著者
藤本 吉範 山岡 薫
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

破骨細胞は骨吸収において中心的な役割を演ずるが、その活性調節には細胞外Ca^<2+>濃度が関与している。骨吸収期において、破骨細胞は非常に高濃度な細胞外Ca^<2+>に曝露され、細胞内にCa^<2+>が流入することで細胞内のCa^<2+>storeからCa^<2+>が放出される。この結果、細胞内Ca^<2+>濃度は急速に上昇し、骨吸収抑制のシグナルとなる。細胞外からのCa^<2+>の流入経路としては細胞膜に発現したryanodine receptor(RyR)様Ca^<2+>チャネルの存在が細胞内Ca^<2+>濃度を測定する方法や分子生物学的手法での研究で示唆されているが、実際にそのCa^<2+>チャネルを通るイオンチャネル電流は記録されたことがない。我々は初めて破骨細胞の細胞膜に発現したRyRの性質を有したイオンチャネル電流を検出した。破骨細胞にruthenium red(RR)を投与した場合、高濃度(0.1mM)では細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、低濃度(0.5μM)では細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が抑えられたことにより、破骨細胞の細胞膜にRyR様Ca^<2+>チャネルが存在することが示唆されている(Adebanjo OA et al.Am J Physiol 270:F469-F475,1996)。我々は破骨細胞の細胞膜に発現したRyR様Ca^<2+>チャネルの性質を検討するため、単一チャネル電流記録法のうちinside-out法を用いたが、細胞内液にRR0.1mMとMgCl_23mMを添加することによりRR感受性電流を惹起することができた。またこの電流は低濃度(10μM)のRRによりブロックされた。以上の結果は上記Adebanjoらの報告におけるRyR様Ca^<2+>チャネルの性質を有したチャネルの活動を初めて測定したものと考えられる。本実験で得られた電流は、保持電位-40mVで内向きに長い開口時間を有し、平衡電位は+5〜+10mVであった。イオン伝導度は20pS(電極内CaCl_2:10mM)と27pS(電極内CaCl_2:60mM)でCa^<2+>濃度依存性の性質を示し、この電流がCa^<2+>を運んでいることを示唆した。
著者
小林 吉之 嶺也 守寛 藤本 浩志
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.85-92, 2006-05-01
被引用文献数
4 3

水平ではない障害物が跨ぎ越え動作に与える影響を評価するため,若年成人被験者に高さの異なる水平な障害物と角度の異なる前額面上で傾いた障害物を跨いで越えさせ,その際の歩容を3次元動態計測装置VICON-512を用いて計測した.計測したデータより外側及び内側MP関節に貼付したマーカから障害物までの距離をそれぞれ外側つま先クリアランス,内側つま先クリアランスと定義し,水平な障害物及び前額面上で傾いた障害物間で比較を行った.その結果,高さの異なる水平な障害物間では外側内側共につま先クリアランスに有意な差が認められなかった.一方前額面上で傾いた障害物を跨いで越えた際には外側つま先クリアランスが有意に減少した.これらのことからヒトが前額面上で傾いた障害物を跨いで越える際には,水平な障害物を跨いで越えるときほど余裕を持ってつま先を持ち上げておらず,障害物につまずく可能性が増加していることが示唆された.
著者
小林 吉之 嶺 也守寛 藤本 浩志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.725, pp.274-279, 2007-01-25
被引用文献数
1

To determine the accuracy of foot position sense in the means of foot placement, young adults were asked to place either medial edge or lateral edge of their feet along the base line on the floor as close as possible, and the edge of placed feet were scanned by using laser displacement gauge. From the collected data, constant error, the distances between the edge of placed feet and the base line on the floor, and absolute error, the absolute distances between the edge of placed feet and the base line on the floor were denned and compared between the medial or lateral trials, and dominant leg or indominant leg. The statistical analysis showed significant differences of constant error between the trials only. The trials to place their medial edge tend to place their feet away from the base line, and the trials to place their lateral edge tend to place their feet in to the base line. These results indicate that we tend to expect the position of our feet more medially than actual, and these discrepancy may be one of a reasons of tripping or banging of our feet to the obstacles while walking.
著者
近藤 正行 染岡 慎一 大渡 伸 山口 和正 藤本 博一 小坂 光男
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.p111-118, 1981-06

常温環境下にて6名の健常被験者の上腕二頭筋(M. Biceps brachii)に随意・等尺性筋収縮を誘起し,その経過中に出現する筋疲労のEMG波形をデータ処理システム(ATAC450及びPC-8001)を用いて解析し以下の結果を得た.(1)等尺性筋収縮による筋疲労時のEMG波形には寒冷ふるえ時のEMGと同様に群化放電(grouping discharge: G.D.)が観察された.(2)G.D.の形成機序を解明するために,G.D.の構成成分である連続する2個の筋放電パルスのインターバルについて相関行列を求め,更にP-mode Cluster分析を行った.その結果得られたdendrogramは,2個のパルスのインターバルが1~19 msecと20~50msecの2群に分かれ,かつ,両群のヒストグラムは筋疲労の進行過程において相反的な動態を呈した.(3)(2)で示したCluster分析のdendrogramで,インターバルが2群に区分できなかった例に関して,相関行列を求めた後にDirect Varimax法による因子分析を行い因子行列を作成した.因子分析の結果から,G.D.形成のインターバルは19msec~21msecが適当値と判明し,この事は従来の研究結果が妥当である事を立証した事になる.(4)即ち,従来の研究ではG.D.の条件設定に主観的要素が混入する可能性を残していたが,本研究(上述(2)(3))の結果は,多変量解析の駆使によってG.D.の条件設定がより客観的となった点が進歩である.(5)体熱産生の寒冷ふるえと随意・等尺性筋収縮の誘発法や,そのEMG波形分析,特に,Cluster分析や因子分析の統計学上の意義について二・三の検討が加えられた.In a neutral temperature environment, six healthy human volunteers aged 22-33 years were examined by computer analysis of EMG patterns of dominant biceps brachii muscle throughout its isometric contraction against a constant load. The isometric contraction was performed from a seated position with the elbow resting on a flat surface and 45°angle to the table (90°flexion). Fatigue EMG of unilateral biceps brachii was recorded during 40% maximum contraction value (MCV) isometric contraction, using both surface and fine needle electrodes. Properties of grouping discharge in EMG patterns of cold shivering and muscular fatigue were investigated. The interval of consecutive two pulses, mean frequency and mean duration of grouping discharge were analyzed by Cluster analysis as well as by Factor analysis using an analogue computer ATAC 450 and a personal computer PC-8001. Two different modes of interval of grouping discharge were found from a dendrogram of P-mode Cluster analysis. One had an interval time of 1-19 msec and the other had 20-50 msec of consecutive two pulses of grouping discharge. The data of Factor analysis using a Direct Varimax method also revealed a significant difference between the two modes interval, namely in the one, less than 19 msec and in the other, more than 21 msec, respectively. These results indicate that the range of interval of consecutive two pulses of grouping discharge in EMG of cold shivering and isometric muscular contraction is conclusively 20 msec and that the range is identical with the result of previous studies. The difference between Cluster analysis and Factor analysis was further discussed to evaluate the purposes and nature of the statistical analysis.
著者
稲石大祐 木村 啓二 藤本 謙作 尾形 航 岡本 雅巳 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.70, pp.31-36, 1998-08-05
被引用文献数
2

従来のコンパイラによる単一プロセッサ用キャッシュ最適化は個々のループを対象としているため、プログラム全体に比べると局所的な最適化が多く、プログラム全域を対象としたキャッシュ最適化は行われていない。そこで本稿では、最早実行可能条件解析を利用した単一プロセッサ上でのFORTRANプログラムのキャッシュ最適化手法を提案する。OSCAR FORTRANマルチグレイン自動並列化コンパイラは、FORTRANプログラムをループ・サブルーチン・基本ブロックの3種のマクロタスク(MT)に分割し、各MTに最早実行可能条件解析を行いマクロタスクグラフ(MTG)を生成する。MTGは制御依存及びデータ依存に基づくMT間の実行順序制約、及びMT間で授受されるデータに関する情報を表現する。本手法ではこのMTGを用いて、先行MTによってアクセスされたデータにアクセスする後続MTが先行MTの直後に実行されるよう大域的なコード移動を行い、キャッシュヒット率を向上させる。本手法は、OSCAR FORTRANマルチグレイン自動並列化コンパイラ中に、最適化された逐次型FORTRANを出力するプリプロセッサ機能として実現されている。CG法プログラムを用いた本キャッシュ最適化手法の性能評価結果を行ったところ167MHz UltraSPARC上で最高62%の速度向上が得られた。Cache optimizations by a compiler for a single processor machine have been mainly applied to a singlenested loop. On the contrary, this paper proposes a cache optimization scheme using earliest executable condition analysis for FORTRAN programs on a single processor system. OSCAR FORTRAN multi-grain automatic parallelizing compiler decomposes a FORTRAN program into three types of macrotasks (MT), such as loops, subroutines and basic blocks, and analyzes the earliest executable condition of each MT to extract coarse grain parallelism among MTs and generates a macrotask graph (MTG). The MTG represents data dependence and extended control dependence among MTs and an information of shared data among MTs. By using this MTG, a compiler realizes global code motion to use cache effectively. The code motion technique moves a MT, which accesses data accessed by a precedent MT on MTG, immediately after the precedent MT to increase a cache hit rate. This optimization is realized using OSCAR multi-grain compiler as a preprocessor to output an optimized sequential FORTRAN code. A performance evaluation shows about 62% speed up compared with original program on 167MHz UltraSPARC.
著者
勝目 康裕 吉塚 光明 今山 裕康 宮崎 道雄 藤本 淳
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.441-448, 1983-12-01
被引用文献数
4

今回われわれは鈍的打撃後のサル水晶体の後嚢下水晶体線維に生じた限局性混濁が, ヒトの打撲白内障水晶体にみられる混濁のパターンに一致することを臨床的に確認し, 電子顕微鏡により混濁部の観察を行った. 観察の結果, 混濁部に一致する後嚢下水晶体線維の細胞間隙が開大し, いわゆる, "hydropic cell"へと変性していく水晶体線維が認められる一方, 細胞内に糸粒体を始めとする細胞小器官を増加させた水晶体線維もみられた. 以上の結果から, 打撃による鈍的外傷の結果, 水晶体後嚢下の水晶体線維に水分の貯溜が惹起され, 初期の間は水晶体線維が防御的に水分の細胞外移動を行うものの, いずれは "hydropic cell"へと変性していくものと考えられ, 各種自白障同様, 打撲白内障においても,"hydropic cell"の出現が発症に重要な役割を果たすことを確認した.(1983年8月12日 受付)
著者
藤本 克已 梁瀬 健 片岡 充子
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.376-377, 1962-12-15
著者
深瀬 浩一 藤本 ゆかり
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

糖鎖の機能を明確な物質的、構造的基礎に立って明らかにすることを目指し、固相法と固相-液相ハイブリッド法による糖鎖の迅速かつ効率的な合成法について検討した。4-アジド-3-クロロベンジル(ClAzb)基を持つ糖鎖を固相合成した後、アジド基と固相担持ホスフィン樹脂の反応により、ClAzb基を持つ目的化合物のみを釣り上げ、続いてDDQ酸化によって目的物を切り出す手法を用いてエリシター5糖の合成を行った。アスパラギン結合型糖タンパク質糖鎖の固相合成に向けた基礎的な検討を行い、(Bu_3Sn)_2を用いたラジカル反応によりトリクロロエトキシカルボニル(Troc)基を固相上で効率的に切断する方法を開発した。また固相上でN-Troc基の隣接基関与を利用した立体選択的グルコサミニル化を行うことに成功した。4,6-O-ベンジリデン保護マンノシルN-フェニルトリフルオロアセトイミデートを糖供与体として、TMSOTfを触媒として用いるβ-選択的マンノシル化法を見出した(α:β=1:9)。またN-フタロイル保護シアル酸のフェニルトリフルオロアセトイミデートを供与体に用いるα-選択的なシアリル化法も見出した。われわれは、タグとタグ認識分子の特異的なアフィニティーを利用してタグの結合した化合物を分離する手法を開発し、Synthesis based on affnity separation(SAS)と名付けた。本研究ではポダンド型エーテルをタグに用い、タグの結合した目的糖鎖を固相担持アンモニウムイオンに選択的に吸着させる方法を確立した。この手法を用いてルイスX糖鎖を含む10数種のオリゴ糖ライブラリーの合成を行った。免疫増強活性複合糖質リポ多糖ならびにペプチドグリカンについて、様々な部分構造や類縁体の合成を行い、それらの生物活性試験により、機能の解析ならびに生体の蛋白因子の相互作用について調べた。
著者
平 啓介 根本 敬久 (1989) MULLIN M. EPPLEY R. SPIESS F. 中田 英昭 藤本 博巳 大和田 紘一 小池 勲夫 杉本 隆成 川口 弘一 沖山 宗雄 瀬川 爾郎 SPIES F. 清水 潮
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

大気中の二酸化炭素の増大やオゾン層の破壊などグロ-バルな地球環境の変動の可能性が広く注目を集めるようになり、大気中に放出された二酸化炭素の50%を吸収することに示される海洋の役割とその変動を解明するために、東京大学海洋研究所は太平洋の対岸に位置する米国スクリップス海洋研究所と平成1ー3年度にわたって共同研究を行った。これに先だって1968年5月に東京大学(海洋研究所)とリフォルニア大学サンディゴ分校(スクリップス海洋研究所)は学術研究協力協定を締結して、太平洋における地球圏変動(グロ-バルチェンジ)にともなう海洋の生産力、生物資源および海底の動態に関する協力研究に着手することに合意していた。平成1年、本研究の発足に当たって、根本敬久(当時、研究代表者)と小池勲夫がスクリップス海洋研究所を訪問して、全体の研究計画ならびに海洋上層における炭素・窒素の生物的循環を対象として研究する方法について討議した。同年11月に新造された白鳳丸がスクリップス海洋研究所に寄港して、海洋物理学、海洋化学、海底物理学、海洋生物学そして水産学の全分野について研究計画の打ち合わせを行った。また、スクリップス海洋研究所のヘイワ-ド博士を東京大学海洋研究所に招き、杉本隆成が渡米して地球規模の生物環境問題、特にイワシ類の資源変動の機構解明の方策が話し合われた。瀬川爾朗がスピ-ス教授を訪問して、東太平洋海膨の海底活動荷ついて電磁気学的特性について討論し、それぞれの海域で観測研究を実施することを打ち合わせた。平成2、3年度は上記の方針に沿って、カタクチイワシ、マイワシ類の稚仔魚の変動については、平成2年、3年の冬季に薩南海域で実施したマイワシの資源調査の結果ならびに既存資料とスクリップス海洋研究所がカルフォルニア沖で40年以上継続している調査結果と比べて大規模な地球的変動であるエルニ-ニョに対する応答を明かにした。物理的(温度、塩分、雲量、光量、海流)、化学的(栄養塩量、溶存酸素)パラメ-タ-によって資源変動を予測するための海洋環境変動モデルをそれぞれの海域について構築することができた。これらの資源環境学的研究は英文モノグラフとして刊行することになった。海洋における栄養塩の量的変動と微生物食物連鎖の研究も実施された。海洋物理学では、CTD観測に基づく海洋構造の観測と中立フロ-トの追跡によって太平洋の深層循環の研究を実施した。スクリップス海洋研究所は1987年2北緯24度と47度の太平洋横断観測を実施し、東太平洋の南北測線の観測を1990ー91年に実施した。後者についてはスクリップス海洋研究所のデ-ビス教授が南極環海と熱帯海域においてアリスフロ-トの追跡実験を、東京大学海洋研究所では平啓介が中心になって四国海盆ならびに黒潮続流域でソ-ファ-フロ-ト追跡実験を実施しており、デ-タ交換を深層流の統計学的特性を明らかにした。海底磁力計と電位差計による海底観測は東京大学海洋研究所では瀬川爾朗が中心に、スクリップス海洋研究所ではスピ-ス教授のグル-プが実施しており、相互のデ-タ交換を行い、海底ステ-ションによる長期観測法を確立した。海洋の炭素循環について、国際共同研究の一環として白鳳丸による北西太平洋における観測を平成3年5月に実施した。また、太平洋熱帯域ではスクリップス海洋研究所が8月に観測を実施した。これらのデ-タ解析により、溶存炭素の循環に関する研究をとりまとめた。
著者
藤本 典幸 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.68, pp.659-664, 2005-07-15

個人ユーザを対象に,数Mbps程度のインターネット回線1本とコモディティPC1台のみを用いて,ウェブページ上に掲載されているマルチメディアデータをキーワード検索するシステムの設計と実装,および評価結果について述べる.サポートされるデータ形式は,画像(JPEG GIF PNG),動画(MPEG FLASH RealMediaなど) 音声(MP3 wave MIDIなど) PDFファイルなど,HTMLのIMGタグ,Aタグ,OBJECTタグ,EMBEDタグで記述できるもの全てである.本システムはユーザがクエリーと収集時間を入力した後に,Google Web APIを用いて取得したウェブページ群を種ページとして,指定された時間の間,トピック主導型クローリングを行い,収集したHTMLのテキストベースの解析を行う(マルチメディアデータの内容解析は行わない).クローリングアルゴリズム,スコアリングアルゴリズムを工夫し,マルチスレッドプログラミングを行うことにより,本システムは,各ウェブサイトにかかる負荷を考慮しつつ,ユーザのクエリー入力後 30秒間で150ページ前後のウェブページをクローリング,解析し,300個程度のマルティメディアデータ(多くは画像)をスコア順に出力することができる.This paper describes the design, implementation, and evaluation of a novel Web multimedia search engine software. The hardware resources required by our engine are only one commodity personal computer (PC for short) and only one Internet connection with a few Mbps. For a given query and a given time interval,our engine retrieves Web pages relevant to the query during the time interval. Then, our engine analyzes the collected Web pages and finally enumerates multimedia data in the Web pages in the descending order of score for the query. We evaluated our engine on 2.4GHz Intel Pentium 4 PC with 512MB RAM and 16.66Mbps effective bandwidth to the Internet. Our experiments show that,due to our sophisticated Web crawling algorithm, multimedia data discard algorithm, and multimedia data scoring algorithm, our engine can typically select 273 multimedia data of 395 multimedia data in 206 Web pages in 33.92 seconds.
著者
小杉 賢一朗 水山 高久 里深 好文 堤 大三 宮田 秀介 勝山 正則 佐山 敬洋 藤本 将光
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

土石流に対するハード対策・ソフト対策を的確かつ効率よく実施する為に,豪雨に伴う表層崩壊の発生と崩土の土石流化のメカニズムを解明し,予測手法を開発した。表層崩壊については,地形のみでは発生メカニズムを十分に説明できず,基岩内部の地下水流動を把握する必要があることが明らかとなり,電気探査や空中電磁探査に基づく予測手法が提示された。さらに,基岩からの湧水が土石流の規模を増大させる可能性があることが確かめられた。
著者
高井 正三 藤本 幸夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

国際標準のAjax技法を使用した日本現存朝鮮古書原文画像データベース・システムは,Microsoft 2008 Server R2 OSのサーバー上に,Apache HTTP Server 2.2,Apache Tomcat 7.0,Postgres SQL 9.0,Enterprise Apache PHPをインストールし,JSP,Java Framework JSF,JavaScript,HTMLを使用して,画像の閲覧システムを構築し,画面遷移を伴わず,画像の拡大・縮小表示操作,画像の上下左右移動をスムーズに実行できるようになった.しかしながら,原文画像の著作権取得の遅れ,大学情報基盤センターの大規模な情報システムの更新に伴う,10年以上使用してきたデータ処理用Unix OSサーバーとソート/マージ・プログラムがシステムの全面的に入れ替えにより,使用できなくなるという環境の変化などの要因が重なり,原文画像のメタデータ・データベースとの整合および,現行の日本現存朝鮮古書データベース・システムDOKBとの結合を実現するには至らなかった.
著者
大坪 泰昭 石本 敬三 谷岡 百恵 内海 敬子 藤本 直子 石光 淳 内田 豊 神谷 晃
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.389-397, 2002-06-01
被引用文献数
7 6

A checking system was developed for risk management of injectable anticancer drug use. Because the dosage and administration of injectable anticancer drugs vary with each patient, checking the prescription and aseptic i.v. admixing can be markedly complicated and time-consuming for pharmacists. The system we investigated in this study provided real-time checking of dosage, drip infusion rate, dosing periods, and dosing-free periods. The prescription parameters for this check included height, weight, body surface area, the medical history of each patient, the patient's ICD10 code' and disease indication from the package insert. Moreover, when preparing for aseptic i.v. admixing, the liquid volume after the anticancer drug has been mixed with other injectable drugs is calculated automatically. The time limits for stability after mixing and clinical laboratory test results are listed on the Work Sheet. As a result, 24 medication errors were prevented in the first 6 months of use of this system. These consisted of over- and under-doses, excessive dosing periods, insufficient dosing-free periods' etc. The time required for preparation of aseptic i.v. admixing decreased by 73% after introducing this system. Because clinical laboratory test results were referenced beforehand, patients to whom the drug should not be administered were recognized in advance. Thus 13 such cases were identified before i.v. admixing. Therefore this system may be useful in terms of rational anticancer drug use and risk management.