著者
石橋 泰典 小澤 勝 平田 八郎 熊井 英水
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.36-43, 2003-01-15
参考文献数
59
被引用文献数
8 13

マダイ仔稚魚に24時間の高水温,低水温,高塩分,低塩分およびアンモニアストレスをそれぞれ負荷し,半数致死レベルを求めて魚の発育に伴う各種環境ストレス耐性の変動様式を調べた。ストレス耐性は,どのストレスでもふ化直後は高く,ふ化後14から21日目の脊索屈曲期前後に有意に低下した。稚魚期(28日令)以降は,水温およびアンモニア耐性に明らかな回復がみられ,塩分耐性にも緩やかな回復が示された。以上の結果,マダイ仔稚魚のストレス耐性は,いずれも変態期に低下する様相を示し,この時期にみられる活動余地の低下が,各種環境ストレス耐性の低下原因の一つであることを示唆した。また,各種ストレスの24時間半数致死レベルが,ストレステストの負荷条件として利用できることを示唆した。
著者
平田 健太郎
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

まず, むだ時間の伸縮を考慮した繰返し制御に関する研究を推進した. また, 概周期信号の適応推定を元に, フィードフォワード的な制御をおこなうことを検討した. 概周期信号の生成機構のダイナミクスに基づく状態推定, LPVシステム理論に基づく周期外乱オブザーバや, 時変周期信号のための自己回帰モデル(TVSARモデル)を用いて, 概周期信号そのものの適応推定をおこなう方法についても検討した. さらに, 適応ノッチフィルタの採用によって, 制御構造そのものを適応化することも検討した.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
岩野 英樹 折橋 裕二 檀原 徹 平田 岳史 小笠原 正継
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.365-375, 2012-06-15 (Released:2012-11-07)
参考文献数
44
被引用文献数
15 88

同一ジルコン粒子を用いたフィッション・トラック(FT)法とU-Pb法によるダブル年代測定した年代値の信頼性を評価した.試料にはFT年代が33 Ma,自発FT密度が106〜107/cm2の島根県川本花崗閃緑岩三原岩体のジルコン粒子(OD-3)を用いた.U-Pb年代分析は,Nd-YAG(λ=213 nm)レーザーアブレーションシステムを搭載したICP質量分析法を用い,ジルコンを47%HF溶液による洗浄あるいはKOH-NaOH共融液によるFTエッチングを施した後に行った.その結果,33 MaのコンコーディアU-Pb年代が得られた.これは化学処理されたジルコンには顕著なPb損失は生じず,そして同一ジルコン粒子のFTおよびU-Pbダブル年代測定が実行可能であることを示す.今回使用した川本花崗閃緑岩三原岩体のジルコン粒子(OD-3)は若いジルコンU-Pb年代測定の標準試料になりうる試料である.
著者
武田 弘美 那須 則子 藤原 智恵子 川端 佳子 田中 靖子 大野 かおり 平田 雅子
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.19-25, 2001-03-27

褥瘡の発生および悪化の原因として「摩擦」がある。摩擦は皮膚と着衣,着衣と寝具との間など,接触している物体どうしの間に必ず生じるものである。本研究は,寝衣等の着衣と寝具との間に生じる摩擦について測定し,どのような場合に褥瘡の原因と考えられるか,またどうずれば予防できるのかを検討した。今回は実習で使われる筋注用のモデルを用いた。結果としてモデルで得られた値は剛体に近く,人体への影響を検討するのは困難であったが,(1)最大静止摩擦係数(最大静止摩擦力)は運動摩擦係数(運動摩擦力)よりも大きい。(2)バスタオルは固定した場合の摩擦力は大きくなるので,バスタオルの上で人体を移動させるときは特に慎重に行わなければならない。(3)多く着衣すると摩擦力は大きくなる。ただしこれは,着用している衣類と寝具の間の摩擦である。(4)ダミーでは何も着けない状態だと摩擦力は大きくなる,といった結果が得られた。
著者
平田 裕美 小林 正子
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

中学生、高校生の身長・体重の時系列的変化と心身の健康、社会的風潮の取り入れ、生活習慣、栄養素等摂取、父親・母親の養育行動との因果関係を明らかにした。生活習慣では、朝食を同じ時間に食べていない、鉄分、ビタミン類などの栄養素等摂取不足群は身体不調を訴えていた。体重では、父親との会話が多い中学生、高校生ほど、男女の差異無く、不安感が低く、成長曲線に極端な体重の変動は見られなかった。身長では、思春期スパートと対人関係に関連はなかったが、身長の停滞がある子どもには低出生体重児であったことが確認された。アレルギー(金属、鼻炎、食物)、腎疾患、心疾患などの症状をもつ子どもにも同じ兆候が見られた。
著者
相本 太刀夫 平田 巳円男 平木 優子 土手 千恵子 井上 直人 今井 公江
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.89-93, 1994-02-25

The antioxidative effect of the mammalian liver hydrolyzate preparation (LH) was investigated mainly in the mouse liver homogenates. At lower concentrations, LH stimulated lipid peroxidation induced by Fe^<2+> and ascorbic acid in the homogenates, but inhibited completely the oxidation at higher concentrations. LH also inhibited the peroxidation of linolenic acid and linoleic acid. LH reduced 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl, a free radical model, in a concentration-dependent manner, suggesting that the radical scavenging property of LH is involved in its antioxidative action. Fe^<2+> and glutathione, contained in LH, seem to act as a stimulator and an inhibitor of peroxidation, respectively.
著者
平田 道憲 今川 真治 正保 正惠 田丸 尚美 八重樫 牧子
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

(1) 「子育て共同化」プログラム実施のための国内,国外のアンケート調査を実施し,「子育て共同化」プログラムに関する母親のニーズを明らかにした。(2) 国内・国外の先行事例を研究した。(3) 「子育て共同化」プログラムを試行し,参加者の育児不安の変化やニーズを明らかにした。(4) 父親の子育て参加のためのワークショップを実施した。(5) 「子育て共同化」プログラムの行政・民間機関との連携についての研究が今後の課題である。
著者
梶本 修身 平田 洋 中川 聡史 梶本 佳孝 早川 和仁 木村 雅行
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.79-86, 2004-02-15
被引用文献数
13 43

WHO/ISHの血圧の定義・分類で正常高値に該当する者を対象として,FMGのプラセボを対照とした12週間の2重盲検長期摂取試験を実施したところ,以下のことが明らかとなった.<br>被験飲料群では,収縮期血圧が摂取8週間後に有意に低下し,摂取12週間後まで継続して安定した降圧が認められた.また,拡張期血圧は摂取12週間後に有意に低下した.<br>試験期間中,血液および尿検査値の異常はみられず,また,診察所見および自覚的所見において,被験飲料摂取によると思われる重篤な副次的作用は認められなかった.<br>したがって,FMGは,正常高値血圧者に対して,収縮期血圧および拡張期血圧の降下作用を有し,かつ高い安全性を有することが明らかとなった.
著者
平田 郁恵
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本期間中には,回路素子として前期間に作製したトランジスタの動作特性の解明を行った.具体的には,自己組織化単分子膜の共吸着によって作製した自己組織化単分子膜(self-assembled monolayers; SAM)の表面形状と電位を測定し,トランジスタ特性の変化と比較した.また,共吸着されたSMA上の有機半導体の結晶構造の変化を観察した.まず,共吸着されたoctylphosphonic acid(HC8-PA)とperfluorooctylphosphonic acid(FC8-PA)の表面形状と電位をKFMによって観察した. FC8-PAの混合比であるχが大きくなるにつれ表面電位は平均的に上昇した.しきい値電圧の変化はビルトイン・ポテンシャルによって誘起される固定電荷をもとに考えるモデルに従うことがわかった.また,χが小さくなるにつれ,絶縁膜表面が平滑化されることがわかった.この結果は,SAM混合比と絶縁膜表面のトラップ密度との関係とも整合性がある.すなわち,FC8-PAの増加によって,表面の平坦性に起因するトラップ密度が減少したと考えられる.次に,共吸着したSAM表面に有機半導体であるdinaphtho[2,3-b:2’,3’-f]thieno[3,2-b]-thiophene(DNTT)を熱蒸着し,その結晶構造についてXRDを用いて観察した.その結果,混合比を変えることによって,特にb軸方向の結晶面間の増加が顕著となることがわかった.DNTT結晶でホール移動度について最も実効的であるのがa軸,次にb軸である.トランジスタとしての移動度の変化は,これに起因するものであると考えられる.

1 0 0 0 OA 渡米案内

著者
平田栄司 編
出版者
日米仲介社
巻号頁・発行日
1916

1 0 0 0 OA 闘運読本

著者
平田了山 著
出版者
木村書房
巻号頁・発行日
1932
著者
平田晋策 著
出版者
天人社
巻号頁・発行日
1930
著者
平田 聡子 森 裕司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.845-850, 1995-10-15
被引用文献数
12

野生動物など捕獲, 採血が困難な動物種では, 生態研究や繁殖管理を目的に生殖内分泌機能の非侵襲的評価法の確立が待たれている. 糞中性ステロイドホルモン測定は, 糞の採材が動物を拘束する必要はなく容易に行えるため, 最も適していると考えられる. 本研究では反芻動物への応用を目指した研究モデルとして, シバヤギにおける糞中プロジェステロン測定法の確立を試み, 血漿中プロジェステロン濃度の変動との相関について検討を行った. 正常性周期を回帰する雌シバヤギ (n=4) および卵巣を摘出しプロジェステロンカプセルを皮下移植したヤギ (n=2) から糞および血液を経時的に採取し, それらのプロジェステロン濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した. 糞の処理・保存・プロジェステロンの抽出方法について様々な条件で検討を行った結果, -20℃で凍結保存後に乾燥処理 (100℃で1.5時間) した糞0.25gをエーテルで一回抽出する簡便な方法を採用した. 本法による糞中プロジェステロンの回収率は約70%であった. 供試した全ての動物で, 糞中プロジェステロンと血漿中プロジェステロンの一致した変動が観察され, 両者の相関は交配させ妊娠に移行した場合および卵巣摘出ヤギにプロジェステロン処置した場合においても維持されていた. 以上の成績により反狗動物における糞中プロジェステロンの測定は排卵周期や妊娠を知る手段として有効であることが示された.
著者
内田 一郎 鬼塚 克忠 平田 登基男
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, 1977-03-15

マサ土地帯は山くずれ, 盛土ノリ面の侵食, 崩壊などが数多く発生し, 宅地造成や切土, 盛土斜面の形成工事において人身事故につながる危険性が大きく防災上からこの方面に関する研究の必要が高まっている。本文は, マサ土による盛土斜面の破壊機構を明らかにする目的でマサ土の物理的特性と共に, 圧縮沈下特性, 圧縮強度特性, セン断特性(間ゲキ圧・ダイレイタンシー・強度定数c, φ)を調べる基礎的実験と関連させて, 盛土斜面の模型実験から上部載荷, 繰返し荷重, 水の浸水による盛土斜面の崩壊機構について検討している。その結果, マサ土においても, 締固め密度が小さく含水比が大きくなると荷重による沈下量, 間ゲキ圧が増大し, 強度, 強度定数c, φダイレイタンシー指数が減少することを示し, さらに, ノリ肩近傍に載荷した場合の支持力算定式については, スベリ線の発生順序を考慮に入れるべきことを指摘し, マイヤーホッフの提案した支持力式の適用限界について論述している。
著者
穴吹 雅敏 安原 和宏 平田 弘志
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 電子情報学部 (ISSN:13472666)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.27-32, 2003-03-31

In various operating of a crane, the fixed coefficient controller is not suitable to obtain the good control performance, because of the crane characteristic fluctuates by change of the suspended rope length and the suspended load. In case of the rotational crane, moreover, we also must be consider the effect of corrugation angle in order to acquire sufficient performance. In this paper, we propose a strategy of control for the rotational crane using variable pole assignment method in which closed loop poles of control system becomes fixed values for the change of the rope length, the change of the corrugation angle and the change of the load. The effectiveness of proposed control system is confirmed by the computer simulation, in addition, it was also confirmed from the experiment on anti-sway control of actual rotational crane.
著者
安川 宏紀 平田 法隆 中村 陽昭 松本 之良
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
no.4, pp.137-146, 2006-12
被引用文献数
6

A simulation method for the maneuvering motion of a towed ship in still water is presented. A 2D lumped mass method is employed for expressing the dynamics of the towing cable. The motion equations of the towed ship and the cable are derived under the assumption that the motions are defined in the horizontal plane. Motion of a towing ship is assumed to be given. As a calculation example, a towing barge with/without skegs is selected. The captive model test is carried out to capture the hydrodynamic force characteristics of the barge. Using the force characteristics, simulations are made for various towing speeds, towing cable lengths and so on. The calculated results are compared with the model test results conducted in the towing tank. The results of the slewing motion frequency, changes of heading angle and yaw rate in time domain agree well with the experiments. The present method is useful for predicting the slewing motion of towed ship.