著者
清田 公保 中山 典子 藤澤 和子 井上 智義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.746, pp.19-24, 2004-03-18
参考文献数
4
被引用文献数
4

本研究では文字や言葉を十分に利用できない知的障害児のコンピュータリテラシー教育に関して,視覚シンボルとメディア情報を用いたコミュニケーション支援を提案し,知的障害児における情報処理教育の導入を試みる.コミュニケーション支援の完全な理想形態は,様々な障害を持つ人同士が必要とする情報を補完的に完備したシステムであるとの観点に立ち,画像や音声,テキストなどに等価な協調性を持たせた共通メディア情報言語の概念を新たに導入する.研究事例として知的障害児に対してコンピュータを用いた情報伝達の情報教育を目指し,視覚シンボルを媒体とした電子メールソフトを開発する.提案システムを児童に利用してもらった結果,視覚シンボルをコンピュータによる情報交換のメディアとすることによって電子メールの利用の可能性を見いだした.
著者
稲垣 具志 藤澤 正一郎 高橋 和哉 池田 典弘 竹内 聖人 荻野 弘
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.A_166-A_173, 2016-02-05 (Released:2016-02-05)
参考文献数
12

市街地での移動制約が著しく高い視覚障害者の交差点横断を支援するために,視覚障害者誘導用ブロック,音響式信号機,エスコートゾーン等の施設の普及が全国各地で進んでいる.一方,横断時の方向定位の手がかりとなるこれらの支援施設や歩車道境界部の縁石等の信頼度が横断場面によって異なる状況は,当事者にとってむしろストレスを助長する要因にほかならず改善が急務の課題である. 本稿では,視覚障害者の道路横断時のより正確な方向定位を促す手法の構築を目指し,横断歩道口の視覚障害者誘導用ブロック付近へ敷設する方向定位ブロックの提案を目的として,全盲者を対象とした歩行実験を実施した.実験参加者の主観評価のヒアリングならびに歩行・方向定位状況の観察に基づき,支援性を最大限に高めるための仕様要件と敷設方法を抽出するに至った.
著者
藤澤 泰雄 矢吹 信喜 五十嵐 善一 吉野 博之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_8-I_17, 2011 (Released:2012-03-26)
参考文献数
14
被引用文献数
3

土木工学分野における三次元モデルの利用は,設計分野と施工分野の一部で利用されているにすぎず,設計・積算・施工分野にまたがった研究は,ほとんど行われていない.三次元プロダクトモデルを設計・積算・施工と連携して利用することによりミスが低減し,効率・品質の向上に繋がるはずである.本研究では,実際の鉄道プロジェクトに適用させて,現在の設計から施工における積算の流れを確認し,三次元設計モデルを積算・施工に利用することによるメリットと課題を検証した.
著者
村上 敬進 藤澤 宜広
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-10, 2008-12

いわゆる「失われた10年」問題の解明は、多くの研究者が取り組んでいるが、未だに定型化された事実(stylized Facts)は得られていない。その原因の一つは、経済学の古典的課題と強く関係している。すなわち、経済動向を分析する際、需要サイドを重視するか(需要派)、供給サイドを重視するか(供給派)、需要と供給の相互作用を重視する立場を採るかによって、分析の視点が異なってくるのである。本稿では、1990年代の日本経済の長期停滞の原因を究明した諸研究を、これら三方向からサーベイし論争を整理する。更に、供給派はTFP低下説と労働市場における資源配分の非効率説に分けて整理する。最後に、国民経済の分析を、沖縄経済の分析に適用するための研究課題を明らかにする。
著者
新 良一 伊藤 幸惠 片岡 元行 原 宏佳 大橋 雄二 三浦 詩織 三浦 竜介 水谷 武夫 藤澤 倫彦
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-24, 2014 (Released:2014-02-11)
参考文献数
39

豆乳の発酵産物が宿主に及ぼす影響を検討した報告は少ない.今回,我々は豆乳の乳酸菌発酵産物(SFP: Soybean milk-Fermented Product)がヒト腸内細菌叢に及ぼす影響を検討し,さらに大腸の発がん予防とその作用機序についても合わせて検討した.SFPは豆乳を複数の乳酸菌と酵母で混合培養後殺菌し,凍結乾燥して調製した.一般的な日本食を食べているボランティアにSFPを摂取させ(450 mg/day/head for 14 days),腸内細菌叢の変化を比較したところ,SFP群はプラセボ群よりBifidobacteriumの占有率が25%以上増加した人数が多かった(P<0.05).さらに,昼食のみを一般的な日本食から肉食中心の欧米食(肉摂取量約300 g,900 kcal)に3日間変えると,Clostridiumの占有率は増加したが(P<0.05),SFPを摂取(900 mg/day/head)すると減少した(P<0.05).また,SFPの摂取でBifidobacteriumの占有率が増加した(P<0.05).このボランティアの糞便中β-glucuronidase活性は,昼食を肉食中心の欧米食にすると一般的な日本食摂取時より5倍以上増加したが(P<0.01),SFP摂取で一般的な日本食時のレベルにまで減少した(P<0.05).以上の結果は,SFPが多くのプロバイオティクスなどで示されている大腸がんの発がんリスクを軽減する可能性を示唆していると考え,以下の検討を試みた.即ち,SFPが大腸がんの発がんに及ぼす影響は大腸がん誘起剤1,2-dimethylhydrazine (DMH)をCF#1マウスに投与する化学発がんモデルを用いて検討した.SFPはDMH投与開始時から飼料中に3%(W/W)混和して与え,大腸に発がんした腫瘤数を検討した結果,有意な抑制が認められた(P<0.05).一方,SFPの抗腫瘍作用機序は,Meth-A腫瘍移植モデルで検討した.SFP(10 mg/0.2 ml/day/head)は化学発がんモデルと同様にMeth-A腫瘍移植前から実験期間中投与し,抗腫瘍効果が得られた脾細胞を用いた Winn assayでその作用機序を検討した.その結果,SFP群のみは移植6日目以降でMeth-A単独移植群に比べ有意な腫瘍増殖抑制が認められ(P<0.05),担癌マウスの脾細胞中に抗腫瘍作用を示す免疫細胞群が誘導された可能性が考えられた.Bifidobacteriumを定着させたノトバイオートマウスは無菌マウスより脾細胞数が増加したが,無菌マウスにSFPや豆乳(10 mg/0.2 ml/day/head)を4週間連日経口投与しても,脾細胞数は生理食塩液を投与した無菌マウスと差が認められなかった.これらのことからSFPの抗腫瘍効果には腸内細菌が宿主免疫に関与した可能性が示唆されたが,その詳しい機序については今後の検討が必要である.
著者
栗岡 辰弥 南 浩樹 藤澤 俊之 加藤 隆 奥田 治雄 沼澤 潤二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.55, pp.23-29, 1998-10-16
被引用文献数
13

ディジタル放送時代の家庭用記録装置は、視聴者の好みの番組を自動的に収録し、見たい番組をいつでも簡単に取り出せる"いつでも機能"が求められる。このような新しい機能をもった記録装置をホームサーバと呼んでいる。我々は、ディジタルハイビジョン放送を収録しながら再生できるホームサーバ実験装置を開発した。この実験装置は、階層的記録方式を導入することでハイビジョン番組を4時間以上収録でき、壁掛けテレビに内蔵できるハードウエア規模で実現した。本報告では、開発した実験装置の構成とその主な要素技術について概要を報告する。
著者
池上 幸江 山田 和彦 池本 真二 倉田 澄子 清水 俊雄 藤澤 由美子 由田 克士 和田 政裕 坂本 元子
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.285-302, 2008-12-10
被引用文献数
3 7

食品成分表示・栄養教育検討委員会ではこれまで栄養成分表示に関する調査を行い,報告書として発表し,また栄養成分表示や健康強調表示に関するシンポジウムなどを開催してきた。前期の委員会では栄養成分表示と健康強調表示に関する意識調査を多様な対象者について行った。今期はこの調査結果を以前の調査と比較しながら,報告書としてまとめることとした。また,今後は新たな調査も加えて,栄養教育の観点から栄養成分表示や健康強調表示のあり方について,一定の見解をまとめた。本調査では,栄養成分表示,健康強調表示については,特定保健用食品や栄養機能食品,「いわゆる健康食品」について,認知,利用,情報源などについて調査した。その結果,<br>(1) 栄養成分表示は広く見られており,健康維持や増進のために利用されている。しかし,現状の表示は分かりにくく,また対象食品が限られていることから,消費者は改善を望んでいる。これらの結果は前回調査と同様であった。<br>(2) 特定保健用食品の認知度はきわめて高く,利用もされていた。とくに若い世代,学生での認知や利用が高いが,高齢者や生活雑誌読者での利用は低かった。他方,関心のある保健の用途は「体に脂肪が付きにくい」や「お腹の調子を整える」,「腸内環境を整える」などであった。しかし,保健の用途の関心と成分の関連には十分な認識がなく,消費者への情報提供が十分ではないと思われた。<br>(3) 栄養機能食品に対する認知や利用は特定保健用食品に比べると低かったが,世代間の傾向は(2)の特定保健用食品と同様であった。<br>(4)「いわゆる健康食品」の利用については特定保健用食品の利用とは異なる傾向を示した。すなわち年齢階層による差異が少なく,高齢者による利用も高く,特定保健用食品とは異なっていた。<br> 「いわゆる健康食品」に関する情報源はテレビや知人・友人からのものが多く,科学的な根拠の入手が困難な状況にあることを反映している。今後「いわゆる健康食品」の有用性や安全性の確保についてどのような制度を作るかが課題と思われる。
著者
藤澤 翠 高山 範理
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.28(第28回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.361-366, 2014-12-02 (Released:2014-12-03)
参考文献数
19

本研究では,自然環境の有する心理的回復効果を調べるために,ROS(Restorative Outcome Scale;回復感指標)の日本語版(ROS-J)を開発し,妥当性・信頼性の検証を行った。さらに気軽なストレス解消法の創出を目指して,短時間の仮想的な森林浴環境の心理的回復効果について調べた。まずROS-Jの開発のため,合計357名(有効回答330名)を対象に実験①と実験②を行った。また,オフサイト森林浴の心理的回復効果の検証のため,ROS-Jを用い,実験①の計312名(有効回答285名)の被験者を対象に詳細な分析を行った。その結果,ROS-Jの質問紙としての妥当性・信頼性が確認された。また,ROS-Jによって,オフサイトにて容易に再現可能な映像と音を用いた仮想的な森林浴環境であっても,心理的回復効果が期待できることが明らかになった。
著者
藤澤 房俊
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.35, pp.139-162, 1986-03-15

L'autore tratta due punti principali: 1) il processo della formazione dell'esercito italiano; 2) i caratteri del fenomeno dei renitenti come manifestazione della resistenza popolare contro la leva.1) L'esercito italiano nacque cin il cambio del nome de esercito sabaudo a esercito italiano, assorbendo gli eserciti degli altri in quello piemontese. In altre parole, l'esercito italiano e stato costituito sul modello dell'esistente esercito piemontese rimasto in vigore (piemontesizzazione), il quale a sua volta dal 1854 aveva adottato un ordinamento militare di tipo francese. In Italia nel periodo immediatamente successivo all'Unita, in cui erano vive le tensioni sociali e il nuovo Stato mancava ancora ai basi silide, il compito principale dell'esercito era quello di mantenere l'ordine pubblico, e questo fino circa ai moti del macinato di Bologna. Dopo il 1870, l'esercito italiano adottava il sistema tedesco del reclutamento nazionale, abolendo la surrogazzione e l'affrancamento con la riforma di Ricotti.2) L'avversione popolare e generalizzata alla coscrizione aveva il carattere di contestazione della politica centralizzatrice dello Stato: i renitenti partecipavano ai movimenti contro tale politica e contro lo stesso Stato unitario. Questo fenomeno dei renitenti era presente non solo in Sicilia e nel Mezzogiorno, ma anche-seppure in forme diverse-in altre regioni d'Italia. Mentre esistevano questi renitenti illegali, fino 1870 era ancora presente il ricorso a forme legali di renitenza, come l'affrancazione e la sostituzione, ma questo solo per i figli dei benestanti. Pero, col tempo, si comincio a considerare il servizio di leva come il simbolo del passaggio dalla gioventu alla maturita. Rimase tuttavia il fenomeno della automutilazione per evitare la leva, forma di renitenza legale specialmente diffusa tra i contadini.
著者
藤澤 隆史 松井 淑恵 風井浩志 古屋 晋一 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.764-770, 2009-08-15
参考文献数
6

本稿では,「ヒトは音楽をどのように感じているのか」という観点から脳機能の計測方法およびその実験デザインついて解説する.まず,脳において音楽がどのように認知されているかについて,「音楽の脳機能局在」の観点からその関連部位について概観する.次に,脳機能の計測において用いられている代表的な装置とその諸特徴を紹介し,有効な計測信号を得るための実験デザインについて解説する.最後に研究例を3つ紹介し,音楽認知研究における脳機能計測の有効性を示す.これらの例が示す脳機能計測の有効性は,ユーザが楽しめる音楽インタフェースを開発する上で,音楽を聴取する脳の働きや脳機能計測法に対する正しい理解を深めることが一層重要となることを示唆している.
著者
梶川 恒雄 野沢 立 尾張 幸久 藤澤 宏光 金子 卓司 野呂 一夫 高田 耕
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.586-588, 2001-07-20
被引用文献数
2 2

左尿管結石に対するESWLにより,腸管穿孔を起こした症例を経験したので報告する.症例は69歳,男性で,1996年3月に両側総腸骨動脈瘤に対してグラフト置換術を受けていた.1999年2月,左側腹部痛が出現,レントゲン検査で左尿管結石の診断となった(lt.U1,14×8mm).結石は骨盤部まで下降後,下降しなくなったため,入院の上,3月30日,腹臥位でESWLを施行した.終了直後より左下腹部痛を訴え,鎮痛剤で治まらないため,3月31日,CTを施行した.明らかな異常所見を認めなかったが,その後も痛みが続き,4月2日には,筋性防御も認めるようになった.再度CTを施行したところ,free air,イレウス所見を認めたため,緊急手術を施行した.トライツ靭帯から130cmの空腸に,2mm大の穿孔を2カ所認め,ESWLによる腸管穿孔と診断した.術後経過は良好で,4月23日,退院となった.ESWLによる腸管穿孔は,極めて稀な合併症であるが,腸管の癒着の可能性のある既往歴,腹臥位でのESWLは,リスクファクターと考えられた.
著者
江口 真透 栗木 哲 藤澤 洋徳 逸見 昌之 松浦 正明 間野 修平 小森 理 竹之内 高志 川喜田 雅則
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ゲノム・オミクスデータから導かれる科学的成果を得るための統計的方法の開発を行った。特に表現形(病型、治療奏功性、予後)の予測に適切な情報を抽出するために統計学と機械学習の方法の融合的な活用を実用化に向けて推進してきた。表現形の予測のためにROCカーブの下側面積の最大化によるブースト法を開発した。乳がんサブタイプを決める有効な遺伝子選択のためのLASSOクラスタリングを提案し、良好な成果が得られつつある。
著者
大河内 信夫 藤澤 英昭 鈴木 隆司 大河内 信夫
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は伝統技能を教育学的な検証を経て学校教育の現場で活用できる題材として開発し、実践によって評価しようとしたものである。具体的には3つの代表的な取り組みを行った。第1に、伝統の刃物づくりの調査とそれを題材としたDVDの製作、第2に銅鏡の製造過程の調査と製作マニュアルとしてのCD製作、第3に伝統的な養蚕の実践とできた繭から絹糸を取り出し小型のランプシェードをつくる題材の開発と実践をおこなった。DVDとCDは千葉県下の市教育委員会へ配布し、その教育的評価を調査した。実践的な検証の取り組みでは、附属小学校において、銅鏡づくりは鋳型づくりと研磨を主に体験して製作し、ものをつくるにはいろいろな道具と時間がかかることを体得した感想が多かった。教員養成学部の授業実践として銅鏡づくりと行灯づくりに取り組み、教員資質にとってものづくりが重要であることを実証した。技能に裏付けられたものを作る能力を定着させる方法論が次の課題である。

2 0 0 0 OA <論文>長寿譚

著者
藤澤 益夫
出版者
田園調布学園大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13477773)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-104, 1999-12-30

すでに日本は高齢社会に深く踏みこみ,まさに超高齢状況を迎えようとしている。そこで,先人の詩文が描きだす老年観・老人論を尋ねて,その移り変わりを探るとともに,人の延命願望を象徴する東西の永寿伝説や,真偽とりまぜての古今の長命記録を拾い集め,老齢問題を考える視界をひろげる。さらに,エルダー比重増大にともなう余弊としての社会の不活性化不安と,そのなかで見え隠れする元老支配懸念への批判をふくんで,高齢者階層の社会経済的位置づけをこころみる。