著者
入江 真 横山 圭二 櫻井 邦俊 岩下 英之 上田 秀一 森原 大輔 西澤 新也 阿南 章 竹山 康章 坂本 雅晴 岩田 郁 釈迦堂 敏 早田 哲郎 向坂 彰太郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.169-174, 2010 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15

症例は52歳,男性.約6年前より高血圧,膝関節痛に対して,アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムを処方されていた.2009年6月上旬より全身倦怠感,食欲不振が出現し近医入院.入院後も黄疸,肝障害が改善しない為,原因精査目的にて当科紹介入院となった.アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムによる薬物性肝障害を疑い,薬物性肝障害診断基準を用いてスコアリングを行った結果,胆汁うっ滞型,スコアは9点:「可能性が高い」と判定した.アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムに対して薬物リンパ球刺激試験(DLST)を施行,このうちロキソプロフェンナトリウムのみ陽性であった.また,肝生検組織像では,小葉内に胆汁栓を認め,門脈域では好中球浸潤,門脈域の線維性拡大を認めた.今回,DLSTおよび肝生検が診断の一助となった,長期アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウム服用にて高度の黄疸を伴った薬物性肝障害の1例を経験したので報告する.
著者
西村 明 森 謙二 村上 興匡 土居 浩 清水 克行 粟津 賢太 中山 郁 ドーマン ベンジャミン 町 泰樹 ドボルザーク グレッグ 飯高 伸五 ミャッカラヤ M.G シェフタル 北村 毅 キース カマチェ 渡邉 一弘 ポール ハインツ スティーブン ブラード イ ヨンジン 木村 勝彦 田村 恵子 矢口 祐人
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、日本における戦争死者慰霊の第三者関与と世代間継承の問題を、海外の事例も踏まえながら比較検討した。新たな慰霊活動や慰霊巡拝の創出・開拓といった契機や、時間的推移における慰霊活動の維持等において、死者との直接的関係を持たない宗教的・世俗的エージェントの果たす役割の重要性が確認された。同時に世代間継承における意味変容のあり方がその後の展開に大きく作用することも実証的に明らかとなった。
著者
滝澤 久夫 木内 政寛 三澤 章吾 吉岡 尚文 森田 匡彦
出版者
富山医科薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

調査した5つの地域の人口10万人当たりの年間死亡者数(他殺死亡率)は、秋田、茨城、千葉の3地域が0.7〜0.8であって、札幌の0.44、富山の0.58に比べて高かった。男女別に他殺死亡者を比較してみると、他殺死亡率が低い地域では特に男性の死亡が低いことが分かる。年齢別の死亡を見ると、何れの地域でも10歳以下と40歳前後にピークがあるが、秋田での嬰児殺による死亡は0.22で、他の地域に比べて極めて高い。家族内で発生した他殺死亡は、嬰児殺が多いために秋田が高くなっているが、これを除けば、地域間でそれ程大きな差異は見られない。他殺の背景で最も多いものは、秋田の嬰児殺を除けば、何れの地域でも喧嘩・口論である。喧嘩・口論を背景とする他殺死亡が多いのは茨城と千葉で、これらの地域で他殺死亡率が高い原因となっている。殺害の方法は鈍器または鋭器損傷、および窒息が一般的である。このうち窒息は嬰児殺が多いために秋田で高くなるが、嬰児殺を除けば地域間にそれほどの差異はない。しかし、鋭器と鈍器を加えた死亡は茨城と千葉で高く、それは喧嘩・口論が多いことと関連していると考えられる。人口10万人当たりの年間他殺加害者数を他殺死亡率と同様にして計算すると、その数値は他殺率を僅かに下回るものとなる。これを男女別に見ると、札幌の男性加害者の割合が著しく低く、札幌で他殺死亡が少ない原因になっていることが分かる。一方女性の加害者は秋田と札幌で多いが、その原因は秋田の場合は嬰児殺であるが、札幌では様々な殺害の背景がある。殺害の場所は茨城と千葉で自宅の割合が低くなり、また関係者が県内である割合が低くなる。更にこれらの地域では、外国人が関係する事件が見られる。
著者
定延 利之 キャンベル ニック 森 庸子 エリクソン ドナ 金田 純平 坂井 康子 匂坂 芳典 朱 春躍 砂川 有里子 友定 賢治 林 良子 森山 卓郎 大和 知史 犬飼 隆 杉藤 美代子 藤村 靖
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本プロジェクトは、書きことば研究に比べて立ち遅れの目立つ、日本語の話しことば(韻律を含む)の研究を進めるものである。「人物像」を重視した前研究(基盤A(H19-22))において、日本語の主な話し手像(発話キャラクタ)を分析したように、本プロジェクトでは日本語話しことばに見られる主な「状況」を考察し、「状況」に基づく話しことばの姿を分析する。特定の「状況」において「どのような立場の者が、どのような立場の者に対して、どのような発話の権利を持つのか」を明らかにし、それを活かした資料を作成する。
著者
森島 邦博
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

原子核乾板は、高速中性子による反跳陽子を3次元飛跡として検出することにより、その飛来方向やエネルギーの測定が可能であるが、ガンマ線起因の電子飛跡がバックグラウンドとなる。本研究では、原子核乾板の受光素子である臭化銀結晶に電子トラップとして働くロジウムをドープして感度制御を行う事で、高いシグナルノイズ比で中性子起因の反跳陽子飛跡の解析が可能な原子核乾板の開発に成功した。本研究において開発した原子核乾板を用いた高速中性子検出技術は、神岡鉱山やイタリア・グランサッソ研究所などにおける地下の高速中性子フラックス測定に用いる事が可能である。
著者
丹羽 謙治 下原 美保 金井 静香 亀井 森 佐藤 宏之 深瀬 浩三 高津 孝 日隈 正守 橋口 晋作
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の主要な課題である「自然災害等に備えた、鹿児島県の資料防災ネットワークの立ち上げ」に向けての基礎づくりを行った。鹿児島県、宮崎県の一部自治体の資料保存状況を把握するとともに、鹿児島市の入来院家資料、大武文庫、谷口家資料、姶良市の森山家資料などのデジタルカメラによる資料保存・目録整備、資料防災に関する研究会・講演会の開催、ホームページの立ち上げによる広報活動を実施した。
著者
大森 晃 土井 晃一
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.292-302, 2000-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
25
被引用文献数
1

In a requirements capturing meeting, the chair plays an important role. The chair presides the meeting and captures requirements. Roughly speaking, the process of requirements capture has two steps. In the first step, the chair extracts the clients' ideas as many as possible. In the second step, the chair integrates these ideas and captures requirements. The first step is indispensable in order to capture requirements through the second step.In such a requirements capturing meeting, it is empirically known that the chair presides the meeting chiming in moderately in order to extract the clients' ideas. However, the relationship between chiming-in and the number of ideas is not known. We conducted an experiment to examine it.The participants in the experiment were sixteen students (S1,..., S16) and one teacher (T), and each set of subjects consisted of two students (Si, Sj) and the teacher (T). We had eight subject-sets. Before the experiment, the two students in each subject-set were supposed to decide the theme they would talk about; and, to have thought about the contents of their talk. In the experiment, they were supposed to talk about the theme to the teacher. For the half of eight subject-sets (called “Many Group”), the teacher chimed in as many as possible in a natural way. For the other half (called “Few Group”), the teacher chimed in only when the utterance terminated. The conversation was recorded with a tape-recorder, and transcribed to count the number of ideas.The number of ideas had a statistical tendency to be larger in the Many Group than in the Few Group. In addition, the ideas from the Many Group had a stastistical tendency to be more well-formed than those from the Few Group.Our experimental finding is that the chair in a requirements capturing meeting should chime in moderately to get more ideas, and more well-formed ideas.
著者
森山 剛 斎藤 英雄 小沢 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.319, pp.9-16, 1995-10-20
被引用文献数
6

本研究では、人が声を聞いた時に知覚する感情の概念と、平静時から変化した音響パラメータとを定量的に対応付ける分析合成系を提案する。まずいくつかの言葉で感情音声を発し、それを聞いた際に受ける印象を主観評価した結果を因子分析して因子を得る。この時同時に感情音声の音響パラメータを主成分分析してその主成分を得る。こうして得られた因子と主成分の重回帰分析を行うことにより得られる重回帰係数行列を対応情報とする。分析系では、対応情報に基づいて得られた音響パラメータから感情情報を獲得する。合成系では、対応情報に基づいて、感情情報から音響パラメータの平静時からの変化分を得る。本稿では、構築するシステムの概要を述べると共に抽出された因子の妥当性を検証する。
著者
原田 利宣 森 典彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.11-16, 1998-07-31
被引用文献数
4

今日, 自動車の銘柄数は国内だけで100を超えるようになったが, そのフロントマスクデザインはいくつかの系統のデザインに棲み分けされている。そこで, 本研究は, その棲み分けに影響を与える要因を究明することを目的としている。まず, Shepherdらのヒトの顔の認知に関する研究と同様なことを, 自動車のフロントマスクに対して行った。その結果, ヒトは自動車のフロントマスクをヒトの顔と同じようにとらえ, 輪郭(ボディのシルエット), 目(ヘッドランプ), 鼻(ラジエターグリル), 口(バンパーのエアインテーク形状)の順で注目度が高かった。また, ヒトが自動車のフロントマスクをみたとき, 犬系や猫系などの動物の顔をプロトタイプとして想起していることが推察され, それらプロトタイプの種類がデザインの棲み分けの一要因となっていることが推察された。さらに, ラフ集合理論により, 犬系, 猫系のプロトタイプを想起する要因となる形態要素の集合を抽出した。その集合は, 犬系, 猫系の顔の特徴を抽象化した形であることが推察された。