著者
阿部 晋吾 高木 修
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.35-42, 2004 (Released:2018-08-07)
参考文献数
16

In this study, participants (623 students) were examined using two scenarios whether justifiability evaluation of anger expression would be affected by the differences in victim's position or perpetrator's position, the magnitude of damage, and perpetrator's responsibility. As a result, against the prediction, perpetrators tended to evaluate victim's anger expression as being more justifiable than victims. However, since the magnitude of damage and responsibility had significant influences on justifiability evaluation, and these influences were stronger in perpetrators than in victims, the other hypotheses were supported. Moreover, in the specific situation, it was suggested that expressing anger was evaluated as being more justifiable than suppressing anger.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博 高木 正則
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.763-764, 2020-02-20

本学部ではeラーニングによる入学前教育を実施しており,課題にはプログラミングに関する内容も含まれている.しかし,受講対象者である高校生のプログラミング能力にはばらつきが見られることが分かっている.そこで,本研究では高校生をチューターと学習者に分け,チューターに学習者の課題に対してフィードバックを行ってもらうことにした.その際,学習者が課題を提出するまでの作業を記録してチューターに提示するシステムを開発し,適切な指導が行えるように支援した.本稿ではシステムの試行結果とチューターに行ったアンケート結果について述べる.
著者
高木 徹
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.35, 2004

現在,数理的一般システム理論の枠組みで情報システムを開発するための形式的なアプローチについて研究が行われている.本論文では特にデータ処理システムを対象にした定式化の方法について解説し,例題を用いて開発手順について述べている.
著者
村田 敬 伊藤 佳代子 高木 洋子 森 栄作 安藤 理子 中川内 玲子 阿部 恵 河野 茂夫 山田 和範 葛谷 英嗣
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.845-848, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

症例は2型糖尿病の男性(49歳),前医にてインスリンおよびエパルレスタットの処方を受けていたが,歩行障害悪化を主訴に来院.BMI 14.9 kg/m2, 下肢優位で左右対称な軽度筋力低下,下肢優位の小脳失調症状を認めた.HbA1c 15.6%, 糖尿病網膜症なし,神経伝導速度は運動・感覚ともに低下.入院後,次第に筋力低下と歩行機能が改善.入院時の残血清中ビタミンB1濃度は0.6 μg/dlと低値.フルスルチアミン100 mg/日の点滴を行ったところ,筋力回復し,軽快退院した.管理栄養士による聞き取り調査では白米中心の偏食傾向があり,ビタミンB1の推定摂取量は0.5 mg/日と所要量(1.2 mg/日)の半分程度であった.以上のような検査結果・臨床経過から総合的に判断して,本症例の歩行障害の主因はビタミンB1欠乏症による脚気神経炎であった可能性が高いと診断した.脚気神経炎は糖尿病性多発神経障害と症状が似ており,つねに鑑別診断として念頭におく必要がある.
著者
三原 宏之 高木 利彰
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1451, pp.88-89, 2000-03-18
著者
山鹿 眞紀夫 高木 克公 森沢 佳三 井手 淳二 生田 拓也 北川 敏夫 鬼木 泰博 山隈 維昭
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.129-133, 1988-08-10 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

Neurovascular compression in the thoracic outlet produces great variation of signs and symptoms. The clinical picture is often complex, being made up of the derangement of blood vessels, somatic nerves and autonomic nervous networks in varying degrees. Thirty-eight of the 150 patients (25%) treated in our clinic because of possible thoracic outlet syndrome (TOS), complained of general malaise such as headache, dizziness, sleeplessness, nausea, anorexia or general fatigue, in addition to their peculiar signs and symptoms due to brachial plexus involvement.In order to find out whether or not autonomic nerve dysfunction can be demonstrated in patients with TOS, a non-invasive and quantitative technique was developed for assessing the mean (M) and coefficient of variations (CV) of R-R intervals in ECG at resting position. Thirty patients (13-39; mean 29.5 y/o) were put into two groups of 15 patient s each. In the first group patients with autonomic nerve disorder had complaints of general discomfort, M was 803.72 ± 106.9 msec and CV was 3.214±0.717%. In the second group, those without general discomfort, M was 972.21 ± 120.64 msec and CV was 5.926±0.720%. The first group had a significantly shorter M (P < 0.001) and smaller CV (P < 0.001) compared to the second group. Furthermore, in two cases in the first group diagnosed by psychologists as having schizophrenia and anxiety neurosis, it was found that their M and CV were the nearly same as those in the second group.Decompressive ope r a tions were performed on five patients in the first group. Their complaints decreased or vanished after the operation and the M and CV progressed to near the normal rate.From these results, we belive that this method in useful in differentiating between autonomic nervous disorders and psychological disorders; and that in patients with TOS, a decompressive operation can help eliminate complaints of general discomfort due to autonomic nervous disorders.
著者
中司 敦子 神崎 資子 高木 章乃夫 岩田 康義 池田 弘 福島 正樹
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.163-168, 2004
被引用文献数
2

慢性腎不全患者の意識障害として尿毒症性脳症が知られているが, 透析療法が普及した昨今ではこの病態を経験することはまれである. 今回われわれは緩下剤の連用中に高マグネシウム (Mg) 血症による意識障害をきたした慢性腎不全の2症例を経験したので報告する.<br>症例1は77歳, 男性. 糖尿病性腎症による慢性腎不全で加療中, 食欲不振と意識混濁が出現し入院. 血清Cr 4.31mg/dL, BUN 64mg/dL, 血清Mg 7.3mg/dLと上昇. 血清カルシウム値は5.8mg/dLと低下. 皮膚の潮紅, 肺炎および呼吸抑制による呼吸不全を認めた. 血液透析で血清Mg値は低下したが, 翌日再分布によると考えられる再上昇をきたしたため血液透析を再度行い軽快した.<br>症例2は78歳, 女性. 慢性関節リウマチ, 腎機能低下で加療中に尿路感染症により腎機能が増悪し, 全身倦怠感, 見当識障害が出現したため入院. 血清Cr 6.56mg/dL, BUN 96mg/dL, 血清Mg 7.1mg/dLと上昇. 血液透析を3日間連続して行い軽快した.<br>いずれの症例もMg製剤の服用歴を有し, 高度な高窒素血症が存在しないにもかかわらず意識障害を呈した. 当院で2年間に血液透析導入時に血清Mgを測定した78例中, 中毒域の高Mg血症をきたしたのは今回提示した2例のみであった. その他に, 意識障害をきたした症例は低血糖の1例のみで, 尿毒症性脳症による意識障害はなかった. 今回の症例では緩下剤の連用および感染による慢性腎不全の急性増悪が重篤な高Mg血症の原因と考えられた. 治療として血液透析が有効であったが, 再分布による血清Mg値の再上昇に注意が必要である.
著者
高木 周 関 和彦 神保 泰彦 榛葉 健太
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-07-30

超音波の脳神経系の刺激に関しては,神経細胞レベルで発火が観測されている複数の報告がある一方,マウスを用いた動物実験では,脳への超音波刺激による運動誘発は脳神経系への刺激ではなく,聴覚を刺激する音の影響によるものとする異なる内容の報告がなされている.申請者らは,超音波が神経細胞の活動を誘発し,生体の運動誘発が達成できる可能性について,独自の実験系や数値解析手法を利用して,その詳細を調べる.本実験で得られた知見は,今後,脳神経系に損傷を与えない低強度の超音波による脳活動の活性化などへの応用に繋がり,将来的にはリハビリや認知機能の改善などへの革新的技術へと展開していくことが期待できる
著者
永井 哲夫 藤野 雅美 若林 類 角田 博之 高森 康次 角田 和之 高木 謙一 中川 種昭 宮岡 等 片山 義郎
出版者
日本歯科心身医学会
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.37-40, 2003

A 53-year old woman complained of a diverse range of symptoms, including sharp pain at the side and root of the tongue, feelings of anxiety, parching, depression, and exhaustion, and early-morning awakening. She had a high score of D on the Minnesota Multiphasic Personality Inventory (MMPI), and was diagnosed as suffering from light depression. Treated with 50mg/day of fluvoxamin, the insomnia was relieved after two weeks, the feelings of depression after four, and all symptoms, including the glossal pain, after eight. The dose was gradually reduced and then stopped altogether after six months. Fluvoxamin is easy to use in the ordinary dental clinical environment because it has almost no anticholinergic effects or cardiovascular side effects. It is thought to show promise for use as a medication for treating a variety of complaints in the oral area.
著者
澤山 英太郎 高木 基裕
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.441-446, 2010-12-20
参考文献数
22
被引用文献数
3

種苗生産場で生じたヒラメの逆位個体について,マイクロサテライト DNA マーカーを用いた遺伝的多様度の解析および DNA 親子鑑定により,発生要因の推定を行った。種苗生産には17個体の親魚を用い,96日齢時に正常個体52個体と逆位個体49個体を得た。ヘテロ接合体(観察値,期待値,観察値/期待値)およびアリル頻度において,正常個体群と逆位個体群で違いは見られなかった。マイクロサテライトマーカー座の多型により全ての親子関係を判別できた。親子鑑定の結果から,正常個体は7個体のメス親魚と5個体のオス親魚からなる14組から生じていることが分かり,また逆位個体は7個体のメス親魚と7個体のオス親魚からなる18組から生じていることが分かった。1個体のメス親魚は他の親魚よりも高い割合で逆位個体を産んでいることがわかった。以上の結果から,本異常の発生要因は後天的な影響が強いものの,一部のメス親魚は遺伝的もしくは他の母性要因により逆位個体を産生していることが示唆された。
著者
高木 浩一 齋藤 達也 日下 智博 坂本 裕一 高橋 久祐 成松 眞樹 長根 健一 山口 諒
出版者
農業機械學會
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.483-489, 2012-11-01
参考文献数
11

食用きのこの増収を目的に,電気刺激用パルス電源の開発と,それを用いて増収効果を検証した。木材腐朽菌のシイタケ,ナメコ,クリタケ,ハタケシメジの4種類を実験に用いた。パルス電源は,軽量コンパクト化が可能な誘導性エネルギー蓄積方式で構成した。電源出力は100kV以上,パルス幅は約100nsである。この電源でホダ木や菌床に高電圧を印加し,収量を調べた。電圧印加により,収量は1.3&sim;2.0倍に増加した。シイタケの4シーズンの累積収量は,電圧50または100kVの1回印加で,160から320gへ増加した。しかし電圧130kVでは240gに減少した。他のきのこも,50&sim;100kVで増収となった。
著者
和田 英夫 南川 光三 大岩 道明 兼児 敏浩 森 美貴 玉木 茂久 高木 幹郎 影山 慎一 片山 直之 南 信行 出口 克巳 白川 茂
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.773-776, 1991 (Released:2009-03-12)
参考文献数
7

特発性血小板減少性紫斑病(ITP), SLE, 慢性関節リュウマチ,再生不良性貧血患者の血中Interleukin-6 (IL-6)値を測定し,ITP例やSLE例では血中IL-6値の増加が認められた。またITPの治療にともない血中IL-6値は減少し,ITP発症時に血中IL-6値と血小板数は弱い負の相関を示した。この血中IL-6値の増加は,ITPの発症に免疫系の活性化が関与していることを示唆すると考えられた。
著者
高橋 正知 高木 香織 川端 淳 渡邊 千夏子 西田 宏 山下 紀生 森 賢 巣山 哲 中神 正康 上野 康弘 斉藤 真美
出版者
中央水産研究所
雑誌
黒潮の資源海洋研究 = Fisheries biology and oceanography in the Kuroshio (ISSN:13455389)
巻号頁・発行日
no.11, pp.49-54, 2010-03

マサバおよびゴマサバの資源研究において、加入量およびその加入機構を解明することは重要であるが、仔稚魚を含む加入以前の個体についての知見は乏しいのが現状である。マサバ、ゴマサバ太平洋系群の当歳魚は、本邦太平洋南岸で発生し、黒潮に移送されて黒潮親潮移行域に広く分散、北上し、その後、道東~千島列島沖合域で索餌、成長後、本邦近海に南下して資源に加入するものと考えられている。そこで本研究では、2007年5~7月の北上期および2007年9~10月の索餌期に行われた調査船調査からさば類当歳魚の分布を明らかにし、得られた標本を用いて、日齢解析により稚魚~幼魚期の成長様式および孵化時期の推定を行うことを目的とした。
著者
近藤 有輔 高原 里奈 毛利 広野 高木 牧人 前田 理 岩佐 豪 武次 徹也
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.64-69, 2019
被引用文献数
2

<p>原子クラスターは自由度が高いために多くの構造異性体を持つ.通常の理論研究では,その最安定構造の探索と続く電子物性解析が主であったが,近年の理論化学的手法の発展により,安定構造間の異性化反応や,異性体を含めた触媒活性の研究が可能になってきた.本研究では,金,銀,銅のクラスターを対象として安定構造および異性化反応経路,およびNO解離の触媒反応経路の探索を行いその比較を行った.異性化反応の計算からは,金と銀に比べると銅は異性化反応の障壁が高く,これはバルクのモース硬度と同様の傾向を示していた.NO解離反応の触媒作用に関しては,金と銀は障壁が高い一方で,銅は障壁が低く,安価で豊富な元素による触媒の可能性があることが分かった.</p>
著者
上坂 克巳 木村 健治 大西 博文 千葉 隆 高木 興一
出版者
社団法人 日本騒音制御工学会
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.233-242, 2001-08-01
参考文献数
7
被引用文献数
9

平面道路に面した市街地を道路近接建物列と背後建物群に大別してモデル化し, 道路と平行な評価区間における等価騒音レベルの空間平均値 (区間平均等価騒音レベル) を簡易に計算する方法を検討した。道路近接建物列の間隙率及び背後建物群の建物密度, 奥行きをパラメータとして計算する方法と, 対象街区全体の平均的な建物密度だけをパラメータとして計算する方法を提案し, それらの計算方法の妥当性を全国33箇所におよぶ現地調査結果との比較により検証した。その結果, 前者の方法がやや計算精度が高いものの, 両方法とも沿道騒音の広域的な予測・評価には十分活用できることが明らかとなった。