著者
大西 由美
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.147, pp.82-96, 2010 (Released:2017-02-15)
参考文献数
22

本稿では,ウクライナの大学において日本語を専攻する学習者を対象に,日本語学習動機調査を行った。ウクライナは日本との人的・経済的交流が少ない「孤立環境」と呼ばれる地域である。日本語学習者は増加傾向にあるが,卒業まで意欲的に学習できない学生が多いことが問題となっている。 一方,日本語学習者を対象とした動機づけ研究では,環境が大きく異なるにも関わらず,他地域の動機づけ尺度を基に調査が行われる傾向がある。 そこで,本稿では,日本語学習動機を自由記述によって収集し,先行研究にはない項目を含む35項目の尺度を作成した。5大学の学生を対象に質問紙調査を行い,180名分のデータを得た。学年層別の因子分析の結果,低学年と高学年では動機づけの構造が異なることが明らかになった。低学年の学習者は文化に関する動機と仕事に関する動機の相関が高く,これらの動機が対立するものだとしている他地域の先行研究とは異なる結果となった。
著者
島村 裕子 仲西 由美子 平田 恭子 村田 容常
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.491-498, 2009 (Released:2011-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

We compared the bacterial populations and contents of minerals (K, Fe and Zn) and vitamin C between organically and conventionally grown vegetables. A total of 123 vegetables, including 10 carrots, 13 cucumbers, 11 eggplants, 12 grape tomatoes, 10 Japanese leeks, 11 komatunas, 12 onions, 10 potherb mustards, 10 spinaches, and 10 white radishes, were purchased from retail markets. No significant difference in the total bacterial and coliform counts was apparent between the organically and conventionally grown vegetables. Listeria spp. were isolated from three organically grown vegetables and one conventionally grown vegetable. Neither Escherichia coli nor Salmonella was detected in any of these vegetables. No significant differences in the contents of minerals (K, Fe and Zn) and vitamin C were found between the organically and conventionally grown vegetables.
著者
根本 彰 影浦 峡 青柳 英治 海野 敏 小田 光宏 河西 由美子 岸田 和明 倉田 敬子 古賀 崇 鈴木 崇史 竹内 比呂也 谷口 祥一 研谷 紀夫 中村 百合子 野末 俊比古 松本 直樹 三浦 太郎 三輪 眞木子 芳鐘 冬樹 吉田 右子 今井 福司 河村 俊太郎 浅石 卓真 常川 真央 南 亮一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

5年間にわたる本プロジェクト(通称LIPER3)では、過去2回のLIPER研究で抽出した図書館情報学教育の問題構造に変化を与えるために次の実践研究を行った。第一に、図書館情報学教育の教育内容を見直すために、新しい標準的な教科書シリーズを執筆し刊行した。第二に、この標準的な教育内容に沿って各教育機関がどのような教育成果を上げているかを自己評価できるように、図書館情報学検定試験を4年間にわたり実施した。第三に、外国の図書館情報学教育の状況を把握し関係者と交流するために、アメリカの標準的教科書を翻訳・刊行し、国際学会で日本の図書館情報学教育について発表し、欧米の教育機関での聞き取り調査を実施した。
著者
河西 由美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.514-520, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)

「情報リテラシー」の原語であるinformation literacyという用語について,英語圏では,図書館に関係した概念・運動と認識されるのに対して,日本では,情報機器やデジタルデータの取り扱いなど「ITリテラシー」という狭義の概念として定着しているように思われる。本稿では,1980年代の米国において重要な教育概念となり,その後世界的な潮流となった情報リテラシーの意義と,日本の教育,ことに情報教育に及ぼした影響について歴史的経緯を解説し,日本の学校図書館における情報リテラシー教育の課題と展望を述べることとしたい。
著者
谷岡 哲也 浦西 由美 山崎 里恵 松本 正子 倉橋 佳英 多田 敏子 眞野 元四郎 山崎 正雄 友竹 正人 松下 恭子 上野 修一 大森 美津子 大浦 智華
出版者
香川大学
雑誌
香川大学看護学雑誌 (ISSN:13498673)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.65-74, 2007-03
被引用文献数
1

スティグマと疎外が精神疾患の治療と精神障害者の社会復帰を妨げていることが,精神保健上の問題として明らかにされている.地域住民の精神障害者との出会いの経験と精神障害者に対するイメージについて明らかにする目的で,郵送法による質問紙調査を行った.その結果,20代と30代の回答者の約50%が,精神障害者を意識した時期が小学校から高校であったと回答した.その当時の精神障害者のイメージは,否定的イメージが多かった.またその内容は,「変わっている」「こわい」が上位にあり,「普通の人と変わらない」は1割以下であった.回答者らが,実際に会ったことのある精神障害者は認知症のみであった.精神保健福祉施策は入院医療から地域ケアへと移行している.したがって,精神障害者やその障害について地域住民が理解する機会を我々は増やしていかなければならない.今後は,さらに若い年代から病院や施設等で精神障害者と日常的に交流を持てるような,ふれあいの場を作ることが重要である.また若い年代に対する精神障害者や精神障害に対する固定観念やスティグマを緩和ないし減少させるためのさらなる啓発活動が求められることが示唆された.
著者
田村 俊作 三輪 眞木子 池谷 のぞみ 齋藤 泰則 越塚 美加 河西 由美子 齋藤 誠一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

公共図書館の課題対応型サービスが定着するための条件を明確にすることを目的に各種調査を行い,以下の点を明らかにした。(1)サービスは複合的であり,重点の置き方は図書館により異なる。(2)図書館員はサービスの多様性を容認している一方,業務負担の増大に対して根強い抵抗がある。(3)従って,課題対応型のサービスに対する図書館員の理解と参加,および必要な技能の獲得が鍵となる。(4)また,関連組織との協働型の連携がサービス展開に効果的である。
著者
大西 由美
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.147, pp.82-96, 2010

<p> 本稿では,ウクライナの大学において日本語を専攻する学習者を対象に,日本語学習動機調査を行った。ウクライナは日本との人的・経済的交流が少ない「孤立環境」と呼ばれる地域である。日本語学習者は増加傾向にあるが,卒業まで意欲的に学習できない学生が多いことが問題となっている。</p><p> 一方,日本語学習者を対象とした動機づけ研究では,環境が大きく異なるにも関わらず,他地域の動機づけ尺度を基に調査が行われる傾向がある。</p><p> そこで,本稿では,日本語学習動機を自由記述によって収集し,先行研究にはない項目を含む35項目の尺度を作成した。5大学の学生を対象に質問紙調査を行い,180名分のデータを得た。学年層別の因子分析の結果,低学年と高学年では動機づけの構造が異なることが明らかになった。低学年の学習者は文化に関する動機と仕事に関する動機の相関が高く,これらの動機が対立するものだとしている他地域の先行研究とは異なる結果となった。</p>
著者
塚田 久恵 三浦 克之 城戸 照彦 佐伯 和子 川島 ひろ子 伊川 あけみ 西 正美 森河 裕子 西条 旨子 中西 由美子 由田 克士 中川 秀昭
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1125-1134, 2003 (Released:2014-12-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

目的 乳幼児期の肥満が成人後の肥満にどの程度結びつくかについての日本人でのデータは乏しい。本研究は乳幼児期(3 か月,12か月,3 歳)の肥満度と成人時(20歳)の肥満度との関連を明らかにし,乳幼児健康診査(以下,健診)時の肥満指導のための基礎資料を得ることを目的とする。方法 石川県某保健所管内において1968-1974年に出生した20歳男女を対象として行われた成年健康調査を受診した男女のデータと,同管内における 3 か月,12か月,3 歳の乳幼児健診データとのレコード・リンケージを行い,全ての健診を受診して20年間追跡できた2,314人(男1,080人,女1,234人)を対象とし,乳幼児期と成人時の肥満度の関連について分析した。成績 各月齢・年齢のカウプ指数(または body mass index (BMI))相互間の相関を見たところ,20歳時の BMI と 3 か月時・12か月時・3 歳時のカウプ指数との間ではいずれも有意な正相関が認められ,中で最も強い相関を示したのは 3 歳時カウプ指数とであった(男 r=0.33, P<0.001,女 r=0.42, P<0.001)。乳幼児期の肥満度カテゴリー別に20歳時の肥満者(BMI 25 kg/m2 以上)の割合をみると,3 歳時カウプ指数15未満の者では男で4.6%,女で1.0%であったが,3 歳時カウプ指数18以上の者では男で29.1%,女で29.5%にのぼり,カウプ指数15未満の者に比べ男で6.3倍,女で29.5倍の率となった。3 か月時および 3 歳時におけるカウプ指数が平均未満か以上かのカテゴリー別に20歳時に肥満になっていた割合を検討したところ,3 か月時のカウプ指数が平均以上か未満かを問わず,3 歳時のカウプ指数が平均以上であったもので割合が高かった。結論 乳幼児期の肥満度は20歳時の肥満度と強い関連があったが,3 歳時との関連が最も強かった。3 歳時に肥満であった児は成人時にも肥満である率が約30%と評価され,本データは 3 歳児健診における将来の肥満のアセスメントに利用できると考えられる。
著者
中島 素子 三浦 克之 森河 裕子 西条 旨子 中西 由美子 櫻井 勝 中川 秀昭
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.647-654, 2008 (Released:2014-07-01)
参考文献数
20

目的 医科大学敷地内禁煙化の実施によって,医学生の喫煙率はどのように推移したか,喫煙についての学生の意識はどのように変化したかを明らかにする。方法 北陸のある医科大学において敷地内全面禁煙化が2004年に実施された。2001年から2007年まで,毎年約640人の医学生の喫煙状況を定期健康診断時に調査した(回答率91.2%)。また2000年度入学から2006年入学までの新入生全員の喫煙状況を経年的に追跡し,進級による喫煙率の変化が敷地内禁煙化によりどのように変化したかを調査した。さらに,喫煙者の喫煙に対する意識の変化や,敷地内禁煙準備期間から禁煙を開始した禁煙群と継続喫煙群の喫煙に関する意識の比較を行った。結果 2001年から2007年までの 7 年間の全学生の喫煙率は,敷地内禁煙実施前と比較すると,実施後に低下し,男子でもっとも喫煙率の高かった2002年の喫煙率41.2%と,2007年の喫煙率22.1%では19.1ポイントの差があった。毎年の新入生の喫煙率の推移を追跡すると,敷地内禁煙実施前は進級とともに喫煙率は上昇していたが,実施後は進級ごとに喫煙率が低下傾向を示した。敷地内禁煙実施前後に同じ対象者で比較すると,男子学生の喫煙率が実施前の36.0%,から実施後の25.6%へ有意に減少した(P<0.05)。また喫煙者のうち「喫煙をやめたい」と答えた人の割合が,実施前は39.1%であったが,実施後では60.2%と有意に増加していた(P<0.01)。さらに敷地内禁煙準備期間から禁煙した禁煙群70人と,継続して喫煙している継続喫煙群90人の 2 群間の意識を比較したところ,将来患者さんに積極的な禁煙教育ができないと思う者は,禁煙群20.8%,継続喫煙群50.0%であり,継続喫煙群で有意に高かった(P<0.01)。結論 医科大学敷地内全面禁煙化は,医学生の禁煙と喫煙への意識の変化に強い効果がある可能性が高いと考えられた。
著者
田村 俊作 三輪 眞木子 池谷 のぞみ 齋藤 泰則 越塚 美加 河西 由美子 齋藤 誠一
雑誌
科学研究費補助金研究成果報告書
巻号頁・発行日
2011 (Released:2012-00-00)

研究種目 : 基盤研究(B)研究期間 : 2008~2011課題番号 : 20300087研究分野 : 総合領域科研費の分科・細目 : 情報学・図書館情報学・人文社会情報学 公共図書館の課題対応型サービスが定着するための条件を明確にすることを目的に各種調査を行い、以下の点を明らかにした。①サービスは複合的であり、重点の置き方は図書館により異なる。②図書館員はサービスの多様性を容認している一方、業務負担の増大に対して根強い抵抗がある。③従って、課題対応型のサービスに対する図書館員の理解と参加、および必要な技能の獲得が鍵となる。④また、関連組織との協働型の連携がサービス展開に効果的である。
著者
大西 由美
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.12, pp.21-40, 2011-03-22

This study aims to reveal the relationship between motivations and expectations of learning achievement among Japanese language students at Ukrainian universities by a questionnaire survey. It is known that motivations have significant effects on the extent of achievement of L2 learning outcomes. Learners of Japanese language in Ukraine set notably high goals (to obtain a scholarship to go and study in Japan, for example) at the beginning of their studies, but many of them are unable to maintain the original motivations until their graduation. Goals set too high can decrease learners' expectations of achievement, and can result in demotivating them to study Japanese. This paper examined 265 students from five universities in Ukraine. The results of the factor analysis show that students in higher academic years have different motivations to first or second-year students. Students in higher academic years can be grouped into three clusters according to their main motivations. Students with work- and culture-related motivations have stronger self-expectations that they will achieve their goals than those with language-related one. The results of cluster analysis indicated that their goals and the expectations of achievement are related to the types of learning motivation.
著者
三輪 眞木子 河西 由美子 松嶋 志津子 中村 百合子 竹内 比呂也
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

内外の有識者インタビュー調査により、図書館情報専門職の学位・資格の国際的同等性と互換性の実情を把握した。専用ウェブサイトを開設し、世界各国の図書館情報専門職養成コアカリキュラムデータを収集・分析した。アジア・太平洋地域の学校図書館の国際研修プログラムを開発しセミナーの形で実施した。世界各国・地域の有識者に当該地域の図書館情報専門職教育の動向と質保障に関する論文の執筆を依頼し、論文集を編纂した。
著者
森河 裕子 三浦 克之 西条 旨子 中西 由美子 中川 秀昭 北岡 和代 西条 旨子 中西 由美子 中川 秀昭 北岡 和代
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

交代勤務特に深夜勤務への適応・不適応(耐性)に伴う健康問題と、適応・不適応に関連する要因を検討した。一製造工場の男性夜勤交代勤務者を対象に全体調査と抽出調査を行った。夜勤交代勤務への適応に最も強く影響したのは年齢であり、慣れによって不適応感が軽減していくものではないことが示された。客観的睡眠モニターから深夜日の睡眠はコマ切れであり、効率の悪い睡眠であることがわかった。不適応者における睡眠以外の健康影響として、疲労蓄積による自然免役能の低下が示唆された。夜勤交代勤務による健康影響の最小化のためには、特に不適応感を抱いている者に対する適切な対応が必要である。