著者
阿部 翔太朗 金井 秀明
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.38, pp.1-8, 2014-03-06

本研究では,活動量を向上させる手段として阻止の行動随伴性を利用した身体活動促進システムを考案する.評価実験により,(1) 提案したシステムを用いた手段で実験参加者の活動量を向上可能か,(2) 嫌子の出現阻止のための行動の強化が発生するか,(3) システムを適用した結果,実験参加者の身体活動に対する動機づけがどのように変化するかの 3 点について評価を行った.その結果,被験者によって,システムによる活動向上効果が異なった.そこで,被験者の身体活動に対する意識や性格に基づいて,被験者を個別に考察した.その結果,以下の知見が得られた.(a) 活動量のノルマの設定により,ほとんどの者に対して活動量を向上することが可能である.(b) 何を嫌子とするかは慎重に設定する必要があるが,その者にとって効果的な嫌子であれば行動の強化は行われる.(c) 予め身体活動に対して積極的な者に対しては動機づけを低下させることはほとんどない.(d) 身体活動に対して消極的な者に対しては,システムを長期間使用することでより自立性の高い動機づけに変化する可能性を見いだせた.
著者
薄木 理一郎 木村 俊明 金田 尚志
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.338-341, 1978
被引用文献数
3

シリコ-ン油(SO)の示すフライ油劣化防止効果の作用機構を知る目的でSOを大豆油に添加,添加濃度,重合度(粘度),加熱油の性状について検討し,つぎの結果を得た。<BR>(1) 180℃での通気加熱,およびじゃがいもフライ時とも,添加濃度は10ppmが適当と思われた。<BR>(2) 20, 200, 1000, 12500センチストークス(c/s)の4種のSO中,20および200c/sの両者により大きな効果を認めた。<BR>(3) 加熱油およびフライ油をケイ酸カラムクロマトで分画し,その特数を各々の無添加油の分画区分と比較したところ,各区分とも酸化の遅延を表わす特数値を示していたが,特にSO添加による顕著な変化は認めがたかった。これまでいわれているSOの種々の作用が各々に働き,全体として熱酸化を抑えているように思われた。
著者
金子 英世
出版者
慶應義塾大学国文学研究室
雑誌
三田國文 (ISSN:02879204)
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-10, 1993-12

一 はじめに二 「源順百首」の趣向的特色三 結び : 遊戯技巧歌と「源順百首」の作者について
著者
高木 史人 矢野 敬一 立石 展大 蔦尾 和宏 伊藤 利明 生野 金三 浮田 真弓
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は当該研究の2年目として、平成28年度に行ったシンポジウムの成果を活かして、さらなる研究の深化を期した。具体的には国語科の文部科学省検定済教科用図書及びその教師用指導書に徴して、「伝統文化」教材の扱われ方と指導書における指導法への言及の分析を進めた。なお、平成29年告示の『小学校学習指導要領』では、従来の学習指導要領における国語科の「3領域及び1事項」という区分が見直された。従来の1事項が〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕であったものが、今次の学習指導要領では大きく〔知識及び技能〕〔思考力、判断力、表現力等〕〔学びに向かう力、人間性等〕の3本の柱が立てられ、その中の〔知識及び技能〕が「(1)言葉の特徴や使い方に関する事項」「(2)情報の扱い方に関する事項」「(3)我が国の言語文化に関する事項」に分かたれ、その(3)が従来の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の前半「伝統的な言語文化」部分に相当するものと見られる。この間の学習指導要領の推移、変化の分析に多くの努力を行った。これらは生野金三・香田健児・湯川雅紀・高木史人編『幼稚園・小学校教育の理論と指導法』(平成30年2月、鼎書房刊、206ページ)にまとめられた。また、高木は「社会的・共=競演的でひろい悟り」へのアプローチ―小学校教育史、国語科教育史との係わりから―」(『口承文芸研究』第41号、平成30年3月、日本口承文芸学会刊)において平成29年12月に行った科研費メンバーによるシンポジウムの概略を紹介しつつ、現行の伝統文化教育の根拠となっている平成18年改教育基本法第2条第5項の淵源が、昭和16年3月改正の小学校令第1条第3項にあることに触れて、日本の長い教育史の中ではこれは伝統的でなったことと結論づけた。伝統という語じたいが昭和初期の流行りであった。
著者
川添 裕子 金 振晩 金 宰郁
出版者
松蔭大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は,日韓の美容整形の展開を政治経済の文脈に位置づけ,日本の「普通」感覚・理想美の変化,及び90年代以降の韓国における美容整形展開の経緯を明らかにすることを目的としている.29年度,日本では,明治以前にさかのぼって医療史,美の変遷を概観し,文献,関係者への聞き取りから医療行政の面について考察を行った.医療観光のコンテンツとしては,消極的なクリニックの方が多いと考えられる.整形経験者には,極めて限られた人数ではあるが,継続して聞き取り調査をしている.90年代末には,美容整形のブレーキでもあった「普通」文化は,既に,反転して美容整形促進に向いているように思われる.歴史と突き合わせると,儒教規範は,近代的身体観と伝統的規範の橋渡しという役割と終えたと見ることはできるが,相変わらず日本の整形経験者の秘匿意識は高いので,さらなる考察が必要である.韓国については,関係学会への聞き取りから,日本同様の形成外科とそれ以外の医師による組織的な対立が顕在化しつつあるのが明らかになった.また美容整形をテーマにしている研究者と意見交換を行った.29年度から加わってもらった研究分担者を介して,韓国の美容整形クリニック院長への聞き取りを行った.韓国,日本,中国の患者の差異については,30年度に外科医及び経験者の聞き取りを加えて分析する.韓国における医療観光政策は,同じく29年度から加わってもらった研究分担者に協力を依頼している.30年度に,共同で聞き取り調査を実施して,まとめに入る予定である.なお,英国Palgrave Macmillan社の「Palgrave Studies in Fashion and the Body」シリーズ刊行を目標とする国際共同研究に加入した.成果の英文発表,ネット公開の着手を始めた.
著者
山田 慎也 金 セッピョル 朽木 量 土居 浩 谷川 章雄 村上 興匡 瓜生 大輔 鈴木 岩弓 小谷 みどり 森 謙二
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

現代の葬儀の変遷については、整理を進めている国立歴史民俗博物館蔵の表現文化社旧蔵の葬儀写真を順調にデジタル化を進め、約35000のポジフィルムをデジタル化をおこなった。昨年度、さらに追加の資料が発見寄贈されたので、デジタル化を進めるための情報整理を行っている。また近親者のいない人の生前契約制度等の調査は、それを実施している横須賀市の具体的な調査を行った。一定の所得水準以下の人だけを対象としていたが、それ以上の人々も希望があり、死としては対応を迫られていることがわかった。また相模原市や千葉市などでも行政による対応がなされ、千葉市の場合は民間業者との連携が行われていることがわかった。また京都や大阪での葬送儀礼や墓の変容については、その歴史的展開の相違から東京という政治的中心とは異なる対応をとってきていることが調査によって判明した。そこでその研究成果について、民間の文化団体と協力して「上方で考える葬儀と墓~近現代を中心に」というテーマで、大阪天王寺区の應典院を会場にでシンポジウムを開催した。当日は人々の関心も高く、約150名ほどが集まり会場は立ち見が出るほど盛況であった。また3月には、葬儀の近代化によって湯灌などの葬儀技術や情報が東アジアに影響をおよぼし、生者と死者の共同性に影響を与えていることを踏まえ、東南アジアの多民族国家における葬儀と日本の影響を把握するため、マレーシアの葬祭業者や墓園業者などの調査を行い、またマレーシア死生学協会と共催で国際研究集会「葬送文化の変容に関する国際比較―日本とマレーシアを中心に―」を開催し、両国のおける死の概念や葬儀産業の役割、専門家教育などについて検討を行った。
著者
加藤 眞義 舩橋 晴俊 正村 俊之 田中 重好 山下 祐介 矢澤 修次郎 原口 弥生 中澤 秀雄 奥野 卓司 荻野 昌弘 小松 丈晃 松本 三和夫 内田 龍史 浅川 達人 高木 竜輔 阿部 晃士 髙橋 準 後藤 範章 山本 薫子 大門 信也 平井 太郎 岩井 紀子 金菱 清
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、東日本大震災のもたらす広範かつ複合的な被害の実態を明らかにし、そこからの復興の道筋をさぐるための総合的な社会学的研究をおこなうための、プラットフォームを構築することである。そのために、(1)理論班、(2)避難住民班、(3)復興班、(4)防災班、(5)エネルギー班、(6)データベース班を設け、「震災問題情報連絡会」および年次報告書『災後の社会学』等による情報交換を行った。
著者
村井 勇 金子 史朗
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.p329-342,地図4枚, 1976-03
被引用文献数
1
著者
金澤 莉奈 佐藤 生馬 藤野 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.302, pp.29-33, 2012-11-12

近年,様々な家族構成がある中で,核家族化が進み,1人で子育てをしていると感じる母親が増えている.このような子育てにおける不安やストレスから育児ノイローゼとなり,最悪の場合には子供を虐待してしまうケースがおる.現在,地域毎に子育て支援を行っているがまだまだ十分とは言えない.そこで本研究では,多くの母親が感じている睡眠不足の問題に着目する.母親の睡眠不足の原因は,乳児の夜泣きによるもので,なかなか寝付かない,寝てもすぐ起きるなど乳児によって様々である.そこで,乳児の睡眠リズムを把握し管理または改善するために睡眠を中心としたライフログを可視化し,母親の安心感の増加やQOLの向上を目指す.
著者
金子 格 竹内 大貴 大山 貴紀
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.61-67, 2016-02-01

音楽を題材とし,数学や物理との関係を示すことで,受講者の理数系科目への関心を高めようとする授業は数多くみられる.しかし我々は,音楽を題材にしても受講者が受動的に説明を聞くだけでは,受講者に理数系科目への強い関心を持たせるのは難しいと考えた.そして,受講者が自ら数式により音楽を合成しながら音楽と数学の関係を確認し,また数式を用いた音楽合成による作品を制作する演習授業の実施を試みた.演習授業にはScilabを用いた.受講者にとって演習授業が困難すぎることはなく,4時間〜9時間の授業の中で説明〜制作を終え各自の作品の発表を行うことができた.高校生の受講者で数学への関心に有意な上昇が確認できた.本論文では,我々が行った演習授業の詳細と評価アンケートの分析結果を報告する.受講者の演習授業の内容と受講者が作成した作品はwebページで公開している.
著者
金子 格 竹内 大貴 大山 貴紀
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.61-67, 2016

音楽を題材とし,数学や物理との関係を示すことで,受講者の理数系科目への関心を高めようとする授業は数多くみられる.しかし我々は,音楽を題材にしても受講者が受動的に説明を聞くだけでは,受講者に理数系科目への強い関心を持たせるのは難しいと考えた.そして,受講者が自ら数式により音楽を合成しながら音楽と数学の関係を確認し,また数式を用いた音楽合成による作品を制作する演習授業の実施を試みた.演習授業にはScilabを用いた.受講者にとって演習授業が困難すぎることはなく,4時間〜9時間の授業の中で説明〜制作を終え各自の作品の発表を行うことができた.高校生の受講者で数学への関心に有意な上昇が確認できた.本論文では,我々が行った演習授業の詳細と評価アンケートの分析結果を報告する.受講者の演習授業の内容と受講者が作成した作品はwebページで公開している.
著者
石井 恵 金田 重郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1284-1295, 1997-07-15
被引用文献数
3

事務処理システムは,従来,手続き型言語,テーブルドリブン記述,トリガといった,状態遷移を表現する言語により記述されてきた.しかし,この種の状態遷移記述では,(1)事務処理に必要な手続きをすべて網羅的に書き切ることが難しい,(2)事務規則と整合性のとれた処理結果が生成されることをプログラム記述上で確認することが難しい,等の問題を有していた.上記問題を解決するため,本論文では,事務処理を,「事務処理で扱うデータを事務処理規則と整合する状態に維持する整合性管理処理」とモデル化する.そして,それを具現化する,制約プログラミングによる整合性管理システムを提案する.具体的には,事務規則を制約として記述し,制約充足エンジンによって,事務規則と整合するデータ状態を生成する.本手法を実用事務処理システムのタスクに試用した結果,事務規則を容易に制約記述でき,プログラム記述量を半減できた.また,手続き型記述の実用システムでは十分には対応できなかったレアケースに対しても対処可能となった.This paper presents a constraint satisfaction mechanism for office systems.Regulations for business can be regarded as constraints in terms of the data in business databases and application forms.Clerical work can be regarded as consistency maintenance to keep the data consistent with the constraints.We rewrote an office system using constraints.Experimental results show that all the regulations can be easily described in constraints,the description size is reduced by 50% of the original system and the constraints cover rare cases exhaustively.
著者
飯野 直子 金柿 主税
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要 (ISSN:21881871)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.343-348, 2015-12-18

In order to visualize the environmental radiation dose rate level, we carried out the car-borne survey of gamma-ray dose rates in Kyushu. The obtained data was illustrated on the topographic and geological maps in Kyushu along the run routes as teaching materials. It was found that the characteristics of the environmental-radiation-level in Kyushu Island are as follows: (1) lower tendency of the level is shown in northern Kyushu, (2) high-level tendency is shown at the Kyushu Mountains area and (3) middle-level tendency is shown in southern Kyushu. In addition, we established a website to provide these results for science education and energy-and-environmental education.教材として九州における平時の環境放射線レベルを可視化するために、各県の主に一般道を走行サーベイして得られたγ線線量率データを前報の環境放射線レベル分布図に追加し、九州における環境放射線のレベル分布について概観した.また、本研究で得られた結果やこれまでにモニタリングポスト近傍や航空機内などさまざまな場所で簡易測定器を用いて測定した結果をエネルギ環境教育や理科教育のための素材・教材として提供するためのウェブサイトを開設したので報告する.
著者
飯野 直子 後藤 将太 中村 恭浩 金柿 主税
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:04546148)
巻号頁・発行日
no.61, pp.39-46, 2012

The advection and dispersion of Asian dust events from China to the Pacific Ocean around Japan in 2010 were investigated using the Multi-functional Transport Satellite (MTSAT) data. Aerosol Vapour Index images, taking the brightness temperature difference between 11 μm and 12 μm, were very effective for monitoring the Asian dust phenomenon in the East Asia region, with their capacity for detection during the day or night. The results were compared with suspended particulate matter concentrations measured at surface stations in Kyushu and with ground-based observations of sky in Kumamoto and Kagoshima. When a dense dust band was crossing over Japan, the rapid increase of SPM concentrations was observed at stations located in the dust path. The observed increase of SPM concentrations corresponded to the distribution of Asian dust shown in AVI images, the visibilities recorded by the Janan Meteorological Agency and the atmospheric turbidity shown in the ground-observation images.