著者
柴原 弘明 今井 絵理 植松 夏子 木下 早苗 眞野 香 山本 絢子 青山 昌広 西村 大作
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.104-108, 2011

症例は80歳台女性。肺癌の骨転移による疼痛に対し緩和ケアチームに依頼があった。オピオイド,ロキソプロフェンナトリウムに加えて,鎮痛補助薬としてガバペンチン,イフェンプロジル酒石酸塩投与の追加,さらにオピオイドの増量・変更を行なったが,疼痛の著明な改善はなかった。そこで,ガバペンチンをプレガバリンへスイッチしたところ,疼痛の著明な改善がみられた。プレガバリン内服以前は,疼痛が強いときには臥床していることが多かったが,プレガバリン内服以降は疼痛の改善が得られたため,元気に車いすを押して歩行する姿がみられ,日常生活の活動は改善し,笑顔が多くみられるようになった。ガバペンチンからプレガバリンへのスイッチは,癌性疼痛に対する鎮痛補助薬を考慮するにあたり有効な選択肢のひとつである。
著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
植松 陽一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本プロジェクトは、新たな試みとして、ワークショップで作品を完成させるだけではなく、完成した作品をその場で情報発信する手法の実践を目的としている。梅田コネクトプロジェクトの一環として開催している“梅田スノーマンフェスティバル”の一つの会場である大阪梅田・茶屋町エリアで、身近な素材であるマスキングテープやフェルトなどを使用したパッチワークを行うワークショップを実施した。参加者には年齢制限を設けず、参加者と学生が交流することでコミュニケーションを高められるようなプログラムとし、ただ作品を作るだけではなく作品を発信出来るワークショッププログラムとして、参加者が作品をつくり、そしてその作品を自ら発表出来る新しい取り組みを目指す。
著者
大林 静男 田中 米次郎 植松 典昭
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.354-358, 1961-04-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1
著者
岸田 繁高 植松 清志 渡辺 勝彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.666, pp.1453-1459, 2011-08-30 (Released:2012-01-13)

Regarding the urban dwellings of Japan in pre-modern times we show, on a drawing, the actual architectural situation of 13 dwellings in the central area of Osaka. We discuss the dwelling types and the layout of the houses drawn. As a result, we were able to draw the following conclusions: 1) we can confirm three dwelling types; Tori-niwa type, with an earthen floor passable from front to back (7 examples), Kiri-niwa type, with two earthen floors (2 examples), and Mae-niwa type, with an entrance earthen floor (4 examples). Houses for rent including six Tori-niwa type houses facing the main road Mido-suji and Minami-Kyuutarocho-dori measured 2.5 to 5 ken in width and 1.25 to 8.5 ken in depth. Each has 3 rooms in file inside and five houses have a set bath in their dwellings. 2) Five houses were set on rear sites and two houses next to the corner house, with sharing wells and toilets. The composition of these 13 houses shows a layout technique in a central urban area in Osaka.
著者
佐々木 武彦 阿部 眞三 松永 和久 岡本 栄治 永野 邦明 丹野 耕一 千葉 芳則 狩野 篤 植松 克彦
出版者
宮城県古川農業試験場
雑誌
宮城県古川農業試験場研究報告 (ISSN:09172904)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-17, 1994-03

宮城県古川農業試験場において、コシヒカリと初星の交配組合せから粳種の耐倒伏性極強・食味極良の新品種「ひとめぼれを育成した。本品種は東北中南部では中生の晩で、草型は偏穂数型である。耐倒伏性はやや弱、いもち病真性抵抗性推定遺伝子型はPi-i型で、圃場抵抗性は葉いもちにはやや弱、穂いもちには中、障害型耐冷性は極強である。玄米品質、食味は極めて良好でササニシキに優る。適地は東北地方中南部の平坦部、関東以西の早期栽培地帯及び温暖地、暖地の高冷地である。1991年に岩手、宮城、福島の各県で奨励品種に採用され、1992年には千葉、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡、大分の各県で、1993年には鳥取県でそれぞれ奨励品種に採用された。
著者
丸山 成和 丸山 典彦 伊藤 宏 田中 良和 植松 典昭
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.330-333, 1983-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

牛以外の動物, とくに人と豚のアカバネウィルスに対する抗体の保有状況を知る目的で, 両者の血清について, 赤血球凝集抑制 (HI) 反応, 中和 (NT) 試験による調査を実施した. なおHI価10以上, NT価4以上を反応陽性とした.調査期間は人では1977年6月~1979年4月, 豚では1978年9月~1979年2月であった. 調査地域は人では県内8市5町, 豚では9市4町であった. その結果以下の成績を得た.1) 人血清1, 348例のうち1.3%(17/1, 348) がHI陽性であった. これらの陽性例は県東部の隣接田園地区に集中してみられた. 陽性例のHI価は10~40, NT価は4~32であった. なお豚のHI陽性率の高い地域の養豚従事者19人では1例が陽性 (陽性率5.3%) で, そのHI価およびNT価はそれぞれ10および8であった.2) 豚血清1, 134例 (4~5ヵ月齢の肥育豚654頭, 繁殖豚480頭) についてHI価を測定したところ, 1.4%(16/1, 134) の陽性率であった. このうち肥育豚は0.8%(5/654), 繁殖豚は2.3%(11/480) の陽性率であった.陽性例のHI価は10~20, NT価は4~64であった.豚および人は, Vectorの動物嗜好性によることも考えられるが, 牛にくらべて本ウイルスの感染をうけにくいものと推測される.
著者
石川 紗希 中村 教人 高岡 早紀 山本 裕子 植松 明美 佐久間 貴裕 忍田 純哉
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.323-326, 2017

症例は77歳,女性。呼吸困難を主訴に救急外来に搬送された。来院時,心拍数111 /min,血圧70/52 mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度91%(room air)であった。心電図で右側胸部誘導のST低下を認め,経胸壁心エコーでは右室は著明に拡大し,造影CTで両側肺動脈に広範囲の血栓を認めたため,急性広範囲型肺血栓塞栓症と診断された。抗凝固療法に並行し,肺動脈血栓摘除術の方針とした。急激な循環虚脱に備え,経皮的心肺補助装置を準備の上,肺動脈血栓摘出術を施行した。術後の呼吸循環動態は安定しており,術翌日に人工呼吸器から離脱し,カテコラミン投与を終了した。術後4日目にはICUを退室した。急性広範囲型肺血栓塞栓症では,早期診断と適切な早期治療が大きく死亡率を改善させる。救命するには呼吸循環補助を含め,各部門と連携した集学的治療が必要であり,常に外科的治療を念頭に置き対応する必要がある。
著者
植松 千喜
出版者
日本カリキュラム学会
雑誌
カリキュラム研究 (ISSN:0918354X)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-13, 2018 (Released:2019-05-29)

The purpose of this paper is to examine Jacob Neumann’s critical pedagogy theory. In North America, critical pedagogy is led by two scholars―Michael Apple and Henry Giroux. Giroux is especially famous as a successor to Paulo Freire, and there are some studies on Giroux in Japan. However, interpretations of Freire which are different from Giroux’s one have not yet received proper consideration in Japan. Therefore, this paper focuses on the critical pedagogy theory of Neumann, whose arguments are distinctively interpretations of Freire.Neumann points out that critical pedagogy’s main dilemma is to reconcile one aspect as political activity with students’ intellectual freedom in classrooms through criticism against Bill Bigelow’s classroom practice. As a result, it can be seen from Neumann’s critical pedagogy theory that there are two major attitudes: (1) a positive attitude toward the practice which is inquired by teacher and student dialog, (2) a respectful attitude towards the everyday efforts by teachers combined with an affirmative attitude toward the change in teachers’ everyday slight practices.Neumann focuses on “generative themes,” particularly in Freire’s practices, which he interprets as a process that involves teachers’ and students’ commitment to learning together through the medium of the world. Also, Neumann considers Freire’s theory and practice to be limited by the situation, apolitical, and to be opened to different discourses in a book-review article addressed to a book written by Peter Roberts who is researcher of Freire.His attitude toward critical pedagogy and his interpretation of Freire are not aimed at the realization of radical political goals, but at respectful changes in teachers’ everyday slight practices and students’ intellectual freedoms. In this, his attitude is different from that of Giroux. Neumann thinks that teachers can put critical pedagogy into practice through their individual beliefs and knowledge, even though they may be limited by their circumstances.As mentioned above, Neumann’s argument demonstrates a practical strategy for critical pedagogy that teachers who don’t adopt a radical belief which is similar to critical pedagogy scholars can struggle jointly. Critical pedagogy, which aims for a world in which diverse people can view one another positively, is contradictory if it does not consider teachers who are not “leftist” and students who are not politically active. Critical pedagogy needs to clear up this contradiction in order to change society toward its goal.
著者
高田 靖司 酒井 英一 植松 康 立石 隆
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.203-209, 2002-06-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

齢推定した野生ハツカネズミの晒骨頭蓋 (n=443; 月齢0.6-16.2) を観察し, 大臼歯歯冠の咬耗速度や, 上・下顎骨の歯槽骨の吸収を調べた. これを野生ハツカネズミと同様の食物を与えて飼育したハツカネズミの晒骨頭蓋 (n=36: 月齢0.6-10.0) と比較した. 野生ハツカネズミでは, 寿命が短く, また飼育したネズミに比べて大臼歯の歯冠が急速に咬耗し, 歯槽骨の著しく吸収された歯周疾患がみられた. 野生集団では, 早くも生後3カ月で歯冠が著しく咬耗し, 歯槽の槽間中隔や根間中隔が吸収・消失したネズミが現れた. このことは, 野生集団で加齢が急速に進行したことを示している. 歯槽骨の吸収は歯冠の咬耗や齢と関連していた. 野生ハツカネズミでみられた, 歯冠の著しい咬耗や歯槽骨の吸収の原因や背景を考察した. その結果, これらの加齢変化に対して, 彼らの食物や摂食行動が強く影響したと推測した.
著者
植松 貞夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.52-57, 2020

<p>単なる建築空間を図書館として性格付ける要素であることから,図書館家具は図書館建築の主役の一つである。書架や閲覧机等の形状とその配置は利用者と職員の使いやすさ,働きやすさを左右する。本論では,図書館職員に家具についての理解が深まることを目的に,はじめににおいて,家具について分類や備えるべき性能等の基本的な事項をまとめるとともに,本体工事と家具工事の違い等について概説した。続いて,主要な家具である書架と閲覧用の机と椅子,カウンターについて,寸法や素材等,既製品から選択する際や特別設計の注文に際して注意すべき点を整理した。</p>
著者
植松 秀雄
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.1992, pp.24-43, 1993-10-30 (Released:2008-11-17)
参考文献数
29