著者
田中 愛子 市村 孝雄 岩本 テルヨ
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.121-125, 2003-03
被引用文献数
2

本研究は,お笑いビデオによって笑いを誘発し,笑うことによって免疫機能等を高めることを実証する目的で行った。大学3年及び4年生の女子学生10名を対象に,お笑いビデオを視聴してもらい,その前後に質問紙調査と採血を実施した。その結果,ビデオ視聴後に,被験者の気分は5名が良好に変化した。また,NK細胞活性は被験者の5名が上昇を示し,CD4/CD8も,正常化される傾向を認めた。β-エンドルフィンは5名の上昇が見られ,そのうち3名はNK活性の上昇を認めた。以上の結果から,お笑いビデオ視聴によって笑ったことが,免疫機能等に良好に影響していることが示唆されたされた。
著者
安蒜 孝政 市村 光広 佐藤 翔 寺井 仁 松村 敦 宇陀 則彦 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
2010年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱
巻号頁・発行日
pp.87-90, 2010-05

本研究の目的は電子情報環境下で育った世代に見られる情報探索行動の特徴を明らかにすることである。そのため、学生と図書館員を対象に課題実験を行い視線データ、パソコン操作ログなどを収集して両者の情報探索行動を比較した。実験結果から、学生と図書館員を比較すると学生はWikipedia を起点としたWeb 閲覧をおこなうこと、書架に出た際には視線を向ける場所が定まっていないこと、図書の選定時には請求記号ではなくタイトルを見ていること等が示された。
著者
安福 千香 市村 信太郎 山本 ひかる
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.106-110, 2023 (Released:2023-05-10)
参考文献数
18

先天性両側性横隔膜弛緩症の治療経過中に悪性高熱症を発症し,悪性高熱症の原因遺伝子解析の結果から先天性ミオパチーを合併していると診断した症例を報告する. 症例は,出生直後から呼吸障害を呈し,両側性横隔膜弛緩症と診断して横隔膜縫縮術を施行した.麻酔薬による悪性高熱症を発症したために行った遺伝子解析の結果,1型リアノジン受容体(RYR1)遺伝子のバリアントが同定され,この結果から遺伝学的に先天性ミオパチーと診断した. 先天性横隔膜弛緩症は新生児期の呼吸障害の原因となりうる先天性疾患であり,両側例はまれであるとされる.横隔膜弛緩症と神経筋疾患の合併例は過去にも報告されており,既報からは神経筋疾患を合併する先天性横隔膜弛緩症は両側例が多い可能性が示唆され,両側性横隔膜弛緩症と診断した場合は神経筋疾患の合併を念頭に置いて診療を行うことが望ましいと考える.
著者
市村 恵一 田中 利善 北原 伸郎
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1209-1219, 1989-09-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
52
被引用文献数
3 3

The masseter muscle, which contributes to mastication, originates on the zygomatic arch and inserts into the lateral surface of the mandible. Although relatively rare, benign masseteric hypertrophy and intramasseteric hemangioma are two important conditions affecting this muscle. Patients with these lesions complain of the cosmetic deformity rather than the functional disorder. Unless desired for cosmetic reasons there is little justification for any operative treatment. However, as no report could be found of the esthetic problem being solved by conservative treatment, surgical correction is advised when the chief complaint is esthetic.Surgical treatment involves resection of the hypertrophied musculature or excision of the tumor with a surrounding margin of normal muscle. We list here the important aspects of surgery of the masseter.1) Careful preoperative planning, including CT and MRI, is indispensable.2) An extraoral approach is preferred in most cases. The masseter muscle is exposed through a curvilinear incision around the angle of the mandible for cosmetic reasons. A postauricular incision extending to the submandibular area is used instead of a routine preauricular parotid skin incision.3) Care should be exercised to identify and preserve the lower branches of the facial nerve. They should either be dissected free and retracted (in case of tumor) or remain on the surface of the muscle (in cases of muscle hypertrophy) to protect them from damage.4) Ligation of the feeding vessels helps to minimize blood loss.5) Oozing from the muscle can be controlled by an infrared contact coagulator.6) Postoperatively continuous suction with a fenestrated polyethylene drain for 2 days and a pressure dressing for 5- to 7-days is recommended to prevent hematoma and resultant scar formation, which causes swelling or trismus.7) Patients should begin chewing early to prevent trismus.
著者
市村 卓彦
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.1-12, 2009-03-12
著者
夏原 隆之 中山 雅雄 川北 準人 荒木 香織 市村 操一
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.379-396, 2022 (Released:2022-05-26)
参考文献数
72

The successful development of Transformational Leadership (TFL) theory has influenced research in organizational psychology since the 1980s. Research shows that TFL has been effective not only in the domain of business but also in the military, education, parenting, and public sectors. Sport psychology researchers became interested in TFL in the early 2000s. The TFL behaviors in sport include individualized consideration, inspirational motivation, intellectual stimulation, fostering teamwork, high performance expectation, and appropriate role modeling. The focus of the current review paper is to examine and organize research on TFL in the sport coaching literature. More specifically, the effects of coaches’ TFL behavior on the psychological and behavioral aspects of athletes are reviewed. The previous literature was organized into 7 themes: performance, training attitude, motivation, self-efficacy, cohesion, satisfaction, and psychological development. It is recommended that future research should examine the effect of TFL on desired psychological and behavioral outcomes of athletes and include it in sport coaching education.
著者
市村 宏
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は代表的な性感染症であり、子宮頚癌を起こす。HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。米国や豪州では、男性HPV感染者の追跡調査結果を基に、若年男性に対するHPV感染予防ワクチン接種が開始されている。一方、アジアにおける男性HPV感染症研究は少なく、男性でのHPV感染症の流行状況やHPV関連がん発生率は十分に解明されていない。本研究では、性感染症外来を受診したベトナム人男性を対象に、尿・尿道スワブ・陰茎スワブ・口腔洗浄液を用いた長期追跡調査を行なうことにより、アジア人男性のHPV感染症の疫学や自然経過(HPV消失率/獲得率)を明らかにすることを目的とした。6ヶ月ごとに最低2回追跡が可能であった男性性感染症(STI)患者146名(16-67歳、追跡期間中央値14.6ヶ月)から検体(陰茎スワブ・尿道スワブ・尿・口腔洗浄液)を採取し、HPV DNAの検出ならびに感染遺伝子型の推移を統計学的(κ値、McNemar検定、χ2テストなどを使用)に解析した。外陰部に比べ、口腔では、高リスクHPV(hrHPV)の感染率が有意に低く(10.1% vs. 21.5%, P = 0.008)、hrHPVクリアランスまでの期間が有意に短く(6.2 vs. 11.3月、P = 0.001)、また罹患率は有意に高かった(15.6 vs. 9.5/1000人月, P = 0.001)。外陰部に比べ、口腔ではhrHPVが有意に高率に罹患するにもかかわらず、感染率が有意に低いことは、クリアランスが有意に早いことが原因と考えられた。また、hrHPV感染は、外陰部と口腔では独立して生じることが示唆された。これまでの結果をもとに、論文作成し、投稿中である。
著者
市村 賢士郎 楠見 孝
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17037, (Released:2018-12-25)
参考文献数
39

The purpose of this study was to investigate the causes of and remedies for a earner’s low task persistence. In Experiment 1, 48 participants were assigned to two groups (24 each) and the number of times participants gave up was manipulated by presenting unsolvable anagrams (experimental and control groups). The results revealed that task persistence and task-specific self-efficacy decreased in the experimental group for which the frequency of giving up was increased. In Experiment 2, 72 participants were assigned to three groups and the timing of an intervention with instructions for solution strategies was manipulated (pre-task intervention, mid-intervention, and control groups). The results revealed that in the mid-intervention group, the intervention prevented participants from decreasing their task persistence and task-specific self-efficacy indicated in Experiment 1. These results suggest that voluntary giving up of learners is a cause of their low task persistence, and the timing of intervention to improve learners’ self-efficacy is important.
著者
羽藤 正勝 坂井 士 市村 国宏
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.229-232, 1984

親水-疎水二層構造をもつ多孔質ポリテトラフルオ慨エチレン膜をアンモニア電極をベースとする酵素電極の作製に利用した. 上記非対称膜の親水部の微小孔内にアデノシンデアミナーゼを侵入固定化した。これにより機械的に弱い酵素層が強固なポリテトラフルオコエチレンのマトリクスで保護された. 疎水部はガス透過膜の機能を有しているので酵素固定した一枚の非対称膜とpH電極を用いてアデノシン電極が容易に作製出来た. この単一膜を用いて作製したアデノシン電極は, 従来の2枚の膜を用いた電極に比較して応答速度が大幅に向上し, 電極の組立操作も簡単になった.
著者
藤木 卓 市村 幸子 寺嶋 浩介 小清水 貴子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.73-76, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
9

本研究では,両眼立体視により空間歩行可能なVRコンテンツの制作に必要な精度の変化が,現実感とVR酔いに及ぼす影響に関する知見を得ることを目的とした.そのために,大学生を対象とした主観評価実験を行った結果,次のことが明らかとなった.コンテンツの精度の変化に対して現実感とVR酔いは直線的な関係を示し,現実感が高くなるほどVR酔いの評価は低下する.また,コンテンツの精度に関しては,オブジェクトの形状の複雑さよりも貼付ける表面画像の質感の効果が高い.
著者
荒川 隆史 木村 勝彦 山田 昌久 赤羽 正春 吉川 昌伸 吉川 純子 高田 秀樹 大野 淳也 布尾 和史 向井 裕知 門口 実代 益子 貴義 千代 剛史 市村 真実 猪狩 俊哉 沼田 早織 根本 麻衣
出版者
(財)新潟県文化振興財団(歴史博物館)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

縄文時代においてクリは重要な食べ物のひとつであり、建物の柱にも多数利用されていた。しかし、クリの木を切ると実は採れなくなってしまう。縄文人はこのバランスをとるためクリとどのようにつき合っていたのか? この謎を解き明かすため、縄文時代のクリ材の加工技術や年輪の特徴を調べるとともに、現代におけるクリ林の利用方法や年輪・花粉などの基礎的データを収集した。これらをもとに縄文時代のクリ利用システムを研究するものである。
著者
市村 政樹 柳本 卓 小林 敬典 正岡 哲治 帰山 雅秀
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.834-844, 2011 (Released:2011-10-11)
参考文献数
29
被引用文献数
2 4

根室海峡周辺ではシロザケ Oncorhynchus keta とカラフトマス O. gorbusha の中間的な外部形態を有する「サケマス」と呼ばれる個体が採集される。「サケマス」を DNA 分析により交雑個体であるか検討した。両種の mtDNA と核 DNA の塩基配列から特定種の増幅産物が得られるようにプライマーを設計し,SSP (species specific primers)-PCR 分析により親種を特定した。分析の結果,「サケマス」11 個体中 6 個体が交雑個体であった。交雑個体の複数の外部形態は両種の混合型を示した。
著者
中村 亮太 井上 亮文 市村 哲 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.172-180, 2006-01-15
参考文献数
24
被引用文献数
3

近年,大学などの教育機関では,学習用コンテンツとして講師映像と講義資料を組み合わせたものが制作されているが,単調な表示方法であるため学習者を飽きさせてしまうという問題がある.そこで本稿では,学習者にとって飽きにくい講義コンテンツを自動的に作成することができるシステム「MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate」を提案する.著者らは映像の単調さを改善するために,誘目性(目が惹き付けられる)に着目し,画面に並列表示された講師映像と講義資料の表示サイズを交互に拡大縮小することで提示映像のスイッチングを行い,講義資料中の重要語句(講師の発話と一致した語句)を誘目性の高い表示へ変換することが自動的にできるシステムの開発を行った.MINO では,音声認識によりテキスト化した講師の発話情報と講義資料内の文字列とをマッチングさせることで重要語句の特定とともに,映像の切替えタイミングとフォントの変換タイミングを自動的に決定することができる.評価実験の結果,本提案手法は従来の提示方法に比べ,学習者を飽きさせないという評価を得ることができた.本稿では従来の提示方法について分析した結果を示し,開発したシステムの設計,実装,評価について述べる.Recently, e-learning contents that combine the speaker video with supporting materials are produced in educational institutions such as universities. However, there is a problem that those systems make learners become tired because produced contents are monotonous. In this paper, we propose the system "MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate" that can automatically edit the recorded speaker video and supporting materials. MINO allows users to automatically convert words in the supporting materials into conspicuous ones according to the utterance of the speaker. We used speech recognition to convert voice of lecturer into character string. Their data are matched up words into the supporting materials so that speaker video is synchronized with supporting materials. Through evaluations of the system, we verified the effectiveness of our system.
著者
矢野 健二 小林 直彦 堀田 順平 清水 明生 松崎 泰裕 谷沢 智史 山下 静雨 吉田 幸二 鈴木 雅人 市村 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.703, pp.1-5, 2005-02-26

インターネットの普及と相俟って遠隔教育は, 企業社員教育や学校教育の場において, 試用から実用の段階に入ろうとしている. これらの教育の対象は論理・科学技術分野である. 学問・教育には, 論理や科学分野以外に芸術・体育・技能等の分野がある. この分野の遠隔教育は現在実用期に入ろうとしている論理・科学分野の次にくる次世代遠隔教育と言えよう. これらでは感覚的な事柄が重要視されるため, その遠隔教育においては, 質問事項のメモ及びその意思伝達が困難である. そこで筆者は, 質問事項のメモ及びその意思伝達を容易にするために, 疑問や質問を思いついたときの前後の環境を保存し, 学習者のコンピュータにアイコン画像を表示, 後にその環境を復元・共有し, 質問・疑問の連想を支援するシステムの設計と実装方法を報告する.
著者
安蒜 孝政 市村 光広 佐藤 翔 寺井 仁 松村 敦 宇陀 則彦 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
2010年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱
巻号頁・発行日
pp.87-90, 2010-05
被引用文献数
4

本研究の目的は電子情報環境下で育った世代に見られる情報探索行動の特徴を明らかにすることである。そのため、学生と図書館員を対象に課題実験を行い視線データ、パソコン操作ログなどを収集して両者の情報探索行動を比較した。実験結果から、学生と図書館員を比較すると学生はWikipedia を起点としたWeb 閲覧をおこなうこと、書架に出た際には視線を向ける場所が定まっていないこと、図書の選定時には請求記号ではなくタイトルを見ていること等が示された。2010年日本図書館情報学会春季研究集会 京都 2010年5月29日
著者
花田 恵介 竹林 崇 河野 正志 市村 幸盛 平山 和美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.550-558, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
29

脳卒中片麻痺患者を対象に加速度計(ActiGraph Link GT9X)を用いた上肢活動量計測を行い,本邦においてもこの評価が妥当であるか否か,および2点計測法と3点計測法のどちらが,より妥当な手法であるかを検証した.本研究は単一施設の横断研究で,37名を対象とした.3点計測法は,各手の測定値を体幹部の測定値で減じた上で,左右手の活動量比や活動時間比を算出した.その結果,2点計測法と3点計測法のどちらであっても,麻痺側上肢の活動量と上肢機能評価の間に中程度から強い相関関係が示された.3点計測法の優位性は示されなかった.脳卒中患者の上肢活動量評価において,どのような計測方法や分析方法がより適切であるかは,引き続き検討を重ねる必要がある.