著者
植松 正 UEMATSU Tadashi
出版者
京都女子大学史学会
雑誌
史窓 (ISSN:03868931)
巻号頁・発行日
no.64, pp.75-81,中扉1枚, 2007-02
著者
歳森 敦 北原 夕里歌 植松 貞夫
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.33-45, 2000-03-30

市区立図書館中央館を対象とした標本調査により, ブックディテクションシステム(BDS)導入の動向と, 設置館・非設置館の蔵書紛失率を明らかにするとともに, それらの結果をもとにBDSの設置効果を試算した。BDSの設置状況として, 1割弱の館にBDSが設置されていること, 最近数年間の新築時BDS設置率は4割強であること, 一部のコーナーに限定する形で導入する部分設置館が2/3以上であることを明らかにした。年間蔵書紛失率の平均は1.33%となった。BDSを全館を対象に設置した場合には蔵書紛失率が有意に低く, 不正持ち出しの防止に一定の効果があると判断できる。最後に, BDSを設置した場合に必要な費用とBDSを設置しない場合に必要な費用の差としてBDSの設置効果を定義し, 一定の条件を与えて設置効果の試算をおこない, 設置効果を得られる館は一部であること, 部分設置の効果が限定的なことを示した。
著者
植松 光夫 平 啓介 奥田 章順
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.517-527, 2003-07-05 (Released:2008-04-14)
被引用文献数
2

我が国の独自技術で開発したUS-1A大型飛行艇(水陸両用)は,波高が3m以上の荒天下においても離着水が可能な世界一の性能を有している。飛行艇の最大の魅力は,航空機でありながら海上に着水でき,短時間で広範囲の海域の観測が可能な点にある。シンポジウムでは,海洋にかかわる各分野(海洋物理,海洋生物,海洋化学,水産海洋,衛星海洋)での飛行艇を利用した観測やそれに必要とされる観測装置の開発などについて議論し,飛行艇による大気・海洋観測の実現に向けての具体的な提案を行った。また,多くの研究者が船舶と同様に利用できるように飛行艇の性能や特徴を説明した。お互いの特徴を補完した船舶との同時観測や,飛行艇にしか出来ない観測などについての運用についてなども含め,本報告にまとめた。
著者
高田 靖司 植松 康 酒井 英一 立石 隆
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.89-94, 2014-06-30 (Released:2014-06-30)
参考文献数
24

隠岐諸島をはじめ,本州から九州におけるカヤネズミ(Micromys minutus)の12集団について,下顎骨の計測値にもとづき,多変量解析(主成分分析,正準判別分析)をおこない,地理的変異を分析した.その結果,下顎骨について,全体的な大きさ(第1主成分)には集団間で差は認められなかったが,形(第2–第3主成分)には集団間で有意な差が認められた.特に,第2主成分は島の面積との間に有意な相関が認められたので,何らかの要因が形態変異に作用した可能性がある.正準判別分析では,隠岐諸島の集団間で形態変異が認められた.この変異には島の隔離に伴う遺伝的浮動が働いたと考えられた.しかし,下顎骨の大きさ(第1主成分)について集団間で差がみられず,また,遠く離れた地域の集団間で形態的な違いがみられなかった.これは,Yasuda et al.(2005)が明らかにしたように,日本列島におけるカヤネズミの低い遺伝的多様性を反映しているかもしれない.
著者
若杉 葉子 戸原 玄 中根 綾子 後藤 志乃 大内 ゆかり 三串 伸哉 竹内 周平 高島 真穂 都島 千明 千葉 由美 植松 宏
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.109-117, 2008-08-31 (Released:2021-01-22)
参考文献数
64

現在行われている多くのスクリーニングテストは誤嚥のスクリーニングテストであり,不顕性誤嚥(SA)をスクリーニングすることは難しいとされている.今回,我々はクエン酸の吸入による咳テストを用いたSAのスクリーニングの有用性について検討を行った.対象は何らかの摂食・嚥下障害が疑われた18歳から100歳までの患者204名 (男性131名,女性73名,平均年齢69.90±11.70歳).超音波ネブライザより1.0重量%クエン酸生理食塩水溶液を経口より吸入させ,1分間での咳の回数を数える.5回以上であれば陰性 (正常),4回以下であれば陽性 (SA疑い)と判定し,VFもしくはVEの結果を基準とし,SAのスクリーニングの感度,特異度,有効度,陽性反応的中度,陰性反応的中度を計算した.咳テストによるSAのスクリーニングの結果は,感度0.87,特異度0.89,有効度0.89,陽性反応的中度0.74,陰性反応的中度0.95であった.次いで主要な原疾患別に咳テストの有用性を検討した.脳血管障害患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度0.76,特異度0.82,有効度0.79,陽性反応的中度0.73,陰性反応的中度0.84であった.頭頚部腫瘍患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度1.00,特異度0.97,有効度0.98,陽性反応的中度0.93,陰性反応的中度1.00であった.神経筋疾患患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度0.83,特異度0.84,有効度0.84,陽性反応的中度0.56,陰性反応的中度0.95であった.呼吸器疾患患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度0.67,特異度0.81,有効度0.76,陽性反応的中度0.67,陰性反応的中度0.81であった.気管切開のある患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度0.71,特異度1.00,有効度0.78,陽性反応的中度1.00,陰性反応的中度0.50であった.認知症患者におけるSAのスクリーニングの結果は,感度1.00,特異度1.00,有効度1.00,陽性反応的中度1.00,陰性反応的中度1.00であった.以上より,クエン酸吸入による咳テストはSAのスクリーニングに疾患によらず有用であると考えられた.
著者
金山 剛 大平 雄一 新井 由起子 小園 広子 千代 憲司 植松 光俊
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.F3P3581-F3P3581, 2009

【目的】高気圧・高濃度酸素セラピー(以下、酸素セラピー)は、溶解型酸素を効率よく体内へ吸収し、毛細血管まで酸素供給が可能なことから、疲労回復など様々な効果があることが知られている.実際にアスリートからモデルなど数多くの人に実施されており、その効果がメディアなどで報道されている.しかし、これらを定量的な指標を用いて検討した報告は少ないのが現状である.本研究では、酸素セラピーによる血圧、脈拍、視力の変化について検討することを目的とした.<BR>【方法】対象は当センターにて酸素セラピーを実施した88名(男性45名、女性43名)、平均年齢42.3±13.5歳とした.平均実施期間は11.3±35.3日、1ヶ月の平均利用頻度は1.2±2.8回であった.事前に十分に説明を行い、同意を得た上で実験を開始した.<BR> 酸素セラピーには、高気圧・高濃度酸素カプセル(Take Heart社製CocoonO2)を用いた.1回の実施時間は60分とし、実施肢位は背臥位とした.開始より10分かけてカプセル内の気圧を1.2気圧まで上昇させ、終了5分前から5分かけてカプセル内の気圧を通常気圧まで減圧した.評価項目は収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍、視力とした.測定手順は、酸素セラピー開始前は血圧及び脈拍数、体組成(体重、体脂肪率、基礎代謝量)、視力の順に計測し、酸素セラピー終了後は視力、体組成、血圧及び脈拍数の順に計測した.測定においては特に休息時間などは設けなかった.<BR> 統計処理は、1~5回目の酸素セラピー実施前後比較にpaired t-test、Wilcoxon signed rank testを用いた.また、1回目の酸素セラピー実施前と5回目の酸素セラピー実施後の比較も同様の処理をした.各指標における酸素セラピー実施前の値と酸素セラピー実施前後での変化量の関係についてピアソンの相関係数を用い、有意水準は全て5%とした.<BR>【結果】収縮期血圧は3回目のみ、酸素セラピー実施後に有意に低下した.拡張期血圧は全てにおいて有意な変化は認められなかった.脈拍は1,2,4,5回目において、酸素セラピー実施後に有意に低下した.視力は1回目の酸素セラピー実施後と、1回目と5回目の比較において有意な改善が認められた.酸素セラピー実施前の値と酸素セラピー実施前後での変化量の関係については、全ての指標において有意な負の相関関係を認めた.<BR>【考察】脈拍数は酸素セラピー実施後低下することが明らかとなり、酸素供給の増加やリラクゼーション効果によるものと推察される.視力においては1回目の実施で改善し、その効果が5回目まで維持されていた.この事は、眼は脳とならんで毛細血管に富んでおり、酸素セラピー実施での溶解型酸素の増加による効果であると考えられる.また、血圧及び脈拍は実施前の値が高い者程低下しやすく、視力は実施前の値が低い者程改善しやすい事がわかった.
著者
溝上 智惠子 清水 一彦 歳森 敦 池内 淳 石井 啓豊 逸村 裕 植松 貞夫 宇陀 則彦 永田 治樹 長谷川 秀彦 石井 夏生利 呑海 沙織 孫 誌衒 松林 麻実子 原 淳之 井上 拓 佐藤 翔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大学教育の実質化を進展させるための学習支援サービスの1つとして、大学生の主体的学習を促進させる実空間「ラーニング・コモンズ」 (Learning Commons)に着目し、その現状と課題を明らかにした。1990 年代に、北米地域から導入・整備が始まったラーニング・コモンズは、現在各国の高等教育改革や大学図書館の状況を反映して、多様な形態で展開しつつあること、学習成果の視点からの評価はいずれの国でもまだ不十分な段階にあることが明らかになった。
著者
渡辺 綾子 眞鍋 えみ子 和泉 美枝 植松 紗代 田中 秀樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.89.16065, (Released:2018-05-25)
参考文献数
60
被引用文献数
3 5

This study investigated sleep quality, anxiety and depression variations during pregnancy (second and third trimester) to one month postpartum, as well as their relationships with each time period. A survey targeted 402 women who were pregnant or one-month postpartum using the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI) and the Hospital Anxiety and Depression Scale. The total score of PSQI, sleep duration, and habitual sleep efficiency at one month postpartum were worse than during the second and third trimesters; however, sleep disturbance scores were better at one month postpartum. There were no significant differences in anxiety and depression. The second trimester of pregnancy was related to anxiety, The total score of PSQI, and sleep quality. Anxiety was related to the presence of complications. At one month postpartum, sleep quality was related to anxiety and disturbed sleep, whereas sleep quality and difficulty staying awake during the day were related to depression. These results suggest that understanding the characteristics of women's sleep during pregnancy and postpartum period will be helpful in predicting women's anxiety and depression.

4 0 0 0 OA シャノン理論

著者
植松 友彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1_8-1_18, 2007-07-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
44
被引用文献数
2 2

シャノン理論とは,情報理論における各種の符号化問題に対して,符号化の限界について研究する分野である.シャノン理論の主要な研究分野は,情報源符号化,通信路符号化,乱数生成,予測,検定などであり,時代とともに広がってきている.小文では,通信路符号化定理を例として取り上げ,シャノン理論の研究対象がどのような問題であるかについて解説するとともに,符号理論との親密な関係を保ちながらシャノン理論がどのように発展してきたかについて概説する.
著者
植松 光夫 平 啓介 奥田 章順
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.517-527, 2003-07-05

我が国の独自技術で開発したUS-1A大型飛行艇(水陸両用)は,波高が3m以上の荒天下においても離着水が可能な世界一の性能を有している。飛行艇の最大の魅力は,航空機でありながら海上に着水でき,短時間で広範囲の海域の観測が可能な点にある。シンポジウムでは,海洋にかかわる各分野(海洋物理,海洋生物,海洋化学,水産海洋,衛星海洋)での飛行艇を利用した観測やそれに必要とされる観測装置の開発などについて議論し,飛行艇による大気・海洋観測の実現に向けての具体的な提案を行った。また,多くの研究者が船舶と同様に利用できるように飛行艇の性能や特徴を説明した。お互いの特徴を補完した船舶との同時観測や,飛行艇にしか出来ない観測などについての運用についてなども含め,本報告にまとめた。
著者
植松 正
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
東方学報 = Journal of Oriental studies (ISSN:03042448)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.49-89, 2015-12

First the author discuss three imperial missions to Japan including Buddhist monks of Pu-tuo-shan 陀山island, such as Ru-zhi 如智with Wang Jun-zhi 王君治1283, Wang Jiweng 王積翁 with Ru-zhi 1284, and Yi-shan-yi-ning 一山一寧 1299. Through the ill success of the second military expedition, Qubilai changed the form of the diplomatic note to send to Japan. We cannot find any menacing reference to possibility of the military aggression against Japan. He expected the civilized background of Buddhism, dispatched a superior monk as a envoy, and tried to persuade Japanese government to dispatch the envoy to the Yuan dynasty. Hereafter the imperial diplomatic note became a kind of a letter of credence. Secondly the author discuss the note from the king of Goryeo. The aim of the note was that Japanese king would dispatch the envoy to the Yuan dynasty. The note has been quoted in The History of Goryeo 高麗 and two manuscripts preserved in Kanesawa-bunko 金澤文庫 or Shōmyōji 稱名寺 temple in Japan. Although both texts should be exactly same, there are considerable differences of the words. Examining two texts, the author found the intentional avoidance about the expression suggesting the downfall of Japan. Besides, there are some places renewed by the expression to promote amity with Goryeo specifically in the text of Kanesawa-bunko. I consider that Gim Yuseong金有成, the envoy from Goryeo, had tampered with the words of the note in order to break the confronting difficult situation.
著者
荻本 真美 鈴木 公美 樺島 順一郎 中里 光男 植松 洋子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-62, 2012-02-25 (Released:2012-03-09)
参考文献数
15
被引用文献数
4 7

ベーキングパウダーを使用した菓子・パン類,ミョウバンを使用した食品として野菜加工食品,海産物などを中心とした105試料について,食品中のアルミニウム(Al)含有量調査を行った.菓子・パン類は57試料中26試料で0.01~0.37 mg/g,小麦粉調製品は6試料中3試料で0.22~0.57 mg/g,野菜加工食品は3試料すべてで0.01~0.05 mg/g,海産物は6試料中4試料で0.03~0.90 mg/g,即席めんは11試料中3試料で0.01~0.03 mg/g,春雨は4試料中3試料で0.04~0.14 mg/g,大豆は不検出,大豆加工食品は16試料中1試料で0.01 mg/gのAlが検出された(定量限界0.01 mg/g).週一度摂取すると体重16 kgの幼児のPTWIに相当するものが,菓子類2試料,小麦粉調製品2試料,くらげ1試料の5試料あった.以上の結果から,子供,特に幼児では製品や喫食量により,PTWIを超過する可能性があることが示唆された.
著者
後藤 道彦 植松 裕子 斎藤 英雄 仙田 修司 池谷 彰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.28, pp.1-6, 2010-05-06

Augmented Reality(AR)技術を利用した作業支援は,ユーザに対して直感的な支援が可能である.一般に,ARシステムを構築するためには,重畳するコンテンツを用意する必要があり,従来はそのコンテンツを用途に合わせてCGなどで新たに作り出していた.本論文で提案するARシステムでは,そのコンテンツを新たに作るのではなく,既に多く存在しているビデオをお手本となる教師ビデオとして利用し,ユーザの視点に合わせて教師ビデオを変換して重畳表示することで,情報提示を行う.このとき,ユーザの作業と教師ビデオ映像が視覚的に混同しやすい問題を解決するために,教師ビデオに対して透明度変化や輪郭線の強調表示などの様々な加工を施す.また,作業内容に合わせて教師ビデオをいくつかの手順に分割し,ユーザ側の作業が完了してから次の手順へと進めるようなインタラクティブ性を持たせることで,ユーザが各自のペースで作業を行うことのできるシステムとなっている.本システムの有効性を検証するためのユーザ評価実験では,折り紙を折る作業とブロックを配置する作業の2つの状況を想定し,本システムでの教師ビデオの提示方法について評価を行った.その結果,本システムで提案するようにユーザの視点に合わせてビデオを提示することで,ユーザの視認性が向上するということが分かった.また,教師ビデオに施すエフェクトについての評価では,作業内容ごとに適したエフェクトを分類することができ,今後さらに他の作業へと適用する際の指標を得ることができた.
著者
植松 章八
出版者
富士学会
雑誌
富士学研究 (ISSN:24330310)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.17-37, 2014-12-31 (Released:2022-12-16)
参考文献数
1
著者
植松 海雲 猪飼 哲夫
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.396-402, 2002-07-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
23
被引用文献数
28 20

リハビリテーション専門病院に入院した高齢脳卒中患者374症例を対象に,自宅退院のための能力的・社会的因子条件について,classification and regression trees (CART)を用いて分析した.対象患者の自宅退院率は82.6%.単変量の解析では退院時家族構成人数,配偶者の同居の有無,functional independence measure (FIM)18項目各得点において転帰先間で有意差を認めた.CARTによる解析の結果,FIMトイレ移乗,家族構成人数からなる決定木が得られ,トイレ移乗が要介助でかつ家族構成人数が2人以下の場合は自宅退院が困難(自宅退院率21.7%)などのルールが得られた.CARTは,連続変数,カテゴリー変数のいずれをも扱うことが可能であり,結果は直感的に理解しやすく分類や予測などの研究に有効な手法と考えられた.
著者
和泉 美枝 眞鍋 えみ子 植松 紗代 渡辺 綾子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20170224001, (Released:2017-12-18)
参考文献数
38

【目的】産後女性の肥満予防の基礎データを得るため,産後の身体組成とエネルギー代謝に関連があるとされる自律神経活動の推移と関連を明らかにすることとした。【方法】非妊娠時BMIやせまたは標準で,産後1年以内に3回協力の得られた女性49名を対象とし,身体組成(体重・体脂肪率)と自律神経活動を測定した。【結果】体重と体脂肪率は産後の経過に伴い有意に減少していたが,産後9~12か月で「隠れ肥満傾向」34.7%,「隠れ肥満」16.3%,非妊娠時BMI標準者(35名)で非妊娠時体重への未復帰者28.6%であった。自律神経活動は産後時期による差はなかった。1日あたりの体重や体脂肪率の減少量と交感神経活動指標は負の相関,副交感神経活動指標は正の相関がみられた。【結論】産後1年の経過に伴い体重や体脂肪率は減少を示し,自律神経活動は変化しなかった。しかし,体重や体脂肪率の減少には自律神経活動の関連が示唆された。
著者
植松 貞夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.52-57, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)

単なる建築空間を図書館として性格付ける要素であることから,図書館家具は図書館建築の主役の一つである。書架や閲覧机等の形状とその配置は利用者と職員の使いやすさ,働きやすさを左右する。本論では,図書館職員に家具についての理解が深まることを目的に,はじめににおいて,家具について分類や備えるべき性能等の基本的な事項をまとめるとともに,本体工事と家具工事の違い等について概説した。続いて,主要な家具である書架と閲覧用の机と椅子,カウンターについて,寸法や素材等,既製品から選択する際や特別設計の注文に際して注意すべき点を整理した。
著者
難波 憲二 植松 一真
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
動物生理 (ISSN:02896583)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.154-161, 1989-09-30 (Released:2011-03-14)
参考文献数
52
被引用文献数
2 1