著者
新井 元
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A 教育研究 = Educational Studies (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.77-89, 2012-03-31

2006 年,岐阜市議会において,市長が市立岐阜商業高等学校を学校法人立命館に移管する計画を公表した。この突然とも言える提案は政党各派の分裂を生み,同市議会の内外で数年にわたる混乱をもたらした。2007 年,市教育委員会が正式に市岐阜商高廃止の方針を打ち出したが,翌2008 年に議会は立命館誘致を否決。その直後,市長は民意を問うとして辞職し,2009 年の出直し選挙で再選されたものの,市議会は22 対21 で再び立命館誘致を否決した。教育改革として語られるべきテーマが政争の具と化したなか,市教委の同校廃止方針は市長の意向を受けたものとする批判がなされる。1956 年以降,日本の教育委員は自治体の首長によって任命されており,教委の独立性の実現は難しい。こうした1956 年体制下で,体制側に対峙する教委を見る事は難しいだろう。1970 年代以来,高校全入時代を迎えた日本では,ほとんどの人々が高校に進学するようになったが,その一方で,少子化や産業構造の変化に伴い,高校の意味するものも変わって来た。岐阜市のケースは,決して一地方の問題なのではなく,日本全体が今抱えている教育改革の構造的な難しさを意味している。In 2006, the mayor of Gifu city in the Chubu region of Japan introduced a plan in the City Assembly to transfer the jurisdiction of Municipal Gifu Commercial High School to a private school corporation: Ritsumeikan. This rather abrupt proposal caused consternation within and beyond the city assembly lasting years. There ensued internal strife among political groups in the municipal assembly. In 2007, the city Board of Education decided on the policy of closing the municipal high school. However, a plan to attract Ritsumeikan was voted down by the municipal assembly, in 2008. The mayor resigned to consult the electorate and the will of residents. Though the mayor was returned the next year, the Ritsumeikan plan was rejected again, 22 to 21 by the municipal assembly. The issue of local educational reform was embroiled in political strife and the Board of Education's school closure policy was thought to be merely an endorsement of the mayor's policy. Since 1956, as members of the Board of Education in Japan are appointed by the heads of local government the independence of the boards has been always been in imminent crisis and it is difficult to see a board of education defying a city hall under the 1956 system. Since the 1970s, almost all children in Japan enter upper secondary school. However, due to the dwindling birth rate and change of industrial structure etc., the meaning of high school has changed. The Gifu city case is a local but also urgent matter with wider implications in Japan relating to the structural difficulty of educational reform.
著者
新井 康平 ト 憲強
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.361-368, 2011

短時間に安定したクラスタ解に収束する強化学習・競合学習に学習オートマトンを考慮した新たなオンラインクラスタリング(Pursuit Reinforcement Competitive Learning: PRCL)を提案する.クラスタリング手法の性能比較用に多用されているカリフォルニア大学のUCIリポジトリを用いて既存の手法,Reinforcement Guided Competitive Learning: RGCL,Sustained RGCL: SRGCL,Vector Quantization: VQとクラスタリング性能を比較し,PRCLがほかに比べて収束性能などにおいて優れていることを示す.また,PRCLを限定領域にランダムに散在する避難民を二つの避難口に誘導する状況を設定した避難誘導シミュレーションに適用し,避難民の衝突確率,避難に要する時間,二つの避難口の避難民数のバランスなどを評価した結果,既存手法の中で最も高性能なVQよりも高性能であることを確認した.
著者
新井 康平 ト 憲強
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.301-309, 2010-05-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

対象個体の数,分布など性質が変化する場合に適応が可能な オンラインクラスタリング法として提案されているもののうち, 比較的収束性能が高い強化学習・競合学習に基づく方法に, 追跡アルゴリズムを導入して更に収束性能を向上させた Pursuit Reinforcement guided Competitive Learning: PRCL法を提案する. この方法を地球観測衛星画像のように 大規模画像から画像部位を検索する場合に適用し, 検索所要時間,検索ヒット率,検索位置誤差および収束性能を評価したところ, 既存のベクトル量子化などのオンラインクラスタリングよりも高くなることがわかった. また,この方法を拡大・縮小率の異なる画像の部位を検索する場合に適用したところ, 倍率が一定の条件の下に画像部位検索が正確に行えることを確認した.
著者
早川 由紀夫 新井 房夫 北爪 智啓
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.660-664, 1997-10-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

The Edifice of Hiuchi Volcano was founded on the Mokake ignimbrite plateau which is directly underlain by the Nanairi pumice. They erupted from near the present summit successively about 350ka. On the plateau, the Ozorizawa cone was first established about 100 ka. Next, the Shibayasugura cone having twin peaks, Shibayasugura (2, 356 m) and Manaitagura (2, 346 m), was built shifting slightly southeast. At 19ka, the Jubeike lava flow and Kumazawa Tashiro lava dome were issued from the northeastern flanks. The latter was accompanied by a devastating blast. Southward-opening horseshoe depression is source of the Nushiri debris avalanche, which dammed up the Nushiri River and formed the Oze marsh about 8ka. The Akanagure lava dome and flows immediately occupied the depression. The youngest volcanic feature at Hiuchi is the Miike lava dome, 300m south of the Manaitagura peak. It emplaced during the 16th century, just before the Shirohikemizu flood descended the Hinoemata River on July 28, 1544. Hiuchi Volcano has erupted 17 × 1012 kg of magma since its birth, 350 thousand years ago. Average discharge rate is 4.9 × 1010 kg per thousand years, an order of magnitude smaller than that of the most active Japanese volcanoes.
著者
上出 寛子 小菅 一弘 高橋 英之 笠木 雅史 新井 健生 山邉 茂之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ドライビングシミュレータ環境が、実車実験とどの程度類似しているかどうかを、手動・半自動での運転モードと、マインドワンダリングの発生との関連から検討するため、実車実験と同様の被験者5名に対して、ドライビングシミュレータを用いた実験を行った。実車実験のドライブレコーダ記録から、追い越された車の種類、台数、また、道路環境(工事等による片側車線規制など)を確認し、これらの要因に関して平均的な運転状況をドライビングシミュレータ上に再現した。また、実車の際には安全性を考慮して実施できなかった、アイカメラを用いた視線測定も行った。実車の場合と同様に、ランダムなタイミングで、音声により運転に集中しているかどうかを訪ね、マインドワンダリングの発生を計測した。同じ被験者に対して、自動運転、半自動運転の両方のモードを行った。その結果、同じ被験者である一方で、シミュレータと実車では、運転モードとの関連でマインドワンダリングの発生について類似した結果は得られなかった。アイカメラの測定の結果、マインドワンダリングを行っている際には、視線が真正面に集中せず、周囲に分散することが確認された。また、全ての被験者が半自動運転の際に、マンドワンダリングしやすいという訳ではなく、運転に自信のある傾向の人は、手動運転の方が、半自動運転よりもマンドワンダリングしやすく、慎重な運転をする傾向の人は、半自動運転の方が、マインドワンダリングしやすいという結果も得られた。また、運転の楽しみについても、これまでの成果で、半自動運転の昨日のついた車のドライバーの方が、手動運転の車のドライバーよりも、運転の楽しみを高く感じていることが明らかになっている。
著者
寿田 鳳輔 藤井 久四郎 新井 和夫 丸岡 利市 斎藤 仁隆
出版者
Japan Society of Smooth Muscle Research
雑誌
日本平滑筋学会雑誌 (ISSN:03743527)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-45, 1968

Albino rats of Wistar strain with normal sexual cycle on the basis of their vaginal smears were used and anesthetized with Mintal (pentobarbital) injecting 5 mg/100 g intraperitoneally in acute experiments. Spontaneous electromyographic activity of the rat uterus <I>in vivo</I> was recorded using a concentric electrode (silver wire, 50μ diameter). One electrode was placed in the tubal side and the other electrode in the cervical side of a corpusuteri of the rat. Electromyographic recordings were made with a 2 channel inkwritingapparatus. The spontaneous electrical activity of the rat uterus <I>in situ</I> could be observed through the cycle. The basic electromyographic patterns of the nonpregnant ratuterus at the estrus were the train of spike and the spike burst. From proestrus to estrus, the spontaneous spike discharges increased in amplitude and in frequency and became of a set of their discharges. In some cases the spontaneous spike discharges were observed sporadically at the diestrus of the cycle and the castrated condition.
著者
新井 哲明
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.6, pp.494-498, 2007 (Released:2007-12-14)
参考文献数
34
被引用文献数
3 2

アルツハイマー病の症状は,中核症状である認知機能障害と,周辺症状である行動および心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)に大別される.中核症状に対しては,アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬とNMDA受容体拮抗薬の有効性が確立しており,わが国で現在使用できるのは前者に属するドネペジルのみである.AChE阻害薬については,認知機能の改善あるいは安定化作用のほか,日常生活動作の維持,向精神薬使用頻度の低下,介護者負担の軽減,施設入所時期の遅延,費用対効果の低減,などの効果が報告されている.興奮,焦燥,幻覚,妄想などのBPSDに対する薬物療法としては,非定型抗精神病薬の有効性が確立しつつあったが,2005年米国食品医薬品管理局より死亡率の増加を指摘されたことから,その適応について議論が続いている.
著者
森脇 広 松島 義章 町田 洋 岩井 雅夫 新井 房夫 藤原 治
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.253-268, 2002-08-01
被引用文献数
2 7

姶良カルデラ北西縁の平野を対象に,完新世の地形発達および相対的海水準変動,地殻変動を,地形と堆積物の観察,<sup>14</sup>C年代測定,テフラ分析,考古遺跡,貝化石と珪藻化石の分析結果にもとづいて検討した.3面に区分される完新世海成段丘は,それぞれ7,300cal BP(6,500yrs BP)~3,500yrs BP,3,000~2,000BP,古墳時代(1,500cal BP)以降に形成された.姶良カルデラ周縁では,カルデラ中心部へ向かって傾き上がる傾動隆起が生じ,その隆起量は7,300cal BP(6,500yrs BP)以降,最大10m以上に達する.この地域の海面高度は8,700cal BP(8,000yrs BP)頃には現海面高度にあり,現海面上4~5m(8,500~8,400cal BP:7,700yrs BP頃),現海面上6m(8,100cal BP:7,300yrs BP頃)を経て,7,300cal BP(6,500yrs BP)頃に現在の海抜12mの高さに達した.その後,海面は次第に低下し,現海面上5~7m(3,000~2,000yrs BP),現海面上2~3m(1,500cal BP)を経て現在に至った.この特異な相対的海水準変動は,姶良カルデラの火山活動に伴う地殻変動が影響しているとみられる.8,100~8,000cal BP(7,200~7,300yrs BP)には,海進は内陸深く及び,溺れ谷が形成された.この時期,米丸マールを形成したベースサージは,別府川流域の内湾を大きく埋積した.その後,汀線は段階的に前進し,縄文時代後期(3,500yrs BP頃)には現在の海岸に近い位置にまで達した.約8,000~7,000cal BP(約7,300~6,000yrs BP)の時期に,池田カルデラ,桜島,鬼界カルデラでも大規模な噴火が起こり,縄文海進最盛期に形成された南九州のリアス式海岸は急激に変化した.
著者
武田 英明 南 佳孝 加藤 文彦 大向 一輝 新井 紀子 神保 宇嗣 伊藤 元己 小林 悟志 川本 祥子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本発表では筆者らが現在進めている生物種に関連するデータをLinked OpenData化する試みについて紹介する。生物種の情報は生物多様性問題や環境問題において重要であるが、様々な分野に関わるため、相互にうまくリンクする仕組みが必要である。このためにはLinked OpenDataの方法が有効と考えて現在基盤システムを構築している。この構築にあっての課題や現状について説明を行う。
著者
渡辺 学 網本 和 新井 智之 廣瀬 隆一(MD)
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第25回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.17, 2006 (Released:2006-08-02)

【目的】「鏡失認」は、鏡上の物体を探索しその物体が視野内に呈示された後でもその探索行動を変容できない症状で、1997年にRamachandranが初めて報告した。また彼は鏡の利用により半側空間無視が改善する可能性を示唆しているが、その後も定量的な研究は行われていない。今回、半側空間無視に鏡失認を認めた例に対して定量的な評価を行い、次に鏡を利用することで半側無視の改善が得られたので報告する。【対象】症例A:85歳、女性。右頭頂葉皮質下出血、左片麻痺。JCSI-1、Brunnstrom stage上肢II手指I下肢II、左感覚重度障害、同名半盲なし。合併症は、見当識障害、認知障害、注意障害、病態失認、左半側空間無視、Pusher症候群。ADLは全介助、作話あり。症例B:89歳、女性。右側頭頭頂葉皮質梗塞、左片麻痺。JCSI-1、Brunnstrom stage全てVI、左感覚障害なし。合併症は、同名半盲、認知障害、構成障害、注意障害、病態失認、左半側空間無視。ADLは監視レベル。【方法】車椅子の右側に矢状面方向で姿勢鏡を隣接した。検査者は対象者の右前方に位置し、鏡に注意を向けさせそれが何かを呼称させた後、鏡上に映る物体を呼称させた。次に閉眼させ、対象者の前方50cm両眼の下20cm高さで鏡面から水平方向に左50cm(対象者の身体正中線より左側)の所に、ピンク色で直径6.5cmのボールを上方から糸で吊して呈示した。対象者を開眼させ鏡上に映るボールが認識できるか確認してから、「手を伸ばしてボールを取って下さい」と口頭指示した。鏡上を探索し実際のボールが掴めない場合は再び閉眼させ、ボールを10cm間隔で鏡面に近づけて同様の指示した。これを実際のボールを掴めるまで繰り返し、掴めたら今度は10cm間隔で鏡面から離していき、再びボールを掴めなくなる位置を確認しこれを閾値とした(鏡条件)。その後、鏡条件での閾値位置前後でボールの認識とリーチ動作を繰り返し(ミラーアプローチ)、治療前後でAlbertテストを実施した。【結果】鏡条件では、症例Aはボールを鏡面から10cm、症例Bは5cmの位置に近づけるまでは一度実際のボールを見ても鏡像を掴もうとして鏡面を探り、「鏡に浮いていて掴めない」「掴めるわけない」と訴えた。反対にボールを鏡面から離していくと症例Aは40cmで再び鏡上を探るようになり、症例Bは50cm離れても実際のボールを直接握ることができた。ミラーアプローチ前後のAlbertテストは、症例Aは17/40から36/40に、症例Bは38/40から40/40に変化した。【考察】実際の目標をつかめた距離の測定により、鏡失認と半側空間無視の評価を定量的に行う手段となりうる。一方、鏡の利用により半側空間無視が改善する例があり、治療法として有効な手段の一つであると同時に、症例により効果が異なる可能性が示唆された。
著者
藤代 史 石﨑 梓 新井 宏受 長田 直之 石井 慶造 菅原 弘治 松根 寿
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

福島第一原子力発電所事故により、福島県内で稲作の作付規制が行われている。水田土壌は耕起が年単位で行われないと稲作のための土壌としての役割を果たせなくなるため、一刻も早い放射能除染が望まれている。本研究では、耕起する土壌の深さを変えて試験作付を行い、未除染土壌での稲への放射能移行を調査した。
著者
衣川 雅彦 新井 仁 小笠 剛裕 河西 政次
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.401-406, 1999-05-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
16
被引用文献数
2 5

A convenient large-scale preparation of the indoloquinone antitumor agent EO9 has been developed. A Nenitzescu reaction has been used to prepare the indole skeleton having all functional groups necessary for its conversion into a key intermediate in a short synthesis of the indoloquinone EO9. Moreover, the hazardous reagent, Fremy's salt was replaced by safer one, [bis (trifluoroacetoxy) iodo] benzene, for oxidation of the 4-aminoindole to the corresponding indoloquinone, and high quality EO9 was easily obtained by choosing acetonitrile as the solvent in the substitution reaction of the methoxy group with ethylenimine to introduce the aziridinyl group into the precursor.
著者
寺原 昭 羽石 達生 新井 守 桑野 晴光
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.286-293, 1974

The antifungal metabolite, herbicidin A (C_<23>H_<29>O_<11>N_5) and herbicidin B (C_<18>H_<23>O_9N_5) obtained from Streptmyces saganonensis (Strain No 4075) have a plant growth inhibiting effects against to baryard glass, green panicum, tomato and radish ect., in a concentration 37-300ppm without effect to rice. Basic hydrolysis of herbicidin A affords an unsaturated acid 3 which has been confirmed to be 2-hydroxymethyl-2-butenoic acid, and herbicidin B acid 4. Methanolysis of herbicidin A and B with Amberlyst 15 in methanol affords adenine, and C_<19>H_<28>O_<12> 8 and C_<15>H_<24>O_<10> 5 respectively. On the bases of chemical and physico-chemical evidences of these derivatives, structures of herbicidin A and B have been determined to be nucleosides which consist of adenine and an unusual sugar moiety.
著者
上川 健司 新井 健生 前 泰志 田窪 朋仁 井上 健司
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.231-240, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

This paper proposes a new locomotion algorithm of narrow scaffold. We have developed a limb-mechanism robot. The limb can move on a large working area, it can be used as an arm and a leg. ASTERISK Robot system has six limbs that radiate out in six directions. This robot system has the rotational symmetry, therefore, the posture is equivalent even if the robot body rotates. By using this feature, we propose a new movement algorithm “rotational gait” that the robot rotates like a wheel. The rotational gait can be applied to the robot that hanging on a cable, moving on narrow shelf of a cliff, and walking in a narrow space by the same algorithm. The operation and effectiveness of these algorithms were verified by the experiment. The movement algorithm is easy pattern operation that keeps stable state at all periods. And the robot can move without doing a high-speed real-time processing.
著者
新井 武志 大渕 修一 逸見 治 稲葉 康子 柴 喜崇 二見 俊郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.118-125, 2006-06-20
被引用文献数
9

本研究では,包括的高齢者運動トレーニング(以下CGT; Comprehensive Geriatric Training)に参加した地域在住虚弱高齢者の健康関連Quality of Life(以下HRQOL),うつ傾向,転倒に関する自己効力感を評価し,CGTによる身体機能改善効果との関連について検討した。対象は,CGTに参加した地域在住の虚弱高齢者20名(男性4名,女性16名,平均年齢74.6±7.2歳)であった。CGT開始前後に歩行能力やバランス機能などの身体機能測定に加えて,HRQOL (MOS Short-Form 36-Item Health Survey;以下SF-36),高齢者うつ評価(Geriatric Depression Scale簡易版;以下GDS),転倒に関する自己効力感(Falls Efficacy Scale;以下FES)を測定した。介入により有意に改善した身体機能の変化量とSF-36,GDS,FESとの相関関係について検討した。トレーニング後,参加者の身体機能は最大歩行速度,ファンクショナルリーチ,長座位体前屈,Timed Up and Goが有意に改善した(p<.01〜.05)。SF-36,GDS,FESの初回評価値とそれら身体機能の変化量との関係では,SF-36(心の健康)がファンクショナルリーチの変化量と有意な相関(r=0.53,p<.05,年齢調整後偏相関係数r=0.53,p<.05)を認めたのみで,GDS,FESはいずれにも有意な相関を認めなかった。今回CGTに参加した地域在住の虚弱高齢者において,身体機能の改善効果とうつ傾向や転倒に関する自己効力感の関連は認められなかった。適切な介入方法を用いることによって,HRQOLやうつ傾向,転倒に関する自己効力感の高・低にかかわらず高齢者の身体機能を向上させられる可能性が示唆された。