著者
島田 将喜
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第47回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.117, 2013 (Released:2013-05-27)

動物行動への理解がすすむにつれて、私たちは動物に対して過剰な合理性を押し付け、動物は無駄な殺しをしないはずだと信じている。しかしヒトにもっとも近縁なチンパンジーにおいては、他の動物を殺す場合に、必ずしも明確な殺意や動機が存在しているとは解釈できない事例などが多数あることが分かった。こうした観察結果は、動物においても不合理な殺しはさまざまな形で遍在することを示唆している。
著者
島田 浩基
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.115-118, 2014-06-15 (Released:2014-09-24)
参考文献数
4
著者
島田 裕巳
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.293-316, 2008

近代の社会に入って、新宗教が登場して以降、そうした教団は、さまざまな角度から批判を受けてきた。この論文では、新宗教の先駆的な形態である天理教からはじめて、戦後に巨大教団に発展した創価学会、そして無差別テロを実行するまでにいたったオウム真理教をとりあげ、それぞれの教団がどのような形で批判を受けてきたのかを見ていく。天理教の場合には、神懸かりする教祖を盲信する淫祠邪教の集団として批判され、批判の主体はメディアと既成教団だった。創価学会に対しては、最初既成仏教教団が批判を展開したが、政界進出後は左翼の政治勢力からも批判を受け、言論出版妨害事件以降になると、メディアが創価学会批判の中心になった。オウム真理教に対しては、最初からメディアが批判的で、一時は好意的に扱われた時期もあった。近年では、オウム真理教の場合に見られるように、メディアが新宗教批判の主体で、そこには社会の新宗教観が反映されている。
著者
島田 浩二
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.451-465, 2010-06-25 (Released:2010-08-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

The rate of recent sea ice reduction in the Arctic Ocean exceeds that of global warming. The pattern of sea ice reduction accompanies discontinuous changes. This implies that the Arctic climate system is not only influenced by global warming, but also involves significant positive feedback mechanisms that accelerate the reduction of sea ice. Changes of sea ice area in the Arctic Ocean do not show uniform reductions in both space and time. In the present study, we investigate sea ice reduction in distinct regions and time frames, taking into consideration preconditions for the occurrence of tipping points. The initiation of a positive feedback system is found in strengthening ocean and ice circulations since the late 1990s. The activation of both sea ice and ocean circulation caused ocean warming. This contributed to less formation and growth of sea ice in the Pacific Sector. Consequently, ice reduction actually occurred due to an imbalance between ice melt and formation. The sustaining of strong circulations was a precondition leading to a huge anomalous sea ice reduction in 2007 with a zonal asymmetric distribution. The resultant zonal asymmetry establishes a new atmospheric pattern (dipole pattern) associated with southerly winds in the Pacific sector of the Arctic Ocean. Now, the Arctic climate is governed by a strong coupling system linking ocean, ice, and atmosphere. Multi-disciplinary studies are now required to understand the catastrophic Arctic changes and the fate of the Arctic and global climate.
著者
三木 文雄 小林 宏行 杉原 徳彦 武田 博明 中里 義則 杉浦 宏詩 酒寄 享 坂川 英一郎 大崎 能伸 長内 忍 井手 宏 西垣 豊 辻 忠克 松本 博之 山崎 泰宏 藤田 結花 中尾 祥子 高橋 政明 豊嶋 恵理 山口 修二 志田 晃 小田島 奈央 吉川 隆志 青木 健志 小笹 真理子 遅野井 健 朴 明俊 井上 洋西 櫻井 滋 伊藤 晴方 毛利 孝 高橋 進 井上 千恵子 樋口 清一 渡辺 彰 菊地 暢 池田 英樹 中井 祐之 本田 芳宏 庄司 総 新妻 一直 鈴木 康稔 青木 信樹 和田 光一 桑原 克弘 狩野 哲次 柴田 和彦 中田 紘一郎 成井 浩司 佐野 靖之 大友 守 鈴木 直仁 小山 優 柴 孝也 岡田 和久 佐治 正勝 阿久津 寿江 中森 祥隆 蝶名林 直彦 松岡 緑郎 永井 英明 鈴木 幸男 竹下 啓 嶋田 甚五郎 石田 一雄 中川 武正 柴本 昌昭 中村 俊夫 駒瀬 裕子 新井 基央 島田 敏樹 中澤 靖 小田切 繁樹 綿貫 祐司 西平 隆一 平居 義裕 工藤 誠 鈴木 周雄 吉池 保博 池田 大忠 鈴木 基好 西川 正憲 高橋 健一 池原 邦彦 中村 雅夫 冬木 俊春 高木 重人 柳瀬 賢次 土手 邦夫 山本 和英 山腰 雅宏 山本 雅史 伊藤 源士 鳥 浩一郎 渡邊 篤 高橋 孝輔 澤 祥幸 吉田 勉 浅本 仁 上田 良弘 伊達 佳子 東田 有智 原口 龍太 長坂 行雄 家田 泰浩 保田 昇平 加藤 元一 小牟田 清 谷尾 吉郎 岡野 一弘 竹中 雅彦 桝野 富弥 西井 一雅 成田 亘啓 三笠 桂一 古西 満 前田 光一 竹澤 祐一 森 啓 甲斐 吉郎 杉村 裕子 種田 和清 井上 哲郎 加藤 晃史 松島 敏春 二木 芳人 吉井 耕一郎 沖本 二郎 中村 淳一 米山 浩英 小橋 吉博 城戸 優光 吉井 千春 澤江 義郎 二宮 清 田尾 義昭 宮崎 正之 高木 宏治 吉田 稔 渡辺 憲太朗 大泉 耕太郎 渡邊 尚 光武 良幸 竹田 圭介 川口 信三 光井 敬 西本 光伸 川原 正士 古賀 英之 中原 伸 高本 正祇 原田 泰子 北原 義也 加治木 章 永田 忍彦 河野 茂 朝野 和典 前崎 繁文 柳原 克紀 宮崎 義継 泉川 欣一 道津 安正 順山 尚史 石野 徹 川村 純生 田中 光 飯田 桂子 荒木 潤 渡辺 正実 永武 毅 秋山 盛登司 高橋 淳 隆杉 正和 真崎 宏則 田中 宏史 川上 健司 宇都宮 嘉明 土橋 佳子 星野 和彦 麻生 憲史 池田 秀樹 鬼塚 正三郎 小林 忍 渡辺 浩 那須 勝 時松 一成 山崎 透 河野 宏 安藤 俊二 玄同 淑子 三重野 龍彦 甲原 芳範 斎藤 厚 健山 正男 大山 泰一 副島 林造 中島 光好
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.526-556, 2005-09-25

注射用セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の下気道感染症に対する早期治療効果を評価するため, ceftazidime (CAZ) を対照薬とした比較試験を市販後臨床試験として実施した。CZOPとCAZはともに1回1g (力価), 1日2回点滴静注により7日間投与し, 以下の結果を得た。<BR>1. 総登録症例412例中最大の解析対象集団376例の臨床効果は, 判定不能3例を除くとCZOP群92.0%(173/188), CAZ群91.4%(169/185) の有効率で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。細菌性肺炎と慢性気道感染症に層別した有効率は, それぞれCZOP群90.9%(120/132), 94.6%(53/56), CAZ群93.3%(126/135), 86.0%(43/50) で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。<BR>2. 原因菌が判明し, その消長を追跡し得た210例での細菌学的効果は, CZOP群89.5%(94/105), CAZ群90.5%(95/105) の菌消失率 (菌消失+菌交代) で, 両群間に有意な差はみられなかった。個々の菌別の菌消失率は, CZOP群91.1%(113/124), CAZ群90.8%(108/119) で両群問に有意な差はみられなかったが, 最も高頻度に分離された<I>Streptococcus pneumoniae</I>の消失率はCZOP群100%(42/42), CAZ群89.5%(34/38) で, CZOP群がCAZ群に比し有意に優れ (P=0.047), 投与5日後においてもCZOP群がCAZ群に比し有意に高い菌消失寧を示した (P=0.049)。<BR>3. 投薬終了時に, CZOP群では52,4%(99/189), CAZ群では50.3% (94/187) の症例において治療日的が達成され, 抗菌薬の追加投与は不必要であった。治療Il的遠成度に関して両薬剤間に有意な差は認められなかった。<BR>4. 随伴症状の発現率はCZOP群3.9%(8/206), CAZ群5.0%(10/202) で両棊剤間に有意な差はなかった。臨床検査値異常変動として, CAZ群に好酸球増多がCZOP絆より多数認められたが, 臨床検査値異常出現率としては, CZOP群31.6% (65/206), CAZ群32.2% (65/202) で, 両群間に有意な差は認められなかった。<BR>以上の成績から, CZOPは臨床効果においてCAZと比較して非劣性であることが検祉された。また<I>S. pneumoniae</I>による下気道感染症に対するCZOPの早期治療効果が確認された。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
八木 拓磨 井上 達朗 小川 真人 岡村 正嗣 島田 雄輔 平郡 康則 岡田 梨沙 岩田 脩聡
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12148, (Released:2022-05-20)
参考文献数
29

【目的】回復期リハビリテーション(以下,回リハ)病棟に入棟した患者のサルコペニアが実績指数に与える影響を明らかにすること。【方法】2019年5月~2020年6月に単一の回リハ病棟に入棟した65歳以上の連続症例128例。主要アウトカムは日常生活動作能力の改善度を示す実績指数とした。サルコペニアと実績指数の関連について重回帰分析を実施した。【結果】対象者(平均年齢81.5歳)のうちサルコペニアの有病率は76.6%であり,サルコペニア群の実績指数は非サルコペニア群と比較して有意に低値を示した(サルコペニア群:42.2 vs.非サルコペニア群:52.2, p=0.039)。重回帰分析の結果,サルコペニアは独立して実績指数と関連していた(β=−20.91, p=0.003)。また,Skeletal Muscle Mass Index(β=−18.82, p=0.008)が独立して実績指数と関連していた。【結論】回リハ病棟入棟患者のサルコペニアは実績指数の独立した予測因子であった。
著者
仲松 宏 大城 一郎 端慶山 良助 小禄 洋子 具志堅 明美 具志 成子 新里 かおり 奥山 美智江 比嘉 京子 島田 篤子 比嘉 譲 真喜志 かおり
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-38, 1993-05-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

1991年4月より1992年3月までの1年間に当院人間ドックで腹部超音波検査時に甲状腺超音波スクリーニングを同時に施行し,5,567例中33例(発見率0.59%)の甲状腺癌を発見した。男性15例,女性18例に認めた。平均年令は47.7歳で,超音波検査で指摘できた33例全例が乳頭癌で,術後標本でみつかった潜伏癌の1個が濾胞癌であった。平均最大径は11.4mmで,腫瘍径10mm以下の微小癌が19例(58%)あった。腫瘍径15mm以下の癌の92%(24例/26例中)は触診上,触知不能(JTO)であった。リンパ節転移n1(+)が13例(42%),腺外浸潤 EX(ex)(+)が2例に認められた。超音波検査上,悪性を疑う所見は境界不鮮明(42%),低あるいは不均一な内部エコー(61%),砂状多発の石灰化像(55%)が主であった。超音波による甲状腺スクリーニングは極めて有効で腹部超音波検査時に甲状腺超音波検査を同時に行うことは有用と考えられた。
著者
島田 誠
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.105-130, 2006-03-25

本稿の目的は、『神アウグストゥスの業績録』の性格と目的を再評価することである。この『業績録』は、ローマ帝政を樹立した初代皇帝アウグストゥス自ら書き残し、現在のトルコ共和国のアンカラの「ローマと神アウグストゥスの神殿」の壁面で発見された金石文である。この金石文は、古代ローマ史研究者の間では、よく知られた史料であるが、多くの場合、そのテキストの一部がアウグストゥス自身の発言として引用されるに過ぎない。本稿では、この『業績録』を総体として捉えて、さらにローマ市のアウグストゥス墓廟の銘文として構想され、実際にはアンカラの神殿において発見されたことの意義を再考する。まず、この『業績録』の主要な資料である『アンキューラ記念碑』の発見と公刊の経過を確認した上で、『業績録』の内容を再検討し、この文章の種別(ジャンル)と想定されていた読者、さらにローマ市から遠く離れたアンカラにおいて、この『業績録』が発見された理由について論じる。 本稿での検討の結果、次の結論が得られた。この『業績録』は、ローマにおける金石文の伝統の中では、顕彰碑文の一種であるelogium にもっとも近く、前30 年から後14 年にいたる40 年間以上にわたって、ローマ政治を支配し、事実上、新しい支配体制を築き上げたローマ史上比類なき政治家の執務報告でもあった。『業績録』の読者としてアウグストゥスが念頭に置いていたのは、ローマ市大衆(plebs urnbana)を含む、ローマ市民に限定されていたと考えられる。ところが、同じ『神アウグストゥスの業績録』が、ローマ帝国の別々の場所においてそれぞれ異なった役割を果たしていたのである。アウグストゥスの『業績録』は、ローマ市をはじめ、ローマ市民の住む都市においては、市民たちにとって稀有の功績をあげた第一市民の執務報告であり、その功績に対して元老院やローマの市民たち(民会)が献じた顕彰碑文であったが、属州の小アジア(アナトリア地方)のガラティア人都市おいては、世界を征服した支配者の神格化を示す宗教的な文書と見做すことができる。
著者
安部 恭子 島田 達生
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.51-58, 2009-03-20 (Released:2010-09-09)
参考文献数
36
被引用文献数
3

個人の母乳の乳質を知るために、母乳の肉眼と顕微鏡での観察を試みた。用手搾乳された母乳141検体において、初乳は一般に黄色を呈し、移行乳から成熟乳にいたるにつれて白色となった。スライドグラス上の20μlのオイルレッドまたは1%オスミウム中に20μl母乳を滴下し、肉眼と光学顕微鏡で観察した。各々の小型の脂肪滴は鮮明に同定できるが、20μl中に含まれる脂肪滴の量にかなり個人差があった。遠心分離した上層の黄色の部位を走査・透過電子顕微鏡下で観察すると、脂肪滴は球状で、初乳1.5~3.0μm、移行乳2.0~6.0μm、成熟乳2.0~6.0μmであった。脂肪滴は母乳中においても細胞膜に包まれ、脂肪滴同士の融合はみられなかった。
著者
関本 美貴 島田 淳子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.67-71, 2005-01-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12

Rice was washed by using a whisk at three mixing speeds: one revolution per second, two revolutions per second and four revolutions per second. The rice was also washed by hand at two revolutions per second as a control. The proportion of rice granules broken when the whisk was used was higher than that when washed by hand under all the conditions examined, the higher the mixing speed, the higher the breakage ratio. The amount of solid material separated from the rice granules into the water during washing was also higher when a whisk was used than when washed by hand, although there was no effect from the mixing speed. The textural and sensory properties of the cooked rice that had been washed by using a whisk were not significantly different from those of the cooked rice that had been washed by hand. We conclude from these results that washing rice by whisking affects the integrity of the grains and offers no advantages over hand washing.
著者
島田 政博 渡辺 英夫 鶴田 敏幸 森山 和幸 陣内 卓雄
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.148-150, 1985-07-25 (Released:2010-03-16)
参考文献数
5

A case of electrical burn injury was reported. After coming into contact with high tension electrical current (20, 000 volt), severe electrical burns of bilateral forearms and lower extremity were evoked. Immediately, débridement of the wounds was made, however, circulation distrubance of the blood vessels arose, which enhanced degeneration and necrosis of the soft tissue. Within a month, three limbs amputations were done, and he was survived and recovered fortunately. The patient is doing training of prosthesis exercise at present.
著者
島田 昇
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.3, 2019 (Released:2019-07-19)

人工膝関節置換術患者は増加傾向にあり、対象患者の年齢層が 70 ~ 80 代と高い。また用い られる人工膝関節の機種は年々改良が重ねられ、様々な種類が存在する。術後理学療法を担当 する我々は、術創部や全身状態の管理と各機種の特性を理解し、安全かつより効果的な理学療 法の実践が求められる。本稿では、人工膝関節置換術を施行された患者に対する理学療法を行 う上で必要な理学療法管理について概説する。