著者
清水 健司 川邊 浩史 海塚 敏郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.67-70, 2006 (Released:2006-10-07)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

The purpose of this study was to construct a short form for young adults that measured their social phobic tendency and narcissistic personality in the two dimensional model. The scale consisted of ten items each for the two dimensions, which made it easy to classify them into personality subtypes. Analyses of the data from 305 students showed that the factor structure of the scale was sound, and that the two subscales had sufficiently high internal consistency. We would need next to study correlational data with other psychological scales.
著者
山田 広幸 伊藤 耕介 坪木 和久 篠田 太郎 大東 忠保 山口 宗彦 中澤 哲夫 長浜 則夫 清水 健作
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.1297-1327, 2021
被引用文献数
11

<p> 2017年台風第21号(ラン)対する上部対流圏の航空機観測を、新たに開発したドロップゾンデシステムを備えた民間ジェット機を用いて行った。これは、日本の研究グループがドロップゾンデを用いて非常に強い台風の内部コアを観測した初めての事例である。本論文では、目の暖気核構造と、それに関連するアイウォールの熱力学的および運動学的特徴について記述する。この台風は観測の2日間において、鉛直シアーが強まる環境で最大の強度を維持した。ドロップゾンデにより、この期間に対流圏中層と上層に温位偏差の極大をもつ二重暖気核構造が維持されたことが捉えられた。この2つの暖気核は相当温位が10 K以上異なり、起源が異なることが示唆された。飽和点分析により、上部暖気核の空気はアイウォールから流入したことが示唆された。鉛直シアーベクトルの左半円側におけるアイウォール上昇気流は、台風の中心側で相当温位が高く絶対角運動量が低い2層の構造を持っていた。飽和点とパーセル法の分析から、この中心側の上昇気流で相当温位が370Kを超える暖かい空気が目の境界層から流入し、最終的に上部暖気核に輸送されることが示唆された。これらの結果から、目の境界層を起源とする高い相当温位の空気の鉛直輸送が、鉛直シアーによる台風強度への負の影響に対抗して、上部対流圏の目の継続的な昇温に寄与するという仮説が導かれた。この研究は、相当温位の計算に必要な温度と湿度の測定が、ドロップゾンデのような消耗型の機器でしか行えない現状において、アイウォール貫通型の上部対流圏航空機観測が暖気核構造の監視に重要であることを示している。</p>
著者
西本 雅彦 宮里 勝政 大橋 裕 清水 健次 神谷 純 熊谷 浩司 齋藤 巨 大原 浩市 大原 健士郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.991-997, 1993-09-15

【抄録】 10名の習慣的喫煙者で,24時間禁煙後の再喫煙(ニコチン)の影響を脳波周波数解析を用いて,検討した。通常喫煙時(禁煙前)と24時間禁煙後の脳波周波数分布を比較すると,禁煙によりβ波とα2波などの速波は減少し,α1波や徐波(θ波)が増加する傾向を認めた。24時間禁煙後の再喫煙により10名中9名で,脳波上α1波の減少とβ波の増加が認められ,自覚状態も改善された。同時に覚醒度を変化させる他の要因(ホワイトノイズ)を負荷した結果,喫煙による周波数の変動と一致していた。このことより,喫煙による変動は覚醒度の変動と考えられ,ニコチンによる覚醒水準の上昇が,自覚的に快状態をもたらすことが示唆された。一方,1名で自覚的に不快な状態となった。これはニコチンの二相性の効果のうち,中枢抑制効果が顕著に現れた結果と考えられた。さらに1週間後に10名中9名で再現性が確認された。以上のことはニコチンの精神依存性を形成する重要な因子の一つと考えられた。
著者
有光 潤介 萩原 圭祐 大塚 静英 中西 美保 岸田 友紀 井上 隆弥 加藤 由紀子 大谷 安司 尾崎 和成 清水 健太郎 蔭山 充 西田 愼二
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.548-555, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

サフランは,駆瘀血剤として使用される。瘀血は西洋医学的な病態で考えると,血液の粘稠度亢進と微小循環障害と解釈できる。今回我々は,サフランの臨床的な駆瘀血効果を観察し,血小板活性化の指標である,platelet factor4(PF-4)とbeta-thromboglobulin(β-TG)を瘀血のマーカーとして検討した。リウマチ膠原病アレルギー患者71人(女性66人,男性5人,平均年齢52.3 ± 16.1歳)にサフラン(300mg∼900mg)を投与し,78.7%(n=37/47)の自覚症状の改善を認めた。投与前後での血漿中PF-4,β-TGともそれぞれ有意な改善を認めた(PF-4:49.6 ± 29.8→24.0 ± 19.6,β-TG:117.5 ± 64.0→64.6 ± 47.1,paired t-test, p
著者
松前 ひろみ 長谷 武志 清水 健太郎
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2020-CH-122, no.2, pp.1-5, 2020-01-25

ヒトのゲノム情報からは,人類の系統や混血などの歴史を詳細かつ統計的に推定することができる.そうしてゲノムから推定される民族集団史の系統関係と,文化,とりわけ言語の分類には,一定の関連があると考えられてきた.しかし言語の分類のうち,言語族という語彙レベルで近縁な言語間の関係を除くと,遠い言語同士の関係(例えば日本語,アイヌ語,韓国語)を定量的に分析することは,これまで困難であった.私たちは文法の比較法である言語類型論の研究者とともに,文法のデータベースから定量的に語族を超えた言語の特徴の類似性を抽出し,ゲノムに基づく民族集団の関係との関係性を分析することに成功した.データベースに蓄積された文化と生物学の情報を統合的に解析する方法を提案する.
著者
竹内 俊郎 石崎 靖朗 渡邉 武 今泉 圭之輔 清水 健
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.270-275, 1998-03-15 (Released:2008-02-29)
参考文献数
12
被引用文献数
16 16

A feeding experiment was conducted to examine the effect of different docosahexaenoic acid (DHA) content in rotifers on the DHA requirement of larval yellowtail Seriola quinqueradiata during Artemia feeding stages. Rotifers enriched with freeze-dried shark eggs (HR) or Nannochloropsis (LR) having different levels of DHA were given to larvae for 23 days. Each lot of larvae was then divided into three groups, and each group was fed Artemia containing different levels of DHA; 0%, 1.6% and 2.6%, respectively, for 16 days.Both survival and vitality of larvae during Artemia feeding stages were affected by the DHA levels in rotifers at the start of feeding. It was found that as DHA content in rotifers increased, the DHA requirement of larvae during Artemia feeding stages decreased from 2.6 to 1.6%. When larvae were fed rotifers containing 1.3% DHA followed by Artemia containing 1.6% or 2.6% DHA, healthy larvae were obtained. The survival and vitality of larvae fed on rotifers having a low level of DHA improved by feeding them with Artemia containing 2.6% DHA.The results indicate that the DHA content in rotifers influences the DHA requirement of larval yellowtail during the Artemia feeding stages.
著者
清水 健司 岡村 寿代
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.23-33, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
33
被引用文献数
5 4

本研究は, 対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける認知特性の検討を行うことを目的とした。認知特性指標は社会恐怖認知モデル(Clark & Wells, 1995)の偏った信念を参考に選定された。調査対象は大学生595名であり, 対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(TSNS-S)に加えて, 認知特性指標である完全主義尺度・自己肯定感尺度・自己嫌悪感尺度・ネガティブな反すう尺度・不合理な信念尺度・自己関係づけ尺度についての質問紙調査が実施された。その結果, 分析1では各類型の特徴的な認知特性が明らかにされ, 適応・不適応的側面についての言及がなされた。そして, 分析2では2次元モデル全体から見た認知特性の検討を行った。特に森田(1953)が示した対人恐怖に該当すると思われる「誇大-過敏特性両向型」と, DSM診断基準に準じた社会恐怖に該当すると思われる「過敏特性優位型」に焦点を当てながら詳細な比較検討が行われた。
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 後藤 美紀 朝原 崇 野本 康二 諸富 正己 平出 敦 松嶋 麻子 田崎 修 鍬方 安行 田中 裕 嶋津 岳士 杉本 壽
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.833-844, 2006-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
53
被引用文献数
2

腸管内には多彩な細菌群がバランスを保ち共存しており,腸内環境を整えると同時に生体へ豊富なシグナルを送り続けている。腸管は,侵襲時の主要な標的臓器(target organ)であり,腸内細菌叢の維持は腸上皮におけるバリア機能の維持と感染防御の点で極めて重要と考えられる。しかしながら,急性期重症病態の腸内細菌叢や腸内環境に関する検討はほとんどされていない。われわれは,SIRS患者の腸内細菌叢と腸内環境の変化を明らかにし,近年注目されているシンバイオティクス(synbiotics)療法(“善玉”生菌+増殖物質)の有効性を評価した。研究結果を含め,侵襲時の腸管機能と腸管内治療に関して総説する。(1) SIRS患者において,腸内細菌叢および腸内環境は著しく崩れる。「善玉菌」であるBifidobacteriumとLactobacillusは健常人の1/100-1000程度に減少し,「病原性」を有するブドウ球菌数は,健常人の100倍程度に増加した。腸内細菌叢の崩壊と同時に,短鎖脂肪酸の産生は減少し,腸管内pHは上昇した。このような腸内環境の悪化は腸内細菌叢をさらに崩す(“腸内環境の悪循環”)と考えられる。(2)シンバイオティクス療法は,SIRS患者の腸内細菌叢および腸内環境を維持し,経過中の感染合併症を減少させる。シンバイオティクス投与により,BifidobacteriumとLactobacillusが高く維持され,腸管内の短鎖脂肪酸,pHも保たれた。また腸炎の発生だけでなく,肺炎や菌血症の合併を有意に減らした。シンバイオティクス療法が感染症の合併を防止するメカニズムに関しては,今後の検討を要する。(3)現在,急性期重症病態に対する標準化された腸管内治療は存在しない。シンバイオティクス療法は,腸内細菌叢を保持し,腸内環境と腸管機能を保つ点で生理的であり,重症患者の臨床経過を改善する有望な腸管内治療法と考えられる。
著者
島津 和彦 清水 健 金戸 善之 坂本 滋 入山 正 岩波 洋 会田 博 伊藤 芳和 加藤 茂雄
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1298-1301, 1985

体気中の0圧でわずかな隙間を有する閉鎖位をとる様固定されているMitroflow&reg;牛心膜弁の臨床的機能評価を行う目的で術中有効弁口面積計測, 術後心房ペーシング負荷心拍出量計測, および弁口造影を施行した。対象は4例, 6弁(大動脈弁位2, 僧帽弁位4)である。<br>有効弁口面積測定の結果, 21A弁2.28cm<sup>2</sup>, 23A弁277cm<sup>2</sup>, 27M弁3.12cm<sup>2</sup>, 29M弁でそれぞれ3.24, 3.52, 3.6cm<sup>2</sup>であった。この有効弁口面積測定結果は梅津(2)のIn Vitroのデーターと近似していた。<br>術後心房ペーシング負荷では毎分170心拍まで心拍出量の増加を認めた。<br>術後弁口造影では3弁尖の均等な開放, 閉鎖運動を認め, 開放中期では最大開放位までの弁尖の開放を認めた。<br>以上より本弁は3葉が均等に開閉し, 比較的大きい有効弁口面積を有し, 頻脈追従性が比較的良好な弁である事が結論された。
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 中川 雄公 松本 直也 鍬方 安行 霜田 求 田中 裕 杉本 壽
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.185-190, 2010

生体肝移植のドナーとしての意思決定に対して家族間で軋轢が生じ,臨床倫理問題について検討が必要であった症例を経験したので報告する。症例は40代,女性。薬剤性肝障害で意識障害が進行するため当院へ転院となった。来院時,肝性脳症III度,PT 19%,総ビリルビン濃度26.6mg/dlであった。集中治療を行ったが患者の意識状態が悪化したため,家族に最後の治療手段として生体肝移植の選択肢を提示した。ドナー候補は離婚した父親だけであった。父親は移植ドナーを希望したが,内縁の妻は手術に反対であった。手術までの過程で家族関係は急激に悪化したが,最終的には医学倫理委員会でドナーの同意権の妥当性を確認した上で,父親の意思を尊重して手術が行われた。患者は,肝不全,敗血症を合併して数カ月後に死亡した。意識障害を伴う難治性の急性肝不全症例では,最後の治療手段として生体肝移植を患者家族に提示した時点で,ドナー候補は,「自由な意思決定」が望まれるが,「時間的制約」の中で心理的圧力を受ける。ドナー候補の意思決定のいかんに関わらず,ドナー候補・家族に対する心理的な支援体制が必要である。
著者
清水 健志 加藤 省伍 井上 晶 八十川 大輔
出版者
テクノポリス函館技術振興協会
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-5, 2008 (Released:2011-07-22)

ミトコンドリアDNA(mtDNA)分析によるガゴメの判別技術を開発するため、産地の異なるガゴメ2個体のmtDNA全塩基配列(37,569bp及び37,625bp)を決定した。得られた塩基配列情報を基に、CAPS法で利用可能なマーカーを探索した結果、23S rRNA遺伝子領域、NAD2遺伝子領域、NAD5遺伝子領域の3遺伝子領域内に候補となる5箇所の配列が見出された。コンブ類11種(ガゴメ、マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ガッガラコンブ、チヂミコンブ、トロロコンブ、スジメ)を用いてCAPS法を検討した結果、3遺伝子領域の全てでガゴメを識別することが可能であった。また、NAD2遺伝子領域には、チヂミコンブを識別できるマーカーも含まれていることが確認できた。複数箇所を判別に利用することで、高精度なガゴメ判別技術が開発できると考えており、今後、各種個体数を増やし、判別精度の評価を行う予定である。
著者
小倉 毅 川野 哲生 清水 健司 丸山 充 高橋 直久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.1533-1543, 2003-08-01
参考文献数
21

本論文では,筆者らが提案するリンクレイヤプロトコルMAPOSに準拠した高速スイッチ COREswitchについて述べる.COREswitchは,OC-3c (155 Mbps),OC-12c (622 Mbps),OC-48c (2.4 Gbps)の3種類の回線を最大16回線まで混在して収容でき,87.04 Gbpsの内部転送容量をもつ.高速ストリーム処理向きのデータパスや高効率の可変長フレーム転送アービタ等により,ハードウェアの簡略化による開発期間の短縮と高速性を両立した.想定する主なアプリケーションとして,広帯域映像IP転送システム及びインターネットバックボーンスイッチを取り上げ,それぞれの性能評価を行った.その結果,広帯域映像IP転送システムとして約1.5 Gbpsの映像業界向け非圧縮HDTV映像をスイッチングするのに十分な性能をもつことを明らかにした.また,インターネットバックボーンスイッチの構成の一例として,14本のOC-12c回線,2本のOC-48c回線の構成を用いて,同時競合転送試験を行った結果,フレームサイズが512 byte以上であればワイヤレートのスイッチングが達成できることを明らかにした.