著者
石 禎浩 森 義治 井上 信 上杉 智教 栗山 靖敏 長内 昭宏 プロンシュ トーマス ラグランジュ ジャンバティスタ 高島 将 山川 恵美 酒井 泉 岡部 晃大 今津 英樹 高鉾 良浩
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.128, 2009

2009年3月、京都大学原子炉実験所において陽子加速器を用いた世界初の加速器駆動未臨界炉実験が開始された。実験に用いたシステムは固定磁場強収束(FFAG)加速器と京都大学臨界集合体(KUCA)を結合させたものである。本発表ではFFAG加速器複合系の研究開発について報告する。
著者
作井 誠太 森 勉
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.31, no.366, pp.525-532, 1965-07-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1
著者
森近 雅之 御村 光子 井上 光 並木 昭義
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.35-37, 2002-08-10 (Released:2010-06-08)
参考文献数
7

硫黄入浴剤服用による中毒症例を経験した。57歳女性。入浴剤六一〇パップを約200mL服用し, 約1時間後に救急搬送された。来院時, 意識レベルはJCS-II-30・せん妄状態で著明なチアノーゼ, 過換気と代謝性アシドーシスを認めた。胃洗浄施行後, 精神科病棟に入院させた。その後呼吸不全, ショックとなり, ICUに収容した。人工呼吸下に再度胃洗浄行い, 活性炭投与, 強制利尿等を施行した。硫化水素 (HS) 中毒に対する特異療法としてニトログリセン持続静脈内を投与開始したが, 来院17時間後に死亡した。六一〇ハップは広く市販されているが, 服用時の毒性については知られていない。今後市民への啓発等の対応を要すると考えられる。
著者
岡田 尚子 長谷見 雄二 森山 修治 岡本 衣未
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.76, no.668, pp.855-862, 2011-10-30 (Released:2012-01-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

A series of on-site experiments are conducted on the upward evacuation by escalator of groups of 50 subjects including 12 simulated aged people. Two escalators, 49.5m long and 22m tall one, and 12.3m long and 5.7m tall one with parallel stairs in a large convention facility in downtown Tokyo, were used. The experiments revealed the following.1. Upward walking velocity on a still escalator, 0.78-0.79m/s for normal subjects, is nearly identical with that on normal stairs.2. Upward walking velocity on an escalator running at 0.50m/s is reduced by 5-10% from that on a still escalator.3. Upward walking velocity is virtually independent from the distance from the entrance within the range of 22m in height for normal and simulated aged pedestrians in spite of the height and length of each step significantly larger than those of stairs.4. Effective flow coefficient at the entrance is around 1.15 persons/ms for a still escalator and 1.78p/ms for a one running at 0.50m/s.5. The effective flow coefficient at the entrance of an escalator is reduced by the increase of the escalator length for the local congestions generally seen in long escalators.
著者
新森 加奈子 木村 琢磨 松村 真司
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.18-23, 2018-03-20 (Released:2018-03-23)
参考文献数
21
被引用文献数
1

近年,我が国では患者の“ケア移行”(患者が医療サービスを受ける医療機関や療養の場を移行し,ケア提供者が変わること)が増加しているが,我が国では「ケア移行という概念」や「ケア移行に伴う望ましくない患者アウトカム」について不明な現状である.我が国において「ケア移行」について考慮する際には,患者背景(年齢,基礎疾患,介護力),やりとりされる臨床情報,臨床情報をやりとりするツール,を考慮する必要がある.欧米では「病院を退院した患者の診療所外来へのケア移行」の際に,「薬物に関する有害事象」「入院中の検査結果が確認されない」「患者に予定されていた診療方針が実行されない」などの望ましくない患者アウトカムが退院患者の19%から50%で発生しているという.今後,我が国でも,ケア移行の現状把握がなされ,我が国の医療システムをふまえた対策について検討される必要がある.
著者
森 尚平 一刈 良介 柴田 史久 木村 朝子 田村 秀行
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.239-250, 2011
参考文献数
80
被引用文献数
3

Compared to Augmented Reality/Mixed Reality, which refers to technologies to superimpose Computer Graphics to real environments to enhance the real world, Diminished Reality (DR) refers to visually diminishing or eliminating obstacles in the real world, or seeing through objects such as walls. The techniques and difficulties to implement DR will vary to adapt to various environments. Hence, we first set one clear goal of DR to completely eliminate existences in the real environment from observed scene. Then, we conducted a survey to show guidelines for researchers to achieve the goal. We systematically arranged existing papers with some concerns for DR implementation.
著者
アタロッド ペデラーム 青木 正敏 小森 大輔 石田 朋靖 福村 一成 ブーンヤワット サマーキー トンディノック ピヤホン 横家 将納 パンクンガム ソムニミトル パーコークトム ティワー
出版者
養賢堂
雑誌
農業氣象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.93-102, 2006-09-10
参考文献数
7
被引用文献数
3 20

対象地域の実蒸発散量(<i>AET</i>)を算定する一般的な方法として,Penman-Monteith法(PM)を用いて計算した基準蒸発散量(<i>ET<sub>0</sub></i>)に作物係数(<i>K<sub>c</sub></i>)を乗ずる方法が知られている。そこで本研究では,熱帯モンスーン気候であるタイ王国の主要な植生である天水田,キャッサバ畑,チーク林において,熱収支ボーエン比法による長期連続観測データを用い,<i>AET</i>から求めたKcと気象要素(日射,気温,風速,飽差,土壌水分量)の相関を検討し,簡便に<i>K<sub>c</sub></i>を推定できる経験式を開発した。<br>対象3サイトにおいて,<i>K<sub>c</sub></i>と上述した気象要素は非常に高い相関関係があったが,上述した気象要素より土壌水分量を除いた場合でも<i>K<sub>c</sub></i>と同様な高い相関関係が認められた。そこで本研究ではより簡便な推定式開発のため,土壌水分量を除いた四つの気象要素より<i>K<sub>c</sub></i>の経験式を導いた。また,全3サイトの統合データにおいても,<i>K<sub>c</sub></i>と気象要素には高い相関関係が認められた。この経験式より推定した蒸発散量を<i>AET</i>と比較した結果,日平均での標準誤差は0.72 mm/dayで,これは19%の誤差に相当した。この時間スケールを5日,10日,15日,20日とした場合,推定蒸発散量の誤差はそれぞれ15%,12%,11%,10%となった。この結果より,本研究で開発した推定式は10日以上の時間スケールで<i>AET</i>を推定することが可能であることが確認された。
著者
金森 一紀 魚谷 浩平 高倉 文嗣 西岡 真二 越野 健 藤村 政樹 中積 泰人 岡藤 和博 松田 保 上尾 友美恵 柴山 正美 川井 清
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.970-976, 1986-09-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
24

健常者および非発作期の気管支喘息患者を対象に深吸気の影響を検討した. Maximum expiratory flow-volume curve のV25をMEF25, これと同一肺気量における partial expiratory flow-volume curve のVをPEF25とし, Deep Inspimtion (DI) Index=(PEF25-MEF25)/PEF25を求めた. 健常者では若年者の DI Index は負となり深呼吸による気道拡張効果が認められたが, この効果は加齢とともに減弱し, 50歳以上では DI Index は正の値になった. 抗コリン剤吸入後には DI Index は有意に増加して正の値となり年齢差は認められなくなったことから, 若年者では迷走神経の緊張が強く気道の resting tone が収縮性に保たれていることが推測された. 気管支喘息のうち40歳未満で%FEV1.0≧70%の患者では DI Index は負となり, 抗コリン剤吸入後には有意に増加して年の値となったことから, 気管支喘息でも深呼吸の気道拡張効果は存在し迷走神経が関与していると考えられた.
著者
森川 真樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.183, 2004

1.発表の目的<br> パキスタンの開発計画では、国家単位の計画においてスラム問題が明確に組み込まれるようになったのは、最近のことである。本発表では、2001年以降に策定された国家開発計画におけるスラム開発の取り上げられ方を検討し、計画や実施に関する課題点を明らかにして、今後を展望したい。<br><br>2.従来の開発計画とスラム開発<br> パキスタンにおいて、国家レベルでの大規模な開発計画が立案されたのは、1955/56年度の第一次5ヵ年計画が最初である。スラムに関連する問題は、当初は都市貧困層の居住問題であり、第二次5カ年計画において、住宅供給の対象に低所得者層も含まれることが明記された。その後も低所得者層対象の住宅提供は、計画の上では取り上げられてきたが、実際に居住問題が解消されることはなく、住環境の悪いスラム地区が急速に拡大した。5ヵ年計画は第八次(1997/98年度終了)まで続いたが、同国の核実験実施やクーデターによる政権混乱等により、第九次計画は発表されなかった。<br>2001年になって政府は、10ヵ年長期開発計画(Ten Year Perspective Development Plan)を策定し、長期展望による開発を目指すと同時に、具体的な事業実施に重心をおいた3ヵ年開発プログラム(Three Year Development Programme)を作成した。そこでは、スラム開発に関する方策がはじめて示されている。これは、同じ2001年に、国内のスラム地区住環境改善に対し、政府からの公式ガイドラインが発表されたことにもよる。毎年の開発計画については、年次計画(Annual Plan)が策定されている。<br><br>3.各計画・プログラムにおけるスラム開発<br> 10ヵ年開発計画、3ヵ年開発プログラム、年次計画のそれぞれにおいて、スラム開発は「物的計画および住宅問題」の項でふれられている。簡単にまとめると、<br>(1)開発方法は住環境改善が中心。不法滞在者居住地では土地正規化を実施する。<br>(2)スラム住民の低所得性を考慮し、サイト&サービス方式によるスキームを策定・実施する。開発主体は県、自治体、住宅開発公社とする。モデルとして、ハイダラーバードで成果をあげた「フダー・キ・バスティ」スキームの手法を利用する。<br>(3)スキームはNGOや住民組織の支援を受け、ジェンダー配慮も含めてコミュニティ参加を重視する。<br>(4)低所得者が住宅建築に係る融資を受けられる制度を提供する。住宅融資機関は貯金スキームを開発する。<br>(5)政府ガイドラインを実行する為、州政府は国有地を民間開発業者に供与、低価格住宅供給を推進する包括案を作成する。<br><br>4.課題点<br> 都市人口の約1/3がスラムに居住すると考えられている事実から、スラム開発が国家レベルの開発計画で取り上げられた点は前進といえる。しかしながら、具体性の欠如および技術移転への無配慮と情報交換不足問題であるといえる。<br><br>5.おわりに<br> パキスタンのスラム開発において、NGOや住民組織による開発では成果が上がっている事例は少なくない。政策レベルでの全国的な支援体制が整いつつある現在、州・県政府や都市自治体の取り組みが今後の焦点になる。地方分権化の潮流ともあわせ、具体的なスラム開発プロジェクトの策定・実施・評価について、ステークホルダー間の協力体制構築、情報交換を中心にネットワークを強化しながら、キャパシティ・ビルディングを目指す必要がある。
著者
挾間 渉 森田 鈴美 加藤 徳弘
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.243-248, 1993
被引用文献数
11

キュウリの代表的なブルームレス台木として使用されている&lsquo;スーパー雲竜&rsquo;と,従来から使用されブルームの発生が多い台木の&lsquo;新土佐1号&rsquo;を供試して,褐斑病の発病推移を比較検討した。この結果,褐斑病の発生は,ブルームレス台木への接ぎ木により著しく増加する傾向が認められた。この傾向は特にビニールハウス栽培において顕著であった。台木の違いによる葉中無機成分含有率を比較したところ,必須元素の含有率に差異は認められなかったが,ブルームレス台木接ぎ木区のキュウリ葉ではケイ酸含有量がきわめて少なかった。さらに,ケイ酸無施用で栽培したキュウリは,ブルームレス台木栽培の場合と同様,褐斑病に対する侵入阻止および病斑拡大阻止作用が低下する傾向が認められた。これらの結果から,ブルームレス台木への接ぎ木キュウリにおけるケイ酸の吸収阻害と褐斑病に対する病害抵抗性の低下との関連が示唆された。
著者
岩田 大吾 土岐 知弘 大森 保 石橋 純一郎 高井 研
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.137, 2008

鳩間海丘は南部沖縄トラフの水深1,500 mに位置する直径約4 kmのカルデラ火山である。沖縄トラフの海底熱水系は背弧・島弧系であり,堆積物が豊富であるという特殊な環境から世界で初めて海底面からの二酸化炭素ハイドレートの噴出が観測されるなど,日本における熱水研究に様々な科学的題材を提供してきた。鳩間海丘における熱水活動は,1999年の有人潜水探査船「しんかい2000」による潜航調査において初めて発見された。2006年8月に行われたNHKの取材時には,世界で初めて熱水が青く見える現象が観測された。過去の調査では観測されたことのない青色熱水であることから,海底熱水活動の活発化した可能性等が指摘された。本研究では,発見当時青く観測された熱水噴出孔から2007年3月及び7月に熱水試料を採取し,化学分析すると共に分光学的に解析を行い,2000年の分析結果と比較して化学組成の変化と青く観測された原因を明らかにした。
著者
大野 勇輝 新口 昇 平田 勝弘 森元 瑛樹
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-28, 2015 (Released:2015-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

We propose a novel magnetic gear with a high torque density and a huge gear ratio despite the small number of magnet poles. This magnetic gear combines a magnetic flux harmonics gear with a magnetic paradox planetary gear by replacing all planetary gears with steel pole pieces. Its structure and operating principle are described, and the effectiveness of the proposed gear is verified by 3-D finite element analysis.
著者
稗田 蛍火舞 砂川 陽一 刀坂 泰史 長谷川 浩二 森本 達也
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.146, no.1, pp.33-39, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
73
被引用文献数
2 2

高血圧は心血管疾患,脳卒中などの疾患の発症につながる動脈硬化の主要危険因子の一つである.多くの臨床研究から血圧を管理することは,これらの罹患率,死亡率の減少につながることが明らかになっている.しかしこれらの合併症に対する予防効果は降圧薬を用いた治療をもってしても50%未満である.近年,健康的な食事が生活習慣病を予防するだけでなく,治療につながるのではと考え,食品の持つ効果について注目が集まっている.塩分制限,適度なアルコール摂取,およびカロリー制限などの食生活の改善が高血圧の予防のために重要である.また,古くから日本と中国で日常的に飲まれてきた緑茶は降圧効果を有すること,さらにはその有効成分はカテキンであることが明らかとなった.このように降圧効果を持つ食品に関して多くの研究が行われ,これらの機能性食品がレニン・アンジオテンシン系抑制や抗酸化作用,利尿作用,交感神経抑制作用,および血管拡張作用を有する一酸化窒素の合成促進作用などによって降圧効果を示すことが報告されている.今後これらの機能性食品を土台にして,日常の食生活を改善することによって血圧を管理し,健康寿命を延ばすことができると期待される.本総説は動物実験やヒト臨床試験で降圧効果を有することが報告されている機能性食品とその成分についてまとめたものである.
著者
森嶋 厚行 北川 博之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.197-198, 1997-03-12

近年, ネットワークの普及に従って異種分散情報資源が容易に利用可能となり, それらの統合利用が重要な課題となっている. 我々は, 構造化文書とリレーショナルデータベースを対象とした, 統合利用環境の研究開発を行なっている. この統合利用環境(図1)では, まず, ラッパーが各情報資源中のデータを統合データモデルであるNR/SD モデルに変換し, メディエータが NR/SD モデルに基づいた統合操作の機構を提供する. [figure] NR/SD モデルは, 入れ子型リレーショナルモデルに, 構造化文書を扱うための抽象データ型 "構造化文書型" (SD 型) を導入したものである. NR/SD モデルの最大の特徴は, 構造化文書と入れ子型リレーション構造を, 動的かつ部分的に相互変換するためのオペレータ "コンバータ" (converter) にある. NR/SD モデルを利用することにより, 次のような応用が可能になる. (1)入れ子型リレーショナル代数系を利用して, 構造化文書群の操作を行なう. (2)入れ子型リレーション構造を構造化文書に変換することにより, 型と独立した検索やメタデータを手がかりとした検索を行なう. さらに, 部分的に変換を行なうことにより, 構造の異なるデータを適当な抽象度で抽象化し統一的に操作することができるので,構造化文書とデータベースという表現の異種性に加え, データ構造の異種性にも対処可能である. これは, 構造化文書のような準構造化データの操作に特に有効であると考えられる. これらの他にも, WWW のような環境において, データベース検索の結果を構造化文書の形式で求めたり, 構造化文書に対するビューを定義する, といったことも可能である. しかし, 従来の NR/SD モデルは以下のような点で制限があった. (1) SD 型で許される文書構造の制約が厳しく, SGML 文書等に現れる例外構造や再帰構造等に直接対応していない. (2) SGML 文書等に現れる, 要素に付随する属性の操作を考慮していない. (3)コンバータによる変換の対象となる, 入れ子型リレーション構造と構造化文書の構造の関係に制約があり, 任意の変換を行なうためには, コンバータ以外の演算も含めた複数の演算を,データ構造に従って複雑に組み合わせ適用する必要がある. 本稿では, NR/SD モデルを改良しこれらの問題点を解決したモデルとその応用例を示す. 特に, 入れ子型リレーション構造と構造化文書を相互変換するコンバータの改良を中心に説明する.