著者
大宮 勘一郎 香田 芳樹 和泉 雅人 フュルンケース ヨーゼフ 粂川 麻里生 斉藤 太郎 中山 豊 平田 栄一朗 縄田 雄二 川島 建太郎 大塚 直 臼井 隆一郎 桑原 聡 安川 晴基
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

現代の科学技術の進歩と発展に鑑みて、「人間」を再定義する必要は日増しに高まっているが、技術と人間との関係を近代思想として最も深く考え続けたのはドイツ思想であると言ってよい。本研究プロジェクトは、そのようなドイツの思想史に様々な角度から切り込んでゆくことにより、従来の人間観のどこが妥当性を失い、どの部分が維持・救出可能であるかを明らかにする作業に貢献をなし得たと考える。3回の国際シンポジウム、3回の国際ワークショップを行うことで、他文化圏の研究者らとの意見交換も活発に行い、議論を深めることができたのみならず、本プロジェクトの問題設定が国際的な広がりを持つものであることが確認できた。
著者
宇野 力 平田 賢太郎 鈴木 正明
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

統計的な推測の問題の中には、あらかじめ定めた標本の大きさでは解決できないものがある。例えば、ある母集団の平均に対する信頼度95%の幅一定の信頼区間を構成する問題がそれに該当する。この場合には、標本の大きさを確率的に与える逐次標本抽出法により問題を解決できる。本研究では、分散の下限情報が与えられたとき、二段階法という推定方式の性能を評価することに取り組み、先行研究よりも精確に評価する理論を構築できた。
著者
平田 哲兵 城間 康 宮城 武志 大城 美和子 我喜屋 千晶 仲程 基経 長田 康敬 玉城 史朗
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
no.15, pp.26-31, 2013-07-06

本論文ではICTを活用した畜産分野における情報管理システムである「Pinza Cloud System」の概要について述べ,これを活用した畜産関係者,特に獣医学分野の研究者と農業者による共同での,テレワークによる家畜防疫体制の確立に関する可能性について議論する。またこれらのシステムを活用して地域畜産物である山羊のブランド化に挑戦する沖縄県多良間村での取り組みを取り上げ,システムの活用における課題を明らかにすることを目的とする。
著者
平田 大二 斎藤 靖二 笠間 友博 新井田 秀一 山下 浩之 石浜 佐栄子
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

46億年にわたる地球史・生命史に関する情報を収集し、地球史・生命史イベントと地球システムの相互作用を理解するための総合年表の作成を進めた。当館が所蔵する標本や画像など各種資料のデータベースを再構築するとともに、それを補完する標本と資料の収集を進めた。それらを活用した地球史学習プログラムとして、常設展示の展示標本と解説資料を活用した、地球の歴史の中でおきた現象と地球システムについて理解できる双方向形式の連続講座を実施した。参加者が地球史・生命史について理解を深め、現在および未来の地球について考えることができ、地球科学リテラシーの涵養を図ることが出来る環境を提供できた。
著者
蔡 相憲 向田 賢 平田 貴寛 鄭 憲栽 横田 孝雄 米山 弘一 竹内 安智
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.38, 2003-10-10

Seed germination of S. hermonthica is induced by stimulants produced by host and non-host plants. The seeds require conditioning in the dark for a certain period before the seeds become responsive to the exogenous germination stimulants. In our experiments, fluridone, a carotenoid biosynthesis inhibitor, shortened the conditioning period and increased the rate of the seed germination induced by GR-24,a germination stimulant. Fluridone was also effective in amelorating the inhibitory effects of light on the conditioning and on the germination.
著者
徐 小牛 榎木 勉 渡嘉敷 義浩 平田 永二
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.195-208, 1998-12-01
被引用文献数
2

沖縄本島北部の琉球大学農学部附属与那演習林で, 天然生常緑広葉樹林のリターフォール量とそれによる養分還元量の季節変化を, 1996年5月から1998年2月までの2年間にわたって調べた結果, 以下のことが明らかになった。年間のリターフォール量は, 一年目には7328&acd;12700 kg ha^<-1>, 二年目に5577&acd;8073 kg ha^<-1>で, 年間の差が大きかった。これは, 台風の影響によるものと思われる。リターの内訳をみると, 落葉量, 落枝量, 生殖器官の落下量およびその他の平均割合が, それぞれ63.7%, 28.2%, 1.4%, 6.7%となった。リターフォールの年間量の平均値と林分構造との関係をみると, 平均直径, 平均樹高, ヘクタール当たり本数及び材積とは比較的高い相関が認められたが, ヘクタール当たり断面積との間には相関がなかった。リターフォールによる年間養分還元量は, 窒素61.3&acd;128.2 kg ha^<-1>, リン2.8&acd;6.0 kg ha^<-1>, カリウム20.8&acd;44.5 kg ha^<-1>, カルシウム40.0&acd;117.9 kg ha^<-1>, マグネシウム13.3&acd;28.3 kg ha^<-1>, いおう7.0&acd;14.6 kg ha^<-1>, ナトリウム8.4&acd;17.2 kg ha^<-1>, アルミニウム8.6&acd;16.6 kg ha^<-1>, マンガン2.6&acd;5.4 kg ha^<-1>, 鉄0.6&acd;1.4 kg ha^<-1>であった。しかし, 微量元素の銅, 亜鉛, モリブデン, コバルト及びホウ素の還元量は極めて少なかった。また, 養分還元量は8月に最も多く, 年間量の19.3%&acd;38.3%を占め, 1月には最も少なくて, 僅か年間量の1.2%&acd;2.0%であった。養分還元量は3月から8月までの間に集中し, この6か月間で年間総量の70%以上を占めた。リターフォールの養分含有率はプロット間に違いがみられたが, これは立地条件の違いのほかに樹種構成の変化とも関係しているものと思われる。
著者
徐 小牛 榎木 勉 渡嘉敷 義浩 平田 永二 Xu Xiaoniu Enoki Tsutomu Tokashiki Yoshihiro Hirata Eiji
出版者
琉球大学農学部
雑誌
琉球大学農学部学術報告 = The Science Bulletin of the Faculty of Agriculture. University of the Ryukyus (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
no.45, pp.195-208, 1998-12-01

沖縄本島北部の琉球大学農学部附属与那演習林で, 天然生常緑広葉樹林のリターフォール量とそれによる養分還元量の季節変化を, 1996年5月から1998年2月までの2年間にわたって調べた結果, 以下のことが明らかになった。年間のリターフォール量は, 一年目には7328&acd;12700 kg ha^<-1>, 二年目に5577&acd;8073 kg ha^<-1>で, 年間の差が大きかった。これは, 台風の影響によるものと思われる。リターの内訳をみると, 落葉量, 落枝量, 生殖器官の落下量およびその他の平均割合が, それぞれ63.7%, 28.2%, 1.4%, 6.7%となった。リターフォールの年間量の平均値と林分構造との関係をみると, 平均直径, 平均樹高, ヘクタール当たり本数及び材積とは比較的高い相関が認められたが, ヘクタール当たり断面積との間には相関がなかった。リターフォールによる年間養分還元量は, 窒素61.3&acd;128.2 kg ha^<-1>, リン2.8&acd;6.0 kg ha^<-1>, カリウム20.8&acd;44.5 kg ha^<-1>, カルシウム40.0&acd;117.9 kg ha^<-1>, マグネシウム13.3&acd;28.3 kg ha^<-1>, いおう7.0&acd;14.6 kg ha^<-1>, ナトリウム8.4&acd;17.2 kg ha^<-1>, アルミニウム8.6&acd;16.6 kg ha^<-1>, マンガン2.6&acd;5.4 kg ha^<-1>, 鉄0.6&acd;1.4 kg ha^<-1>であった。しかし, 微量元素の銅, 亜鉛, モリブデン, コバルト及びホウ素の還元量は極めて少なかった。また, 養分還元量は8月に最も多く, 年間量の19.3%&acd;38.3%を占め, 1月には最も少なくて, 僅か年間量の1.2%&acd;2.0%であった。養分還元量は3月から8月までの間に集中し, この6か月間で年間総量の70%以上を占めた。リターフォールの養分含有率はプロット間に違いがみられたが, これは立地条件の違いのほかに樹種構成の変化とも関係しているものと思われる。Litter fall and the nutrient returns in a forest were studied. The results obtained from five plots in natural evergreen broadleaved forests at Northern Okinawa Island in the period May 3,1996 to May 1,1998. Annual rates of total litter fall ranged from 7328 to 12700kg ha^<-1> a^<-1> in the first year, and from 5577 to 8073kg ha^<-1> a^<-1> in the second year, with great variation between the two years being related to the effects of the stronger typhoon No. 12 from August 11 to 12,1996. And the foliage litter fall contributed the greatest amount, about 63.7% averagely ranging from 54.6 to 78.8% of the total litter mass, and peaked in March and August, respectively. The results from this investigation indicated that the annual mean litter fall rate was positively correlated with stem volumes, mean D.B.H. and mean height of the stand, however, was negatively correlated with the stand density and neither related to the stand basal area. The annual amounts of nutrient returned by litter fall in the sampling stands were, N from 61.3 to 128.2kg ha^<-1> a^<-1>, P from 2.8 to 6.0kg ha^<-1> a^<-1>, K from 20.8 to 44.5kg ha^<-1> a^<-1>, Ca from 40.0 to 117.9kg ha^<-1> a^<-1>, Mg from 13.3 to 28.3kg ha^<-1> a^<-1>, S from 7.0 to 14.6kg ha^<-1> a^<-1>, Na from 8.4 to 17.2kg ha^<-1> a^<-1>, Al from 8.6 to 16.6kg ha^<-1> a^<-1>, Fe from 0.6 to 1.4kg ha^<-1> a^<-1>, and Mn from 2.6 to 5.4kg ha^<-1> a^<-1>, respectively. However, the annual nutrient returns for microelements such as Cu, Zn, Mo, Co and B were very little. Within the annual cycle, monthly nutrient fall was the most in August and the least in January, and the former was 12&acd;31 times more than the latter. Spring and summer (from March to August) was most important, accounting for over 70% of the nutrients.
著者
石黒 浩 平田 勝弘 小川 浩平 開 一夫 石井 カルロス寿憲 吉川 雄一郎 岩井 儀雄 西尾 修一 中村 泰 吉峰 俊樹 平田 オリザ 神田 崇行 宮下 敬宏 板倉 昭二 港 隆史 平田 雅之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

本研究は,従来の遠隔操作型アンドロイドやロボットを,さらに進化させ,今後主流になると予測される遠隔操作型ロボットの研究開発プラットフォームとして,半自律遠隔操作型アンドロイドやロボットの実現を目指した研究開発を展開した.具体的には次の課題について研究に取り組んだ.多様な相互作用が可能な半自律アンドロイドの開発.社会的存在としてのアンドロイドやロボットの機能開発.現実社会おけるアンドロイドやロボットの社会における実証実験.アンドロイドのブレインマシンインターフェース(BMI)による遠隔制御の研究.
著者
平田禿木 訳
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
1925
著者
平田 将士 宮川 崇
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.187-201, 2006-06-30
参考文献数
10

Atrophaneura nox (Swaison, 1823)は,インドネシアのジャワ島から原名亜種が記載された.マレー半島からボルネオ,スマトラ,ジャワとそれらの島々の近辺の島嶼に至る広範な分方域を持ち,地理的変異が著しいことから,現在11亜種に分類されている.筆者らはそれらの亜種の再検討を行い,更にバニャック諸島とシンケップ島の2地域に産する個体群を新たに2つの亜種として記載する.また,既に記載されている11の亜種について,下記3点の変更を提案する.1点目として,海南島から記載されたA. nox hainaneusis Gu, 1997は記載図から判断する限り,A. varuna astrorion (Westwood, 1842)のシノニムである.2点目として,中部スマトラから新種として記載されたA. tungensis Zin et Leow, 1982は,♂の形状がA. noxの北部スマトラ亜種A. nox henricus (Fruhstorfer, 1898),同南部スマトラ亜種A. nox solokanus (Fruhstorfer, 1902)と殆ど差がないこと,この両亜種と分方域が重ならないことから,独立種ではなく,A. noxの一亜種と思慮する(A. nox tungensis Zin et Leow, 1982, stat. nov.).3点目としては,北ボルネオに産する個体群を西部ボルネオ産,南部ボルネオ産と区別して,新たな亜種とすることを提唱する.「ザイツ」の中でJordan (1910)は北部ボルネオの中に2つの型が存在することを記しており,1つはA. nox noctis (Hewitson, 1859)であり,もう1つは♂をf. noctula (Westwood, 1872),♀をf. strix (Westwood, 1872)としている.筆者らが実見している標本では,西部ボルネオからもたらされるものがJordanの示しているnoctisに合致するものであり,北部ボルネオ産♂がf. nocturに,♀がf. strixに該当する.また,亜種のnoctisの正確な原記載産地が筆者らにとっては「ボルネオ」以上に詳細には判らないことから,当報文では西部ボルネオ産にnoctisを充てる.更にWestwood (1872)によって同時に提唱された2つの名称については,地理的な相異に言及していないものの,既にFruhstorfer (1898)がnoctulaを種名として使用しているため,筆者らは北部ボルネオ産にnoctulaを充てることを提唱する.これらの所見をふまえ,筆者らはA. noxをnoxグループ,smedleysグループ,erebusグループ,noctisグループの4グループに大別し,各々のグループの特徴を考察した.なお,新たな2亜種の特徴は後述の翅りである. Atrophaneura nox hirokoae Hirata et Miyagawa, ssp. nov. (Figs 19-22) バニャック諸島に産する.バニャック諸島は,北部スマトラ島の西側に位置し,北をシムルエ島,南をニアス島に扶まれた,小さな島嶼群である.今回記載する新亜種は,このバニャック諸島中のTuangku島より得られたもので,筆者の所有する5♂5♀に基づいたものである.♂♀ともに近接する北部スマトラ産,ニアス産の亜種よりも,マレー半島産のものに近似した特徴を持つ.すなわち,スマトラ産,ニアス産と比べ,♂では翅表により強い金属光沢を持つこと,♀では翅表により強い金属光沢を持ち,前翅翅脈に沿った白化が前翅端部にとどまること,また,後翅の白化は外緑部のみで翅脈に沿って全体的に白化しないことで容易に区別される.マレー半島座と比較すると,♂♀ともに翅表により強い金属光沢を持ち,色調が強く青緑色を帯びる.♀では,特に後翅の光沢部がより広く発達し,翅脈に沿った部分にとどまらず,後翅全体に拡がる.また,前翅裏面の翅脈に沿った白化が全体的に拡がらないことで区別される.バニャック諸島は,マレー半島からはスマトラ島を隔てているにも拘わらず,こうした特徴を持つことはとても興味深い.なお,この亜種名hirokoaeインドネシアと日本との友好関係の樹立に尽力された,トヨタ自動車(株)取締役名誉会長豊田章一郎氏の令夫人である豊田博子氏に献名されたものである. Atrophaneura nox miekoae Hirata et Miyagawa, ssp. nov. (Figs 49-52) シンケップ島に産する.シンケップ島は,中部スマトラ島の東,リンガ島のすぐ南に位置する.地理的な位置はボルネオ島よりスマトラ島に近いが,今回記載した亜種はスマトラに産するものよりも寧ろ♂ではマレー産に,♀では南部ボルネオ産に近い特徴を持つ.すなわち,♂においてはマレー半島のように金属光沢を持ち,♀においてはスマトラ産と比べると金属光沢は弱く,後翅翅脈に沿った白化傾向が無いことから容易に区別される.南部ボルネオ産との比較においては,♀の前翅端部の翅脈に沿った白化によって形成される白斑が小さいこと(当亜種は前翅端にとどまるが,南部ボルネオ産は前翅表半分程度拡大する),後翅外緑部に顕著な白化部分があることで区別される.なお,この亜種名miekoaeは,筆者の1人,平田の妻実江子に献名されたものである.本報文をまとめるにあたり,貴重な標本の写真撮影を許可して下さった塚田悦三氏,平岡正之氏,内容についてのひとかたならぬご指導をいただいた吉本浩氏,種々ご教示いただいた矢後勝也氏,上田恭一郎氏,勝山礼一郎氏,報文作成にご協力いただいた,佐藤葉子氏,中野規子氏に心からお礼申し上げます.また,標本人手にご尽力いただいた,故大谷卓也氏に心より感謝するとともにご冥福をお祈り致します.
著者
河崎 宜史 伊東 昌子 平田 謙次 星 幸雄 初田 賢司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.373-377, 2007-03-15

従来高い成果を上げるプロジェクトマネージャに関しては個人のスキルや能力に焦点があてられてきた.しかし,複雑で大規模のプロジェクトを成功に導くには既有知識やスキルの適用ではなく,状況から学び状況に埋め込まれた知を活用した新たな適応行為の創出が不可欠である.この行為は所有知の適用と区別されノウイング実践として知られる.本研究では,複雑なプロジェクトを任せることのできる手腕の高いPMと複雑さがそれほど高くないプロジェクトを任せることのできるPMの差の解明と理解をめざして,ノウイング実践の観点から,両群の実践行為の差を明らかにするための調査を行った.
著者
平田 令子 平井 周作 畑 邦彦 曽根 晃一
出版者
鹿児島大学農学部演習林
雑誌
鹿児島大学農学部演習林研究報告 = Research bulletin of the Kagoshima University forests (ISSN:13449362)
巻号頁・発行日
no.36, pp.23-27, 2009-03

2008年10月2日〜11月5日までの期間中に10日間、鹿児島大学構内において上空を通過するヒヨドリの群れを午前中に観察した。ヒヨドリの群れが通過する様子は、10月2、8、9、10、12、19日の6日間観察された。ヒヨドリの群れは7〜8時頃の間に見られることが多かった。ほとんどの群れは南西や南南西の方角へ飛去した。群れサイズは7〜80羽、平均33羽であった。10月28日以降はヒヨドリの群れの通過は観察されなかった。この時期に10羽以上の大きな群れを形成し、また、上空高くを飛去する行動は大学構内で観察されるヒヨドリには見られず、これらの群れが、さらに南へ渡る途中のヒヨドリであることが推測された。また、大学上空を通過する途中で6群が大学構内にある植物園や池に一時的に下りた。このことから、本調査地の植物園や池のような都市緑地は、その上空を渡るヒヨドリにとって一時的な滞在場所としての役割を果たしていると考えられた。
著者
平田 宗史
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-12, 1978-03-30 (Released:2009-01-13)
参考文献数
71