著者
須貝 哲郎 村上 憲一郎 東 順子 長野 拓三 鈴木 伸典 前田 基彰 佐々木 幸恵 庄司 昭伸 橋本 陽子 麻生 五月 渡辺 加代子 濱田 稔夫 加藤 晴久 染田 幸子 安野 洋一 東 禹彦 長濱 萬藏
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.446-460, 1990

各10%にグリセリンおよびクロタミトンを含有する0/W型クリーム (AG-1クリーム) の乾燥性皮膚疾患に対する一般臨床試験を11施設からなる研究班を組織して, 1988年11月より1989年3月までの5カ月間にわたり実施した。外用4週後の最終全般的改善度は90.5%(124/137例), 副作用発現率は1.3%(2/154例), 有効性と安全性を考慮した有用以上の有用率は88.2%(134/152例) であった。以上の結果からAG-1クリームは乾燥性皮膚疾患に対し, 極めて有用な外用剤であることが確認された。
著者
北島 葉子 高尾 奈津子 橋本 香織 多田 幹郎
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.8-12, 2011

食品着色料ベニバナ黄色素系の調製原材料であるベニバナ花弁に放射線(ガンマー線及び高エネルギー電子線)を5,10,30kGy照射して,ベニバナ黄色素の抽出効率ならびに色素組成への影響を検討して以下の結果を得た。 1)試料への放射線照射によって色素抽出量が増大することが認められた。ガンマー線照射の場合は,5kGy及び10kGyの照射で,それぞれ,10%,15%の増大が認められたが,30kGyの照射では非照射試料より5%減少した。また,電子線照射の場合は,5kGy及び10kGy照射で,それぞれ4%,9%の増大が認められたが,30kGyでの増大は微少であった。 2)照射試料からの抽出液の吸収スペクトルは,いずれも非照射試料からの抽出液のスペクトルと同一であり,照射によって色素組成の変化は生じないことを示した。 しかし,30kGyの照射で色素抽出効率は低下したことから,高線量の照射は色素分子の発色団の分解が起こることが推察される。 3)放射線照射による殺菌効果は,5kGy以上の線量で殺菌が可能であることを確認した。
著者
大内 克哉 橋本 英治 榮元 正博 尹 智博 小山 明 Katsuya OUCHI Eiji HASHIMOTO Masahiro EIGEN Jibak YOON Akira KOYAMA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2020
巻号頁・発行日
2020-11-25

ビデオゲームには「遊び」の要素と並行して、人間にとって有用な「学習」の要素が含まれていると考えられる。本研究は、このリテラシーを他分野の「学習」に置き換えることが可能かどうかを実験を通して検証した上で、ゲーム制作技術を教育領域の学習支援システムの再構築に応用することを目的とする。ビデオゲームの領域においてはプレイヤーの習熟曲線に合わせた学習方法が確立している。本研究では、学習が必要な他分野の例の一つとして音楽領域に注目し、ビデオゲームの学習方法を応用することで、楽器演奏の「難しさ」の前に「楽しさ」を体験出来る補助装置の作成を目指す。研究はゲームクリエイター、ヨコオタロウ氏と協力して進めた。
著者
新井 賢 藤本 憲二 橋本 竹二郎 滝島 常雄 小屋 佐久次
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.107, no.4, pp.279-286, 1987-04-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

In order to identify the constituents of ethanol-extractable amino acids from Pinus densiflora SIEB. et ZUCC. leaves, high performance liquid chromatography (JASCO TWINCLE amino acids analyzer system) was used. According to the results obtained, ethanol-extractable amino acids confirmed to be such 19 different kinds, as Asp, Thr, Ser, Asn, Glu, Gln, Pro, Gly, Ala, Val, Met, Ile, Leu, Tyr, Phe, Lys, His, Arg and γ-aminobutyric acid (GABA). There was a seasonal fluctuation in the amount of free amino acids constituent, and three different patterns of changing in the amount were noticed. The major constituents of free amino acids were found to be GABA and Ala. There were similarities in the patterns of free amino acids contents among new buds, one year leaves and two year leaves. However few amount of Met and His were detected from the stage of the new buds than any other. Basic amino acids were found more in the one year leaves and the two year leaves than in the new buds. The contents of Gln, Lys and Arg increased in the germination stage of the new buds, and the contents of GABA, Pro, Ala and Asn decreased in the growing stage of the new shoots. The above facts lead to the conjecture of that these free amino acids were involved deeply in the growth of Pinus densiflora SIEB. et ZUCC. leaves.
著者
戸嶋 裕徳 小柳 仁 藤田 毅 橋本 隆一 矢崎 義雄 河合 忠一 安田 寿一 高尾 篤良 杉本 恒明 河村 慧四郎 関口 守衛 川島 康生
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.1033-1043, 1995

1994年9月までに提出された日本循環器学会心臓移植適応検討会の適応判定申請例は50症例に達した.うち2例は取り下げとなったが,判定を行った48症例につき調査し以下の結果を得た.<BR>1)5例は公式の検討会開催を待たずに死亡した.<BR>2)資料の不備や現時点での適応なしなどの理由により6例は保留と判定された.また1例は肺血管抵抗増大のため適応なしと判定された.<BR>3)適応ありと判定された36例中14例が2年以内に心不全または突然死により死亡した.7例は米国において移植手術を受けた.<BR>4)内科的治療によって3例は改善して当面は移植の必要性がなくなった.1994年末現在の待機中患者は13例である.<BR>5)心臓移植適応ありと判定後最長余命1年を予測しうる指標を求めるために,判定後1年以内に死亡した12例に対し2年以上生存した7例および臨床像の改善を認めた3例の計10例を対照群として,多変量解析数量化理論第II類を応用して生死の判別を試み,両群をよく判別しうる予後指数を求めることができた.<BR>6)今回の解析結果から得られた1年以内の予後不良因子は,心機能NYHA IV度,3回以上のIV度心不全の既往の他,従来用いられてきた血行動態的指標よりは低電位差(肢誘導<5mm),異常Q波>2誘導,QRS間隔の延長といった心電図に関する情報が心筋自体の高度の病変を反映する所見として予後不良を示唆し,心臓移植の適応を考える上で重要な意義をもつと思われた.ただし統計処理に用いた症例数が少ないので,今後も引き続き症例を増すと共に今回は検討できなかった血中ノルアドレナリン,ANPおよびBNPなどの神経体液性因子その他の予後予測因子をも含め再検討することが望まれる.
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬渕 浩司 国吉 久人 大塚 攻 橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010-12-24

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餌に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり,安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村,1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ,イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同種の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。We surveyed fish fauna at shallow waters of Aki Nada, Seto Inland Sea by the line fishing census, using small hooks attaching clamworms or krills as baits, during May 2007 - March 2008. We set up survey points at piers with Sargassum belt in Osaki-Kami Shima Island, and conducted the census (ca. 10 person x 60 min at each) bimonthly to analyze seasonal differences of fish fauna. In order to evaluate geographic variation of fish fauna, we also held the census at 26 survey points of nine zones situated a wide area in Aki Nada during May-July, 2007. A total of 63 species of 29 families were recorded. Of 63 species, 76 % were commonly recorded in Iyo Nada region. In contrast, the common species ratio fell to ca. 30% in comparison with data recorded in Uwa Sea region, which strongly supports the validity of the border of biogeographical regions between "Warm temperate region" including Uwa Sea and "intermediate temperate region" including Iyo Nada and Aki Nada (Nishimura, 1981). The almost year-round occurrences in the Osaki-Kami Shima were admitted in the following 18 species, Sebastiscus marmoratus, Sebastes inermis, Hypodytes rubripinnis, Hexagrammos agrammus, Pseudoblennius cottoides, Pagrus major, Ditrema temmincki, Chromis notata notata, Girella punctata, Semicossyphus reticulatus, Pseudolabrus sieboldi, Halichoeres poecilopterus, Halichoeres tenuispinnus, Parapercis sexfasciata, Istigobius hoshinonis, Cryptocentrus filifer, Takifugu pardalis, Takifugu poecilonotus. Most of these species commonly occurred in the survey zones in Aki Nada waters, suggesting that these are core components of fish fauna in shallow waters of Aki Nada.
著者
橋本 裕美子 飯島 博 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-43, 2001-07-20 (Released:2018-02-09)
参考文献数
18
被引用文献数
2

1998年5月に茨城県潮来町(現潮来市)に開園した実験的なビオトープ「水郷トンボ公園」に導入されたオニバスとミズアオイの管理計画策定に資することを目的として,両種の生育状況と基本的な繁殖生態的特性を,現地でのモニタリングと調査,室内実験および制御条件下での栽培実験によって調べた.オニバスについては,本栽培条件下での面積あたりの生産種子数の上限は約250個/m^2であること,過密により株の大きさが制限された場合には開放花をつけないこと,種子はある種の低温で休眠が誘導されることが明らかにされた.ミズアオイについては,初夏の耕起がミズアオイの生育にとって有効であること,生育が良好な場所(被度75%以上)における面積あたりの生産種子数は約36万個/m^2であること,種子は水中でよく発芽し,水深15cmまでであれば冠水条件でも実生の出現に支障がないことが示された.両種ともに,季節に応じた適切な水位の管理,季節を選んでの耕耘機による耕起および種子や実生の段階での間引きなどの比較的簡単な管理によって,植生におけるこれらの種の優占状態を維持できる可能性が示唆された.
著者
橋本 麻由里
出版者
岐阜県立看護大学
雑誌
岐阜県立看護大学紀要 (ISSN:13462520)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.39-50, 2018-03

本研究の目的は、看護実践の経験において、大卒新任者がどのように考えて看護実践に取り組み、看護について何を得たのかという視点で、大卒新任者の看護実践経験をもとにした学びを明らかにすることである。そして、看護実践経験をもとに学び続ける看護専門職となるために、学士課程において何を学ぶとよいのかを考察する。 方法は、学士課程卒業後2 ~ 3 年目の看護師6 名を対象に、自分の成長や学びにつながったと思う看護実践経験について2 回の半構成的面接を実施し、その内容から看護実践経験において取り組んだこと、看護について得たことを質的帰納的に分析した。 結果、6 名の大卒新任者は、2 回の面接を通して3 ~ 6 つの看護実践経験を語った。その内容は、受け持ち患者へのかかわりや新たに担う役割に関する看護実践経験が多かった。6 名の大卒新任者の看護実践経験をもとにした学びは〔実践における確かさが持ちにくい中で自立を目指す〕〔対象者の思いに焦点を合わせたかかわりを模索する〕〔看護師としての責任や使命感を意識して取り組む〕〔他者と協働して実践を進めていく〕〔実践をもとに、今後の看護に向けて自分を進めていく〕〔自分の成長や実践力を向上する〕の取り組みにより、《対象者への深い理解》《患者・家族の思いに直接かかわる看護の役割》《命を守る看護師の責任の重さ》《患者の問題解決に対する受け持ち看護師の責任》《チームで実践に取り組むこと》《確実に看護を実施するための準備方法》《自分の成長のための目標や機会・方法》《看護に対する"できる"という手応え》を得たことであった。 以上のことから、看護実践経験をもとに学び続ける看護専門職となるために、学士課程では対象者の思いに焦点を合わせ、その人を人として理解し尊重する基礎的態度、看護専門職として自分を育てていく責任と方法、他者と一緒に考え問題解決していく意義や方法を学ぶことが重要であると考える。
著者
松本 範裕 畠山 武 橋本 良一 中谷 治夫 田淵 志良 中田 俊彦 北野 弘
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.43-44, 1986

石川県の奨励品種の中で早生種は加賀ひかり, 越路早生, ホウネンワセ, ハツニシキがある。加賀ひかり, 越路早生は平坦部, ホウネンワセ, ハツニシキは山間部の主要早生種として作付されている。県内の山間部は標高500m以下にあるものの平坦部に比べて環境条件, 土壌条件が厳しく, もともと低収地帯であることに加えて冷害年の時には大きな被害を被る。山間部の主要早生品種であるハツニシキ・ホウネンワセとも倒伏し易く, 生産力が低く, 品質の年次変動が大きいなど生産・流通の両面で問題点が指摘されている。ここに紹介する新品種「能登ひかり」は大粒で腹白粒が出易いものの食味が良く, 強稈, 多収でいもち耐病性が強く, 搗精歩合が高いなど生産・流通両面にわたって長所が多く, 立地条件の悪い山間・山麓地帯向けの早生品種として今後の普及が期待されるものである。
著者
橋本 寿哉
出版者
大東文化大学環境創造学会
雑誌
環境創造 (ISSN:13468758)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-39, 2020-02

近世日本の一部の商家では、西洋起源の複式簿記と同一原理の複式決算を可能とする日本固有の簿記法を用いた体系的な会計実務が行われていた。そうした実務は、高度な組織体制を構築した大商家において見られたことから、その生成・発達の過程や要因を、商家の組織体制との関わりにおいて明らかにするため、17世紀後半に江戸に進出して木綿問屋として発展を遂げた伊勢商人・長谷川治郎兵衛家を事例として採り上げ、同家の会計実務の発達過程を、経営上の3つの時代区分に基づいて考察した。考察から、会計実務は組織体制の発展に対応して段階的な発達を見せ、最終的に一族の事業、家産、家計が本家によって一元的に統括される中央集権的な組織体制へ発展したことが、体系的な会計実務を完成させることになったことが明らかになった。
著者
上野 健一 細川 葵 橋本 諭 及川 寛 柴原 裕亮 松嶋 良次 渡邊 龍一 内田 肇 鈴木敏 之
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.85-93, 2021-06-25 (Released:2021-07-02)
参考文献数
32
被引用文献数
1

二枚貝の麻痺性貝毒(PSTs)はマウス毒性試験(MBA)で検査されているが,動物愛護に対する社会的関心の高まりとともに高感度・高精度なPSTs分析法も開発され,動物実験代替法の利用が可能となった.本研究では,PSTsのモノクローナル抗体を利用したイムノクロマトキットによるスクリーニング法の開発を試みた.食品衛生法規制値(4 MU/g)を下回る2 MU/gをスクリーニング基準として試験液の希釈倍率を80倍とした条件で試験した.目視に加え,画像解析判定も併せて検証した.MBA 2 MU/g以上の20試験品はすべて本キットで陽性を示し,偽陰性はなかった.また,2 MU/g未満の327試験品のうち偽陽性は3%であった.以上のように,本法は高い正確度を示し,迅速・簡便なPSTsスクリーニング法として有用であることが示された.
著者
松川 創 佐藤 布武 橋本 剛
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.203-206, 2014

本研究の目的は都市空間構成と音環境の関係を明らかにすることである。茨城県土浦市は土浦城の城下町を基に開発した経緯から新旧多様な都市空間構成を有する。土浦市中心市街地において2014年7月25~27日に開催された土浦祇園まつりの山車・御囃子の音を音源のサンプルとして、等価騒音レベル等を実測した。その結果、低層住宅地と中高層商業地で音の広がり方に顕著な違いが見られた。また高架道や建物単体の影響が明らかとなった。
著者
橋本 将宏 西岡 靖貴 安田 寿彦 山野 光裕
出版者
一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本フルードパワーシステム学会論文集 (ISSN:18803121)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-8, 2019 (Released:2020-06-01)
参考文献数
18

An extremely lightweight pneumatic soft actuator is an actuator made of non-expansion and contraction material such as the plastic film. It can be driven low pressure and has unique characteristic which are flexibility and lightweight. As for contraction type extremely lightweight pneumatic soft actuator by pleats structure, it has the characteristic that up to approximately 40% shrink axially by opening the pleats of air cell surface at the time of pressurization. The purpose of this study is to clarify relationship between the design parameter, contraction force and the shape of pressurized state. Therefore, we produced the actuator which changed the film ratio (the ratio of the film length of the radial direction for the axial direction) or the magnification of the air cell and measured contraction force for air pressure using a force gauge. In addition, we measured the expansion magnitude of the radial direction at the time of the pressurization. It became clear that there was a positive correlation between contraction force and magnification of the air cell, and a negative correlation between contraction force and the film ratio. As for the expansion magnitude of air cell at the time of the pressurization, it was confirmed that the expansion magnitude was close to the calculated value of the model approximated from the design parameters. Finally, we made the graph that showed relationship between contraction force and cross-sectional area in each pressure.
著者
橋本 陽
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.4-22, 2015-12-31 (Released:2020-02-01)

本稿は、欧米の編成記述の手続きを欧米型整理論と呼称し、それと日本の方法論である段階的整理を比較し、両者の違いを明らかにすることを目的とする。まず段階的整理の原点を見直し、その発展はマイケル・クック氏の議論に大きく依拠していた事実を指摘する。次にクック氏の著書、アメリカ、フランス及びICAのマニュアルを検証し、欧米型整理論の詳細を示すとともに段階的整理との比較を行う。最後に、アーカイブズ学の基礎である出所と原秩序の尊重が当時の欧米のアーキビストにどのように認識されていたかについて1964年のICA大会の報告に依拠して振り返り、方法論の背景を探る。
著者
橋本 知幸 江口 英範 松永 忠功 紅谷 一郎 伊藤 弘文
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.65, 2011

ヒョウヒダニアレルゲン(Der 2)量によってダニ汚染度を簡易判定する「マイティチェッカー&reg;」の測定精度について、実際の室内塵を用いて検証した。室内塵は東京都1区内の幼稚園及び保育園より掃除機を用いて、1m<sup>2</sup>から1分間かける方法で、計101検体を採取した。室内塵は秤量して、マイティチェッカー&reg;の測定手順に従って、抽出・判定した後、その抽出液上清をELISA法によるダニアレルゲン量測定用に、残渣をダニ数カウント用に供した。マイティチェッカー&reg;の判定(4段階;-、±、+、++)は同一の反応結果を6人が干渉しないように同時に行った。アレルゲン量測定はIndoor Biotechnology社製測定キットを用いてサンドイッチELISA法によりDer p 1量、Der f 1量、Der 2量を測定した。 6人の判定が全員一致したのは101検体中44検体で、判定が「++」および「-」の時に一致度が高かった。また各スコアに対するDer2量の幅は、「-」が0~34.7ng/m<sup>2</sup>(平均8.43ng/m<sup>2</sup>)、「±」が8.22~479ng/m<sup>2</sup>(平均36.4ng/m<sup>2</sup>)、「+」が11.7~3,160ng/m<sup>2</sup>(平均353ng/m<sup>2</sup>)、「++」が27.5ng/m<sup>2</sup>~3,160(平均936ng/m<sup>2</sup>)であった。 ヒョウヒダニ数、ダニアレルゲン量、マイティチェッカー判定結果それぞれの相関性をスピアマン順位相関係数により確認したところ、いずれも高い相関(r=0.63~0.96)を示した。マイティチェッカー&reg;はDer2と特異的に反応するものであるが、実際の室内塵ではDer1量とDer2量の間にも高い相関が見られることから、ヒョウヒダニアレルゲン簡易検査法として有用であると考えられた。
著者
紅谷 一郎 伊藤 弘文 江口 英範 松永 忠功 橋本 知幸
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.66, 2011

これまで幼稚園及び保育園についてのダニ調査報告が少ない。そこで東京都1区内の幼稚園及び保育園より室内塵を採集し、ヒョウヒダニ数及びダニアレルゲンの調査をするとともに学校などでダニ検査事例が比較的多い7月~9月の時期にヒョウヒダニ数やダニアレルゲンがどのように変化しているか検証した。室内塵は、掃除機を用いて1分間かけて1m<sup>2</sup>から採取し、幼稚園では7月、8月、9月それぞれ1回ずつ、保育園では8月に1回実施した。全部で101検体の室内塵を採取した。採取した全ての室内塵についてヒョウヒダニ数とELISA法によるダニアレルゲン量の測定、マイティチェッカー&reg;によるダニアレルゲンレベル判定を実施した。マイティチェッカー&reg;の手順に従い、採集した室内塵をPBS-T10mlに浸漬・抽出し、アレルゲンレベルの判定を行った後、抽出液上清をELISA測定用に、残渣をダニ数カウント用に供した。上清中のアレルゲン量は、Indoor Biotechnology社製測定キット(標準抗原はUniversal Allergen Standard)を用いてサンドイッチELISA法によりDer p 1量、Der f 1量、Der 2量を測定し、残渣は全てろ紙上に展開してダニを計数・同定した。ヒョウヒダニ数は101検体中70検体が10匹/m<sup>2</sup>未満であり、学校環境衛生の基準100匹/m<sup>2</sup>を超える検体は6検体であった。100匹/m<sup>2</sup>以上であった採取場所の材質は6箇所ともカーペットだった。ダニアレルゲン量はDer 2量<Der 1量、Der p 1量<Der f 1量の傾向があった。7月、8月、9月に同じ場所から採取した室内塵のデータを比較した結果、ダニ数では7月<8月、8月<9月、ダニアレルゲン量では8月<9月という傾向が認められた。
著者
細谷 英一 橋本 佐由理 原田 育生 小野澤 晃 上田 繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2742-2756, 2008-08-15
被引用文献数
1

本文では,客観視点型遠隔講義システムを提案するとともに,被験者実験を通じてその有効性を評価した結果について報告する.提案システムは,遠隔地で撮影された映像に透明度を与え,実時間で半透明重畳した映像を合成するミラーインタフェースと,仮想的に同一の共有空間にいるユーザを客観視点から撮影したような映像を提供する共有空間設計を組み合わせることにより,ユーザに同一空間で対話しているような印象を提供して自然な対話を誘発することができる.この結果,グループ演習をタスクとする実験を通じて,視線理解容易性,対話容易性,同室感などにおいて,テレビ会議を用いた演習より高い評価を得た.また,提案システムは,市民サービス講座の場を利用した実証的実験においても有効性を示し,講座として直接対面方式の講座に匹敵する効果があったことも確認できた.A remote lecturing system that creates transparent remote images and superimposes them on each other using a mirror interface is proposed. This system allows a lecturer and his or her students to view their own appearance in a virtual shared space from an objective viewpoint. Experimental results from social skill lectures with exercises requiring student involvement showed that the proposed system made it easier to recognize gazings between individuals compared with conventional videoconferencing systems. It also improved communication between the remote lecturer and the local students. Another verification experiment performed as a public service trial also gave consistent results, proving that the lectures using the proposed system were equally as effective as ones held in the same real space.
著者
橋本 歩 平崎 憲範 辻本 洋行 萩原 明郎
出版者
同志社大学理工学研究所
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.82-87, 2009-07

今日、一般的に手術中の出血部位に局所投与される止血材は、動物由来のコラーゲン製材やヒト血液成分製材である。これらのコラーゲンや血液成分は体組織を構成する基本的たんぱく質であり、生体適合性に優れる。しかし、上記の製材がヒト感染性のあるウイルスやプリオンなどの感染性因子を含む可能性があることは、臨床的には重大な問題点である。この感染性因子の危険性を軽減するために、われわれは「キトサン・スポンジ」というキトサン由来の新規の止血材を開発した。キトサンは動物やヒトではなく甲殻類由来であるので、ヒト感染性因子を含む危険性は非常に低い。キトサンスポンジは、凍結乾燥法によって作成され、止血材としての基本的な二つの性質について、臨床的に最も一般的な止血材の一つであるフィブリン糊との比較において評価された。その第一番目の性質の組織接着力はせん断応力で評価し、第2番目の性質の止血力は腎臓からの出血モデルで比較した。これらの二つの性質は両者間で殆ど同じであった。これらの結果から、キトサン・スポンジは、フィブリン糊に匹敵する止血効果を持ち、「感染性因子を含まない」新規の止血材となる可能性があると考えられる。