著者
渡辺 義昭 渡辺 恵 村上 隆広
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.79-84, 2019 (Released:2019-08-23)
参考文献数
20

市街地内の林で,フクロウ(Strix uralensis)によるタイリクモモンガ(Pteromys volans)捕食の状況と個体群に与える影響を調査した.2008年から2017年の毎冬期に調査地内で163個のペリットを採集した.解析した150個のペリットのうち,2調査期ではそれぞれ21個体,23個体のタイリクモモンガが出現した.調査期間中のフクロウの観察率は最大26.9%,最小0%で,年による変動がみられ,タイリクモモンガの巣穴利用樹木数にも最大25本,最小6本と年変動がみられた.フクロウ観察率の高い年の翌年にタイリクモモンガの巣穴利用樹木数が減少した年があった.また,フクロウによるタイリクモモンガ捕食圧が低下したと考えられる翌年にタイリクモモンガの巣穴利用樹木数が増加したケースもみられた.これらの結果は,フクロウの捕食がタイリクモモンガ個体群に影響している可能性を示唆する.
著者
木伏 和貴 鈴木 麻美 長島 七海 高嶋 弥生 岡部 泰樹 根本 裕太 畠山 太良 村上 信人 豊田 淳 屋嘉比 章紘 石坂 正大
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.541-544, 2018 (Released:2018-07-06)
参考文献数
13

〔目的〕ストレッチポール上における運動が側腹筋厚に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕運動器疾患のない健常若年者44名を対象とし,超音波画像診断装置を用いて,腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋の側腹筋厚を計測した.計測は,背臥位およびストレッチポール上で行い,安静呼気,最大呼気,ドローイン,ブレイシングの4つの運動課題とした.〔結果〕側腹筋厚は,内腹斜筋・腹横筋において,ポール条件と体幹運動で交互作用がみられた.ストレッチポール上での運動では筋厚増加がみられ,ドローイングとブレイシングが最も筋厚を厚くする課題であった. 〔結語〕ストレッチポール上で体幹運動課題は側腹筋厚を増加させる効果があった.
著者
黒澤 大輔 村上 栄一
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.1231-1235, 2012-11-01

仙腸関節後方靱帯領域へのブロックで確定診断を得た仙腸関節障害45例を対象に、腰椎疾患との鑑別に有用な圧痛点について検討した。各圧痛点に母指で約4Kgの圧迫力を加えて圧痛の有無を2回検査した。対照は手術治療を行った腰椎疾患80例とした。その結果、圧痛の出現頻度は上後腸骨棘(PSIS)、長後仙腸靱帯(LPSL)、仙結節靱帯(STL)、腸骨筋の圧痛点で有意差を認めた。仙腸関節障害では45例中41例(91.1%)は圧痛点4ヶ所のうち1ヶ所以上が陽性であり、腰椎疾患80例中42例(52.5%)は圧痛点4ヶ所が全て陰性で、圧痛点4ヶ所が全て陽性であったのは1例のみであった。以上より、鑑別に有用な圧痛点はPSIS、LPSL、STL、腸骨筋で、それぞれ特異度が高く、いずれかが陽性であれば仙腸関節障害を疑い、仙腸関節ブロックを用いて確定診断を行う必要があると考えられた。
著者
石原 孝 松沢 慶将 亀崎 直樹 岡本 慶 浜端 朋子 青栁 彰 青山 晃大 一澤 圭 池口 新一郎 箕輪 一博 宮地 勝美 村上 昌吾 中村 幸弘 梨木 之正 野村 卓之 竹田 正義 田中 俊之 寺岡 誠二 宇井 賢二郎 和田 年史
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.3, 2017 (Released:2017-04-14)
参考文献数
43

2012年9月から2013年4月にかけて、日本海沿岸で196個体のウミガメ類が漂着した。混獲された個体などを合わせると243個体となり、例年にない数のウミガメ類が発見された。種別の発見数はアカウミガメ151個体、アオウミガメ61個体、タイマイ17個体、ヒメウミガメ4個体、ウミガメ科の雑種4個体、オサガメ3個体であった。本研究で特に注目したのは、当歳幼体とここでは呼ぶ、甲長10 cm前後の孵化後数ヶ月のアカウミガメであった。アカウミガメ当歳幼体は107個体が漂着し12個体が混獲されており、ウミガメ類発見数の大半を占めていた。これらアカウミガメ当歳幼体は、mtDNAコントロール領域における~820塩基対より決定したハプロタイプの出現頻度から、沖縄や沖永良部産で、一部屋久島産が含まれることが示唆された。これらの個体が日本海に流入し始めたのは混獲の目立ち始めた10月から11月にかけてだと考えられ、水温の低下に伴い12月から1月になって日本海の海岸線に大量に打ち上げられたと推察された。水温の低下する冬季の日本海はウミガメ類の生存には厳しい環境であるとも思われるが、中には津軽海峡を通って太平洋へ抜けたであろう当歳幼体もいた。日本海に入ることはアカウミガメの当歳幼体にとって必ずしも無効分散ではないのかもしれない。
著者
瀬戸 寛子 大島 裕司 松田 由里 手島 由貴 村上 美智子 堀江 宏一郎 関 正佳 石橋 達朗
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.163-169, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【目的】米国American Medical Association(AMA)が推奨し、QOLと相関すると言われているFunctional Vision Score(FVS)を用いて本邦で視覚障害に認定されている患者の障害の程度をスコア化し、日本の障害等級とFVSを比較した。【対象および方法】対象は視覚障害に認定されている42例(1級8例、2級19例、3級6例、4級3例、5級6例)男性20例、女性22例である。 視力値からFunctional Acuity Score(FAS)、Goldmann視野からFunctional Field Score(FFS)を求めFVSを算出し、本邦の各障害等級とFVSを比較した。【結果】本邦の各障害等級に相当するFVSの値は1級0~19.9%、2級2.9~60.2%、3級6.9~62.1%、4級7.6~27.5%、5級11.9~74.4%であり、障害等級とFVS間には有意な相関が認められた。(Spearman順位相関係数 r=0.47、p=0.0014)また、AMA分類にあてはめるとclass 4(国際分類:ほぼ全視覚喪失)は1級6例、2級5例、3級1例、4級1例、5級1例、class 3b(極度視覚喪失)は1級2例、2級8例、3級4例、4級2例、5級1例、class 3a(重度視覚喪失)は2級3例、5級3例、class 2(中等度視覚喪失)は2級3例、3級1例、class 1(軽度視覚喪失)は5級1例、class 0(正常視覚)はすべての級で0例であった。【結論】日本の障害等級とFVSには相関がみられたが、日本の障害等級が同等であってもFVSの基準に従い分類した結果、異なるクラスに分類される症例があった。
著者
神戸 隆行 守山 朋弘 吉松 則文 村上 和彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.328, pp.27-32, 2011-11-22

クラウド・コンピューティングの普及に伴い、開発ツールを提供する際にオンライン・サービスとしての提供、即ちTool as a Service(TaaS)とでも言うべき方法によりユーザ側の利用コストを低減することが可能になってきた。しかし、開発ツールを新規にTaaSとして開発することは開発側にとって大きな負担となる。そこで我々は既存の開発ツールをそのままTaaS化するPlatform for TaaS(PTaaS)、特に堅牢性、可搬性と相互運用性、短い応答時間、柔軟な計算機資源調達に優れると期待される分散ビルド型PTaaSを提案し、その実現の詳細を検討する。
著者
小林 憲弘 小坂 浩司 浅見 真理 中川 慎也 木下 輝昭 高木 総吉 中島 孝江 古川 浩司 中村 弘揮 工藤 清惣 粕谷 智浩 土屋 かおり 寺中 郁夫 若月 紀代子 加登 優樹 小関 栄一郎 井上 智 村上 真一 金田 智 関 桂子 北本 靖子 堀池 秀樹 米久保 淳 清水 尚登 髙原 玲華 齊藤 香織 五十嵐 良明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.223-233, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

水道水中の臭素酸イオン (BrO3-) を既存の告示法よりも高精度かつ迅速・簡便に分析するために, LC/MS/MSによる測定方法を検討し, 臭素酸イオンを高感度に検出でき, さらに水道水中に含まれる他の陰イオンを良好に分離可能な測定条件を確立した。さらに, 本研究で確立した測定条件が全国の水道水に適用できるかどうかを検証するために, 水道事業体等の23機関において水道水に臭素酸イオンを基準値 (0.01 mg L-1) およびその1/10 (0.001 mg L-1) となるように添加した試料を調製し, 各機関で最適化した様々な測定条件で試験を行った。その結果, いずれの機関においても厚生労働省が示している「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たしたことから, 本分析法は水道水中の臭素酸イオンを基準値の1/10 (0.001 mg L-1) まで高精度に分析可能であると評価した。
著者
村上 てるみ 西村 敏 舟塚 真 新宅 治夫 一瀬 宏 大澤 眞木子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.E663-665, 2013-07

瀬川病は14q22.1-q22.2に存在するGTPシクロヒドロラーゼI(GCH1)遺伝子異常に起因する常染色体優性遺伝性ジストニーである。典型例では6歳をピークに下肢姿勢ジストニアで発症し筋固縮の進行は10歳代後半までみられるが以後緩徐になり30歳代では定常状態となる疾患である。日内変動は小児期には著明であるが20歳代後半には徐々に消失することが知られている。多くの患者が症状の日内変動に気づかれず脳性麻痺などの診断を受けている。今回私たちも脳性麻痺と診断を受けていたが問診により症状に日内変動があることに気付き遺伝子検査にて瀬川病と確定診断しL-dopaが著効した1例を経験したので報告する。,症例は17歳女性で 家族歴, 既往歴, 発達歴に特に問題は認めなかった。6歳時に左足の尖足、歩行障害、 姿勢の異常出現、症状の増悪を認めたため当科を受診した。問診にて歩行障害、姿勢の異常には日内変動があることが判明した。 脊髄・頭部MRIでは異常を認めず、臨床症状と日内変動を認めるという問診より瀬川病を疑った。 髄液中のネオプテリン、バイオプテリンの低値と血球中のGTPシクロヒドラーゼI(GCH1)酵素活性低値、さらにGCH1遺伝子異常を認め瀬川病と確定診断した。 L-dopa内服で速やかに完全寛解し10年経過するが副作用なく持続している。診断のきっかけは朝夕での症状の違いを具体的な例をあげて母親に質問したことで症状に日内変動があることがわかった。具体例を挙げての詳細な問診は診断の一助となることを再認識した1例であった。,
著者
村瀬 善彰 田中 和彦 村上 典央 平尾 純子 加藤 忠幸 青木 隆明 糸数 万正
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第23回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.O045, 2007 (Released:2007-11-02)

【はじめに】 線維筋痛症あるいは線維筋痛症候群(fibromyalgia syndrome:以下、FMS)は、長時間持続する全身の結合織の慢性疼痛やびまん性疼痛、こわばり、疲労感を主訴とし、他覚症状として特徴的な圧痛点を有する疾患である。その他、しびれ感、頭痛などの精神神経症状もかなりの頻度でみられる。このような関節リウマチ様の全身症状を呈するため多くの患者がリウマチ専門医を受診するが、器質的障害の存在を裏付ける明確な臨床所見を認めず、多彩な不定愁訴を呈するため、別名「心因性リウマチ」ともいわれている。FMSは日本ではなじみの薄い疾患であるが、欧米では比較的頻度の高い疾患であり、一般人口の2%にみられるとの報告もある。40~50歳前後の壮年期~更年期の女性に多く(約85~90%は女性)認められ、原因の詳細不明な疾患であるため効果的な治療法に乏しい。そのため、薬物療法以外にも様々な治療が試みられているのが現状である。 今回われわれは、このような疾患に対して理学療法を行い、痛みとQOLの評価を用いて理学療法アプローチの必要性について検討したので、文献的考察をふまえ報告する。 【方法】 当院整形外科外来患者のうちリウマチ専門医により、FMSと診断され経時的評価が可能であった女性7例(平均年齢49.4歳)を対象とし、身体ストレス緩和のためのリラクゼーションを目的とした環境作りの提案や生活指導及び拘縮予防や除痛を目的とした運動療法を行った。FMSは他覚的所見として全身の各部位に18ヶ所の圧痛点が存在するのが大きな特徴であるため、その圧痛点の変化とVAS(Visual Analogue Scale)を用いた痛みの評価を行った。QOL評価にはMedical Outcome Study Short-Form8Item Health Survey(以下、SF-8)を評価ツールとして使用し、理学療法施行前後及びその後の経過観察において各々評価を行った。 【結果】 全例において多彩な不定愁訴に加え、両側性筋痛症状が認められ、疼痛の評価から何らかの改善が得られたのは7例中6例であった。また、SF-8においては国民標準値を下回っている症例を認めたが、評価カテゴリーによって改善傾向を示す結果であった。 【考察】 今回の結果から、理学療法による一定の傾向を示すことは困難であったが、環境改善についての生活指導や運動療法の介入によって、身体及び精神環境の面において何らかの改善が得られることが示唆された。FMSは日本以外の先進国の常識であり、症状が多彩であるがゆえに必然的に、原因不明、経過観察という説明のもと、診断、治療を受けられずに医療機関を転々としながら長い経過をたどっていることが予測されることからも、今後さらなる調査を継続して行い、理学療法の立場から長期的に検討していくことが必要と思われた。

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著者
村上浪六 著
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1905
著者
細田 真道 坂本 寛 村上 友規 花籠 靖 梅内 誠 毛利 忠 塩原 寿子 小川 智明 宮本 勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.3-15, 2020-01-15

活き活きとしたスマートシティを実現するためには,MaaS,イベント,施設などの運営者が多数の人の流れ(以下,人流)を把握することで,より最適な移動手段選択,混雑緩和,事故防止につなげることが重要である.本論文はこうした運営者が人流を把握することを目的とし利用者などの端末を測位する方法を提案,評価し有効性を示す.まず,従来測位方式および技術的課題を述べる.広く普及している人工衛星による測位方式は屋内測位が困難である.また,屋内測位できる方式であっても,端末が自身の測位をして結果をサーバなどに通知する必要があり,アプリケーションのインストールを要する.そこで,これらの課題を解決する新方式を提案する.提案方式は,通常の無線LAN端末が対象,端末にアプリケーション不要,端末が分散アンテナを用いたアクセスポイントに帰属するとアクセスポイントが端末を測位可能,歩行者動線取得可能という特徴を持つ.提案方式の1次元測位実験の結果,通常の無線LAN端末で,アプリケーション不要,歩行者動線取得,高精度測位(精度1m~5m)を実現した.最後に,フィールド実証としてこの提案システムを来場者が多数集まる展示会で動作させ,実フィールドでの有効性を明らかにした.展示会では来場者で混雑しても,提案方式のうちRTT(Round Trip Time)測位には大きな影響がなく,来場者から高い評価を得た.
著者
桝田 正治 吉田 裕一 村上 賢治 浜田 優子 向阪 信一
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.254-260, 2000-12-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
26
被引用文献数
4 4

本研究は, 閉鎖系連続光下におけるピーマン'京みどり'の果実生産における炭酸ガス施与の効果について調査したものである.栽培環境条件は, 蛍光灯連続光の光強度150μmol m-2 s-1, 気温27±2℃, 湿度70±5%, 炭酸ガス濃度は自然 (340ppm), 800, 1200, 1600ppmとした.播種約45日後に第1番花が開花し, その時点から炭酸ガス施与を開始した.開始後72日間の収穫果数 (20~25gで収穫) はCO2自然区で個体当たり57果, 800~1600ppm制御区では80~90果となり, 自然区に比べて制御区で有意に増加した.CO2濃度の制御区間には有意差は認められなかった.地上部の全乾物重に占める果実乾物重の割合は, いずれの試験区でも40%以上を示した.生育は, すこぶる旺盛で節間は2~3cmと極めて短く葉色も濃緑であったが, 炭酸ガス施与開始2か月後には, 1200ppmと1600ppm区において軽微な葉脈間クロロシスが観察された.長期栽培でのCO2施与は, クロロシスが発生せず収量の向上が期待できる濃度800ppm程度が適当であると推察された.なお, 果実品質について自然光ガラス温室での同栽培法による6月の収穫果実と比較したところ, 連続光下の果実は乾物当たりのデンプン含有率は低いが, 糖含有率には差がなく, 果皮が硬く, 緑色濃く, つやの強い点が特徴的であった.
著者
村上 龍
出版者
山口大学哲学研究会
雑誌
山口大学哲学研究 (ISSN:0919357X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.27-39, 2013

Although rarely pointed out, Henri Bergson(1859-1941)was highly interested in psychical phenomena, or to be exact, in researches on such phenomena. But why? In this paper I am going to clarify the reason. Unfortunately there is no article in which Bergson directly mentions psychical researches except for ""Phantasms of the Living" and "Psychical Research""(1913). So I start by examining this exceptional article, and after that I turn my eyes to several related articles. Finally I will conclude that Bergson, whose speculation is firmly based on modern sciences, regards psychical researches as the newest one.
著者
山田 文雄 石井 信夫 池田 透 常田 邦彦 深澤 圭太 橋本 琢磨 諸澤 崇裕 阿部 愼太郎 石川 拓哉 阿部 豪 村上 興正
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.265-287, 2012 (Released:2013-02-06)
被引用文献数
2

政府の府省が進める各種事業の透明化と無駄遣いの防止をねらいとする「行政事業レビュー」において,2012年度に環境省の「特定外来生物防除等推進事業」が「抜本的改善」という厳しい評価を受けた.この事業レビューでは,おもにフイリマングースHerpestes auropunctatus(特定外来生物法ではジャワマングースH. javanicusの和名と学名を使用)やアライグマProcyon lotorの防除事業が取り上げられた.日本哺乳類学会はこの評価結果について,外来生物対策の基本的考え方や事業の成果についての誤解も含まれているとし,この判定の再考と外来生物対策の一層の推進を求める要望書を提出した.本稿では,環境省行政事業レビューの仕組みと今回の結果について報告し,根絶を目標とするマングース防除事業の考え方と実施状況,また,広域分布外来生物の代表としてアライグマを例に対策のあるべき姿を紹介した.さらに,学会が提出した要望書の作成経過と要点について説明し,最後に,行政事業レビューでの指摘事項に対して,効果的かつ効率的な外来哺乳類対策に関する7つの論点整理を行った.これらの要望書や日本哺乳類学会2012年度大会の自由集会における議論及び本報告によって,われわれの意見を表明し,今後の動向を注視するとともに,今後の外来種対策事業や研究のより一層の充実を期待したい.
著者
鳥居 朋子 岡田 有司 高橋 哲也 林 透 村上 正行 山田 剛史 串本 剛 大山 牧子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、4年間の研究期間において下記の5点を一体的に進める。(1)教育プログラムの評価と改善の好循環システムの先進事例を検討するため、米国・英国等の大学への訪問調査を行い、優れた循環システムの要件を抽出、(2)日本の大学の全国的な量的調査により、教育プログラムの評価と改善に関わる実態分析や主要な問題を特定、(3)学習成果測定や教育プログラムの評価を推進している日本の大学への訪問調査、(4)日本の大学において教育プログラムの評価と改善の好循環システムを形成する際に考慮すべき点やシステム構築上の要件等の抽出・整理、(5)好循環システムを組織的に構築するための具体的な手法をティップスの形式にまとめ公表。
著者
村上 雅裕 中谷 真由美 太田 千裕 安田 恵 天野 学
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.592-598, 2017-10-10 (Released:2018-10-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

To provide appropriate information concerning ethical or Rx-OTC-switch drugs containing the same ingredients by pharmacists, it is necessary to understand the properties of both. In this study, pharmaceutical properties and economics were compared between ethical and Rx-OTC-switch anti-allergy ophthalmic solutions containing tranilast, pemirolast, or acitazanolast.Regarding 14 ethical and 3 Rx-OTC-switch products, the squeeze force, drop weight, pH, specific gravity, and total number of drops were measured. The usable period per bottle and daily cost were calculated from the total number of drops.The squeeze forces of the three drugs differed about 1.5-2 times among their products. Single-drop volumes calculated from the drop weights and specific gravities ranged from 30 to 46 μL for 0.5% tranilast ophthalmic solution, larger for the original drugs than for the Rx-OTC-switch and generic ones. The pH values of the ophthalmic solutions differed among the drugs, but not among their products. The usable periods of each bottle of the three drugs were longer for the Rx-OTC-switch drugs. However, the daily drug costs of 0.1% pemirolast ophthalmic solution were higher for the Rx-OTC-switch drug than for the original one, although those of 0.5% tranilast ophthalmic solution were lower.The present study demonstrated that the squeeze forces and drop volumes differed between the Rx-OTC-switch and ethical drugs and that the usable periods of each bottle and daily costs differed among the drugs. It is important for pharmacists to obtain information on the pharmaceutical properties and economics for in order to select products for individual patients.