著者
清水 宏一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.73, pp.1-8, 2002-07-26
被引用文献数
1

京都市が「京都デジタルアーカイブ構想」を策定したのは、1997年4月のことである。その後1998年8月に京都デジタルアーカイブ推進機構を立ち上げ、さらに2000年8月には京都デジタルアーカイブ研究センターを設立して今に至っている。京都が何をめざし、何をどのようにアーカイブし、また今後にどういかしていくのか。また、京都デジタルアーカイブ研究センターなどが中心となり全国に呼びかけた地域デジタルアーカイブ全国協議会は急激にメンバーを増やしつつあり、政府のデジタルアーカイブ研究会、自民党のデジタルアーカイブ小委員会などの動きも目が離せなくなってきている。こうした状況につき、実践に基づく解説と見解、さらには将来見通しを述べたい。Kyoto City Government developed the "Kyoto Digital Archives Concept" in April, 1997.In the promotion of the Kyoto Digital Archives Project, the Kyoto Digital Archives Promotion Organization was established in 1998, then as a succeeding body of this organization, we started the Kyoto Digital Archives Research Center in August 2000.Now, I would like to describe what Kyoto aims for and how Kyoto develop toward the future with the use of "Digital Archives.We takes the lead "the national local digital archives conference" for which it appealed all over the country is increasing a member rapidly, and it is becoming impossible moreover, for a motion of governmental digital-archives study group, the digital-archives subcommittee of the Liberal Democratic Party, etc. to also look aside. I want to describe the description and view based on practice, and also a future prospect about such a situation.
著者
大国 寿士 紺野 洋 清水 紘明 木村 義民 馬杉 洋三
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR BACTERIOLOGY
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.59-65, 1972

A群レンサ球菌5型菌(T5B株)より細胞壁分画を得,これをマウス腹腔に投与し,経時的にと殺して細胞壁成分の局在持続性につき螢光抗体法を用いて検討し,合わせて心臓における病理組織学的検討を行なつた。<br>その結果C-多糖体,ペプチドグリカンが共に45日以上にわたり肝・脾などの網内系ならびに心臓に局在し,とくにプロナーゼ処理細胞壁投与マウスにおいては10日目で,また未処置細胞壁投与マウスでは1ヵ月後に心筋に強い肉芽腫を形成しえた。そしてこれらの病変は,投与後2日目頃よりファイブロブラスト様の細胞が出現したこと,病変部位に抗体の証明ができなかつたこと,毛細管沈降反応の感度では血清抗体をチェックしえなかつたこと,などから恐らくは細胞壁,とくにC-多糖体・ペプチドグリカン複合体のもつ生物活性に基づく直接的な作用により惹起されたものと推定した。
著者
児玉 哲彦 清水 友理 安村 通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.11, pp.29-33, 2007-02-09

近年東京都秋葉原の電気街において再開発が進み、来訪者の行動において、これまでの電気街と線路を挟んだ再開発地域との間の分断等の困難が生じていることが明らかとなった。本研究では、電気街についての土地勘を共有し、街の多様な利用を促進するため、携帯電話と QR コードを用いて来訪者の訪れた店舗の履歴を記録し、利用者間の交換を可能にする街のソーシャルブックマークシステム「ここ HORE」システムの開発と運用について報告する。ユーザビリティ評価実験の結果、スポットのマーキングと検索については概ね問題なく利用できるものの、地図情報の表示については改善が必要なことが明らかとなった。Nowadays in the Electric town of Akihabara, Tokyo, due to the redevelopment which is in progress, there are multiple difficulties in exploring the town, such as diversion between the electric town and the redevelopment area. In this research, in order to share the locality knowledge and to promote various experiences in the town, we developed and operated a social bookmarking service for town called "KokoHORE" that records the spots which a visitor has visited combining the cellular phone and the QR code and let the users exchange the record. From the usability testing, we concluded that the marking of the spots and the search generally functioned well, but the map view needs improvement.
著者
清水 忠昭 木本 雅也 吉村 宏紀 井須 尚紀 菅田 一博
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.167-175, 2004-12-05 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14

We showed a new scheme to characterize speech from LSP parameters by 5 layers sandglass type nonlinear neural network (SNN(NL5)). In order to synthesize speech, we take advantage of useful abilities of SNN(NL5) for compressing and restoring the information. We performed learning experiments on LSP parameters of 5 vowels to investigate the ability of SNN. The followings were verified, 1) the distribution of LSP parameters compressed by SNN(NL5) are similar to the distribution of F1-F2 formants plane. 2) Nonlinear output function of neural elements in second and fourth layers of SNN(NL5) work effectively from view point of separating the distribution of vowels. 3) In order to prevent SNN(NL5) from over learning, there exists the optimum numbers of neural elements in second and fourth layers. For 14 orders of LSP parameters, this number was determined to be 20. 4) There is a preferable property on the plane to separate the vowels distinctively when the restoring error of LSP parameters becomes less. 5) SNN(NL5) can restore the LSP parameters with accuracy enough to synthesize speech from the compressed parameters.
著者
浦 幸帆 長田 和雄 香川 雅子 三上 正男 的場 澄人 青木 一真 篠田 雅人 黒崎 泰典 林 政彦 清水 厚 植松 光夫
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.234-241, 2011 (Released:2011-09-28)
参考文献数
25

Water-insoluble filtered residue materials of atmospheric wet and dry deposition are composed of mineral dusts and organic materials such as pollens. The number of pollens in the filter residue of deposition samples at Tottori was counted for 2 sizes at about 45 and 30 µm using a confocal laser microscope. Non-destructive X-ray fluorescence (XRF) analysis was used to measure Fe content of the filter residue. Relationship between Fe content analyzed by XRF and insoluble residue weight corrected for pollen weight assuming pollen density of 0.9 g/cm3 showed a linear relationship, suggesting that insoluble residue corrected for pollen weight contains Fe of 3.7 % by weight on the average. The average Fe content is consistent with the values reported for Asian dust (Kosa) events in Korea and China. Because Fe content of insoluble residue in filter samples is easily measured by XRF method, mineral dust amounts in the filter residue samples can be estimated from Fe content of the sample and the average fraction of Fe for Asian dust.
著者
藤田 道郎 織間 博光 清水 幹子 本好 茂一 片山 正夫 宮坂 勝之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.749-751, 1991-08-15
被引用文献数
1

麻酔下の猫に対し, 10cmH_20時の容量から肺胸郭コンプライアンス(Crs)を求めた. その結果, Crsと体重および体長との間には正の相関を認め, また雌雄差も危険率1%未満で認められた.
著者
清水 陽子 中山 徹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.612, pp.71-78, 2007
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

This research is an investigation of consideration to the entrepreneur and the resident who lives in the house built on the old factory site. The resident is answering that the noise at the factory and going of the car in and out are anxious, and the entrepreneur is answering that it is anxious that the number of residents has increased. However, 80% or more answered that the coexistence of the house and the factory was possible. In the future, the factory must restrict the activity and the resident must deepen the understanding against the factory. Moreover, it is also important to prevent the clearance and the development of disorder in the old factory site.
著者
清水 本裕
出版者
東京農工大学
雑誌
東京農工大学人間と社会 (ISSN:13410946)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.183-195, 1996-04-01

奥泉光の『バナールな現象』(1994)は滅法おもしろいが難解な小説である。滅法おもしろいのはなぜか。それは,登場人物の会話や内省や日記を通して,現実と幻想,言葉と虚構,歴史と倫理,大学と学問,日本人とユダヤ人,ワープロと日記,ニーチェと仮面,湾岸戦争,モダン・ジャズ等々の興味深いテーマについて,それ自体平凡ならざる知的な考察がユーモア溢れる筆致で惜しげもなく呈示され,それが小説の豊饒な細部を形成している,という点に負うところが大きいであろう。では難解であるのはなぜか。それは,登場人物についての情報が分散され,出来事の叙述が時間の流れに従わず,また,現実シーンと幻想シーンの区別が明瞭でないために,この小説の中でいったい何が起こったのか,どのような出来事が描かれたのかが,一読して容易には把握しがたいからである。私たちはテクストの枠内でストーリーのつじつま合わせに努力せねばならない。しかし,推理小説めいた味わいもあって,つじつま合わせもそれなりに結構楽しい。現代小説ってこれだから大変なんだよね,などとつぶやきながら,私たちは「磯野家の謎」を探るごとくに精読再読し,時間と空間の枠組,おもな登場人物,あらすじを,たとえば以下のように再構成して納得しようとするだろう。
著者
清水 宏一
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.39-60, 2012-03-17
被引用文献数
2

【背景】高血圧症は加齢と共に増加し,70歳以上の人口の過半数は降圧剤を内服している。顧客の高齢者層へのシフトを考慮すると,この集団に対する引受査定の重要性は大きい。高血圧治療患者への適切なリスク評価の実現が,本検討の目的である。【方法】分析対象は当社の2001〜2009年度死亡保障・医療保障新規契約者のうち,新契約時に血圧値の確認が可能であった契約とした。死亡リスクは多変量Cox比例ハザードモデルを,入院リスクは多変量一般化線形モデルを用いて分析した。【結論】死亡リスクに関しては血圧治療群のリスクが有意に低く,-20点程度の美点評価が適切と考えられた。入院リスクは血圧治療群が有意ではないものの高い傾向にあった。査定上重視すべき高齢者や血圧高値者で,治療群の死亡・入院リスクが非治療群を上回る傾向は認められなかった。降圧治療中患者への現在の査定はリスクを過大評価しており,査定の適正化は引受拡大への寄与も期待できる。
著者
中尾 周 清水 美希 松本 英樹 千村 収一 小林 正行 町田 登
出版者
獣医循環器研究会
雑誌
動物の循環器 = Advances in animal cardiology (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-10, 2007-06-01
被引用文献数
1

犬における心房細動(AF)の発生にかかる形態学的基盤について明らかにする目的で,生前にAFを示した犬5例の心臓について,心房筋および洞結節を中心に組織学的検索を実施した。症例1は雑種,10歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の4カ月間持続した。症例2はマルチーズ,14歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の10日間認められた。 症例3はゴールデン・レトリーバー,雌,2歳,右室二腔症および三尖弁異形成を有しており,AFは死亡時まで6カ月間持続した。症例4はゴールデン・レトリーバー,5歳,孤立性AFであり,交通事故により死亡するまで4週間持続した。症例5はゴールデン・レトリーバー,10歳,孤立性AFであり,心不全により死亡するまで36カ月間持続した。肉眼的に,症例1および2では左心房の重度拡張ならびに右心房の中等度拡張,症例3では右心房の重度拡張がみられたが,症例4および5の心房に著変は認められなかった。心房の組織学的変化は,顕著な変化が認められなかった症例4を除く4例に見いだされた。心房病変はいずれの例においても間質性心筋線維化に総括されるものであり,種々の程度に心筋線維の伸長・萎縮・脱落を伴っていた。間質性線維化の程度(ごく軽微±~重度+++)は,症例1:左心房(+++)/右心房(++),症例2:左心房(+++)/右心房(++),症例3:左心房(±)/右心房(+++),症例5:左心房(+)/右心房(+)であった。なお,全例において洞結節に著変は認められなかった。以上の検索結果から,小型~中型犬では心房の拡張がAFの発生要因になるが,心房が一定以上の容積を有している大型犬の場合は心房に器質的変化がなくてもAFは発生しうること;AF症例の心房にみられる間質性心筋線維化はAFの結果として生ずるものではないこと;AFの発生に洞結節の器質的変化は必須要件ではないことなどが示された。
著者
芝山 雄老 松本 和基 大井 玄 中田 勝次 筧 紘一 清水 修 茂在 敏司 榊原 茂樹 佐藤 久夫 小林 茂保
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.208-216, 1983

ヒトβ型インターフェロン(HuIFN-β)投与肝細胞癌の一症例を経験した.症例は62歳男,会社役員.入院時すでに肝右葉全域および左葉の一部に肝細胞癌が認められ,手術不可能と判断し,HuIFN-βの大量投与(筋注総量4,671×10<SUP>4</SUP>IU,静注総量2,866×10<SUP>4</SUP>IU,肝動脈内注入250×10<SUP>4</SUP>IU)が行われた.肝動脈内注入直後一過性にα-Fetoprotein値の低下が認められたが,筋注および静注では著効を示さず,癌は徐々に増大した.病理解剖学的には多核巨細胞化した癌細胞および原形質が泡沫化した癌細胞の出現および癌細胞の壊死に陥る傾向の乏しいことが注目された.これらの所見はHuIFN-β非投与肝細胞癌例にも多少認められるので,HuIFN-β投与による特異的変化であるとは言えないが,それらの程度が著しく高度であったことよりHuIFN-β投与と何らかの関係が存在するのではないかと考えられた.本症例では臨床的にも病理解剖学的にも肝細胞癌に対するHuIFN-βの著しい治療効果は認められなかった.
著者
清水 昌 片岡 道彦 小林 達彦
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

(1)土壌より分離した糸状菌Mortierella alpina 1S-4をグルコースを主炭素源とする培地で培養すると、菌体中に著量のアラキドン酸含有油脂を蓄積することを見いだした。本菌を用いてアラキドン酸含有油脂の蓄積量増大に関する培養条件の検討を行った。炭素源としてグルコースと共にオリーブ油、パーム油などのオレイン酸含有油脂を併用すると、菌体油脂中の不飽和脂肪酸の割合が著しく上昇することを見いだした。また、培養時間の延長、窒素飢餓条件下でグルコースなどの炭素源の添加は、アラキドン酸含量の上昇に寄与した。最適条件下でのアラキドン酸生産量は約5g/lに達した。(2)本菌のアラキドン酸生合成経路の解明を行った。その結果、本菌ではグルコースから生成したステアリン酸が不飽和化と鎖長延長を繰り返してアラキドン酸へ至ることを生合成経路の各中間体を単離することにより明らかにした。(3)アラキドン酸生合成に関与するΔ5不飽和酵素反応について検討を加え、本反応の特異的阻害剤が天然物中に存在することを認めた。ゴマ種子、ウコンの抽出物から阻害剤の単離を試み、それぞれセサミン関連リグナン化合物、クルクミンを単離・同定した。(4)上記のゴマ種子抽出物またはウコン抽出物を本菌の培養液中に共存させて培養を行うと、Δ5不飽和化反応が抑制され、アラキドン酸の前駆体であるジホモ-γ-リノレン酸が蓄積することを認めた。最適条件下での生産量は3.2g/lであった。

1 0 0 0 OA 社会保険論

著者
清水玄 著
出版者
有光社
巻号頁・発行日
1940