著者
林 東佑 鳥海 不二夫 田中 幹人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2B6GS1004, 2022 (Released:2022-07-11)

子宮頸がんを防ぐためのHPVワクチンは,ワクチンに反対する世論により2013年から積極的推奨が中止さえていたが,2021年末に再び再開された。この研究は、日本で最も利用が盛んなソーシャルメディアであるツイッターでHPVワクチンをめぐる世論がどのように変化したのかを分析した。 まず、リツイート·ネットワーク分析により、ワクチン反対グループとワクチン賛成グループが明確に二分されていることを確認した。 また、初期に少数派であったワクチン賛成グループが2016年をもって多数派となったことが示された。 さらに、両グループが主に引用する外部サイトにも違いがあることを確認した。これらに基づき我々は、右往左往したワクチン政策に関連する世論がどのように変化したか、そしてワクチンに対して異なる意見を持っていた2つのグループがどのような行動の違いを示したかを明らかにした。
著者
高田 大輔 安永 円理子 田野井 慶太朗 小林 奈通子 中西 友子 佐々木 治人 大下 誠一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.601-606, 2012 (Released:2012-12-28)
参考文献数
5
被引用文献数
4 7

福島県内の果樹園における,ブドウ,モモ及びそれぞれが栽培されている土壌の,134Csと137Cs濃度を測定した。ビニールハウス栽培されているブドウ園では土壌と植物体中の放射性Cs濃度は極めて低かった。モモ園の樹体部位別の放射性Csを測定したところ,新梢,葉,果実,根といった部位では低かった。一方で,3年生枝では放射性Cs濃度が高く,特に樹皮で高かった。樹皮の最外層である表皮での放射性核種の存在はイメージングプレートを用いても確認可能であった。
著者
小笹 勝巳 住友 理浩 川田 悦子 角 明子 中塚 えりか 高井 浩志 古武 陽子 金本 巨万 林 道治
出版者
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
雑誌
天理医学紀要 (ISSN:13441817)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.34-38, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
8

緒言: A 群溶連菌(Group A Streptococcus; GAS)による重症感染症が1980年代より報告されるようになってきた.一般には咽頭や皮膚からの感染が多いとされているが,感染経路が不明なことも多い.今回我々は子宮内膜細胞診後に発症した重症GAS 感染症を2例経験したので報告する.症例1: 46歳女性.帯下異常及び外陰掻痒感を主訴として当科初診.腟分泌物細菌培養及び子宮内膜細胞診を施行した.翌日に突然の腹痛をきたし,翌々日,当科再診した.来院時ショック状態であり,骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease; PID)の所見を認めたため,抗生剤投与及び抗ショック療法を開始した.初診時の腟培養及び入院時血液培養からGASが検出されたため,toxic shock-like syndrome (TSLS)を疑い免疫グロブリン投与,エンドトキシン吸着療法も施行.血圧安定後,腹腔鏡下に腹腔内洗浄ドレナージを施行.集学的治療で全身状態は改善し軽快退院となった.症例2: 52歳女性.子宮癌検診として子宮内膜細胞診が施行され,当日夕方より嘔吐,下腹部痛,悪寒,戦慄が出現した.翌日,当院救急外来受診.受診時38℃台の発熱とショックを認めた.内診で子宮の可動痛著明であり,子宮内膜細胞診を契機とした敗血症性ショックと診断した.初診時の血液培養,腟培養からGASが検出されTSLS の診断基準は満たさないものの,それに準じた病態と考え,抗生剤,昇圧薬,免疫グロブリン投与を施行し軽快退院となった.結語: 子宮内膜細胞診後に発症した侵襲性GAS 感染症を2 例経験した.子宮内膜細胞診は日常診療でしばしば用いられる手技であるが,重篤な合併症の報告はまれである.子宮内膜細胞診の合併症として侵襲性GAS感染症が発症しうるということを念頭に置いた対応が必要と考えられた.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008 (Released:2009-03-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4 7 6

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
梅澤 亜由美 大木 志門 小林 洋介 河野 龍也 大原 祐治 小嶋 洋輔
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度は、8月20日に国際シンポジウムプレ会議、2019年1月13日に研究会を開催した。また、研究成果の公表として、学会でのパネル発表、および【論考篇】として書籍の刊行を行った。以下4点、具体的に述べる。①研究成果【データ篇】公開のための作業。2017年度より継続して各自が行っているデータの抽出、一覧表の作成をもとに、〈私小説性〉、およびそれに付随する〈「私」性〉〈内在的サイン〉、〈事実性〉〈外在的サイン〉といった概念による新たな研究の指標を提示することができた。②国際シンポジウムプレ会議の開催。中国、台湾、韓国の研究協力者を招き、各国における研究の現状についての発表報告を受けた。これを受けて、2019年度8月に開催を予定している国際シンポジウムのプログラムについて討議、日程およびテーマなど詳細を決定した。③学会でのパネル発表。当初の予定通り、10月27、28日に岩手県立大学で開催された日本近代文学会秋季大会において、「「私小説」をどのように考えるか?――〈私小説性〉概念による再検討の試み」というテーマで、パネル発表を行った。6名の発表者が、新たな私小説研究の指標としての〈私小説性〉の概念に基づいて、田山花袋、徳田秋聲、広津和郎、佐藤春夫、横光利一、伊藤整、第三の新人などのテクストについての発表を行った。また、質疑応答を行うことで、今後の研究のための指針を得ることができた。④成果報告【論考篇】の刊行。10月末に、『「私」から考える文学史――私小説という視座』を勉誠出版より刊行した。16本の論考、16本のコラム、および3名の作家によるインタビューを通して、〈私小説性〉の概念を応用した研究の実例、および今後の私小説研究のために必要と考えられる論点を提示することができた。
著者
桑田 真臣 千原 良友 鳥本 一匡 影林 頼明 中井 靖 三馬 省二
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.632-634, 2009 (Released:2012-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

思春期尿道異物の2例を経験したので報告する.症例1は12歳, 男子.肉眼的血尿, および尿道痛を主訴に当科を受診した.KUB, および尿道膀胱鏡で前立腺部尿道に全長7.5cmの伸展させた状態の安全ピンが認められた.患者は否定したが, 安全ピンは自己挿入されたと推察された.症例2は14歳, 男子.全長5cmの円柱状の金属を自慰目的で自己挿入した.KUBで異物は膀胱内に認められた.2例とも内視鏡的に異物を摘出し得た.2例の家庭環境の共通点として, 母子家庭であることがあげられる.症例1の父親は, 患者が 5 歳のときに患者を助けようとして患者の目の前で交通事故死した.症例2では, 両親が離婚していた.幼児期における父親との離別が精神状態に不安定性を与え, 結果的に尿道への異物自己挿入の原因となった可能性が考えられる.泌尿器科医にとって尿道膀胱異物はまれではないが, 15歳以下の報告は極めてまれである.尿道異物自己挿入の原因としては自慰目的がもっとも多いが, 思春期の症例では精神神経疾患の初期症状であるものや, 精神状態が不安定であるものが散見される.膀胱尿道異物患者, とくに思春期の患者においては, 異物自己挿入にいたった背景や精神状態を慎重に評価し, 精神医学的検索や治療の必要性を的確に判断することが泌尿器科医に求められると考える.
著者
松野 哲男 巽 好幸 島 伸和 鈴木 桂子 市原 寛 清杉 孝司 中岡 礼奈 清水 賢 佐野 守 井和丸 光 両角 春寿 杉岡 裕子 中東 和夫 山本 揚二朗 林 和輝 西村 公宏 古川 優和 堀内 美咲 仲田 大地 中村 崚登 廣瀬 時 瀬戸 康友 大重 厚博 滝沢 秀明 千葉 達朗 小平 秀一
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

We started integrated marine investigations of Kikai Caldera with T/S Fukae-maru of Kobe University on October, 2016. Aims of our investigations are to reveal the structure of the caldera, the existence of magma reservoir, and to understand the mechanism of catastrophic caldera-forming eruption at 7.3 ka and a potential for a future catastrophic eruption. We conducted multi-beam echo sounder mapping, multi-channel seismic reflection (MCS) surveys, remotely operated vehicle (ROV) observations, rock sampling by dredging and diving, geophysical sub-seafloor imaging with ocean bottom seismometers, electro-magnetometers (OBEMs), some of which equip absolute pressure gauge, ocean-bottom magnetometers, and surface geomagnetic surveys.The first finding of our investigations is lines of evidence for creation of a giant rhyolite lava dome (~32 km3) after the caldera collapse. This dome is still active as water column anomalies accompanied by bubbling from its surface are observed by the water column mapping. Chemical characteristics of dome-forming rhyolites akin to those of presently active small volcanic cones are different from those of supereruption. The voluminous post-caldera activity is thus not caused simply by squeezing the remnant of syn-caldera magma but may tap a magma system that has evolved both chemically and physically since the 7.3-ka supereruption.We have been conducting integrated analyses of our data set, and have planned the fourth research cruise with T/S Fukae-maru on March, 2018, consisting of MCS survey, ROV observation, OBEM with absolute pressure gauge observation, and bathymetric and surface geomagnetic survey. We will introduce results of the data analyses and the upcoming cruise in the presentation.
著者
諸井 陽子 小林 元 菅原 亜紀子 石川 和信
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.401-404, 2020-08-25 (Released:2021-03-15)
参考文献数
9

背景 : ソーシャルメディアの汎用化に伴い, 倫理・プロフェショナリズムに関わる問題が出現している. 目的 : 医療系学生や医療専門職に対するソーシャルメディア利用の教育や研修に用いるチェクリストを開発する. 方法 : わが国の事例を分析・区分化し, 事例に基づいたチェックリストを作成する. 結果 : モラルハザード事例は3区分に分けられ, 10項目からなるソーシャルメディア利用のチェックリストを作成した. 考察 : ソーシャルメディアが日常生活に深く関わってきている現在, そこで展開・交換される内容について, 医療系学生・医療専門職の誰もがモラルハザードに陥る可能性がある. 事例を踏まえた教育ツールを開発した.
著者
小林 俊治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

「談合」は、主として建設業をはじめ、種々の業界で行われている不法なビジネス慣行である。本研究ではとくに「入札談合」を研究対象とした。これは、官公庁などがそれぞれの法令に規定されている金額をこえる公共工事などの受注業者を決定する際に、原則として一般公開入札をすることである。しかし、入札にさいして談合が組また場合、同業者などが前もって話し合い、あらかじめ受注者を決定し、その業者が指名されるように各入札者が「適当な」価格で入札をする。そして、談合グループの企業は、リーダー企業の判断により、順次、受注できるか、その他の方法により利益の配分を受ける。それにより業界の和がたもたれ、相互扶助の体質が強化される。談合に参加せず、独自に入札する業者はアウトサイダーとして、業界の相互扶助のネットワークから排除される。また、官公庁側も「天下り」先の確保のためなどに、特定の業者を優遇する「官製談合」をなすこともある。このような談合行為は、法律的には独占禁止法違反の不当な取引制限であり、刑法の談合罪(96条、3の(2))にあたる。談合行為の発生の大きな理由のひとつは、企業間競争の回避を選好する日本的企業倫理風土がある。歴史学的には、こうした同業者の相互扶助行為は、江戸時代までは商業取引の当然の慣行であると指摘している。そこには、集団主義があり、和を重視する倫理がある。ただ、今日のようにテクノロジーが急速に発展している時代には、主として価格だけで受注業者を決定することには、限界がある。すなわち、受注業者が高価な素材や最新のテクノロジーを使用していない可能性がつよいのである。そこで、価格のみならず、技術レベルなどを考慮した総合評価方式による受注者決定の方法が導入され始めている。ただその場合、技術進歩などを中立的に判断できるであろう、発注者側の官公庁の発言権が強まり、ここでも「官製談合」の形成の危険がある。
著者
松林 哲也
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.47-60, 2016 (Released:2019-12-01)
参考文献数
21

有権者を取り巻く投票環境の変化は投票率にどのような影響を及ぼすのだろうか。本稿では投票環境として市町村内の投票所数とその投票時間に注目し,それらの変化が市町村内の投票率に与える影響を推定する。2005年から2012年の3回の衆院選における34都府県の市町村パネルデータを用いた分析によると,1万人あたり投票所数が1つ増えると投票率は0.17%ポイント上昇し,また市町村内の全ての投票所で投票時間が2時間短縮されると投票率が0.9%ポイント下落する。これらの効果は市町村の人口規模や人口密度にかかわらず一定である。投票環境の制約を少しでも取り除き投票の利便性を高めるためにこれまでにもさまざまな制度の変更が提案・実施されているが,本稿の研究結果は投票所の設置数や開閉時間を見直すだけでも投票率が上昇する可能性があることを示唆している。
著者
山田 恭嗣 黒田 雄大 山本 つかさ 西尾 悠誠 山田 チズ子 小林 満利子 森嶋 康之 前田 健
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.e62-e68, 2022 (Released:2022-04-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1

12歳の室内飼育猫が,くしゃみ,膿性鼻汁及び咳などの呼吸器症状を呈していたため,発症5日目に口腔スワブを採取し,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の遺伝子検査を実施した.その結果,SARS-CoV-2遺伝子が検出された.発症8日目に症状が悪化したため,当院にて一般身体検査,血液検査,胸部X線検査及び治療を行った.飼い猫には軽度の気管支炎と血清アミロイドA(SAA)の増加が認められたが,肺炎には至っていなかった.また,口腔内,鼻腔内及び肛門内のスワブを採取し,得られたサンプルの全ゲノム解析を行った結果,SARS-CoV-2デルタ株に感染していたことが明らかになった.その後猫は回復し,回復後の血清に有意なSARS-CoV-2中和抗体価の上昇が観察された.本症例は,SARS-CoV-2感染により呼吸器症状を呈した国内最初の動物の報告である.
著者
伊藤 康弘 宮内 昭 木原 実 小林 薫 廣川 満良 宮 章博
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.294-298, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
10

年齢は甲状腺乳頭癌の予後を規定する重要な因子である。特に高齢者乳頭癌が生命予後不良であることは,よく知られている。ただし,生命予後とリンパ節再発予後,遠隔再発予後とは必ずしも一致しない。今回われわれは小児(20歳未満)乳頭癌110例の予後および予後因子について検討した。8例に術前から遠隔転移を認め(M1),これらはM0症例に比べてaggressiveな臨床病理学的所見を示した。M0症例における10年リンパ節および遠隔再発率はそれぞれ16%,5%であった。多変量解析において3cm以上のリンパ節転移,16歳以下が独立したリンパ節再発予後因子であり,3cm以上のリンパ節転移と被膜外進展が遠隔再発予後因子であった。M1症例およびM0症例各1例が癌死した。小児乳頭癌の生命予後は良好であるが,再発率はかなり高い。特に3cm以上のリンパ節転移,16歳以下,被膜外進展のある症例に対しては慎重な治療と経過観察が必要である。
著者
伊藤 萌林 佐鹿 万里子
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.103-108, 2023 (Released:2023-02-09)
参考文献数
26

北海道大学札幌キャンパス内に設置した自動撮影カメラによって,オニグルミJuglans mandshuricaの種子を地面に貯食し,それを積雪下から回収するエゾリスSciurus vulgaris orientisの行動を記録した.エゾリスは2021年12月16日に非積雪状態で貯食したオニグルミの種子を,23日後の2022年1月8日に21 cmの積雪下から回収した.本観察事例ではエゾリスは嗅覚や視覚記憶を使っておらず,エゾリスが貯食物の探索に空間的記憶を重視していることが示唆された.また,貯食行動から回収行動までの23日間にわたって,貯食場所を再確認することがなかったにも関わらず,迷うことなく貯食場所に到達したことは,エゾリスが精度の高い記憶能力を持つことを示唆する.
著者
小林 国夫
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.67, no.784, pp.32-47, 1961-01-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
27
被引用文献数
3 1
著者
林 伯原
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.59-75, 2014-01-31 (Released:2015-01-31)
参考文献数
38

Prior to the times of Jiajing (A.D.1521-1566), Japanese swords were often imported into China as tributes, trading goods and complimentary gifts, but there was no record that Chinese troops or civilians had learned and widely used Japanese swordplay, except for the imperial guards. Since the year of Jiajing 31 (A.D.1552), the massive Japanese invasion of the southeast coast of China made Chinese people notice the advantage of Japanese swordplay. Meanwhile Chinese army and civilians who loved Chinese wushu needed better sword skills,therefore Japanese swordplay became rapidly known and absorbed by them and spread among the folk people. At that time some members of the Chinese army were equipped with Japanese long swords; the warriors used cane shields, and the archers and the cavalry were equipped with Japanese waist broadswords. Training involved the repetition of solo patterns or routines first, followed by matches with other people. Some civilians who learned Japanese swordplay exercised mainly the routines, others mainly practiced a single pose or stance. The kind of Japanese swordplay that spread among civilians could be divided into two types: in one, people were trained by original Japanese swordplay; in the other one, people practiced Japanese swordplay with Chinese swordsmanship together, integrating Chinese swordplay and Japanese swordplay into a new kind of swordplay. In both cases, the practice of Japanese swordplay introduced into China was characterized by the use of patterns or routines.But the routines used by the Chinese army and the folk people were greatly different. In the army, the routine was laid out from the perspective of group training, so it was brief and simple; while the folk routine was laid out from an individual point of view, so it was long and complicated.