著者
生原 喜久雄 戸田 浩人 石橋 整司 喜多山 繁 WU Jiling HUANG Baolong 呉 季陵 黄 宝龍
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

中国にはおよそ63百万haの過湿地がある。その面積は世界の3番目で、その一部は森林育成がなされている。中国における過湿地での健全な森林を育成するため、江蘇省での地下水位別の池杉およびポプラのバイオマス、養分量、土壌の理化学的性質、根の生理生態、土壌微生物バイオマス等を調査し、過湿地造林地の生態的特性を明らかにした。池杉及びポプラの成長は地下水によって大きく異なり、池杉人工林の場合、高水位の強行直径は低水位の56%、樹高は69%、幹材積haは22%であった。同様の傾向がポプラにも見られた。年間リターフォール量と樹体増加量を合計して、地上部の年間養分吸収量を求めた。池杉の窒素の吸収量はポプラよりも多かった。カリウムを除いて地上部の養分吸収量の9割程度はリターフォールとして土壌へ還元された。深さ50cmまでの土壌の三相組成では、池杉では気相率は15%以下と低くかった。交換性に対する水溶性塩基の割合は、K、Ca、Mgではほとんど1%以下なのに対して、Naは50%以上であった。池杉の根は2ヶ月ぐらいの浸水であれば、浸水しない細根よりも高かった。しかし、浸水期間が3ヶ月以上になると、根の活性は低下した。高、中、低水位の気根数は14、6、4個/本であった。高水位の気根の形態や分布は中水位および低水位と比べて、大きく異なっていた。過湿地の微生物バイオマス炭素、窒素は日本の森林土壌の1/3と少なかった。雨季に測定した池杉の高水位のメタンのフラックスは9〜60mg/m^2・hと大きかった。一方、地下水位が表層土壌以下になると、メタンのフラックスは著しく減少した。
著者
石橋 由美
出版者
札幌医科大学衛生短期大学部
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1988

幼児の仲間との葛藤場面では、自己と仲間の意図の対立を調整する自己統制の働きが予想される。Rubinらの対人情報処理モデルによれば、仲間の意図の認知は社会的問題解決過程の一つの要因である。そこで本研究では幼児の仲間との葛藤場面における社会的問題解決パターンを分析し、仲間の意図情報の認知と解決パターンとの関係、及びその発達的変化について検討した。幼児が集団保育場面で日常的に経験する仲間との葛藤場面について保母に聞き取り収集を行い、4種の葛藤場面(物語1:おうちごっこの仲間入り、物語2:ブランコ交代、物語3:バケツを借りる、物語4:鬼ごっこ)を設定した。4、5、6歳児に、自己と仲間を主人公にした上述の4種の社会的葛藤を示す語を2コマの線画を用いて聞かせ、それに続く解決部分を自由に話させた。次に仲間の意図情報を与え、同様に解決部分を作話させた。子どもの反応はVTR記録され、反応パターンが分析された。ブランコ交代を拒否された場合、始めの自己の意図を実現するために仲間を説得したり、仲間の意図を取り入れた解決案を提案する解決パターンを示す者は、意図情報付加前には年長児に多い。しかしこの解決パターンは仲間の意図情報を与えることにより各年齢で増加する。また鬼ごっこでタッチされて自分が転んだ場合、鬼ごっこを継続する解決パターンを取る者は年長になるにつれて多くなるが、仲間の意図情報を与えることにより年少児でも増加する。これらの結果は、幼児の仲間との社会的問題解決過程で仲間や自己の意図の認知が一つの要因として働くことを示している。従って、これらの結果はRubinらの対人情報処理モデルを支持すると言えよう。
著者
石橋 一久 押野谷 康雄
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

申請者らはトラックなどの大型車両における運転疲労低減技術として,シートサスペンションをアクティブ制御するシステムの研究を行ってきており,その基礎事項の検討を実車レベルで終了している.本申請課題は,これまでに得られた知見を活用し,今後高齢者の使用頻度が高まると予想されるLSV(Low Speed Vehicle)におけるアクティブシートサスペンションの開発を目的とした.LSVは,米国運輸省(DOT)が正式に認めている低速交通システムであり,すでに米国ではいくつかのコミュニティで高齢者ドライバが快適に運転できるシステムが構築されつつあり,日本においても21世紀の暮らしを快適・便利にする交通システムとして,LSVと同様な機能を有するコミュニティーカーが着目されはじめている.特に,1,2人乗り用としてデザインされた超小型サイズの電気自動車が,ここ数年各メーカから販売されている.リサイクル性の配慮や普通車相当の安全性を確保されているものもあり,一定地域内での移動手段また小旅行にも十分な機能を備えている.超小型サイズの電気自動車に対する需要は益々増大することが予想され、さらなる高付加価値製品開発への必要性も高まっている.本研究では低速走行専用の超小型車両を対象として,高齢者運転時の振動・衝撃の緩和,さらに非舗装道路走行時の不規則な外乱の抑制,不慣れな軽量超小型車両に対する違和感の除去等を実現しながら,快適性の向上による心身のストレス低減に基づいた運転疲労低減技術の開発を行った.1人乗り電気自動車に対し、小型かつ簡易装着可能なアクティブシートサスペンションを設計・製作し,複数被験者の官能評価に基づいた乗り心地,疲労抑制効果を検討しながら,高齢者評価中心のシステムを構築した.当該研究期間内には,高齢者の超小型車運転疲労における交通環境依存性の掌握と主観的な特性や身体的特性を考慮した制御系の確立を行い,これまで学術的に十分整理されていないこの分野の体系化を行った.
著者
徳永 正雄 石橋 松二郎 徳永 廣子
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

好塩性細菌が生産する好塩性酵素は、酸性アミノ酸に富み、net chargeがマイナス荷電に偏っており(等電点が低い酸性タンパク質)、この性質が高い可溶性と、変性しても凝集しないで巻き戻る高い構造可逆性を保証している。通常生物由来酵素に酸性アミノ酸の導入、もしくは好塩性蛋白質と融合蛋白質を作ることによって、好塩性を付与し、高い可溶性を持たせ、安定性を高めた蛋白質の分子育種に成功した。
著者
森田 昌嗣 曽我部 春香 石橋 伸介 池田 美奈子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.47-54, 2009-05-31
被引用文献数
3

本研究は、技術者やデザイナーなど専門家主体の一元的な評価やエンドユーザーに対して行うマーケティング調査ではなく,実践的に製品開発などの開発に携わる人々が活用できるデザイン評価・診断システムを構築することを目的とする。開発に携わるデザイナーや技術者などを作り手,経営者や営業者などを送り手,エンドユーザーを受け手ととらえ,これら3者のユーザーグループ間に存在すると考えられるデザイン評価のズレを明らかにする。そして,この評価のズレを製品開発に実践的に活かすための運用モデルを構築し,システムとしての確立を目指す。本稿では,この一連の研究の方法を示した上で,グッドデザイン賞表彰制度におけるデザイン評価とユニバーサルデザインに代表されるユーザビリティ評価の関係を整理し,本評価診断システムの位置付けを明確化する。
著者
石橋 功 高橋 紀代志
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.105-113, 1967-12-31

WL種8羽,NH種15羽およびそれらの同系の親の交配によつて作出されたWL♂×NH♀種26羽の鶏が,産卵開始後365日間に生んだWL卵1660,NH卵3496,WL♂×NH♀卵6874コについて卵型を測定し,比較した.1.WL,NH,WL♂×NH♀種の初産日令は,それぞれ193.9,212.2,162.2日であり,初年度における産卵数は,211.4,235.9,271.4コであつた.WL♂×NH♀種のすぐれた結果はheterosisに基づくものと考えられる.2.WL,NH,WL♂×NH♀卵の平均卵重は53.84,59.56,57.24gであり,第1月から第12月までの増大量はそれぞれ9.8,8.3,15.9gであつた.3.産卵開始後の日数の経過に伴なつて,WL卵は卵型係数71〜72のほぼ同じ形で卵重が増大し,NH卵は79から73へ,WL♂×NH♀卵は76から73.5へと減少し,短径よりも長径の伸びが大であつた.4.WL,NH,WL♂×NH♀卵の卵重と長径間にはそれぞれ,r=0.758,0.735,0.818,卵重と短径間には,r=0.911,0.792,0.897のいづれも高い相関々係があつた.これらの関係を卵重をx,長径をy,短径をzとして回帰方程式で示すと,長径(y)はWL:0.316x+40.22,NH:0.351x+36.00,WL♂×NH♀:0.379x+35.34で表わされ,短径(z)はWL:0.254x+27.33,NH:0.200x+31.30,WL♂×NH♀:0.234x+29.07で示すことができる.本研究の一部は,徳納敏子君の協力を得て行なつたものであり,統計処理については本学部岩佐助教授の教示を得た.ここに記して厚く感謝の意を表する.なお,要旨は昭和42年度日本家禽学会春季大会において発表した.
著者
石橋 悠人
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.47, no.246, pp.85-94, 2008-06-25

This paper aims to demonstrate institutional characters of the Board of Longitude for the purpose of examining the relationship between science and polity in the 18th century Britain. In 1714, British parliament established the Longitude Act and appointed Commissioners of the Board who were experts familiar with navigation, astronomy, and geography. Their main role was improving navigational science, especially achieving the practical solution for finding the longitude at sea. The Board as a scientific institution had close relations to two public bodies: the Parliament and Royal Navy. The Parliament financed the Board and rarely intervened into or controlled their activities. Nevertheless, the determinations which parliament made were obviously priority to the Board's, accordingly only through the parliamentary act, its reorganization could be carried out. Several scientific activities of the Board were operated for the service of the Royal Navy : introducing newly invented methods for finding the longitude and navigational instruments, transferring geographical knowledge, and cooperating actively for the voyages of discovery to the Pacific ocean and Arctic. It is well known that until second half of the 19th century, British government seldom patronized scientific activities and organizations. The example of the Board presents that from second half of the 18th century on, however, the state had put huge public money into scientific projects related to navigation, commerce, and exploration.
著者
近藤 哲 蜂須賀 喜多男 山口 晃弘 堀 明洋 広瀬 省吾 深田 伸二 宮地 正彦 碓氷 章彦 渡辺 英世 石橋 宏之 加藤 純爾 神田 裕 松下 昌裕 中野 哲 武田 功 小沢 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.17, no.11, pp.1987-1995, 1984-11-01
被引用文献数
23

原発性十二指腸癌7切除例を対象として臨床的検討を行った. 5例は UGI, 内視鏡, 生検の3者で診断可能であったが, 2例は膵癌の十二指腸浸潤との鑑別が困難であった. しかし US と CT で膵癌を否定しえた. 血管造影では4例中2例が十二指腸原発と確認しえた. さらに切除可能性, 根治性を推定するのに有用であった. リンパ節転移は全例に認められ, 非治癒切除4例中3例の非治癒因子, 治癒切除後再発2例中1例の再発因子となっていたした. したがって, 乳頭上部癌では膵頭部癌第1群リンパ節郭清をともなう膵頭十二指腸切除を原則とし, 乳頭下部癌では腸間膜根部リンパ節をより徹底郭清し状況によっては血管合併切除再建が必要と思われた.
著者
石橋 孝治
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

平成9年度はプロトタイプ型の簡易岩盤三軸圧縮試験装置(直径10cmの試験片対応)を製作し,原位置での適用を前提とした中規模の室内モデル実験を実施した。根付き試験片部は低強度セメントモルタル(一軸圧縮強度15.4MPa)を,周辺岩盤部はコンクリート(呼び強度24MPa)を用いてモデル岩塊を作製した。根付き試験片が最も単純な1不連続面(円柱軸から60度傾斜)を内在する場合も取り扱った。平成10年度は圧力変換器と油圧ジャッキを装備して,佐賀県多久市の砕石工場内(玄武岩が主体)での原位置岩盤に対する適用実験を行った。軸値からの反力は鉱山重機(自重80トン)にとった。周圧,軸力および変位はデータロガーを介してパソコンに取り込む計測システムを構築しこれを採用した。2年間に渡る一連の実験から明らかとなった事柄を以下に列挙する。1.作成したプロトタイプ型の簡易岩盤三軸圧縮試験装置が計画どおりの機能を有していることを確認した。2.本試験は強度定数を5%程度過小評価する傾向がある。実験の範囲内では強度定数に関して寸法効果は確認されなかった。3.不連続面を内在する試験片の強度は不連続面自身の強度定数の影響を著しく受ける。4.原位置試験から実験手順と計測システムに問題の無いことが確認された。しかしながら,水溶性コーキング材のシール効果は低くシール材の改善が指摘された。重機重量不足のため1本の試験片のみの破壊となった。指摘された問題を解消し,原位置試験の実施実績を重ねることで本試験法の試験技術を確立したい。
著者
小林 太郎 武部 純 似内 秀樹 古川 良俊 石橋 寛二
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.10-15, 2006-01-10
被引用文献数
3 2

症例の概要: 患者は54歳の男性. 1992年6月に左側口底部の腫瘤に気づき, 岩手医科大学歯学部附属病院口腔外科を受診した. 同年9月に下顎左側口底癌の診断のもと, 腫瘍摘出術が施行された. その後, 左側下顎骨放射線性骨壊死と下顎骨骨折が認められたため, 1993年3月に左側下顎骨区域切除が行われた. 術後経過は良好であったが再建は行われず, 1996年2月に補綴的機能回復を目的として第二補綴科を受診した. 下顎の患側偏位により上顎との咬合接触関係が失われていたため, 下顎顎義歯装着後, 1997年11月に下顎顎義歯ならびに下顎歯列との咬合接触部を設けた口蓋床を製作し装着した. 2001年4月に下顎顎義歯とこれに咬合接触する口蓋床を再製作後, 患側への偏位の抑制と咀嚼機能の改善が認められている.<BR>考察: 下顎の偏位の防止と咀嚼機能の回復を目的として, 口蓋部の咬合接触域にパラタルランプを付与した口蓋床を装着した. その結果, 咀嚼筋のバランスを保つことができ, 下顎の患側への偏位の抑制を図ることができた. 咀嚼機能と構音機能の改善程度を評価したところ, 下顎顎義歯とこれに咬合接触する口蓋床の装着により摂取可能食品の増加が認められた. また, 狭まったドンダーズ空隙を広げることにより, 構音機能の改善も認められた.<BR>結論: 下顎骨非再建症例における下顎顎義歯と, これに咬合接触する口蓋床の装着は, 下顎の患側への偏位の抑制と咀嚼機能の回復に有効であることが示された.
著者
武部 純 石橋 寛二 伊藤 創造
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

我々は、純チタン表面へ陽極酸化と水熱処理を行うことで陽極酸化皮膜表面上にハイドロキシアパタイト(HA)を析出させる表面処理(SA処理)法について検討してきた。その結果、SA処理インプラント体表面では初期の骨形成能が高く、口腔インプラント治療への有用性が示唆されてきた。しかし、SA処理チタンインプラント表面上での骨形成メカニズムについては不明確であることから、平成16、17、18年度の3年間に渡る研究プロジェクトでは、骨伝導性に関わるSA処理表面性状・構造の解析、骨形成関連遺伝子マーカーを用いた遺伝子レベルでの解析を行った。SA処理を施すことで表面の陽極酸化皮膜は多孔質化となるとともにHA結晶が析出する。SA処理により析出したHA結晶は、結晶性の高い六方晶系であること、六方晶系を呈するHA結晶の特徴であるa軸・c軸の分極による生体内体液のPとCaイオンの吸着現象の促進化、陽極酸化皮膜表面構造のぬれ性の向上と極性・表面エネルギーなどの向上など、種々の骨伝導能を促進させる因子を有する特徴があることが明らかとなってきた。一方、骨芽細胞培養モデルを用いた細胞外基質生成と石灰化形成の過程においては、SA処理により析出したHA結晶形態、HA結晶内部のPとCaの結合エネルギー、HA皮膜の構造に変化は認められないことが示された。さらに未処理チタンに比較してSA処理チタン上での骨基質形成関連遺伝子の発現は高まる傾向を示し、さらに遺伝子発現パターンも異なっていることが推察された。SA処理表面の陽極酸化皮膜から析出したHA結晶を含むHA皮膜の微細構造(表面形状・性状)は骨芽細胞内のシグナル伝達系に作用することで骨芽細胞の分化調節機構を活性化させ、その結果、骨芽細胞の分化・機能は促進されて骨伝導能を高める要因となり、早期のオッセオインテグレーションが獲得されるメカニズムとなっていることが推察された。
著者
小林 直樹 石橋 聡 一之瀬 進
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.33-38, 1999-01-21

MPEG-2 transcoding scheme is proposed as scalable transmission system for a video-on-demand system is described. In this system video contents encoded by MPEG-2 are transmitted to receiver terminals via communication lines that have different bit rate. A transcoding technique that directly converts a bit stream encoded by MPEG-2 into a lower coding rate stream without decoding is proposed. The transcoder called Trampeg includes size reduction and frame drop approach. The experimental results show that an MPEG-2 stream of 6 Mbps is able to be transcoded into a stream of 1.5 Mbps-300 Kbps.
著者
石橋 正己 荒井 緑 大崎 愛弓 大槻 崇 當銘 一文
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

平成20年から23年にかけて研究代表者は毎年バングラデシュを訪問し,熱帯植物を中心にバングラデシュ天然薬用資源の調査を行った.その結果,現地特有の植物種や現地で栽培された薬用植物を中心に約200種以上の植物種を収集した.得られた植物エキスに対して種々のシグナル伝達経路(ウィント,ヘッジホッグ,トレイルシグナル等)に対するスクリーニング試験を行い,選別された植物エキスより数多くの新規生物活性天然物を単離した.
著者
小池 敏夫 石橋 毅
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.96, pp.433-"436-1", 1974-12-20

沖繩島の今帰仁層上部から, 多くのアンモナイトとともにコノドントが採集された。本層のアンモナイトについては, すでに石橋(1970)によって記載されており, コノドントを産する層準はJuvavites cf. kellyi帯に含められた。この化石帯は北米のカーニアン上部Tropites welleri帯に対比された。今回得られたコノドントはEpigondolella nodosa (HAYASHI)のほか3種である。Epigondolella nodosaの産出から, 本層準は北米のカーニアン最上部Klamathites macrolobatus帯;ハルスタツト石灰岩のAnatropites帯に対比される。以上のように, コノドントとアンモナイトによる本層準の時代決定はほぼ同じであるが, 現在の知識では, コノドントによるほうが, 若干新しい時代を示す。
著者
梶村 幸市 塩山 司 山森 徹雄 伊藤 創造 細川 貢 島崎 伸子 有住 達也 石橋 寛二 石沢 均
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.946-951, 1996-10-01
被引用文献数
13 12

チタンインプラントが顎骨内でより早期に安定することを目的として,チタン表面に対する種々の改良が試みられている.しかし,強度と化学的安定性からみて,いまだ問題点が多い.本研究は著者らが開発したチタン表面の新しい処理方法の有用性について組織学的に検討したものである.この新しい表面処理が埋入初期の骨形成に有用であることが示され,インプラントの臨床をより確実にするための一助になるものと期待される.