ、その後に外旋運動が確認された。<BR>結果その3:一日歩数の変化を見ると、SHM1mm群では変化がなく、SHMなし群で若干の歩数の増加が見られたが、SHM4mm群では、3ヶ月目、6ヶ月目と経時的に増加が見られた。<BR>【考察】オープン カイネティックでの下腿の回旋運動は周知の事実だが、歩行時のクローズド カイネティックでの検証を試みた、結果より歩行中で下腿部に外旋の力を伝えることで、膝OA患者の立脚相前期での過度な内旋を抑制する結果となった。我々はこのことによってSHM靴が膝OAに対する効果を発揮し、QOLを改善し歩行距離を伸ばしていると考えられ、このことは、引いては膝OA患者さんが歩行を続けることによって、健康増進につながると思われる。
著者
山崎 修平 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-138, no.12, pp.1-7, 2016-08-01

近年,仮想化環境は広く使用されるようになっている.複数のマシンを動かすためにはハードウェア等の物理資源を仮想化して使用する必要があり,ハイパーバイザ型の仮想化ではハイパーバイザが物理資源を管理する.この様な環境ではスピンロックを獲得することができない仮想 CPU (仮想 CPU) が長期間ビジーウェイトしたままになってしまう Lock-Holder Preemption (LHP) という問題が発生することが知られている.この様な問題に対して,いくつかのハードウェアでは一定時間以上のビジーウェイトした場合にはハイパーバイザに制御を移すような機能が追加されている.Intel ではこれを Pause Loop Exiting (PLE) という.しかし,PLE を利用するだけでは LHP の完全な対策になっておらず,PLE が頻発することによってオーバーヘッドが掛かることがある.本論文では PLE の発生状況と,それに対するスピンロックの獲得状況を分析し,より効率よく PLE を使用するための新しい仮想 CPU スケジューリングの方法について提案する.
著者
遠峰 菊郎 黒崎 一成 山崎 充 小野塚 裕也 黒木 祐樹 菅原 広史
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.437-445, 2003-06-30
参考文献数
11

熱気球は比較的に安価で,通常用いられる気象用気球よりも積載能力が大きく,ガス飛行船と比較して,管理が容易である.この熱気球を観測用プラットホームとして使用し,大気境界層中の気温を観測することを試みた.今回の実験では,熱気球より温度センサーを懸垂して気温を測定する場合,直径17mの熱気球から40m以上離して気温を測定すれば,熱気球水平飛行時及び下降時には±0.2℃より高い精度で気温を測定できることが示された.ただし熱気球が鉛直運動をする際に生じる,温度センサーの応答の遅れによる測定誤差を0.05℃より小さくするためには,応答時間が1秒以下の温度センサーを用いることが望ましい.
著者
有村 保次 西田 俊彦 南 麻弥 横山 葉子 三品 浩基 山崎 新 石崎 達郎 川上 浩司 中山 健夫 今中 雄一 川村 孝 福原 俊一
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.259-265, 2010

我が国の臨床研究の推進には,臨床と研究手法に精通した臨床研究医(clinical investigator)の養成が必要である.我が国初の臨床研究の系統的な教育を行う臨床研究者養成(MCR)コースが京都大学に開設された.今回,本コースの卒業生が臨床研究を実施する上で直面している問題点を調査し,今後の改善策を検討した.<br>1) MCRコース3期生までの全履修者28名を対象に,履修後の臨床研究実施に関する現状や将来像等について自己記入式質問紙調査を行った.<br>2) 回答者24名中(回収率86%),臨床研究を行う上で,「時間がない」,あるいは,「研究協力者がいない」といった問題を挙げる者は,それぞれ40%程度いた.<br>3) 「臨床研究を進めるために職場や周囲への働きかけ」を行った者は20名(83%)いたが,職場において臨床研究の支援が得られたのは1名のみであった.<br>4) このような状況下,自らの10年後の将来像として「病院で臨床研究を行う臨床医」と回答した者が半数以上いた(54%).また,「臨床研究を行う医師のキャリアパスを想像できる」と回答した者は42%であった.<br>5) MCRコースは改善の余地があるものの人材育成の具体的なモデルを呈示した.臨床研究のさらなる発展のため,医療現場における支援体制や人的・物的インフラ整備の必要性が示唆された.

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II