著者
山崎 真悟 中川 洸志 植田 広樹 田中 秀治
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.577-584, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
13

目的:横須賀市の病院外心停止(以下OHCA)傷病者に対する,現場出発前後のアドレナリン(以下ADR)投与のタイミングと自己心拍再開(以下ROSC)の関連を検討すること。方法:横須賀市消防局のウツタインデータを用い,2013年1月1日〜2022年4月30日までのOHCAでADRを投与された傷病者を対象とした。ADR投与のタイミングを現場出発前投与群(以下,現発前群)と現場出発後投与群(以下,現発後群)の2群に分類し,多変量ロジスティック回帰分析によりADR投与のタイミングとROSCの関連を推定した。結果:対象のOHCA傷病者は1,122例,現発前群は483例,現発後群は639例であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果,現発前群は現発後群と比較しROSCと有意な関連を示した(AOR 2.03,95%CI 1.31-3.16)ほか,現場滞在時間が4分延長していた。結論:現発前の早期ADR投与は早期ROSCにつながる一方で現場滞在時間の延長も示した。MC協議会は救急隊員に対して早期ADR投与の重要性について教育が必要である。
著者
田中 孝幸 安東 敏彦 高橋 三雄 石坂 裕子 谷 瑞希 山門 實
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.24-28, 2007-06-29 (Released:2012-08-20)
参考文献数
21

目的:環境の変化や人間関係,過労などに心身の適応が困難な場合,精神的身体的緊張を引き起こし様々なストレス疾患が表れる.一方で,アミノ酸を摂取することによってストレスに対する抵抗性が高まることを示す研究結果が報告されており,ストレス下において血中アミノ酸パターンが変化していると予測された.今回は,アミノ酸を測定することにより,ストレス疾患の早期発見・治療につながる可能性が得られたので報告する。方法:ストレス負荷の定量的評価として当センターで用いているストレス関連問診票より職業性ストレス簡易調査票に対応する問診項目を抽出しスコア化した.また,当センターの問診票からDSM-IV(Diagnostic and Statistical Manualof Mental Disorder,4th ed)診断基準を準用し,大うつ病を判定した.上記ストレス問診結果と血中アミノ酸の解析を行った.成績:「ストレスなし」群をコントロールとして,他の群と各アミノ酸の血中濃度を比較したところ,「抑うつ」群および「大うつ病」で有意にリジンが低下していた.また,うつ病患者においてトリプトファンの低下が報告されているが,今回の結果でも大うつ病にてトリプトファンの有意な低下がみられた.結論:人間ドックにおけるアミノ酸測定は,ストレス群のようなうつ病予備軍の発見・治療において有用な情報を提供できる可能性があると言える.
著者
田中 理絵
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.199-217, 1998-10-20 (Released:2011-03-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This paper attempts to analyze and explain the stigmatization of children that in a children's home. In particular, I focus on the feelings that stigmatized children have about themselves and about their relationships with children who do not live in the institution. To understand these feelings, I examined children's discussions of their lives, and in particular, the use and significance of certain vocabulary they used to describe their lives.The following are results of my research.(1) Stigmatized children view their stigma as retribution from their parent (s).(2) In society, people are categorized, and the members of each category consider their own attributes as ordinary and normal.(3) Stress management and information management are important in helping stigmatized children avoid unreasonable treatment.(4) Stigmatized children think that their perspective is the same as other children and do not differentiate themselves from others. However, they and people around them define them as being different, which causes these children to strive for “normalcy”. Thus, this line of thought produces the irony that the more “normal” they hope to be, the more they stigmatize themselves in their minds.These children do not identify themselves as living at an orphanage, and instead attempt to manage information about themselves when talking with others. It is most significant that although children view achieving “normalcy” as a kind of panacea for solving their problems, this “normalcy”, in fact, can never serve as the means of solution.
著者
林 剛 舘 知也 野口 義紘 杉岡 まゆ子 青山 智 田中 和秀 安田 昌宏 後藤 千寿 山田 浩司 水井 貴詞 寺町 ひとみ
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.464-476, 2021-09-10 (Released:2022-09-10)
参考文献数
15

In this study, we evaluated the effect of risk minimization activities in a risk management plan (RMP) formulated for sodium-glucose cotransporter-2 (SGLT2) inhibitors using both the Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER) and real-world clinical data. We extracted data from the JADER, which is maintained by the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, from the first quarter of 2004 to the second quarter of 2020. We also used real-world clinical data of the patients who took SGLT2 inhibitors among those who visited or were admitted to Gifu Municipal Hospital from June 2014 to January 2018. We conducted a comparison before and after implementing the risk minimization activities. We compared the reported rate of clinical trials with the reported rate after marketing using the JADER. In addition, we compared the prevalence rate of the clinical trials of SGLT2 inhibitors with that in real clinical data. Furthermore, we compared the onset of side effects (in days) reported in clinical trials recorded in the JADER with that in real clinical data. The pre/post comparison showed a significant increase in the reported rates of increased ketone body, volume depletion, urinary tract infections, and genital infections. A significant decrease in the prevalence rates for hypoglycemia and increased ketone body was also observed. Moreover, the time to onset of side effects was significantly shortened in volume depletion. In conclusion, the risk minimization activities in RMP would contribute to the increased reported rate, decreased prevalence rate, and early detection of side effects.
著者
田中 正敏 徳留 省悟 大中 忠勝 藤井 幸雄
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.119-127, 1988-12-01 (Released:2010-10-13)
参考文献数
30

東京都監察医務院の記録による1978年より1982年までの5年間の凍死症例は83件であり, 検案数に対する割合は平均0.29%である.40, 50歳代の男子が多く, 浮浪者なども含め無職ないし職業不詳の場合が男子全体の80%以上を示している.発生は1, 2, 12月の3か月で全体の80%近くを占めている.ほとんどの症例は気温11℃以下において発生し, 屋外では気温0~5℃での発生が多い.酩酊状態の場合には, 屋外で気温15~19℃といった場合にも発生がみられる.症例の75%は屋外における発生であり, わけても酩酊し路上での発生が多い.剖検時の血中アルコール濃度は1.5~2.4mg/mlの中等度酩酊が多いが, 40, 50歳代では2.5mg/ml以上の強度酩酊の場合が多い.剖検時の臓器所見としてアルコールによるとみられる肝障害も多くみられた.ローレル指数も一般に小さく, 栄養状態の劣っている者が多く, 都市型低体温症の場合には低栄養とむすびつきやすい.
著者
久能 芙美 岡田 洋右 新生 忠司 黒住 旭 田中 良哉
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.49-53, 2015-03-01 (Released:2015-03-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1

症例は42歳女性.動悸・発汗過多・手指振戦のため2011年3月に来院.甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH) < 0.01 μU/ml,遊離サイロキシン (free thyroxine; FT4) 6.15 ng/ml,抗TSH受容体抗体 (TSH receptor antibody; TRAb) 7.8 U/ml の検査所見よりバセドウ病と診断し,メチマゾール 30 mg,プロプラノロール30 mg 内服を開始し甲状腺機能は改善した.しかし,躁症状,易刺激性,幻覚妄想が顕著となり2011年5月医療保護入院となった.アリピプラゾール24 mgおよびリチウム400 mg内服を開始したが,幻覚・妄想症状が遷延し抗精神病薬の調節を要した.甲状腺機能改善に遅れ,2011年7月に精神症状は改善し退院.退院後はメチマゾール10 mg内服で甲状腺機能は正常化を維持し,抗精神病薬内服は中止できた.バセドウ病では気分や活動性の変化などの気分障害が多いが,本例のように幻覚妄想など本格的な精神症状が主徴となり入院加療まで要した報告は少ない.バセドウ病に伴う症状精神病では精神症状が遷延する可能性があり,精神科専門医との綿密な連携が重要である.
著者
龍野 杏奈 松行 美帆子 田中 伸治 安部 遼祐
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.656-663, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
22

近年、鉄道の駅周辺では、超高層集合住宅を伴う都市再開発事業が多く実施されており、このような都市再開発事業は、コンパクトシティの形成に寄与すると考えられている。しかし、その影響について十分な評価がなされないまま承認されてきた。そこで、本研究では、超高層集合住宅を伴う都市再開発事業がコンパクトシティの形成に与える影響とその効果を検討し、鉄道駅周辺の都市再開発事業の今後のあり方を検討することを目的とする。指標を設定して、その指標に則り、首都圏郊外における超高層集合住宅を伴う都市再開発事業の29事例の評価と、駅周辺の超高層集合住宅居住者へのアンケート調査の結果による評価を実施した。その結果、超高層集合住宅を伴う市街地再開発事業自体のコンパクトシティ形成に対しての影響は、事業により直接もたらされる効果である歩行者環境や交通広場などの整備による効果は大きかったが、駅周辺への人口の集約、生活利便性の向上、地域経済の活性化などについては大きな効果があるとは言い難い結果となった。また、駅近くの超高層集合住宅への転居による効果についても、もとから駅近くに居住していた人が多く、大きな効果はなく、かつ効果があったものも、超高層集合住宅という住宅の形態ではなく、駅の近くという場所の特性による効果であったと考えられる。
著者
髙島 良胤 田中 大樹 佐古 孝弘 古谷 正広
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.221-227, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3

小型火花ガスエンジンにおいて,燃料供給機構を備えていない副室が燃焼および機関性能に及ぼす影響を調査した.希薄条件下において燃焼が緩慢になり熱効率低下の一要因になっている為,副室を用いて燃焼期間を短縮し熱効率を改善した.副室諸元が燃焼および機関性能に及ぼす影響について考察を加えた.
著者
山村 明子 田中 淑江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.524-538, 2023 (Released:2023-10-06)
参考文献数
73

主婦が社会化され始めていた1960年代を中心に, 主婦に提案されていた家庭着を検討することで, 変わりゆく生活の中で求められていた主婦の在り方を論じる. 主な一次史料として, 朝日新聞および読売新聞に掲載された家庭洋裁の指南記事を使用する. さらに, 家庭婦人の装いと生活の関連や他者からの視線等を同時期の婦人雑誌『主婦と生活』から調査する. 提案された家庭着からは家事労働に従事する姿, くつろぐ姿, そして他者に対して体面を保つ姿が見いだされた. 主婦の家庭着とは, 家庭を明るく, 楽しいものに, または穏やかなくつろぎを演出する役割も担っていた. それは主婦本人のみならず, 家族をも気持ちよく過ごさせるためのデザインであった. 同時期のマイホーム主義の風潮ともあいまって, 主婦は家庭という空間で家族のためだけの親密な存在であることを家庭着によって演出し, 生活の彩り, 家族の団らんを創出した.
著者
田中 周 武藤 友和 吉田 真一 鈴川 活水
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.757-761, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
21
被引用文献数
3

〔目的〕長下肢装具(KAFO)完成から短下肢装具(AFO)へのカットダウン移行期間(カットダウン移行期間)に関連する入院時因子および影響度について検討すること.〔対象と方法〕回復期リハビリテーション病棟に入院し,KAFOが処方された後AFOへのカットダウンを行った脳卒中片麻痺患者43人を対象とした.カットダウン移行期間に影響を及ぼす関連因子の抽出として,カットダウン移行期間と年齢,病型,半側空間無視(USN)の種類,下肢Brunnstrom Recovery Stage(下肢BRS),USN重症度,motor FIM(mFIM),cognitive FIM(cFIM)について相関分析を行った.さらに,カットダウン移行期間に関連があった項目は各因子の独立した影響度を検討するため二項ロジスティック回帰分析を行った.〔結果〕カットダウン移行期間と関連を認めた項目は,USN重症度,下肢BRS,mFIM,cFIMであった.また,二項ロジスティック回帰分析の結果,USN重症度がカットダウン移行期間の独立した規定因子として抽出された.〔結語〕カットダウン移行期間の長期化に最も影響を及ぼす入院時因子は,USN重症度であることが示唆された.
著者
岩谷 周一 福島 晴夫 大隅 雅夫 田中 稔 平沢 敏昭 西田 保二 長町 幸雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2308-2312, 1989-11-25 (Released:2009-04-21)
参考文献数
11

1983年から1987年までの5年間に群馬大学第1外科に入院した消化管出血例243例についてHb, MCV, BUN, BUN/Cr,を疾患部位別に比較し,出血部位,出血量及び出血状況の推定の可能性を検討した.結果:貧血群のMCVの比較では大腸出血例で食道のそれに比べ有意に小さかった.BUNが20mg/dl以上の高値を示すものは大腸よりも上部消化管で有意に多く,貧血群のBUNは食道の場合が胃十二指腸及び大腸よりも有意に高値であった.BUN/Cr>30の症例は上部消化管の21%に対し,大腸で1.9%と少なかった.食道疾患ではHbとBUN/Crとの間で相関(相関係数r=-0.6)が認められた.まとめ:消化管出血時,BUN/Cr>30を呈する症例は出血が上部消化管由来である可能性が極めて高く,また,出血量の推定も可能であることが示唆された.
著者
大久保 街亜 田中 嘉彦 鳥山 理恵 石川 健太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.240-248, 2022 (Released:2022-08-25)
参考文献数
35
被引用文献数
1

The quantitative assessment of footedness is required in various fields, such as psychology, neuroscience, sports science, medicine, and medical practice. While the Waterloo Footedness Questionnaire-Revised (WFQ-R) is the most accepted measurement of footedness, a Japanese translation of the WFQ-R is still not available. In the present study, we developed a Japanese translation of the WFQ-R and tested its validity and reliability. Five hundred and forty-seven university students (153 women) were administered the questionnaire online. Seventy-six of the 547 participants were tested twice to assess the test-retest reliability. We found that the Japanese translation of WFQ-R had a two-factor structure (manipulation and balance), as its developer proposed, and high internal consistency and test-retest reliability. These results suggest that the Japanese translation of the WFQ-R is a valid and reliable measure of footedness.
著者
北岡 哲子 田中 兼一 北崎 智之 萩原 一郎
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.43-49, 2009 (Released:2016-11-30)
参考文献数
10

Iyashi is a word that everyone often hears of in Japan. However, is it a feeling? a state? a process? The essence of Iyashi has not been clarified. Our target is to clarify the Iyashi structure and to use Iyashi to keep people's minds peaceful any time in the contemporary society to solve various problems by a scientific method. In our previous research, we analyzed and integrated the historical and social usage of Iyashi and several researchers' opinions and defined “Iyashi” as a stimulus and “Iyasareru” as a process. In this paper, we report the analysis of goods and that induce Iyashi to the mind of the observed persons. However, this time the first stage about goods analysis was recorded and we could get the elements of Iyashi goods. The final purpose of the analysis is to extract the main characteristics from goods to develop the machine that can make people's minds calm.
著者
鈴木 慎太郎 本間 哲也 眞鍋 亮 木村 友之 桑原 直太 田中 明彦 相良 博典 柳川 容子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.282-288, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
24

症例は38歳男性.自家製のお好み焼きを食べている最中から喉頭違和感,呼吸困難,眼球結膜の充血などを訴え救急搬送された.アナフィラキシーの診断で加療し,後日当科へ精査目的で来院した.患者には著しいダニ・ハウスダストによるアレルギー性鼻炎の既往があった.お好み焼きの具材に対する抗原特異性IgEによるアレルギー検査とプリックテストを行ったが全て陰性だった.問診上,開封後密封せずに常温で6か月以上経過した市販のお好み焼き粉を用いて調理したことが判明し,お好み焼き粉に混入したダニによるアナフィラキシーを強く疑った.お好み焼き粉を鏡検した結果,多数のコナヒョウヒダニが検出され,さらに,Dani Scan®(生活環境中のダニアレルゲン検出を目的とする簡易型検査キット)を用いた検査においても強陽性を示した.近年,お好み焼きやパンケーキ等の小麦粉製品に混入したダニを経口摂取して生じるアナフィラキシーの報告が急増している.診断のためには,調理に用いた小麦粉製品の保管状況の聞き取りと,感作が成立した同種のダニを発症前に摂取した調理材料中に証明することが求められる.今回,使用したDani Scan®は,一般家庭においても食品中のダニ汚染を検知する簡便なキットであり,本病態の診断や発症の予防に一定の効果が期待できるものと推察した.