著者
平塚 聖一 澤田 敏雄 長谷川 薫
出版者
静岡県水産試験場
巻号頁・発行日
no.35, pp.23-27, 2000 (Released:2011-03-05)

1991年から1996年までの6年間に、静岡水試の調査船が近海、東沖及び南方漁場において漁獲したカツオ41漁獲群、4,114尾について石ガツオの出現状況を調査し、以下の結果を得た。 1)41漁獲群中、87.8%に当たる36漁獲群において石ガツオの出現が見られた。また、1漁獲群当たりの石ガツオの出現率は0~16.8%であったが、群間で大きな差が認められた。 2)石ガツオは近海、東沖及び南方漁場のいずれの漁獲物においても出現した。また、漁獲後処理のうち水氷、ブライン凍結両方の貯蔵方法においても石ガツオの出現が確認された。 3)石ガツオは漁獲後の処理方法によって発生するのではなく、生存中からすでに存在している可能性が高いと考えられた。 4)石ガツオは一部の漁場において特異的に出現するのではなく、広範囲に亘る漁場で出現する可能性が高いと考えられた。
著者
栁田 浩己 安藤 明彦 岡田 健太 長坂 昌一郎 石橋 俊 小谷 和彦 長谷川 修 谷口 信行
出版者
自治医科大学
雑誌
自治医科大学紀要 = Jichi Medical University Journal
巻号頁・発行日
vol.38, pp.27-39, 2016-03

神経伝導検査は,糖尿病神経障害を含めた末梢神経障害の評価に極めて有用である。その測定値は年齢や身長の影響を受けやすいとされるが,こうした影響に関する本邦の健常者での検討は少ない。今回,健常者ボランティアで年齢・身長・性別と,神経伝導検査各指標との関連を検討し,併せて当院での神経伝導検査基準範囲の設定を行った。神経伝導速度のほか,振幅・潜時・持続時間及びF波に関する各指標の基準範囲を求めた。年齢は上下肢の活動電位振幅と負の相関,身長は上下肢の活動電位振幅と負の,潜時と正の相関を認めた。F波に関しては,身長と最小潜時との間に正の相関(相関係数:正中0.79,脛骨0.78),平均潜時との間に正の相関(相関係数:正中0.76,脛骨0.72),最大潜時との間に正の相関(相関係数:正中0.66,脛骨0.64)を認めた。性別において多指標で有意差を認めたが,性別間の身長差・体格・解剖学的特徴に伴う差異が考えられた。軸索障害の指標として振幅の評価は重要であり,年齢・身長・性別の影響に関する留意が必要だが,今回の基準範囲設定により今後の診療への寄与が期待される。
著者
田中 浩二 長谷川 雅美
出版者
Japan Academy of Nursing Science
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-10, 2014-03-20 (Released:2014-02-24)
参考文献数
21
被引用文献数
1

目的:高齢者のうつ病からの回復について,生活世界との関連の中で明らかにすることである. 方法:うつ病と診断され精神科治療を受けており,寛解または維持期にある65歳以上の高齢者8名を対象に,非構成的面接を行い,Giorgiの科学的現象学的方法で分析した. 結果:高齢者は,うつ病の発症から急性期にかけて心身が【生活世界からの疎外や圧迫】を受けており,生活世界の中で自由に生きることができなくなっていた.そのような疎外や圧迫が強くなることによって,【厭世観による死の衝動からの支配】に至っていた.これらの体験は,治療につながるきっかけとなり,精神科治療を受ける中で【生活世界へ帰還するきっかけを実感】することができていた.生活世界への帰還は,うつ病からの寛解を意味していた.うつ病高齢者にとっての生活世界への帰還のあり方は【なじみの人間関係や日常生活に帰還】し,【死の衝動からの解放と天寿全うへの託し】に至ることであった. 結論:看護師は,高齢者のうつ病からの回復を支援するために,【なじみの人間関係や日常生活への帰還】【死の衝動からの解放と天寿全うへの託し】を重視した環境創りをすることが重要である.
著者
長谷川 和俊
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.333-339, 1980-12-15 (Released:2018-03-31)

可燃性蒸気雲の爆発に関して,事故の概要,爆発現象および安全対策について解説した.事故発生の原因,爆発時の状況および被害因子について論じ,事故の因果関係を明らかにした.放射熱について規模効果,火炎温度,放射率などとの関連の上に議論した.爆風について一般的特性,点源爆発と分散爆発の違い,相似則によるTNT当量およびTNT収率を用いた被害予測の方法について述べた.最後に,安全対策について個々の問題を指摘しながら総括的に記した.
著者
長谷川 慎 久保田 敏子 野川 美穂子 芦垣 美穂 浅野 陸夫 今井 伸治 梅辻 理恵 岡村 慎太郎 菊央 雄司 菊聖 公一 菊珠 三奈子 小池 典子 戸波 有香子 飛山 百合子 中澤 眞佐 村澤 丈児
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

京都・柳川流地歌三味線についての研究。京都における地歌箏曲の系統は伝統的に柳川流であり、一部の実演家が使用する三味線は細棹よりも細い棹・小型胴の三味線である「柳川三味線」が用いられる。本研究は、①これまでに行われた柳川三味線について研究の再整理をし、②楽器としてみた柳川三味線、③他の地歌三味線との演奏表現の違いについての基礎研究を行い、④京都上派における地歌伝承の現況調査、⑤「水張り」による三味線の楽器調整(皮張り)の状況、⑥楽譜・音源のアーカイブを行なった。
著者
新井 和吉 高橋 秀明 浦澤 俊介 長谷川 直
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.117-122, 2012 (Released:2012-10-10)
参考文献数
23

A space debris shield for use with spacecraft and satellites was designed. A space debris shield is required to have high defense performance and be lightweight. In this paper, the pressurized wall in the shield composition was made into a double wall structure, and we considered inserting a liquid layer into the shield between these walls. First, the numerical analysis conditions of aluminum alloys of shield composition materials were established from reverse analysis using the ballistic limit equation of a Whipple shield. Using the scaled-down liquid shield, the liquid layer thickness was investigated by comparing the numerical analysis and impact tests that used a two-stage light gas gun. Next, the ballistic limit curve of a real-size liquid shield was examined using the numerical analysis. From these results, it was found that the liquid layer in the debris shield substantially slowed the velocity of incoming debris fragments.
著者
長谷川 忍 柏原 昭博
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.9-20, 2011-01-31 (Released:2018-07-27)
参考文献数
61

Education/learning in network communities involves activities in which the members acquire, share, publish and create knowledge by joining in the communities to communicate with each other. The main topic addressed in this review paper is to classify fundamental technologies for scaffolding and promoting such education/learning activities. The key idea on this classification is to organize the fundamental technologies in each type of network community, with which social capital in the community increases, and with which the sustainability of the education/learning activities could be maximized.
著者
壱岐尾 優太 佐賀里 昭 中野 治郎 近藤 康隆 小田 太史 大賀 智史 長谷川 隆史 東 登志夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.331-338, 2020 (Released:2020-12-21)
参考文献数
33

【目的】化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)を呈したがん患者の痺れおよび疼痛に対する破局的思考と,自覚症状,上肢機能,生活障害との関連を調べること.【方法】上肢にCIPNを認めた造血器腫瘍および消化器がん患者の破局的思考(PCS:合計得点,反芻,無力感,拡大視),痺れおよび疼痛に対する自覚症状,上肢機能,生活障害を評価し,Spearmanの順位相関係数を求めた.【結果】破局的思考と生活障害との間に有意な相関関係を認め,上肢機能との間には有意な相関関係は認めなかった.PCSの下位項目別では,反芻のみ自覚症状と有意な相関関係を認めた.【結論】上肢にCIPNを認めたがん患者の生活改善のためには,機能面に対する評価やアプローチだけでは不十分な場合があり,破局的思考などの認知的側面に対する評価やアプローチも考慮する必要がある.
著者
長谷川 穂積 原 功
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.88-92, 2011-04-05

昨年4月、5年間君臨してきた世界バンタム級の王座から陥落したが、7カ月後には2階級上のフェザー級で王座を獲得。アゴの骨折、母親の死、負ければ後がないという苦境を乗り越えての快挙だった。30歳の王者は練習の虫としても知られる。「強くなるためには、まず自分に勝つこと」。その両拳は何よりも雄弁だ。