著者
清水 菊平 河相 清
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協會會報 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.53, pp.119-139, 1934-03-31

This engine is of two-cycle airless-injection type and has been developed by Mitsubishi Zosen Kaisha after about five years of experiments and studies. The first four sets of the engine were adopted by Osaka Shosen Kaisha for their M. Ss. "NANKAI MARU" and "HOKKAI MARU" and the actual service records have now been obtained. This paper deals with some special features of the engine, such as the scavenging, combustion, mechanical efficiency and construction.
著者
清水 正樹 田端 麻紀子 平石 徹 高田 利彦 疋田 宗生 石原 和幸 中川 種昭
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.155-161, 2006-09-28 (Released:2010-07-21)
参考文献数
12

In vitro歯周病関連菌biofilm形成モデルを構築し, 本モデルに対するポビドンヨード (PVP-I) を含む各種含嗽剤の殺菌力を検討した. ポリカーボネイトメンブレン (PCM) 上でActinobacillus actinomycetemcomitans Y4 (ATCC 43718) を単独培養することにより本菌biofilm像が, またA.actinomycetemcomitans Y4, Streptococcus oralis ATCC 10557およびFusobacterium nucleatum ATCC25586を混合培養することにより上記3菌種の混合biofilm像 (共凝集像) が観察され, 本歯周病関連菌biofilm形成モデルの構築が確認された.A. actinomycetemcomitansを1および3日培養することにより形成されたbiofilmに対して0.23%PVP-Iを3分間作用させた場合, 本菌の生菌数変化はそれぞれ-3.59および-3.39 (Δlog10CFU/mL) であり, 本菌biofilmに対するPVP-Iの殺菌力は0.02%塩化ベンゼトニウム (BEC) および0.002%グルコン酸クロルヘキシジン (CHG) と比較して強かった.また本菌biofilmに対して0.23%PVP-Iを1分間×3回/日繰返し作用させた場合, 5日目における本菌の生菌数変化はそれぞれ-4.85および-3.55 (Δlog10CFU/mL) であった.A.actinomycetemcomitans, S. oralisおよびF. nucleatumを1日混合培養することにより形成されたbiofilmに対して0.23%PVP-Iを3分間作用させた場合, 上記3菌種の生菌数変化はそれぞれ≦-3.00, -2.31および≦-1.50 (Δlog10CFU/mL) であり, 3菌種の混合biofilmに対するPVP-Iの殺菌力は0.02%BECあるいは0.002%CHGと比較して強かった. 以上, 歯周病関連菌biofilmに対してPVP-Iが有効であることが明らかとなった.
著者
塩飽 朋之 Vivanda Modaso 高山 久明 清水 健一
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.130, pp.50-54, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
8

In the previous report, the authors examined the potential of transfer of the skill of working a Ro-scull to traditional Indonesian outrigger canoe (hereinafter just called canoe). Since the "Ro-scull" has been primarily used in traditional Japanese Wasen boat, it is difficult to apply Ro-scull directly to canoe with the hull form different from that of Wasen. The authors intended to find from image analysis the way of working a Ro-scull of canoe in comparison with Wasen and the suitable way of working that. The authors also intended to search the impact of varied skill level to work a Ro-scull on the introduction of working a Ro-scull to canoe from the comparison among testees with different skill level. In consequence, the following became apparent: (1) the motion of working a Ro-scull of canoe is smaller than that of Wasen since a testee could not plant its feet firmly on a canoe floor because of narrower breadth than Wasen; and (2) as for the difference of skill level, there was no clear distinction by testee because of the narrow range in which the blade apex of Ro-scull moved.
著者
野畑 周 内藤 弘朗 清水 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.31-35, 2014-09-11

感情分析を適用することによって、ユーザによって生成されたコンテンツ(UGC)に基づくサービスに新たな側面を加え、サービスをより充実させることができる。本稿では、ヤフージャパンのツイート検索サービスであるリアルタイム検索における感情分析について紹介する。
著者
松田 陽介 清水 瞳子 森 万菜実 伊藤 進一郎
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.32, 2009 (Released:2009-10-30)

イチヤクソウ属植物は根に菌との共生体であるアーブトイド菌根を形成し,自らの光合成生産物に加え,根系に定着する菌根菌を通じて周囲の樹木から光合成産物を獲得すると示唆されている.イチヤクソウは日本の様々な森林生態系の林床に生育する常緑多年生草本であるが,上記のような栄養獲得様式に関する知見はない.そこで本研究では,イチヤクソウの栄養獲得様式を明らかにするための端緒として,異なる光環境下で生育する個体の菌根形成とその形成率の季節変化,定着する菌類を調べた.調査は,三重県津市のコナラ・クヌギ二次林で行った.2007年1月から11月にかけて,合計6回,イチヤクソウ3個体ずつを明所,暗所から採取した.採取個体の光環境は,各個体と林外の被陰されない場所における照度の比較にもとづき相対照度として算出した.各個体の根系は,基部,中央部,先端部の3つの部位に大別し,各部位から10~30枚の切片を作成してから,光学顕微鏡観察を行った.根の表皮細胞に貫入する菌根菌菌糸の侵入形態にもとづき6タイプ(コイル初期,コイル,分解初期,分解,コイルなし,デンプン)に大別し,その割合を測定した.上記調査のために採取した個体,さらにDNA解析用に採取した個体の菌根からDNA抽出をしてからITS領域のシークエンス解析を行った.得られたDNA塩基配列はBlast解析を行った.採取した全ての根で菌糸コイルが確認されたことから,イチヤクソウにおいてアーブトイド菌根の形成を明示した.明所,暗所における菌糸コイルの形成率は,それぞれ16.8%から46.2%,14.1%から58.1%と季節によって異なり,上層木により林冠が被覆される5月,7月の夏期において高くなる傾向を示した.菌糸コイルの形成割合は根の部位により異なり,根の先端部から基部にかけて減少する傾向にあった.根に定着する菌種として,現在までに,主としてベニタケ科が推定されている.以上より,イチヤクソウは林床の光環境が悪くなる条件下で菌根形成を,特に根の先端部で高頻度に行なうと考えられた.さらに,イチヤクソウに定着する菌根菌種はいずれも外生菌根菌種と分類学的に同一であるため,上層木のコナラ,クヌギに外生菌根を形成する菌と菌糸を介して繋がっている可能性がある.
著者
清水多吉著
出版者
中央公論新社
巻号頁・発行日
2013
著者
大山 勝宏 清水 万紀子 山崎 浩史
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.310-316, 2014-05-10 (Released:2015-05-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

A retrospective survey of a database containing patient backgrounds and prescribed drugs was conducted to elucidate the detailed characteristics and risk factors of adverse effects caused by topical dermatological formulations of diclofenac. A total of 145,478 patients who had been dispensed topical dermatological formulations of diclofenac at 466 community pharmacies belonging to Nihon Chouzai were included in the study. Of these, 580 patients had adverse effects. The incidence of adverse effects was significantly higher in the elderly (more than 65 years old) and in female patients. A variety of systemic adverse effects were evident in 19 patients. Approximately half of these adverse effects were related to the respiratory system, eg, asthma, but the other adverse effects (eg, edema, decreases in urinary volume, tremor and others) were not described in the drug package inserts. Data from patients with systemic adverse effects, and an age- and gender-matched control group of patients underwent multivariate logistic regression analysis. Asthma (odds ratio: 13.3, 95% confidence interval: 2.40 - 95.5, P = 0.004) and the number of co-administered drugs (odds ratio: 1.25, 95% confidence interval: 1.02 - 1.55, P = 0.035) were identified as risk factors for systemic adverse effects of topical dermatological formulations of diclofenac. Moreover, many of the co-administered drugs affected P450 enzymes other than P450 2C9, the main metabolizer of diclofenac. Therefore, to manage the risk of adverse events, it was concluded that various characteristics of concomitant medications and patient's medical history should be evaluated properly before topical dermatological formulations of diclofenac are prescribed.
著者
清水徹朗
出版者
農林中央金庫
雑誌
農林金融
巻号頁・発行日
vol.55(8), no.678, 2002-08
著者
鈴木 丈一郎 清水 伸宏 千 錫男 曽 振江 藤井 美弥 伊藤 嘉彦 関 規子 渡辺 孝章 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.929-938, 1992-12-28
被引用文献数
16 2

本研究は,代表的な電動歯ブラシ4種と手用歯ブラシ1種のプラーク除去効果とブラッシング圧について比較検討した。実験は,被験者に本学保存科医局員15名を用い,ブラッシングを行わせ,前後のプラークのスコアーを測定し,プラーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を一部改良し測定した。また,術前術後のO'Learyらのプラークスコアーと為害作用などについてのアンケート調査を行い以下の結果を得た。(1)プラーク除去率は,各種歯ブラシ間に統計学的に有意差は認められなかった。(2)ブラッシング圧は,パワーハブラシ^[○!R]とINTERPLAK^[○!R],プロクトレギュラー^[○!R]とINTERPLAK^[○!R]間に,有意差が認められた(P<0.05)。(3)電動歯ブラシでも,隣接面のプラーク除去は不十分であった。(4)振動型の電動歯ブラシに比べ反転型のほうが歯肉に擦過傷を起こし易かった。
著者
清水 潤三
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.118-119, 1942-09

書評
著者
ツァガーン バイガルマ 清水 昭伸 小畑 秀文 宮川 国久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.140-148, 2002-01-01
被引用文献数
16

本論文では, 3次元可変形状モデルを用いた腹部CT像からの腎臓領域の抽出法を提案する.この方法は, 適当な位置に配置した初期モデルを連続的に変形させて目的の輪郭面を抽出するが, 今回は特に輪郭形状の平均やばらつき, 及び, 近傍の輪郭曲面との相関を考慮して変形を行う手法を提案する.具体的には, モデル曲面上の主曲率に注目し, その平均値と分散, 更に, 近傍の曲面との共分散を用いて変形する手法を開発した.本文では, 提案手法を実際の3次元腹部CT像からの腎臓領域抽出問題に適用した結果を示し, 本手法の有効性について議論する.
著者
仙波 浩幸 八木 幸一 清水 和彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.G4P2315-G4P2315, 2010

【目的】臨床実習IIは理学療法専攻学生にとって、学外のそれぞれの実習地で、3週間という長期にわたり、同級生と離れて実践し、医療専門職、社会人として対象者と向かい合わなければならない。3週間の臨床実習IIにおける学生の生活情報、精神心理面の情報を収集分析し、学生の主観的満足度、主観的達成度に影響を及ぼす要因を明らかにして、有意義な臨床実習の遂行ができるように、臨床実習指導者及び教員が、精神心理状況も配慮した指導ができるための知見を獲得することを目的とした。<BR>【方法】対象は本学1期生62名(男子42名、女子20名、現役55名、1,2浪7名)である。平成21年2~3月の3週間にわたり実施した3年次臨床実習IIを分析対象とした。データ収集は、臨床実習開始前、臨床実習終了時にオリジナルな質問紙法により収集した。基本情報は、現役浪人区分、通学時間、家族同居有無、同級生との連絡頻度、学内学業成績5分位、1日の帰宅後の学習時間、主観的余裕度、課題量、指導者との人間関係、患者との人間関係、全般的満足度、全般的達成度である。全般的な精神健康度はGeneral Health Questionnaire (GHQ-12)、睡眠状態はPittsburgh Sleep Quality Index (PSQI)、抑うつ状況はZung Self-rating Depression Scale (SDS)を使用した。<BR>【説明と同意】本研究開始にあたり、対象学生に対し、本研究の目的、意義について説明会を開催し文書による承諾を得て実施した。<BR>【結果】主観的満足度は70.7±18.5%であった。また、主観的達成度は59.1±16.7%であった。<BR>1)主観的満足度に影響を与える因子(単相関、P<0.05 *:P<0.01)終了時うつ状態(r= -0.45)*、開始時導眠時間(r= -0.28)、指導者との人間関係(r= 0.46)*、状態不安(r= -0.26)、実習成績(r= 0.38)*、主観的達成度(r= 0.63)*;2)主観的達成度に影響を与える因子(単相関、P<0.05 *:P<0.01)主観的余裕(r= -0.29)、課題困難度(r= -0.27)、終了時うつ状態(r= -0.38)*、開始時導眠時間(r= -0.38)*、指導者との人間関係(r= 0.30)、実習成績(r= 0.31)、主観的満足度(r= 0.63)*;3)主観的満足度に影響を与える因子(重相関・ステップワイズ、P<0.05)、指導者との関係が良好なこと(t=3.0)、うつ状態が低いこと(t=-2.6);4)主観的達成度に影響を与える因子(重相関・ステップワイズ、P<0.05)、指導者との関係が良好なこと(t=2.2)、うつ状態が低いこと(t=-2.1)<BR>【考察】 学生の臨床実習における主観的満足度、主観的達成度は、臨床実習指導者との良好な関係、うつ状態が大きな影響を与えている。臨床実習指導者との良好な関係には、経済産業省が提唱する社会人基礎力(基礎学力、コミュニケーション能力、積極性、問題解決力など)という社会人として活躍するために必要な能力の要素が内包していると考えられる。 社会人基礎力は、学生の臨床実習指導者との人間関係自己評価、臨床実習指導者の総合評価に集約されていると考える。また、もう一つの重要な側面である精神的健康度としてうつ状態の評価が重要である。以上より臨床実習の遂行には、基礎学力、社会性、精神的健康度のいずれも良好であることが欠くことができない条件であり、学生の自己評価として主観的満足度、主観的達成度の評価に現れていると考える。このことが、教員、臨床実習指導者ともに留意して指導にあたる必要がある。<BR>【理学療法学研究としての意義】学生の主観的満足度、主観的達成度は、社会人基礎力、精神的健康度が大きく関与しており、臨床実習の鍵を握っている。この点を教員、臨床実習指導者ともに留意すべきであり、個々の学生に応じた目標設定や対応が重要であることを客観的に明らかにした。
著者
清水 敦彦 板場 昌栄 兵藤 友妃子 石川 悦代 木村 恵子 石崎 優美 新井 真麻 藤原 五月 齋藤 美希 石原 寿美子 関口 久美子 阿部 奈美子
出版者
足利短期大学
雑誌
足利短期大学研究紀要 (ISSN:03893278)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.15-25, 2007-03-01

Fundamental life habits are five items, "eating", "sleeping", "excretion", "purity", "attach or detach" in the field of developmental psychology. We studied eating of children and infants for long years, and reported on No.27 of Memoirs of Ashikaga Junior College, 2006. In this paper, we studied on sleeping of children and infants. It is thought in general that sleeping training of infants starts with making infants recognizing of distinguishing day from night. After about 4 months after their birth, infants starts to sleep deeply in night. When infants are just born, they spend a day as repeating sleeping and waking many times. But about 4 weeks after their birth, they recognize day from night. Then, it is good to start sleeping training after about 4 months from their birth. We did questionnaires about sleeping training of infants of urban areas and compared our data to old data of sleeping training of infants.
著者
小松 博史 天谷 英理子 清水 芳隆 高田 洋 中原 哲朗 岩崎 康
出版者
The Japanese Society for Pediatric Nephrology
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.43-48, 1996

経カテーテル動脈塞栓術 (TAE) により,保存的治療に成功した仮性動脈瘤をともなった腎裂傷の1小児例を報告した。患児は10歳の女児で,一輪車で転倒し腹部を打撲し,腹痛・嘔吐を主訴に当科へ入院した。腹部CT・腎動脈造影では,右腎前下内側部が断裂し,同部から前下方にかけ一部傍腎腔に及ぶ巨大血腫・尿腫を認め,その断裂腎組織への腎動脈分枝途中に仮性動脈瘤の形成を認めた。また,腎盂・腎杯の損傷も合併していた。仮性動脈瘤部位へのコイル塞栓およびその末梢へのゼラチンスポンジでの塞栓術を施行し,約4カ月後には血腫ないし尿腫の縮小を認めた。尿路系もほぼ完全に修復し,高血圧などの合併症も認めていない。腎は腹部臓器の中では最も外傷を受けやすく,特に小児では筋肉組織・後腹膜による保護が弱いことや,位置が低く胸郭の囲みが十分でないことからとくに注意を要する。その治療に関しては,軽傷例では保存的に,重症例では外科的に治療されるが,腎裂傷では治療の選択は意見が分かれている。TAEは,主な出血源が特定できる,尿路系の保存的修復が期待できる,あるいは仮性動脈瘤の形成を認める場合などに有効な治療法と考えられた。<br> 腎は解剖学的には後腹膜腔内にあり,筋膜や腎周囲脂肪組織に包まれ,下位肋骨,脊椎骨,腰筋群,腹腔内諸臓器に保護され,比較的外傷は受けにくい位置に存在する臓器である。しかし,腎動静脈によって腎茎部で固定されているため減速型の損傷に弱く,また,小児では,(1) 成人に比べ腹部における腎臓の容積が相対的に大きいこと,(2) 腎周囲の脂肪組織,腹壁の筋層や後腹膜が未発達で保護が弱いこと,(3) 腎の位置が比較的低く胸郭の囲みが十分でないこと,(4) 胎生期の分葉構造がしばしば残存しているため,分葉に一致して裂けやすいこと,などから外傷を受けやすく,特に異常腎は外傷を受けやすい<sup>1)~6)</sup>。その治療に関しては,軽傷例では保存的に,腎破裂・腎茎部損傷などの重症例では外科的に治療されることが多いが,腎断裂症では保存的治療か外科的治療かの選択は意見が分かれている<sup>5)~9)12)</sup>。今回,我々は転倒事故による腎裂傷に対して,経カテーテル動脈塞栓術 (Transcatheter arterial embolization,TAE) により,保存的治療に成功した1例を経験したので文献的考察を加え,報告する。
著者
清水 教惠
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学社会学部紀要 (ISSN:0919116X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.83-88, 2012-03-15
著者
清水 教惠
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学社会学部紀要 (ISSN:0919116X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.77-82, 2013-11-15
著者
清水 信宏
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本研究の目的は、Belle実験においてe+e-→τ+τ-過程を通じて生成されたタウ粒子の放射性レプトニック崩壊τ→lννγ(l=e or μ)と,その対となるτ→ρν→ππ0ν崩壊を観測,解析し、素粒子の基本的な性質の一つである異常磁気能率を測定することである。タウ粒子異常磁気能率は、実験的難しさから未だ測定されていない。最終年度は,より測定の容易であるミシェルパラメータ,ηbarとξκの測定を終了させた。ミシェルパラメータも異常磁気能率と同様、電子より重いレプトンの基本的な性質をあらわす変数であり、異常磁気能率の測定とほぼ同等な手法をもって解析がされる。ミシェルパラメータの測定に必要となる様々な背景事象の確率密度関数の記述は,異常磁気能率の測定の事前準備として不可欠なものとなる。得られたpreliminaryな結果は,9月に中国の北京で行われた国際会議,Tau2016で発表した。また,その発表と同時に,conference paperとしてpreprint serverに挙げている。τ→μννγモードを用いて得られたηbarとξκ同時フィットにより得られた値は(ηbar)μ=-1.3±1.5±0.8,(ξκ)μ=0.8±0.5±0.3である。一方,電子モードでは,ηbarを標準理論の予測する値0に固定し,(ξκ)e=-0.4±0.8±0.9という測定値を得た。これら最初の不定性は統計誤差,最後のものは系統誤差を示している。得られた測定値は,標準理論の予測と不定性の範囲の中で無矛盾である。タウ粒子の異常磁気能率の測定を三年間の期間内に終えることは出来なかったが,本研究で得た背景事象の記述に関する手法,新たな知見は,その測定を現実化するために広く応用が可能なものであるといえる。