著者
松本 五十生 落合 勝義 船越 昭治 中村 公一 真野 光雄 森田 貞夫
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.74, pp.1-9, 1991

緑茶の消費向上と嗜好の多様化に対応するため,緑茶にない芳香をもち,苦渋味の少ない新香味茶の製造方法について検討し,図2に示す技術を確立した。<BR>(1)萎凋と発酵は煎茶用自動乾燥機を用い,温風温度35~40℃で30分が適当であった(重量減7~10%)。<BR>(2)攪拌は中揉機に金網胴をとりつけ,60分処理で好結果が得られた(重量減15%)。<BR>(3)静置は生葉コンテナーを用い,室温(27℃)に60分放置した。これにより強い芳香が発揚した。<BR>(4)マイクロ波加熱による殺青(ブランチング)は出力4KW,照射時間50秒,重量減45~50%が良好であった。<BR>(5)整形及び乾燥は揉捻機,再乾機,乾燥機を用い,揉捻15分,再乾と乾燥はともに60℃の排気温で,それぞれ40分が好適であった。<BR>(6)仕上げは火入れを行って青臭みを除き,9号で切断し,10号の篩目で仕分け,整形した(平均粒度1.27mm)。<BR>(7)一般消費者に対して,代表的試製茶の嗜好調査を実施したところ,46%の人が好き,やや好きと答えており,市販された場合購買嗜好も高く明るい見通しを得た。
著者
横山 重俊 松本 敦嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.50, pp.5-9, 2014-05-16

コンテナ技術を活用したDistributed Cloudアーキテクチャを提案する.Distributed Cloudを実現する上の課題の一つは,分散したリソースの上にどう効率的にソフトウェアを配備するか,と言うことである.筆者らのソリューションは,既存のクラウド基盤を使ってその上にリソースを配置し,その上にコンテナ基盤を構築し,それら分散したコンテナ基盤群をL2トンネルで接続することで,分散アプリケーションが効率的に配備できるVirtual Cloud Providerを実現する方式である.本論文では,提案するアーキテクチャについて述べ,そのアーキテクチャに沿ったプロトタイプについて紹介する.
著者
江島 明男 寺沢 弘文 杉森 正道 大薄 悟 松本 建介 川戸 康義 安岡 周美 田川 博昭
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.683-688, 1992
被引用文献数
21

Several E-ring-modified analogues of (RS)-camptothecin were synthesized by total synthesis via Friedlander condensation and evaluated for cytotoxicity and antitumor activity against P388 mouse leukemia cells. Among them, (RS)-20-deoxyamino-7-ethyl-10-methoxycamptothecin (25c) was found to be more active than (RS)-camptothecin (1) in the in vivo assay.
著者
岡田 一義 今田 聰雄 海津 嘉蔵 川西 秀樹 菅原 剛太郎 鈴木 正司 石川 勲 佐中 孜 奈倉 勇爾 松本 紘一 高橋 進
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1315-1326, 2003-08-28
被引用文献数
5 7

本邦では, 透析患者の終末期において, 血液透析 (HD) が安定して施行できている患者の自己決定を尊重し, HDを中止することについての生命倫理学的研究は殆どない. 今回, われわれは, 透析医 (552名) を対象として, 安定したHDを受けている悪性腫瘍終末期症例を提示し, いくつかのシナリオに対して, HDを中止するか, 継続するかの意識調査と, advance directives (AD), 尊厳死, 尊厳生についてどのように考えているかの意識調査を全国的規模で行った.<br>434名 (78.6%) から回答が得られたが, 有効回答は427名 (77.4%) であった. ADおよび尊厳死が法的に認められていない現状において, ADの有無で比較すると, (1) 家族がHD中止を申し出た場合, (2) 家族がHD継続を申し出た場合とも, ADがあるとHDを中止する回答は有意に増加した ((1) 48.0%→78.9%, (2) 0.2%→2.6%). さらに延命療法を中止しても法的責任は問われないと仮定すると, ADがあるとさらにHDを中止する回答は増加した ((1) 90.9%, (2) 11.9%). ADと尊厳死を必要であると回答した透析医はそれぞれ74.0%, 83.1%であったが, 法制化も必要と回答した透析医は56.4%, 63.7%に減少した. 尊厳死と尊厳生の比較では, 尊厳生を支持する透析医は, 尊厳死を支持する透析医よりも多かった (47.1%, 15.9%).<br>今回の結果は, 現状でも, 透析医および家族が患者の自己決定を尊重すると, ADによる尊厳死が行われる可能性があることを示唆し, 多くの透析医がADや尊厳死を必要と考えている. 一方, 尊厳生は人間にとって非常に大切なことであり, 尊厳死よりもこの言葉を支持する透析医が多かったと考える. すべての国民は個人として生きる権利を認められており, 本邦では, 終末期にも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め, 家族および社会が納得する範囲で, 先ず尊厳生によるADが自己決定のために重要であると認識させる努力をすべきである.
著者
松本 長
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1933-10
著者
松本 嘉幸
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.369-382, 2006

Through a monitoring survey from 2001 to 2005 at the Imperial Palace, Tokyo, 71 species of aphids were found form 81 host-plants. In the former investigation from 1996 to 2000 at the same area, 96 aphid species were found from 95 host-plants (Matsumoto, 2000). In this monitoring survey, 20 species were added to the fauna, and a total of 115 species were recorded from the Imperial Palace, Tokyo.
著者
片野 静次 沖 智之 松尾 由佳 義平 邦利 奈良 安雄 三木 知博 松井 利郎 松本 清
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.975-980, 2003-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
11 26

アコヤガイ貝肉タンパク質をアルカリプロテアーゼ分解し,その分解放による血圧降下作用を高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)を用いて,投与後6時間の収縮期血圧により調べた。分解放の低分子溶出画分側からACE阻害活性の高い画分を得たので,これを逆相クロマトグラフィーに供し,ACE阻害活性の高い生理活性ペプチドを,ACE阻害ペプチド(Ala-Trp)を含めて4種類分離・同定した。さらにこれらのペプチドのACE阻害への寄与率は4.5%であった。アコヤガイ貝肉の機能性食素材としての可能性を検討したので報告をする。
著者
谷 敬志 川越 力 松本 世津子 水田 浩之 安井 肇
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.235-244, 2015-09-20 (Released:2016-09-20)
参考文献数
32

函館市根崎沿岸において,ガゴメの季節的消長と形態形成について詳細に観察した。その結果,1~7月に発生したガゴメの1年目幼胞子体は10月までゆっくりと生長して約10 cm になり,10月~翌年1月に全てが再生した。再生現象が見られるまでに成熟する胞子体は見られなかった。2年目胞子体は1~7月の期間,著しい生長を示し7月には葉長が 2 m を超える大形体となった。8~10月には腐朽が見られ,約100 cm となるが10~11月に成熟した。標識をつけた2年目胞子体400個体のうち,約40%の胞子体で12月~翌年2月に再生が確認されたがほとんどが4月までに流失し,7月まで生長した胞子体は400個体のうち約2%だけであった。3年目胞子体は8~10月に腐朽したが10~11月には成熟した。その後,12月には全ての胞子体が流失した。
著者
松本 隆之 北川 貴士 木村 伸吾 仙波 靖子 岡本 浩明 庄野 宏 奥原 誠 榊 純一郎 近藤 忍 太田 格 前田 訓次 新田 朗 溝口 雅彦
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.43-49, 2013-07-15

メバチThunnus obesusおよびキハダThunnus albacaresは三大洋の熱帯域を中心に温帯域にかけて広く分布し,日本をはじめとする各国により漁獲され,マグロ属魚類の中でもっとも多獲さる重要種である。大型魚,特にメバチは主としてはえなわ漁業で,小型魚はまき網,竿釣り等の漁業で漁獲される。日本沿岸においては,小型の竿釣り,曳縄等の漁業でも漁獲されており,それらの漁業にとっても重要な魚種である。しかしながら,これら2種については資源の減少もしくは低水準での推移が見られ,その動向には注視する必要があり,また,資源学的研究の強化,およびより精度の高い資源評価が望まれる。そのためには,移動,遊泳行動等の生物学的パラメーターのより詳細な解明も必要である。
著者
三宅 雄大 寺田 和憲 吉川 雅博 松本 吉央 高橋 英之 伊藤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.73-78, 2013-11-02

本研究では,人がアンドロイドを人のようなインタラクション対象とみなすかどうかを繰り返し非ゼロ和ゲームを用いて検証した.実験タスクには協調も搾取も可能な繰り返し非ゼロ和ゲームである1,2,5じゃんけんを用いた.対戦相手としてアンドロイド,PC,人を比較した.実験の結果,実験参加者は対人条件の場合は相手との協調を優先したが,対アンドロイドの場合には対PCと同様に自己利益を追求し搾取を行った.実験結果の解釈を定めるために,追加実験を行い,対人であっても,その人が実験者である場合には自己利益を追求することが確認された.以上の結果から,金銭に関して価値を共有しないことがアンドロイドの人らしさを減退させていると結論づけた.
著者
松本 雅行 森 欣司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.14-22, 2003-01-01
参考文献数
17
被引用文献数
5

高密度運転線区の列車制御システムにおいては,高輸送力,高安全性,高信頼性が求められる.従来は,固定した区間ごとに列車の存在を検知し,そこに列車を進入させるかどうかの判断により,各列車の速度を地上の集中制御装置で求め,それを各列車の自動列車制御装置 (ATC) に指示していた.このため,高密度輸送は難しかった.本論文は,各列車が,自らの位置検知を行い,地上からは停止する位置のみを列車に伝送し,それに基づく列車速度の決定と制御を自律的に行う自律分散型 ATC システム (D-ATC) を提案した.更に,システム全体の運行を妨げず,D-ATC をもつ列車の段階的投入と,既存の ATC をもつ列車とを共存させながらのオンライン稼動中のテストを保証するアシュアランス技術を提案した.段階的投入に対する二つの方式として,車上統合/車上分離技術を示し,これらをアシュアランス性の面から評価した.この結果をもとに,JR 東日本の山手・京浜東北線用の列車制御システムで実用化した.
著者
松本 光弘
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.64-71, 1988-02-20 (Released:2011-11-08)
参考文献数
19
被引用文献数
3

雨水中のカルボン酸の測定に, 排除イオソクロマトグラフィー (以下, ICE法と略) の適用を検討した。その結果, 5種のカルボン酸 (ギ酸, 酢酸, プロピオン酸, コハク酸, グルタール酸) を迅速にかつ同時に定量することができた。しかし, シュウ酸とマロン酸についてはICE法では分離が悪いため, 通常のイオソクロマトグラフィーで定量した。雨水中のカルボン酸は, 室温では数日で完全に分解するが, クロロホルムあるいは塩化水銀を添加することにより室温でも3ヵ月間以上安定であった。雨水中のカルボン酸濃度の年平均値は, ギ酸0.181μg/ml, 酢酸0.112μg/ml, その他のカルボン酸は0.Ol8μg/ml以下であった。雨水中の水素イオン濃度に及ぼすカルボン酸の寄与率の年平均値は, ギ酸3.89%, 酢酸0.59%であり, カルボン酸全体で4.94%と見積ることができた。
著者
ファン ル 松本 邦彦 澤木 昌典
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.866-871, 2015

2008年5月に中華人民共和国四川省汶川県でマグニチュード8.0の四川地震が発生した。水磨鎮は震源地から5kmの距離に位置する甚大な被害を受けた被災地の一つである。地震の前は農業や工業が主な産業であったが、地震の後は町の持続的発展を目的とした観光開発による復興が計画され、2008年から2010年にかけて建物の再建、新たな商業街区の整備、被災者の移転・入居などの様々な事業が実施された。その結果、水磨鎮は人気の高い観光地となったが、2012年以降は観光業がやや不振に陥り、店舗の経営状況の悪化、新設住宅での居住環境上の問題などが見られる。 そのため本研究では、水磨鎮における震災復興の背景やプロセスを調べた上で、新規に観光を導入した地域復興の状況を把握する。その上で、店舗経営者及び住民の居住環境に対する満足度、観光開発に対する意見・評価を把握し、居住上・経営上の問題を明らかにすることを目的とする。そして、現存する問題の解決策を検討し、今後の観光産業の振興に基づく被災地復興計画に参考となる知見を得る。