著者
鎌田 東二 河合 俊雄 鶴岡 賀雄 棚次 正和 町田 宗鳳 津城 寛文 井上 松永 倉島 哲 篠原 資明 斎木 潤 乾 敏郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「身心変容技法」とは[身体と心の状態を当事者にとってよりよいと考えられる理想的な状態に切り替え変容・転換させる諸技法/ワザ]を指すが、本科研では祈り・祭り・元服・洗礼・灌頂などの伝統的宗教儀礼、種々の瞑想・イニシエーションや武道・武術・体術などの修行やスポーツのトレーニング、歌・合唱・ 舞踊などの芸術や芸能、治療・セラピー・ケア、教育プログラムなどの領域の領域で編み出され実践されてきた身心変容技法を文献・フィールド・臨床・実験の4手法によって総合的に研究し、その成果を研究年報『身心変容技法研究』(1~4号、2012~15年)にまとめ、国際シンポジウムと大荒行シンポジウムで総括し、社会発信した。
著者
松永 勇吾 田中 貴男 齋藤 洋一 加藤 博樹 武井 峰男
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.2, pp.84-94, 2014 (Released:2014-02-10)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

アコチアミド塩酸塩水和物(アコファイド®錠,以下,アコチアミド)は,機能性ディスペプシア(FD)の治療薬として,ゼリア新薬工業株式会社で創製されたアセチルコリンエステラーゼ(以下,AChE)阻害薬である.FDは胃十二指腸領域から発せられる食後のもたれ感,早期満腹感,心窩部痛または心窩部灼熱感などの症状を呈するが,それらの症状の原因となりそうな器質的病変が認められない機能性消化管障害である.症状の発症要因の一つとして,FD患者において胃前庭部の運動の低下や胃排出の遅延が認められていることから,症状の改善には消化管運動を亢進させ,機能を改善させることが有用であると考えられる.アコチアミドはAChE阻害作用を有し,イヌおよびラットにおいて胃運動亢進作用を示し,さらに,アドレナリンα2受容体作動薬であるクロニジンによって惹起させた胃運動低下モデルおよび胃排出遅延モデルなどの消化管機能低下に対して改善効果を示した.臨床第II相試験において,FD患者を対象にアコチアミドの有効性を検討した結果,主要評価項目である最終調査時点の被験者の印象では本剤1回100 mg群はプラセボ群,50 mg群および300 mg群より改善率が高かった.このため,本剤1回100 mg(1日3回)を臨床推奨用量とし,臨床第III相試験で食後の膨満感,上腹部膨満感および早期満腹感の症状を有するFD患者を対象に有効性を検討した.主要評価項目である被験者の印象の改善率および3症状(食後の膨満感,上腹部膨満感および早期満腹感)消失率共に100 mg群でプラセボ群より有意に高い値を示した.よって,本剤1回100 mg 1日3回投与でのFDに対する有効性が確認された.また,本剤休薬後も改善効果が維持されることが示唆された.さらに,長期投与試験において本剤休薬後に症状の再燃が認められた場合でも,耐性を形成させることなく,服薬を再開することで再度の改善が得られると考えられた.以上のことから,アコチアミドはFD患者の食後膨満感,上腹部膨満感,早期満腹感などの諸症状に対して改善効果を示す薬剤であり,FDの治療薬として有用な薬剤になると期待される.
著者
松永 興昌
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.321-324, 2014 (Released:2014-08-12)
参考文献数
1

症例の概要:初診時54歳の男性.下顎右側臼歯部ブリッジの違和感と左側臼歯部欠損による咀嚼障害を主訴に来院した.下顎右側臼歯部ブリッジ予後不良と診断され,ブリッジを除去し,ブリッジの支台歯を抜歯したため両側遊離端欠損となり咬合支持を考慮してインプラント補綴治療を行った. 考察:インプラント支台による固定性補綴の咬合支持は,良好な咀嚼機能回復が行うことができた.最終補綴物装着から現在3年以上が経過しているが,約4カ月毎のメンテナンスと口腔衛生指導を継続していることでインプラント部と残存歯を経年的に維持できることが示された. 結論:適切なインプラントの位置と上部構造の設計,補綴物装着後のメンテナンスは,可撤性の両側遊離端義歯に比べ咀嚼機能の良好な回復と有効な咬合支持を獲得できることが示された.
著者
百瀬 良/越智 眞理子/佐藤 昌子/松永 しのぶ/藤崎 春代 越智 眞理子 佐藤 昌子
出版者
昭和女子大学
雑誌
昭和女子大学生活心理研究所紀要 (ISSN:18800548)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.81-93, 2014-03-31

In 2010, we inaugurated a developmental counseling room as a part of a regional project to support children with developmental disorders. Part 1 of this study examined individual consultations and Part 2, Parent Training conducted in this counseling room. Results of Part 1 indicated that the goal of individual consultations were to accept the awareness and anxieties of such children's caretakers, provide psychological education and assistance based on assessment results, and refer clients to other specialized institutions and regional support programs. Future tasks are (1) improving the accuracy of assessments by using test batteries matched to the children's age and stage of development, and (2) gathering up-to-date information on systems and institutions available to care for such children. Part 2 of this study indicated that Parent Training met parent's needs to learn methods of coping with their children, to ease their sense of isolation, and for psychological support. It is suggested that the future task of Part 2 of this program is to respond to the need for longitudinal care as children mature. In conclusion, results indicated the need to combine individual consultations matched to a child's developmental stage and characteristics, and Parent Training that benefits from mutual interactions.
著者
山根 秀公 松永 易 草川 剛
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.56, no.649, pp.80-87, 2008-02-05
被引用文献数
1 1

A flyable FADEC system engineering model incorporating Integrated Flight and Propulsion Control (IFPC) concept is developed for a highly maneuverable aircraft and a fighter-class engine. An overview of the FADEC system and functional assignments for its components such as the Engine Control Unit (ECU) and the Integrated Control Unit (ICU) are described. Overall system reliability analysis, convex analysis and multivariable controller design for the engine, fault detection/redundancy management, and response characteristics of a fuel system are addressed. The engine control performance of the FADEC is demonstrated by hardware-in-the-loop simulation for fast acceleration and thrust transient characteristics.
著者
松永 信博 千葉 賢
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

研究代表者は,有明海の環境研究を通して,梅雨期において諫早湾内では,諫早湾全体にわたる大規模な塩淡成層が形成し,ある時は湾奥部は通常海水の半分まで低塩分化し,ある時は通常海水に回復するという現象を見出した.本研究プロジェクトでは,この塩淡成層は有明海に流れ込む河川水によって作られ,成層構造の出現と消失プロセスは局地風に起因するという仮説の下,河川からの淡水供給と風応力を組み込んだ3次元流動モデルを開発し,再現計算を行った.その結果,成層構造は主に筑後川からの河川水に起因しており,諫早湾において卓越する北北東の風と南南西の風が成層構造の出現・消失プロセスに寄与することが明らかとなった.
著者
下嶋 浩 松永 義弘 小池 関也 梶原 逸朗
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.65, no.633, pp.1849-1856, 1999-05
参考文献数
7
被引用文献数
2

An approach for feedback active noise control of a one dimensional duct with multiple control sources based on modal analysis is presented in this paper. Based on experimental modal analysis, the modal parameters of an acoustical system are derived from measured multiple frequency response functions. The state equation of the duct is described by the identified modal parameters. Considering eigenvectors of the acoustical system calculated by finite element method, control sources are located to the duct. A feedback active noise controller is designed based on mixed H_2/H_∞ problem in addition to H_∞ problem, preventing the increase in dimensions of the controllers. Simulations are carried out using the designed controllers. Moreover experiments are carried out using identified controllers based on modal analysis to reduce dimensions of the controllers. The desired performances are obtained by the presented approach.
著者
合志 和晃 松永 勝也 黒木 大一朗 志堂寺 和則 松木 裕二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1754-1761, 2001-07-15
被引用文献数
7

自動車の運転事故による交通事故死者の数は,世界で年間50万人以上といわれている.これらによる損失は非常に深刻な問題となっている.そのため,近年,ITS(高度道路交通システム)をはじめとする自動車運転事故防止のための技術開発,研究が進められている.我々は,新しい交通事故防止の理論に基づく自動車運転事故防止のためのITSとして安全運転管理教育システム(ASSIST)を設計し開発を行っている.事故類型別の交通事故件数では,追突と交差点での出合頭の衝突の事故が多い.追突事故防止には,進行方向空間距離(当該車両からその進行方向にある最も近い障害物までの距離)を停止距離よりも大きくとることが必要である.また交差点での運転挙動の改善は,本人の運転挙動の問題点を客観的に分からせることが効果的であった.ところが,これまで,自動車は,閉じられた空間であり,運転者の運転挙動を知るには同乗するほかに方法がなかった.しかし,近年の情報通信技術の発達にともない自動車に搭載した装置によって運転者の運転挙動を取得し通信で外部に知らせることが可能になってきた.運転者の運転挙動を把握し,危険な運転をした場合に,その場で随時教育すれば教育効果も高いため,交通事故を大幅に減少できると予測できる.そこで,交差点での一時停止に関する管理・教育の実験によってASSISTの有用性を確認した.It is reported that more than half a million souls are lost per year by traffic accidents in the world.These losses are a very serious topic today.Our research team is therefore developing and designing an Assistant System for Safe driving by Informative Supervision and Training (ASSIST),a system created to prevent accidents based on our safe driving theory.One important element for safe driving is that drivers should leave more headway distance than stopping distance.The results of our research revealed that understanding the efficiency of adequate speed and recognizing their own driving behavior are very effective for drivers to create sufficient headway distance.Until now, with a driver in a closed space inside the car,no one could understand and supervise his driving behavior unless a supervisor is with him in the same car.However, recent computer and communication technologies have made it possible to obtain the driving behavior and send it to the supervisor outside of the car.It is believed to be efficient to teach safe driving whenever a driver has driven dangerously.We therefore conducted experiments regarding temporary stops at intersections as well as understanding driving behavior through communication,and then confirmed the effectiveness of ASSIST.
著者
松永 翔雲
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では,「More than Moore」に代表されるような新デバイスの採用および回路機能の多様化による集積回路のパフォーマンス向上を想定し,強誘電体や強磁性体などの不揮発記憶素子の特長を活用し,ゲートレベルの論理演算機能と不揮発記憶機能をコンパクトに一体化し,低電力性と高速性を両立できる不揮発性の細粒度パイプライン演算システムを構築した.応用例として,動画像圧縮等に利用する動きベクトル検索用絶対差分和演算回路,及び並列データ検索用連想メモリを取り上げ,パワーゲーティング機能を組み込んだ不揮発性の細粒度パイプライン演算システムにより,大幅なパフォーマンス向上を実現した.
著者
松永 美輝恵 井関 智美 田内 雅規
出版者
新見公立短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、おむつを利用する重度寝たきり高齢者の快適性を考慮した定時おむつ交換プログラムの開発を目的として、寝たきり高齢者の規則的排尿パターンの確認と、高齢者介護施設で行われている定時おむつ交換時間の調査を実施した。結果、日勤帯とその前後の時刻(5~20時)における排尿回数・排尿量は食後・飲水前後及び夕方に集中しているが、実施されるおむつ交換とは一致しない時刻があった。そこで、快適性が維持される適正なおむつ交換タイミングを検討したところ、4回の交換(9時半、13時半、16時、20時)を行うことで、おむつ内貯留尿量も低減できた。引き続き、おむつ内気候と快適感評価等の試験結果と併せて検討する。