著者
清水 浩和 吉村 達彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.70, no.689, pp.243-250, 2004-01-25
被引用文献数
6 2

Recently, the concept of Mizen Boushi (reliability problem prevention) has been applied in automotive development as a tool to refine drawings to the greatest completion possible by the prototype stage. In this point of view, we are promoting a quality innovation process, "GD^3" that means "Good Design", "Good Discussion" and "Good Design Review". The process utilizes creative FMEA, FTA and a System Design Review. These tools focus attention on the many potential problems that could occur due to a change in design or environment. The System Design Review is especially useful to examine potential failure modes, root causes, part drawings and prototype part designs. This is followed by a Design Review Based on Failure Mode (DRBFM method for short), as a tool to guide discussion. In this way, it is possible to generate the best approach to handling design, evaluation, and production concerns. This paper will introduce some of the specific ways that this creative process is currently used in development as a tool to prevent reliability problems.
著者
清水 浩和 大塚 雄市 野口 博司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.727, pp.935-943, 2007-03-25
被引用文献数
1

This paper propose the concept of hidden problem visualization and measures method in design stage with system DRBFM (Design Review Based on Failure Mode). The potential problem in the design stage involves unnoticed problems and misunderstood problems. The unnoticed problem can be visualized by the work flow of system DRBFM which takes into account the hierarchical structure of products. The misunderstood problems is also visualized by discussions in system DRBFM, containing the collation of concerning design with Design Regulation and the verification by Professional adviser based on Attention in operation. Afterwards, the total of misunderstanding problems reflects in improvement of Attention in operation. By the above concept, system DRBFM can posess two functions. The one is as for the useful tool of OJT (On the Job Training) which educates designer who has misunderstood or oversighted immediately by Professional adviser. The other is the construction of precationary measures organization with system DRBFM, Professional adviser, Design Regulation and its Attention in operation. To display the use of thease functions, the proposed concept is applied to design change of hair drier. The application example can display the role of all part of system DRBFM intelligibly.
著者
清水 浩和 野口 博司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.71, no.706, pp.2020-2027, 2005-06-25
被引用文献数
3

The concept of Mizen Boushi(reliability problem prevention) has been applied in automotive development. Recently, we are promoting a quality innovation process, "GD3" that means "Good Design", "Good Discussion" and "Good Design Review". In the first paper, it was presented to utilize a System Design Review during development, in which we discuss potential failure modes, root causes and examine parts drawing and prototype parts design with the DRBFM(Design Review Based on Failure Mode) method. This paper will introduce that we completed the System DRBFM as a universal Mizen Boushi method, which can be utilized for discussions from a complex/complicated system to elements with hierarchy block diagrams of product and management.
著者
上田 毅 濵上 知宏 福本 陽二 中村 誠一 澤田 隆 清水 哲 遠藤 昭博 浅井 泰雅
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.846-850, 2011 (Released:2011-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は62歳,男性.多発結腸癌および直腸癌に対しD3郭清を伴う直腸切断術が施行された.総合所見がf-StageIIIaであったことから補助化学療法としてカペシタビン単独療法を外来にて開始した.内服開始4日目,歩行困難,全身倦怠感,精神錯乱にて再来され,脳MRIにて白質脳症と診断された.薬剤の中断と対症療法により数日で症状は軽快しMRI所見でも白質脳症に伴う変化は消失した.薬剤性の白質脳症は様々な抗腫瘍薬で発症が報告されているが,カペシタビンによる白質脳症の本邦報告例は無い.自験例ならびに海外の報告からは,内服開始から発症までの期間が数日間と短い傾向があり,初回投与の際に十分な注意が必要と思われる.
著者
清水 忠重
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.1-20, 1993-03
著者
川本 直義 清水 裕之 大月 淳
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.580, pp.41-48, 2004
被引用文献数
1 1

I investigated the situation of the practice fields use of city bands and satisfactory degree for practice fields and analyzed it. Now city bands used a social educational institution most. Users of social educational institution have dissatisfaction toward that the practice field is not for music, but it is thought that they endure it because the fee for use is cheap. Local governments should consider the use of a cultural organization in public facilities and should keep the multi-purpose use.
著者
福島 亘 八木 雅夫 坂本 浩也 伊井 徹 清水 康一 米村 豊 泉 良平 三輪 晃一 宮崎 逸夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.2185-2188, 1993-08-01
被引用文献数
7

症例は64歳の男性で, 昭和56年8月に胸部中下部食道癌 (A_0 N_0 M_0 Pl_0, Stage I) にて右開胸開腹胸腹部食道全摘術および胸骨後経路頸部食道形成胃管吻合術を受けた. 切除標本の病理組織診断は低分化型扁平上皮癌, 深達度 ep, n(-) であった. 術後10年目に嘔気と嘔吐を認めたため内視鏡検査を施行したところ, 門歯列より 26cm の再建胃管内に径 2.0cm の山田 III 型ポリープを認めた. 生検結果は中分化型腺癌であった. 超音波内視鏡検査で深達度 m と診断されたため, 内視鏡的ポリペクトミーを施行した. 切除ポリープは病理組織学的に乳頭状腺癌, 深達度 m で断端における癌の浸潤も認めなかったため治癒切除と診断された. 食道早期癌術後の再建胃管に発生した早期胃癌の本邦報告例は, これまでに自験例を含め3例のみときわめてまれであったが, 再建胃管癌46例の本邦報告例の検討からは, 早期発見のため術後の再建胃管の定期的な検索が必要であると思われた.
著者
森山 日出夫 清水 民子 勅使 千鶴 佐々木 享 野呂 アイ 宍戸 健夫 八重澤 美知子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

研究目的で日本に留学している学生・研究者の数は年々増加し全国で約10万人に達しており,その出身の国・地城や民族も多様化している。家挨同伴の留学も増加しており,その子育てに対する支援は,留学生本人に対する支援とともに,国際交流の重要な一環を構成している。本研究では,大学関係の保育園について現状と問題点を明らかにすることを主要な日的とした。調査対象として取り上げた保育所は,最初教職員組合による共同保育所として設立され,認可保育所へと展開してきた歴史を持っている。日本における保育運動の発展において先導的役割を果たした,この大学関保保育所の運動について関係各園の資料をもとにその意義と役割について詳細にまとめた。また,私立大学における保育所の実態についてその全てを網羅するには至らなかったが,主要な国立大学の保育所についてその原状と問題点を洗い出した。さらに,留学生支授という意味では大学内にある保育所以上に大きな役創を果たしている香推浜及び愛咲美保育国(福岡市)を対象に多様な視点から調査分析を行った。外国人留学生の子弟を多く受け入れている保育園では,日々さまざまな異(多)文化接触か行われている。次世代を担う子供達に対して実施されている国際理解を促進する手法の実態を明らかにし,そこで育っている子供達のみならず,受け入れた園の保育者及びそこに子どもを預けている外国人の親と日本人の親とが,それをどのように受け取り,自らの国際理解の深化に果たしている役割を明らかにし,その問題点と諸問題解決の支援組織の構築について検討した。こうした保育園で育った子供達自身が,その経験についてどのような意識を持っているか,又,その家族がどのような評価を下しているかなどについての分析が課題として残されている。
著者
清水 徹英
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、硬質/軟質相が面内方向に規則配列された「面内ヘテロ構造」を有するテクスチャード表面を実現することで,連続摺動に伴う摩耗をパッシブに利用し,軟質相の選択的摩耗を促進させることでテクスチャ構造の自己形成化を図るものである.特に提案する面内ヘテロ構造の創製手法の確立およびその基礎摩擦・摩耗特性を解明することを研究目的とした.本研究を通して,イオン化蒸着法,酸素プラズマエッチング,プラズマCVD法を同一チャンバー内で行うことにより,面内ヘテロ構造を有するDLC膜の形成に成功した.創製した面内ヘテロ構造DLC膜における軟質相の選択的な優先摩耗挙動を明らかにし本提案手法の有効性を示した.
著者
内藤 佑介 清水 智 加藤 智行 小林 功郎 植之原 裕行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.258, pp.103-108, 2012-10-18

ループバック装荷半導体モノリシック集積SOA-MZI型全光フリップ・プロップ回路は、高速・広波長帯域・低偏波依存性の特徴を持ち、全光パケットスイッチの光パケットの光ゲート制御信号生成や光ラベル識別動作への応用が期待される。しかしながら、従来はSOAと光導波路のハイブリッド集積回路に光ファイバ・ループを外部で接続した構成での動作実証のみであり、ループの伝搬遅延に制限される数10nsのパルスでの動作が報告されるに留まっていた。そこで数10psの入力光パルスでの動作を目的として半導体モノリシック集積回路について動作検討を行った。SOA利得の波長・注入キャリア密度依存性を考慮したモデルを用いたレート方程式を解析し、CWプローブ光パワーとループ減衰量に対してセット・リセット動作を同時に実現可能な動作条件について明らかにした。またFWHM 18psの光パルスに対してフリップ・プロップ動作を実証したので報告する。
著者
野々村 禎昭 高井 義美 清水 孝雄 柴田 宣彦 小林 良二 尾西 裕文
出版者
東京大学
雑誌
特定研究
巻号頁・発行日
1986

血管平滑筋は内皮細胞との関連では病変時特異的増殖, 脱分化を行い, いわゆる動脈硬化性変化をもたらす. この際の形態変化等は詳しく調べられているが, 生化学, とくに収縮蛋白質レベル, 及び分子生物学的レベルの研究は遅れている. 本研究班はその弱点をおぎない, 新らしい展開をはかる為に我国の平滑筋生化学者を結集した.本年は平滑筋のミオシンの構造については尾西が中心になり, 公募班員の岡本と共に一次構造と機能の関連について, ATP結合位等を明らかにさせた. 下等動物平滑筋のCatch機構については八木がミオシン重鎖のリン酸化でかなり明らかになった. 一方細いフィラメント側の調節機序に影響した因子によってラッチ機構が生じるが, この説明に野々村は大動脈からとったゲルゾリンファミリーが働く可能性を示し, その進んだ精製で86K, 84K, 45Kダルトン蛋白質が存在することを明らかにした. 一方, 丸山はこの45Kが84Kの中心分解物である可能性を示し, その精製を行った. 柴田は血管においてカルデスモン様蛋白質の存在を明らかにし, 祖父江はカラデスモンに2種類あり, 非筋細胞, 未分化型のものと筋, 分化型の違いを明らかにした. 小林は平滑筋膜よりカルパクチンをとり, 山本はCa-ATPアーゼをとって膜でのCa調節への足がかりを求めた. 高井は血管培養細胞のC-キナーゼ存在様式が成長因子との関係から異ることを示し, 清水はロイコトリエン連関酵素系の精製とその機能への結びつきを示した. 野島はCM(カルモジュリン)遺伝子クローニングをcDNAクローニングから進め, 高血圧との関係を追究している.本年は班員全ての研究が具体化し, すでに病態との関係へと入ってきた班員もあり, 来年度に向けての一層の具体化が期待される.

1 0 0 0 OA 洛東薦事余録

著者
清水清太郎 編
出版者
小森仁兵衛
巻号頁・発行日
1882
著者
丸茂 喜高 清水 勇介 竹内 亮佑 綱島 均 小島 崇
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.80, no.817, pp.TL0280-TL0280, 2014
被引用文献数
1

This study proposes a driving assistance system to inform the notch operation timing for train drivers. The assistance system indicates visually the notch-off position where the driver releases the accelerator. The notch-off position is calculated by the present vehicle acceleration, velocity and position by assuming the constant acceleration. The assistance system also indicates the brake onset and the predicted stopping positions. Two experiments are conducted by using the train-driving simulator. One experiment examines the effects of the notch-off and brake onset timing on the vehicle velocity and the running time. The assistance system makes it possible to adjust the vehicle velocity and the running time. The other experiment examines the three running patterns by combination of the notch-off and the brake onset positions. With the time recovering pattern, which is combination of the higher notch-off velocity and the later brake onset timing, the assistance system realizes the shorter running time in comparison with the standard running pattern. With the energy saving pattern, which is combination of the lower notch-off velocity and the later brake onset timing, the assistance system prevents the time delay by the later brake timing even if the velocity is lower than the standard running pattern.
著者
宮崎 太郎 加藤 直人 金子 浩之 井上 誠喜 梅田 修一 清水 俊宏 比留間 伸行 長嶋 祐二
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-207, no.7, pp.1-6, 2012-07-19

本稿では,固有名詞を手話に自動翻訳する手法について述べる.我々が翻訳の対象としているニュースや気象情報には,地名や人名などの固有名詞が頻出するが,その手話への自動翻訳の研究はこれまで行われてこなかった.固有名詞の翻訳は従来,外国語の場合ではその読みに基づいて変換するtransliterationとして研究されてきた.しかしながら,手話では固有名詞の翻訳は読みに基づくことは少なく,「漢字手話」が使われることが多い.本稿では,「漢字手話」に基づいて日本語の地名や人名を手話に変換する手法について述べる.また,提案手法を用いた主観評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.

1 0 0 0 OA 病院の再構築

著者
阿部 憲男 清水 博
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.98-101, 2006-02-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
5

国立療養所岩手病院は, 医師の名義を借りて診療報酬を不正受給したことにより平成12年6月1日に保険医療機関取消処分を受け, 3ヵ月後に再度保険医療機関として指定されたものの, 5年間にわたって, 標榜科と病床数の制限を受けた. 病院の存亡の危機に直面した時期に院長として務めたわれわれは, 職員の士気の昂揚を図り, 各人の意識改革を行うことに主眼をおいた. 岩手病院の存在の意義を明確にするために職員として何をなすべきかを明快で具体的な内容からなる「病院の目標と基本方針」を策定した. 一連の不祥事に学び, 「情報の共有」の重要性を認識し, 情報の共有の場として「診療支援委員会」を毎週1回開催した. また, 広大な敷地の環境美化を図り, その作業を通じて職員間の意思疎通を図ることを目的とした各職場の代表からなる環境整備の日を毎週1回1時間設けた. さらに, 従来の公務員像から脱却し職員の意識改革を行うために, 情報の共有, プラスα, 現場主義等のキーワードを盛り込んだ職員の行動指針として「十訓」を定めた. 以上の4つを, すべてに優先して病院運営の基本的な4本柱とした. その結果, 重症児(者)病棟では, 全国の国立療養所に先駆けて1週間の入浴回数を2回から3回に増やすことを実現し, 夕食の喫食時間の繰り下げ, 病棟配膳から中央配膳への変更, 在宅重症児(者)の短期入所の著明な増加, 食形態の見直し等へと繋がっていった. 病院全体としては, 独法移行後に労務系職員が本来業務を超えて職種横断的な機能的単位である「サービス班」を形成して, 班全体として院内清掃, 洗濯物の整理, 環境整備, 建物設備の補修等に当たる業務へのスムースな移行が可能になった. 看護業務を軽減するために, 看護課への各職場の協力体制が出てきた. 今後は, 国立病院機構の掲げる質の高い医療を遂行するためには, 病院を変えるリーダーとなりうる医師の確保こそが最大の課題である.
著者
清水 健司 岡村 寿代
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.23-33, 2010-03-30
被引用文献数
1 4

本研究は,対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける認知特性の検討を行うことを目的とした。認知特性指標は社会恐怖認知モデル(Clark&Wells,1995)の偏った信念を参考に選定された。調査対象は大学生595名であり,対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(TSNS-S)に加えて,認知特性指標である完全主義尺度・自己肯定感尺度・自己嫌悪感尺度・ネガティブな反すう尺度・不合理な信念尺度・自己関係づけ尺度についての質問紙調査が実施された。その結果,分析1では各類型の特徴的な認知特性が明らかにされ,適応・不適応的側面についての言及がなされた。そして,分析2では2次元モデル全体から見た認知特性の検討を行った。特に森田(1953)が示した対人恐怖に該当すると思われる「誇大-過敏特性両向型」と,DSM診断基準に準じた社会恐怖に該当すると思われる「過敏特性優位型」に焦点を当てながら詳細な比較検討が行われた。
著者
清川 貴志 山口 浩和 照屋 正則 清水 誠一郎 上西 紀夫
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.1191-1196, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
19

症例は43歳女性.検診で高血圧,貧血を指摘され近医受診しCTでトライツ靭帯の背側に約6cm大の腫瘤を認めた.小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断され,手術目的に当院紹介となった.しかし問診で労作性の動悸が判明し,高血圧も認めたため内分泌的精査を行ったところノルアドレナリン高値を認めた.またMetaiodobenzylguanidine(MIBG)シンチグラフィーで腫瘍に高濃度集積を認めたため,後腹膜原発paragangliomaと診断し手術を施行した.当症例は画像上ではGISTとの鑑別が困難であったが,術前の問診と内分泌精査により的確に診断することができた.致死的な合併症の可能性を考えると大動脈周囲後腹膜の腫瘍は常にparagangliomaの可能性を考慮すべきと考えられた.
著者
北島 宣 山本 雅史 清水 徳朗 山崎 安津 米森 敬三 小枝 壮太 桂 圭佑 八幡 昌紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、日本の本土および沖縄・南西諸島、中国の雲南省、広東省、台湾、ベトナム、フィリッピン、タイ、インドネシア、ミクロネシア等の在来カンキツ調査を行い、東シナ海および南シナ海地域をほぼカバーする地点での調査を行うことができた。その結果、これまで調査した日本、中国浙江省、江西省、広西チュワン族自治区、重慶等の在来カンキツおよび保存している世界のカンキツ種・品種と近縁属を含め、862個体のDNAを蒐集・保存し、細胞質DNAおよびゲノムDNA解析によりカンキツ種の分化が明らになった。