著者
岡本 ゆかり
出版者
日経BP
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.842, pp.52-55, 2020-05-25

ふるさと納税をすると、多くの自治体では特産物を返礼品として受け取れる。1万円を軽く超えそうな高級和牛などをもらっても、実質負担額は年2000円。ふるさと納税のやり方を紹介する。
著者
大久保 優 梛野 浩司 岡田 洋平 生野 公貴 河口 朋子 岡本 昌幸 松下 祥子 高取 克彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B4P2152, 2010

【目的】パーキンソン病患者の機能障害の一つとして,体軸回旋の減少など体幹機能障害があげられる。体幹機能は,ベッド上の寝返り動作や起きあがり動作,歩行時の方向転換,リーチ動作に重要な要素であり,パーキンソン病患者ではこれらの動作が障害されやすい。体幹機能障害は,Hohen & Yahr (H&Y) stage1~2の発症早期から生じると報告されており,病期が進行したH&Y stage3~4の患者では,円背や脊柱の側彎など体幹の変形が問題となる。パーキンソン病患者のリハビリテーションを効果的に行うためには,その特性を反映する客観的な体幹機能評価が必要である。体幹機能評価として,Trunk Impairment Scale(TIS)があげられ,パーキンソン病患者においても有用であると報告されている。しかし,TISの副項目では天井効果が認められており,項目数が多いため測定に時間を要する。もう一つの体幹機能評価として,座位側方リーチテスト(Sit-and-Side Reach test; SSRT)があげられる。脳卒中患者に対して,非麻痺側のSSRTを行った場合,その信頼性は高く,TISとの高い相関も見られ,体幹機能評価として有用であると報告されている。パーキンソン病患者においても,SSRTは体幹機能やその左右差を捉える上で有用である可能性があるが,そのような報告は見られない。本研究の目的は,パーキンソン病患者におけるSSRTと重症度や他の体幹機能との関係を調べ,その妥当性について検証することである。<BR><BR>【方法】対象は,パーキンソン病患者17名であった(平均年齢69.9±9.2歳,男性11名,女性6名,H&Y stage1:1名,2:2名,3:7名,4:7名,平均罹病期間7.3±5.7年)。全ての対象者は口頭指示を理解可能であった。腰痛や脊柱の手術の既往がある者は除外した。評価項目は,SSRT,TIS,Unified Parkinson's Disease Rating Scale part3 (UPDRS-motor)とした。SSRTは,ハンガーラックを用いて作成したスライド式の測定器と40cm台を用いた。測定方法は,開始肢位を40cm台上端座位,上肢90°外転位とし,側方に最大リーチするように指示した。初め三回を練習とし,その後二回測定を行いその平均値を統計解析に用いた。また,左右とも測定し,値が低い方を障害側の体幹機能を反映する指標と捉え,採用値とした。評価は抗パーキンソン病薬の影響を考慮し,服薬1.5~2時間後に統一した。統計解析は,Spearmanの順位相関係数を用いてSSRTとTIS,SSRTとUPDRS-motorとの関係について調べた。またH&Y stage3の患者群と,stage4の患者群のSSRTの差について,Mann-WhitneyのU検定を用いて調べた。<BR><BR>【説明と同意】全ての対象者には,口頭にて本研究の趣旨を十分に説明し,研究参加の同意を得た。<BR><BR>【結果】SSRTとTISの間には,有意な中等度の相関が認められた(ρ=0.51,p=0.04)。また,SSRTとUPDRS-motorとの間にも中等度の負の相関が認められたが,有意ではなかった(ρ=-0.45,p=0.07)。またstage4群はstage3群と比較して,有意にSSRTの値が小さかった(stage3群24.6±6.3cm,stage4群14.2±7.6cm,p=0.04)。<BR><BR>【考察】SSRTとTISとの間に中等度の相関が認められたことから、SSRTはパーキンソン病患者の体幹機能評価として有用である可能性が示唆された。また,SSRTとUPDRS-motorとの間に有意ではないが中等度の相関が認められたこと,stage3群と4群の間に有意な差を認めたことから,SSRTはパーキンソン病患者の重症度を反映する可能性もあると考えられた。今後は症例数を増やし,SSRTの長期的な変化や他のH&Y stageとの関係について検証する必要がある。また,パーキンソン病患者のSSRTの左右差や健常高齢者との差異について検証していく必要がある。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】パーキンソン病患者のリハビリテーションを行う上で,長期にわたって体幹機能を維持することは,身体機能やADL,QOLを維持する上で重要である。しかし,客観的で定量的な体幹機能評価は少ない。今回の研究結果より,SSRTはパーキンソン病患者の体幹機能評価として,有用である可能性が示唆された。また,今回の結果より,SSRTが重症度の差異を捉えることができたことと,定量的な評価であることから,長期にわたって継時的にパーキンソン病患者の体幹機能の変化を捉えることができる可能性があると考えられる。
著者
大久保 優 梛野 浩司 岡本 昌幸 千葉 達矢 徳久 謙太郎 松下 祥子 岡田 洋平
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.6, 2010

【目的】<BR> パーキンソン病(PD)患者では,発症早期より体軸内回旋の減少など体幹機能障害が起こり,その結果,歩行をはじめとした様々な日常生活動作が障害される。病期が進むと,脊柱の変形が生じ,呼吸機能や嚥下機能にまで問題が波及する症例も多く,体幹機能はPD患者のリハビリテーションを行う上で,非常に重要である。WrightらはPD患者と健常高齢者の体幹回旋の筋緊張を測定し,PD患者では有意に左右差が認められ,体幹筋の固縮に左右非対称性が認められたことを報告している。また,彼らはこの体幹筋の左右非対称性が姿勢や歩行障害に強く関与していると示唆している。これらのことから,PD患者の体幹機能を評価する上で,左右非対称性を捉えることが重要であると考えられる。しかし,PD患者の体幹機能を定量的に評価する指標は少なく,左右非対称性に着目した評価はほとんど見られない。<BR> 我々は定量的な体幹機能評価として,座位側方リーチテスト(Sit-and-Side Reach test; SSRT)を考案し,先行研究において,PD患者のSSRTの併存的妥当性について報告した。SSRTは左右各々の測定が可能であり,体幹機能の左右非対称性を捉えることができる可能性がある。そこで本研究では,SSRTの値およびその左右差を,健常高齢者とPD患者間で比較し,PD患者における体幹機能の特性について検証した。<BR>【方法】<BR> 対象は,PD患者19名(平均年齢69.6±9.0歳,男性12名女性7名,平均罹病期間6.5±5.1年,Hohen & Yahr(H&Y)stage 1:1名,2:2名,3:11名,4:5名)と年齢を一致させた健常高齢者16名(平均年齢68.8±8.6歳,男性5名女性11名)であった。全ての対象者は口頭指示を理解可能であった。腰痛や脊柱の手術の既往がある者は除外した。SSRTは,ハンガーラックを用いて作成したスライド式の測定器と40cm台を用いた。測定方法は,開始肢位を40cm台上端座位,上肢90°外転位とし,側方に最大リーチするように指示した。二回練習後一回測定を行い,その値をSSRTの測定値とした。また左右ともに測定し,左右の差の絶対値(左右差)についても算出した。PD患者の評価は,抗パーキンソン病薬服薬1.5~2時間後に統一した。統計解析は,Mann-WhitneyのU検定を用いてPD患者群と健常高齢者群の右側と左側SSRTの値およびその左右差について比較した。次にPD患者群の中から,既に脊柱の側彎など体幹の変形があるstage4の患者は除外し,stage3以下の患者群と健常高齢者群の右側と左側SSRTの値およびその左右差について比較した。<BR>【説明と同意】<BR> 全ての対象者には,研究の目的に関する説明を口頭にて行ない,自由意思にて研究参加の同意を得た。<BR>【結果】<BR> PD患者群では健常高齢者群と比較して左右とも有意にSSRTの値が低下していた。SSRTの左右差については有意差を認めなかった。stage3以下のPD患者群でも健常高齢者群と比較して左右とも有意にSSRTの値が低下していた。SSRTの左右差は,stage3以下のPD患者群が健常高齢者群と比較して有意に大きかった。<BR>【考察】<BR> Stage3以下のPD患者群と健常高齢者群の比較より,SSRTは軽度から中等度のPD患者と健常高齢者の差異を捉えることができ,比較的発症早期より体幹機能評価として有用であることが示唆された。また,stage3以下のPD患者群のSSRTの左右差が有意に大きかったことから,まだ著明な脊柱の変形がないPD患者では,側方のリーチ動作能力に左右差があり,体幹の可動性を含んだ体幹機能に左右非対称性を認めることが示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 客観的かつ定量的な評価にもとづき,長期にわたって体幹の可動性を維持することは,PD患者の身体機能やADLを維持する上で重要である。本研究結果より,SSRTはPD患者において,比較的発症早期から使用可能で,体幹機能の左右差を捉えることができる新しい定量的な体幹機能評価になり得ることが示唆された。今後はSSRTの継時的な変化について調査し,体幹の側屈変形の予測妥当性や左右差に影響を与える因子について検証する必要がある。
著者
岡本 智周
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.127-146, 2001-05-25 (Released:2011-03-18)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

This paper examines how the image of Japanese Americans has changedin U. S. history textbooks published in the second half of the 20th century.The main contribution of this study is to clarify when and why informationon Japanese Americans as a minority group became included in thedefinition of the “American nation” that had been taught as the basis ofnational integration. Through this examination, this study argues thatthe multiculturalization of education transforms the logic for socialintegration in the host society.The method of this study is the “storyline analysis, ” and the objectsof analyses are eighty history textbooks, study aids, and workbookspublished in the United States from 1952 to 1999. The findings can besummarized into the following three points:(1) Japanese American Studieswere already in full stride before 1988, when U.S. Congress gave a formalapology for the compulsory internment and enacted the Civil LibertiesAct;(2) depictions of people of Japanese descent found their place inAmerican historiography by being included into nationalistic educationalcontents in the 1980s; however, (3) in the 1990s, depictions of Japanese Americans came to reflect the change in U.S. national education, whichstarted attaching more importance to the universally acknowledged rightsof human beings.This study concludes that the change in the images of Japanese Americans between the 1980s and 1990s demonstrates the straying of U.S. history education from old-fashioned nationalism. Although U. S. historyeducation still adopts the form of “national” education, it gives pictures of “ethnic” minorities from the viewpoint of “universal” human dignity.This historiography can be formed within a mixture of ethnic contexts, national contexts, and universal contexts. In this sense, it can be saidthat in the 1990s, the importance of the framework of “national” historywas relativized into the importance of other frames of historiography.
著者
河津 弘二 古閑 博明 岡本 和喜子 槌田 義美 松岡 達司 本田 ゆかり 大田 幸治 久野 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0188, 2005

【はじめに】熊本県菊池地域リハビリテーション支援センター(以下支援センター)では、市町村の介護予防事業を積極的に支援してきた。支援内容は、転倒予防・関節痛予防に対する講話と運動指導、体力評価、そして介護予防の指導等である。今回、元気・虚弱高齢者(介護保険非該当)を対象に、身体面で介護予防を目的とした、統一的な運動プログラム「長寿きくちゃん体操」を開発したので報告する。<BR>【背景】支援センターでは、市町村等の介護予防事業従事者(以下従事者)に介護予防の指導を行い、それを従事者が地域住民に直接指導できるように取り組んできた。しかし、運動面に関しては統一化したプログラムがない為、従事者が地域住民に具体的な対応をするのは困難であった。また、支援センターからの地域住民に対する直接指導も単発的となり、運動を継続して実施できず、市町村全体としての介護予防に繋がりにくいのが現状であった。そこで、日常に安全で効果的な運動を継続できるように、統一化した運動プログラムを開発した。そして従事者や高齢者団体が研修を受ける事で、菊池圏域全体の介護予防に繋げるように企画した。<BR>【内容】「長寿きくちゃん体操」は、老人クラブと医療、保健、福祉との連携で開発した。運動を学習しやすいようにビデオと冊子を作成し、ビデオは説明編と実技編の2種類とした。そして簡単に自宅でできるように1枚のパンフレットも作成した。体操の継続した実施を考えた場合、時間の配慮は必要であった。その為、実技編では上映時間約25分で、運動は準備体操5種類→筋力・バランストレーニング8種類→整理体操2種類とした。具体的内容は、姿勢、バランス、筋力、柔軟性に重点を置き、臨床でアプローチしている運動学的な要素を取り入れている。また筋力・バランストレーニングはマット編と椅子・立位編の2種類に分けてバリエーションを広げている。ビデオでの負荷量としては、準備・整理体操でストレッチを10秒間×2回の7種類とし、筋力・バランストレーニングにおいては、各運動3秒間×3回を8種類で1セットとしている。<BR>【展開】今回「長寿きくちゃん体操」の開発により、菊池圏域での介護予防事業の中にこの運動プログラムが取り入れられ、課題であった従事者から地域住民への安全な運動指導が可能となっている。そして、老人クラブには、活動の一環として体操に取り組む団体もでてきている。「健康日本21」施策で介護予防が重点的に進められており、今後は集団での取り組みは勿論、個別的な元気・虚弱高齢者の運動のきっかけ作りから習慣化、また自己管理ができるように「長寿きくちゃん体操」を活用していく予定である。また、主観的な効果は得ているが、客観的な効果を検証する為、現在継続している評価に加え、第三者の協力による効果判定も実施中である。
著者
増田 游 上田 節夫 西崎 和則 木口 真樹 岡本 宏司 小倉 義郎 永井 廣 鈴木 一憲
出版者
THE JAPAN OTOLOGICAL SOCIETY
雑誌
Ear Research Japan (ISSN:02889781)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.478-481, 1986 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

Authors showed the inhibitory effect of Cepharanthin, a kind of Alkaloid, on the teratogenicity of maternal hypervitaminosis A in the rat in the previous report. At the present study, besides, the effect to the internal malformations induced by maternal hypervitaminosis A were investigated using the same materials of the previous study. Twenty-four fetuses from 2 mothers treated with excessive vitamin A and 31 from 3 mothers treated with both of excessive vitamin A and Cepharanthin were stained with Inouye's bone and cartilage staining method and the findings of their middle ear region were observed under the light stereoscopic microscope. Difference of middle ear findings between 2 groups suggested that the inhibitory effect of Cepharanthin to the teratogenic activity of excessive vitamin A acts even on the internal malformations of middle ear region by the membrane stabilizing effect of Cepharanthin.
著者
福田 大年 岡本 誠 刑部 育子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_11-1_18, 2020-07-31 (Released:2020-08-10)
参考文献数
28

本稿の目的は,参加型デザインにおいて,協創スケッチ法による協働的な創造活動の生成過程を明らかにすることである.協創スケッチ法は,創造過程をスケッチで図化することで,多様な人たちが関わりながら創造活動をする手法として開発した.これは参加者の多様な視点を活かした発想の高度化を支援する効果が期待される.筆者らは,協創スケッチ法を用いたワークショップを観察対象とし,スケッチを用いた協創現象を分析した.その結果,次のことが明らかになった.まず,参加者の創造過程が,多層的に描き加えられる状況と,多様な視点で思考できる状況がつくられていた.さらに,デザイン教育を受けていない参加者でもアイデアの拡散と修練ができていた.協創スケッチ法は,参加者が活動を相互に参照することで,クリエイタ個人の創造過程に近い状態を実現する特徴と,協創の過程を可視化することで,参加者らの相互理解の手がかりとなる特徴を有している.
著者
國本 あゆみ 菊永 茂司 岡崎 勘造 天野 勝弘 佐川 和則 新宅 幸憲 積山 敬経 井上 裕美子 成山 公一 山崎 先也 岡本 啓 石井 信子 田子 孝仁 土岡 大介 福田 隆 林 恭輔 小倉 俊郎 東條 光彦 三村 由香里 松枝 睦美 上村 弘子 津島 愛子 加賀 勝 酒向 治子 土井 真由 鈴木 久雄
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-84, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
35

目的:本研究は大学生男女個々および交互,相互におけるBMIと体型不満の関連について検討することを目的とした.方法:対象は全国14大学に在籍する18-22歳の男性学生4,118名,女性学生2,677名であり,体組成測定およびボディーイメージに関する質問紙調査を用いた横断研究を行った.体組成は健康診断の結果もしくは実測した.結果:対象の平均(SD)BMIは男性21.7(3.3)kg/m2,女性は20.9(2.7)kg/m2であった.BMIが18.5未満の者の割合は男性11.1%,女性14.6%であり,BMIが18.5-24.9の範囲の者の割合は男性76.1%,女性78.9%であった.BMIに対する理想不満度(理想のシルエット-現在のシルエット)と健康不満度(健康的なシルエット-現在のシルエット)の間に男性は交互作用が認められなかったけれども,女性では有意な差が認められた(p<0.001).魅力的な男性のシルエット値は,男女間に有意な差はみられなかった(t=1.231,p=0.218,d=0.04).一方,男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均4.65,女性が思う男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均3.97であり,女性は男性に比べ有意に低い値を示した(t=25.08,p<0.001,d=0.70).結論:女性大学生の考える健康的な体型は理想体型より太い体型であった.魅力的な男性のシルエットは男女間に差がみられなかった.しかしながら,魅力的な女性のシルエットは男性より女性においてより細い体型と考えていることが示唆された.
著者
岡本 成史 山田 博司
出版者
独立行政法人医薬基盤研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インフルエンザワクチンの経鼻接種は、粘膜表層への抗インフルエンザIgA抗体の産生を誘導し、インフルエンザウイルス感染における交叉防御効果に関与すると考えられている。しかし、実際に抗インフルエンザIgA抗体がこの交叉防御効果に関与する直接的な証明はほとんどなされていない。そこで、我々は、昨年度よりインフルエンザワクチンの粘膜免疫により抗ウイルスIgAモノクローナル抗体を作製し、その抗体の抗ウイルス交叉防御効果の可能性について検討を行った。H3N2型のAインフルエンザウイルス広島株に対する抗ウイルスIgAモノクローナル抗体を採取し、その交叉防御効果について検討したところ、同抗体が広島株以外の複数のH3N2型株に対する交叉性の抗ウイルス中和活性を有することを明らかにした。IgA抗体は、モノマー及びポリマーと形態に多様性を有することから、同抗体のモノマー、ポリマーの形態別による抗ウイルス中和活性の変化の有無を検討した。その結果、ポリマーの形態の方がモノマー形態よりも各ウイルス株に対する交叉反応性の中和活性が数倍以上高いことを明らかにした。次に交叉反応性の中和活性に作用する抗原認識部位についてエスケープミュータントを用いた解析を用いて検討したところ、ヘマグルチニン(HA1)のIgG抗体結合部分と推定される210番目のアミノ酸が関与することを示唆した。以上の結果から、IgA抗体が交叉反応性の中和活性を有すること、その交叉中和活性を効果的に作用するためにポリマーの形態が重要であることを明らかにした。
著者
岡本 直美 田中 東子 原 由美子
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.47-63, 2013-07-31 (Released:2017-10-06)

In this interview, we asked Ms. Naomi Okamoto, who has been Chairperson of the Federation of All-NHK Labour Unions since 2005 and Deputy President of the Japanese Trade Union Confederation since 2009, about women working in mass media from the 1970s to the present day. She made it clear that there have been significant changes to the working conditions for such women and their attitudes toward work and life, and that there have been several trends regarding the presence of women in media workers since before World War II. She also mentioned that although movements to demand women's rights are gradually decreasing, labor and gender issues still exist and that it is now important for both male and female workers to achieve a proper balance in their work and private lives.
著者
岡本 誠 瀬能 宏 山崎 哲也
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.49, pp.1-6, 2020 (Released:2020-03-31)
被引用文献数
1

本研究は、ヤセムツ科の1 種、イブシギンヤセムツEpigonus fragilis (Jordan & Jordan, 1922) の相模湾(定置網)から初めて採集された2 個体について、その記録と形態について報告した。これまで本種の日本における分布記録については、南鳥島北東方海域からしか知られておらず、本報告はそれに次ぐ記録となり、かつ沿岸域に出現した希少な知見となる。
著者
岡本 康雄
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.27-71, 1967-07-30 (Released:2009-11-11)
著者
藤田 ひとみ 鈴木 美奈 近藤 文 鈴木 貞夫 小嶋 雅代 永谷 照男 細野 晃弘 荒井 健介 辻村 尚子 岡 京子 岡本 尚子 神谷 真有美
出版者
東海公衆衛生学会
雑誌
東海公衆衛生雑誌 (ISSN:2187736X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.77-83, 2014

<p><b>目的</b>:敷地内全面禁煙は,非喫煙者を受動喫煙による健康被害から守り,喫煙者の禁煙を促すのに有効な方法と考えられる.名古屋市立大学では2006年6月よりキャンパス敷地内全面禁煙となり,6年が経過した.そこで,キャンパス敷地内全面禁煙化後の医学生の喫煙率や,喫煙に関する意識の変化を調べた.</p><p><b>方法</b>:喫煙に関する意識調査として2007年12月に全学職員・学生を対象に実施したものと,2012年4月に医学部学生を対象として実施したものについて,医学部1~5年生の集計結果を比較検討した.</p><p><b>結果</b>:回収率は2007年調査では57.0%,2012年調査では92.6%であった.男子喫煙率は全学年で9.94%から5.39%,女子喫煙率は2.37%から1.65%といずれも減少しており,2012年調査では1年生の喫煙者は男女ともに0名だった.キャンパス敷地内全面禁煙については「知っていた」と回答した割合は84.9%から66.2%と有意に減少し,喫煙環境に無関心な非喫煙者が増えている状況がうかがえた.また喫煙者の平均年齢は,2007年調査時は22.3±4.2歳であったが,2012年調査では25.9±4.2歳と有意に高かった.</p><p><b>結論</b>:キャンパス敷地内全面禁煙化から6年経ち,喫煙率は低下した一方,敷地内全面禁煙の認知度が低下していたことから,今後の防煙教育や禁煙対策に向けた新たな課題が明らかになった.</p>
著者
岡本 耕平
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.695-712, 1983-10-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
18
被引用文献数
8 2

本稿の目的は,名古屋市における認知距離をできるだけ多様な角度から検討することによって,研究方法の違いを越えて認められる認知距離の基本的性質を明らかにすることである.分析の結果,認知距離を規定する要因は,被験者の属性より,むしろ起点(被験者の位置),終点,認知される距離の種類などの刺激中心要因群であることがわかった.刺激中心要因群は,都市構造と関係するr本研究では特に,起点を複数選定し,しかも直線距離と時間距離の認知形態を比較した結果,名古屋市の都市構造が認知距離に及ぼす影響を見い出した.また名古屋市では,都心方向への距離は,都市縁辺方向への距離に比べて過小評価され, Lee (1970) の結果を支持した.