著者
木下 泉 青海 忠久 田中 克
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

四万十川河口内で浅所と流心部の仔稚魚と魚卵の出現状況から,アユ,ハゼ科等の河川内で孵化し,成長した後,河口内浅所に接岸するグループ,カサゴ,ネズッポ科等の河口付近で孵化するが,その後他の水域へ移動するグループ,ボラ科,ヘダイ亜科等の沖合で孵化し,成長した後,河口内浅所に接岸するグループの3つに分けることができる.河口内浅所のアマモ場,非アマモ域と河口周辺の砕波帯を比べると,アマモ場と砕波帯には各々特徴的な種がみられた.本河口内には海産魚類の仔稚魚が多く出現し,砕波帯にも共通している.しかし主分布域は種独特の塩分選好性により河口内浅所と砕波帯に分かれ,河口内浅所はプロラクチン産生等で低塩分適応を獲得した特定の仔稚魚が成育場としていると考えられる.河口内浅所と砕波帯との共通種の加入サイズは一致し,これら仔魚は砕波帯を経由せず沖合から直接河口内に移入し,浅所に接岸すると考えられる.本河口内と沖合との間には著しい塩分勾配がみられ,河口内への仔稚魚の移入に塩分の水平的傾斜が関与している可能性が高い.成育場での仔稚魚郡集は滞在の長短によりresidentグループとmigrantグループに大別されるが,本河口内浅所の仔稚魚の多くは前者に属する.この点で殆どがmigrantグループである砕波帯の仔稚魚相とは大きく異なる.しかし河口内浅所におけるresidentグループには成長に伴ってアマモ場に移住する種が多い.一方,アマモ場は本河口内浅所が仔魚から若魚期に至る成育場として重要な環境要素となっている.本河口内で生活する仔稚魚は枝角類・橈脚類に加え,流心部に多く分布するハゼ科・アユ仔魚を多く摂餌している.浮遊期仔魚は浮遊甲殻類に比べて,はるかに質的に重要な餌生物であろう.以上のように,本河口域浅所は豊富で独特な餌料環境を形成するとともに,逃避場所や定着場所として利用されるアマモ場が周年存在することにより,低塩分環境に適応した特定の魚類にとって,初期生活の大部分を過ごすことができる重要な成育場となっていることが分かった.
著者
林 勲男 杉本 良男 高桑 史子 田中 聡 牧 紀男 柄谷 友香 山本 直彦 金谷 美和 齋藤 千恵 鈴木 佑記
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008-04-08

大規模災害被災地への人道支援や復興支援は、災害規模が大きくなるほど、地域を越え、国を越えたものとなる。そうした支援が被災地の従来の社会関係資本を正しく評価し、それを復旧・復興に活用し、さらにはその機能と価値を高めることによって、将来の更なる災害に対する脆弱性を克服することに繋がる。しかし、地域や国を越えての異なる文化や社会構造の理解は容易ではなく、多分野の専門家や住民との協働が求められる。それは、開発途上国の被災地への支援だけでなく、先進国で発生した災害の被災地支援についても同様であることが、2011年3月発生の東日本大震災で示された。平穏時から、対話と協働に基づく活動と研究が重要である。
著者
田中 弥生 武田 晴人 山内 直人 三好 皓一 高橋 淑郎 西出 優子
出版者
独立行政法人大学評価・学位授与機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

非営利組織には、営利組織の利潤に匹敵するような業績判断基準が不在であること、それゆえに非営利組織の経営が困難であることを最初に指摘したのはP.F.ドラッカーであった。たしかに、評価の不在が、非効率な行動を招き、成長の機会を逃している。そこで、ドラッカーの非営利組織論の原点に立ち返りながら「社会変革性」「市民性」「組織安定性」の3つの基本条件を軸に、非営利組織の評価基準を作成した。まず、NPOセクターの現状分析を行なうべく、定量・定性的な分析を行なった。財務データベースをつくり、財政的な持続性にかかる財源の種類など要因分析を行なった。その結果、非営利組織の場合には、収益事業収入に加え、寄付や会費などを組み合わせたほうが財務的な持続性が高いことがわかった。またアンケート調査を実施した。その結果、社会変革の担い手になりたいという願望を持ちながらも組織体制や技術面で不十分なこと、さらには、社会的な信頼性が低く、市民との関係性がより希薄になっていることがわかった。次に、研究者および実践者によるチームを編成し、先の現状分析結果を踏まえ、社会的なイノベーション力を備えた望ましい非営利組織像に到達するためには、どのような条件を満たすことが求められるのか議論した。そして、評価基準策定工程をデザインし、先の議論からエッセンスを抽出し、33の評価基準にまとめた。また、33基準を満たしていることを確認するための105の自己チェック項目もデザインした。これらの研究成果は、6本の研究論文、4冊の図書にまとめられ、5回の学会発表、8回の講演で発表された。なお、研究成果を非営利組織が活用できるよう、これらの基準とチェック項目を「エクセレントNPO基準」と名付け、2冊のブックレットにまとめた。さらに、フォーラム、講演などで説明を行ったが、5大紙、雑誌などで取り上げられた。また、2011年1月には本評価基準を普及すべく、推進母体として「エクセレントNPOをめざそう市民会議」を発足させた。
著者
佐藤 真 田中 克明 赤石 美奈 堀 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.159, pp.19-23, 2007-07-17

蓄積された電子文書を活用するために,物語構造モデルに基づき,複数の文書にまたがる話題の連鎖を抽出し,情報にアクセスする手法を提案する.ある話題を含有する場面を表す特徴量として共起依存度行列と吸引力ベクトルを定義する.これに基づき場面間の類似度を求め,これに場面の連鎖関係を抽出する.検索語間の場面連鎖関係を探すことで,場面連鎖の組み合わせを検索結果の候補として提示する.
著者
筒井 和義 南方 宏之 浮穴 和義 田中 滋康
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

我々は新規脳ホルモンである生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(gonadotropin-inhibitory hormone;GnIH)を鳥類から発見した。本研究では、GnIHはヒトなどの霊長類から無顎類に至る全ての脊椎動物に存在することを明らかにした。さらに、GnIHは生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制して生殖腺の発達と機能を抑える働きがあることを明らかにした。本研究により、この新規脳分子による新しい生殖制御機構の大略が解明された。
著者
篠竹 昭彦 松崎 眞六 国友 和也 内藤 誠章 橋本 操 圃中 朝夫 長根 利弘 永嶺 謙忠 田中 宏幸
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.665-671, 2009
被引用文献数
1 7

The visualization of the inner state of a blast furnace was investigated by exploiting the feature of cosmic-ray muon that attenuates according to the density and the thickness of the object through which it penetrates. The distribution of the cosmic-ray muon accumulated in an object in a blast furnace during a certain period has been determined by a probing system provided with two sets of a pair of panels with plastic scintillation counters segmented in parallel along each direction of both sides. First, measurement was performed in the furnace hearth structure that had been taken out after the shutdown of Oita No. 2 Blast Furnace repaired in 2004. Next, another measurement was performed in the same manner in the renewed furnace hearth of Oita No. 2 Blast Furnace which had just started working after its repairs. The density of the material at the iron-rich portion inside the hearth was estimated from the accumulation ratio obtained from the relation between the intensity of the muon channel passing through the iron-rich part in the hearth and that passing through its opposite channel symmetric to the coordinate origin. Then, the level of the furnace bottom brick, meaning its eroded thickness, was estimated from those accumulation ratios in relation to each channel crossing both the iron-rich part and the furnace bottom brick. The possibility of the density distribution of the material inside a blast furnace and the remaining thickness of bricks being estimated by this measurement method was identified.
著者
岡本 一 安樂 和彦 川村 軍蔵 田中 淑人
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.672-677, 2001-07-15
被引用文献数
1 5

タコが何色の隠れ場を好んで選択するか, また選択する色は背景色の違いによって変化するかを調べることを目的とし, 供試個体にマダコおよびスナダコを用いて水槽内行動実験を行った。高照度下で黒, 赤, 橙, 黄, 緑, 青, 白の7色, 低照度下で黒, 黄, 青の3色を背景色とし, 円筒形の隠れ場8色(黒, 赤, 橙, 黄, 緑, 青, 白および透明)を設置し, 30分おきのタコの状態を目視観察, 記録した。背景色にかかわらず黒, 赤, 橙の隠れ場が両種のタコに共通して高頻度で選択された。マダコとスナダコで異なる行動結果も得られたが, スペクトル感度の違いによるものと考えられ, 両種とも, 暗さを好む傾向があると結論された。
著者
木村 勉 神田 和幸 田中 久弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.61, pp.79-82, 2007-05-17

画像認識型の弱点である情報の爆発を押さえ,手話入力装置として情報の爆発を抑えるモールディングによる手話の動作認識ができる装置の開発を提案する.まず,手話の動作学的解析から始め,手話の音韻表記辞書から動きをパターン化,基本パターンを持つ語彙を選択し,それらの語彙の入力・出力の予備実験を行う.
著者
壱岐 貞昭 石橋 辰夫 新山祐介 白井 清昭 田中 穂積 徳永 健伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53, pp.95-95, 2000-06-01

「傀儡」は、自然言語によって仮想空間上のソフトウエアロボットを制御するシステムである。ユーザは音声により仮想空間上のロボットやカメラに対して指示を与えることができる。システムはその指示を解析し、意図を理解し、その意図に適した動作をソフトウエアロボットに実行させる。また、本システムは照応・省略という言語現象を扱うことができる。これらを解決するために、各ロボットは照応や省略の対象となる名詞句を保持するためのデータベースを持っている。そして、ユーザの指令から発話行為を分析し、対話の主題を推測しながらこれらのデータベースを更新することによって照応や省略を解決する。この際、ロボットやカメラからの視覚情報も用いている。Kairai is a system which controls software robots in a virtual space according to natural language commands. The user can control the robots or camera by voice. The system analyses the command and understand the intention of the command. The software robots executes a set of actions congruent with the command intention. The system can also handle anaphora and ellipsis. Each robot has a database containing noun phrases from the preceding discourse which may form the antecedent of anaphoric or elliptical references, to aid in solving these phemonena. The system extracts the speech act from the user command, and guesses the topic of conversation in the process of updating each robot database, also relying on information on the view angle of the robots and camera.
著者
中西 正和 田中 詠子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.1014-1019, 1994-11-15
被引用文献数
5
著者
田中 和幸 羽生 修二
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.640, pp.1481-1490, 2009

Before World War II, finish materials used on exterior walls in Japan included tile, terracotta, mortar, steel and paint. Though many of these buildings have been designated as cultural properties, approximately 60% of these original finish materials have been remained. The author notes that there are four types of procedures which are followed: repair, restoration, resemblance and alteration. Although many buildings retain original materials in their exterior walls, resemblance and alteration in replacement materials, such as paints, are being used which were unavailable when they were first built. This presents two conservation-restoration dilemmas. First, the original exterior wall materials are being lost, and second, the overall value of the buildings decreases.<br> This paper, drawing on conservation - restoration research, will make recommendations for the replacement of finishing materials on the exterior walls of pre-war reinforced concrete - construction buildings. The paper concludes that care should be taken when retain original materials whenever possible, and / or when choosing replacement materials.
著者
田中 重好 田渕 六郎 木村 玲欧 伍 国春
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.183-195, 2006-08-31

Tsunami evacuation plannings have been built on "alert-evacuation" model, which assumes "tsunami alert -transmission -evacuation behavior" connection. Analyzing the data on the behavior of residents (n=1,710) in coastal area of Aichi prefecture after the tsunami warning on September 5, 2004, the results indicated that only a few residents evacuated despite their strong concerns on tsunami. This behavioral pattern results from the "empirical knowledge" which was gained by their past experience of not evacuating after a tsunami alert. In order to transform this knowledge, we need to build a new evacuation model based on the understandings of ambiguity which people face in disasters.
著者
田中 肇 栗田 玲
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.461-465, 2005-06-05
被引用文献数
1

液体は, 乱雑かつ一様な粒子配列をもつ, 気体以外では唯一の物質の熱力学安定相であると考えられてきた.最近この常識に反し, 単一原子または分子種からなる物質に, 2つ以上の液体状態が存在することを示唆する実験結果が報告されている.このような液体状態間の1次相転移は液体・液体相転移と呼ばれる.ここでは, この興味深い現象についての最新情報を紹介するとともに, ガラス転移現象, 水の熱力学異常など液体における他の未解明現象との関係についても議論する.
著者
服部 峻 湯本 高行 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.68, pp.553-560, 2005-07-14
被引用文献数
1

WWWやモバイル端末の普及に伴い,いつでも,どこからでも,様々な種類の地域情報にアクセスすることが可能になって来た.また,測位機能付きのモバイル端末を用いれば,ユーザの現在位置に依存した情報を取得することもできる.しかし,実空間を特徴付ける要素として,従来研究のように,地理的位置だけを用いていたのでは,地理情報データベースに登録されている地理語の粒度に限界があるため,ユーザの現在いる実空間により相応しい情報を呈示することは困難である.この問題に対して,本研究では,実空間内に在る展示物や建物の名称や説明,ポスターの内容,デバイスの出力情報などの実世界コンテンツが発信している情報を取得し活用することで,ユーザの現在いる実空間により相応しい情報を検索することを可能にする.本稿では,ユーザの現在いる実空間を地理語と特徴キーワードとで表現する.そして,これらの検索クエリーに対して情報がどのくらい相応しいかを測る尺度として,情報の実空間相応度を定義し,この評価値に基づく情報ランキング手法を提案する.As use of the World Wide Web(WWW) and mobile devices spreads and becomes more advanced, people can increasingly access various kinds of local information for use in daily life. And moreover, using mobile devices equipped with geo-positioning facilities, we are able to retrieve information related to our current location. But, we cannot get information more adapted to real world environment near around user, only inputing user's geo-position as a query to an information retrieval system. In contrast, we propose an information retrieval method that searches for more local information than the degree of granularity of geographical word converted from user's current location, taking advantage of real spatial contents and activities around user. In this paper, we define the notion of Spatial Fitness that is a measure of how fit information is for real space in which user is now.
著者
馬強 松本 知弥子 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.67, pp.515-522, 2002-07-18
被引用文献数
6

インターネットやデジタル放送の急激な進歩と普及によって,多くのユーザが多種多様な情報を受信・発信できるようになり,情報資源の量は日々増加し続けている.ユーザが大量の情報の中から,適切な情報を検索することは困難な作業である場合がある.特に,特定のユーザのみが興味を持つ,地域密着情報のようなローカル的な情報を獲得したり,排除するには,従来の情報検索やフィルタリング手法のみでは不十分である場合がある.本論文では,Webページがどの程度地域に密着しているかを計る尺度としてローカル度を定義し,その抽出手法と応用システムについて述べる.また,ローカル度の定義を評価するための予備実験の結果を示す.The vast amount of information is available on the WWW(World Wide Web). Usually, users use the information filtering technologies or search engines to acquire their favorite information. However, it's still not easy to acquire or exclude local information with the conventional search engines and information filtering technologies. In this paper, we propose a new notion localness to discover local information from the WWW. We also propose some useful applications based on localness and show some results of our preliminary evaluation.
著者
古川 一実 田中 淳一
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.109-115, 2004 (Released:2004-09-18)
参考文献数
16
被引用文献数
2 4

チャでは形質転換体の作出が数多く試みられてきたにも関わらず,再現性のある形質転換系が確立しているとは言い難い状況にある.これは効率的で安定した培養系が確立していないことが最大の要因である.効率的で安定した培養系を確立するためには,培養条件のみならず,その材料も検討する必要がある.我々は材料の遺伝的能力に着目し,チャ遺伝資源130系統の自然交雑種子を用いて高い体細胞胚形成能を示す系統のスクリーニングを行った.外植体には,自然交雑で生じた果実の未熟種子内部の子葉を用いた.次亜塩素酸ナトリウムによる表面殺菌後,幼葉および幼根を切除した外植体をMS培地(3.0 mg/l 6-benzylaminoprine(BA),3.0%ショ糖および0.2%ゲランガムを含む)に置床し25 °C,暗黒条件下で培養を行った.外植体の反応は,まったく変化のなかったもの,肥大したもの,体細胞胚の形成が認められたものの3タイプに大別でき,品種・系統間でその反応は明らかに異なった.体細胞胚は,カルスを経由せず子葉の表面から直接形成された.中国導入系統‘枕 -Ck2’を種子親とした自然交雑種子の子葉培養において高い体細胞胚形成率が認められ,この系統が形質転換系の確立のための有望な材料であることが明らかとなった.
著者
柴田 真裕 田中 綾子 諏訪 清二
出版者
防災教育学会
雑誌
防災教育学研究 (ISSN:24359556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.23-33, 2022 (Released:2023-10-31)

本研究は,全国の小学校127 校,中学校207 校,高等学校243 校,特別支援学校32 校の計 609 校を対象に防災マニュアルと防災訓練の現状について調査したものである。 防災マニュアルについて,高等学校,特別支援学校では他の学校種と比較し防災マニュアルの 設置が進んでいない状況が明らかとなった。防災訓練については,小学校は他の学校種と比較し, 1 年に複数回数の実施が多く,「1 回」だけの実施は少ない。その一方,高等学校は「1 回」のみ の実施が多く,「3 回」,「5 回以上」といった複数回数の実施は少ない結果が得られた。 本研究結果から,学校種が進むにつれ,防災に対する取り組みが疎かになっており,また,「防 災マニュアル」,「防災訓練」で学校現場が感じている課題は外部組織等との連携によって解決に 導く事ができる可能性が示唆された。