著者
井山 政志 清本 晋作 福島 和英 田中 俊昭 高木 剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.7, pp.579-587, 2012-07-01

ペアリングを用いることで従来実現困難な暗号プロトコルが構成可能になる.ペアリング暗号の高速な実装を目的として,ηTペアリング,R-ateペアリング等の高速なアルゴリズムが提案されている.そして,ペアリングはPCだけでなく,ユビキタスデバイス(携帯電話,センサノードやSmartcard)においても実装が行われている.しかし,Windowsのような高性能なOSを搭載しない携帯電話や,Java言語がベースのAndroid携帯電話におけるペアリングの実装報告は少ない.本論文では,128ビットセキュリティレベルのR-ateペアリングとηTペアリングをAndroid携帯電話とBrew携帯電話において実装評価を行う.またそれぞれの携帯電話において,ペアリング演算とべき乗演算との実装比較のデータを示す.また,ペアリングを用いたIDベース暗号とShort Signatureのプロトコルの実装に関する報告を行う.
著者
高木 理 竹内 泉 高橋 孝一 和泉 憲明 村田 晃一郎 池田 満 橋田 浩一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

複数の医療機関の間で医療サービスの質を公平に比較可能にする質指標を定義しその値を計算する方法を論ずる。特に、本発表では、医療サービスという公共性の高いサービスに対して、質評価の定性的な内容や趣旨の説明可能性を維持しつつ、量としての計算可能性や数値比較が厳密に出来ることを両立させる質指標の設計および運用の枠組みと、その効果・課題・問題点を整理する。
著者
矢田 努 高木 清江 仙田 満
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.629, pp.1441-1448, 2008-07-30
被引用文献数
1

Forty-eight cases of collegiate lecture rooms were psychologically assessed by students during regular classes through a semantic differential technique. Multi-variable analyses were then applied first to extract the structure of evaluation and then to predict students' satisfaction which represented the first and primary factor, namely, "overall evaluation." Other factors were "lecture content," "acoustics" and "communication." Spatial and environmental planning guidelines for enhancing students' satisfaction as interpreted from the multiple-regression equation which explained 72.3% of variance were lower students' density, higher level of illumination, curbing of natural lighting and increased main window area per total wall area. Larger room depth as well as larger desk size increased satisfaction. Illumination, however, should be given priority over room depth. Twenty to thirty percent of illumination increase should compensate twenty percent decrease in room depth.
著者
高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.193, pp.45-50, 2006-07-21

平成18年(2006)6月6日(火)から9日(金)まで、仙台国際センターにおいて第23回電気接点国際会議(略称ICEC2006/Sendai)が開催された。本報告はその会議報告である。
著者
三上 かつら 高木 憲太郎 神山 和夫 守屋 年史 植田 睦之
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.112-123, 2012 (Released:2012-04-27)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

本研究では,渡り性の水鳥類の全国的な渡来地について,規模の大きな渡来地や希少種の渡来地が保護区域に指定されているか,日本に渡来するガンカモ類やシギ・チドリ類の生息に各渡来地がどのように寄与しているのかを解析し,重要な渡来地でありながら保護区域に指定されていない場所の抽出を行なった.河川湖沼の鳥の調査サイト84カ所のうち,35.7%が特別地域,22.6%が普通地域,41.7%が未指定であった.干潟の鳥の調査サイト152カ所のうち,10.0%が特別地域,24.7%が普通地域,66.7%が未指定地域であった.個体数,ラムサール基準値(一部フライウェイ基準値)を超えた種数に着目すると,河川湖沼の鳥が多数訪れるサイトは比較的保護されているが,干潟の鳥が多数訪れる場所については保護指定が遅れている状況が示された.また全ての渡来地を希少種の渡来数に対する寄与率で順位づけしたところ,希少種が多数渡来するサイトは限定的であり,全体的に渡来数数の多いサイトが少数あり,渡来数の少ないサイトが残り多数を占めるという傾向がみられた.したがって,ガンカモ類,シギ・チドリ類といった渡り性の水鳥が集団で生息する特性も考慮すると,保護区による保護が効果的であるといえる.今回検出された寄与率の高かったサイト(大授搦,曽根干潟,泡瀬干潟,宇佐海岸,大阪北港南地区,白川河口など)は優先的に保護区域に指定される必要があるだろう.
著者
高木 俊暢
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

「あかり」衛星による連続体な近-中間赤外線による測光観測結果を用いることにより、多環芳香族炭化水素(PAH)による特徴的な放射特性を捉えられることを示した。つまり、「あかり」衛星では、PAH放射が強い銀河を、分光せずとも、測光観測のみで同定することができる。この特徴を活かし、私たちは、PAH放射の強い銀河を同定する方法を確立した。この方法では、7および11μm、または、9および15μmで定義される色で、非常に赤くなる天体に注目する。この色は、フラックス比で8倍に相当し、活動銀河核やその他PAH以外の放射特性では再現できない色である。つまり、これら赤外線で明るいPAH銀河は、AGNではなく、純粋に爆発的な星生成活動によって明るくなっている天体と考えられる。近傍では、赤外線光度が10^<12>太陽光度を超える超光度赤外線銀河は、全赤外線光度に比べて、PAH放射が弱く、AGNの全光度への寄与、または、PAH放射のダストによる吸収があると考えられる。一方、「あかり」で見つかった赤方偏移1付近のPAH銀河は。超光度赤外線銀河でありながら.PAH放射が強く、中間赤外線でのスペクトル特性は、純粋なより小規模な爆発的星生成銀河のそれと矛盾しないことを示した。
著者
深尾 百合子 池田 浩治 並木 美太郎 高木 隆司
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

レポート等の文章を書く能力を養成するための教材を作成した。理工系の留学生の最終目的が科学技術論文,レポート,レジュメを書くことを考慮して,題材を基礎科学分野(中学・高校レベル)からとった。開発教材は15のトピックからなっている。これらの教材の開発については「理工系留学生を対象としたボトムアップ型の作文指導および教材開発」という題で研究発表を行った。上記の教材を使って留学生を対象に作文指導を行ったところ,1つの教材に対して様々な解答文が可能であることが明らかになった。そこで,科学技術文として適切な解答文はどのようなものであるかを明らかにするために,教材[木炭の燃焼]を使用して日本語母語話者73人の解答文を収集した。これらの解答文を工学部専門教官3人(分担者を含む)に評価してもらい,この結果について分析を行った。評価の高かった解答文の分析により,科学技術文として不可欠な要素が抽出された。また,評価の低かった解答文データから,不適切とされた箇所を取り出し分類した。この研究結果を,論文「科学技術作文教材の開発およびモデル解答作成のための解答文分析」にまとめた。また,工学系学部日本人学生のレポート文を収集し,レポートの「考察」部分(一部結果を含む)の文章をデータベース化した。これらの文章を工学部専門教官に「考察」として適切な構成,表現であるかを評価してもらい,共通する欠点をまとめた。また,個々のレポートについてのコメントも記述した。
著者
高木 亮 田中 宏二
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.165-174, 2003-06-30
被引用文献数
2

本研究は公立小・中学校教師の職業ストレッサーにはどのようなものがあり,どのようにストレス反応を規定するのかを検討することを目的とする。欧米の先行研究における職業ストレッサーの体系的な分類を参考に我が国の教師に見合った職業ストレッサーに関する質問項目群を設定した。これにストレス反応としてバーンアウト尺度を加えた調査を小中学校教師710名を対象に実施し検討を行った。その結果,「職務自体のストレッサー」が直接バーンアウトを規定していることと,「職場環境のストレッサー」は「職務自体のストレッサー」を通して間接的にバーンアウトを規定していることが明らかにされた。また,「個人的ストレッサー」については相関分析で検討を行った。
著者
新木 真理子 大津 厚子 吉原 悦子 高木 真理
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.10-18, 2006-02-28
被引用文献数
3

本研究は、「高齢者の自発性を高めるアプローチ」に関する学内演習および臨地実習の学習成果を明らかにした上で、演習と実習の望ましい連動について検討したものである。大学3年次の看護学生を対象とし、学内演習と臨地実習における学生の自己評価および記録を分析した結果、20の学びの項目が抽出された。また、学生の演習自己評価と実習自己評価には相関があり、実習時の「満足感」に関する自己評価高・低得点群と、演習時の「GW参加度」に関する自己評価高・低得点群は、有意な関連がみられた。「高齢者の自発性のアプローチ」に関して、実習の教育効果を高めるには、演習において、基本的な患者-援助者間の相互作用や個別性の重視について、学びを深めることの必要性が示唆された。
著者
森 美穂子 堤 明純 高木 勝 重本 亨 三橋 睦子 石井 敦子 名切 信 五嶋 佳子 石竹 達也
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.113-118, 2005-05-20
参考文献数
13

交代勤務経験の有無と退職後の生活の質,特に睡眠の質との関連性を明らかにするために,ある製造会社の退職者777名を対象に質問紙調査を行った.質問内容は,既往歴,現在の健康状態,食習慣,アルコール,喫煙,運動,睡眠,在職中の勤務状況(職種,交代勤務経験,交代勤務経験年数,副業),現在の就業状況,社会参加,学歴,性別,年齢,退職後の年数であった.「現在の健康状態(オッズ比4,318,95%信頼区間2.475-7.534)」「交代勤務経験(2.190,1.211-3.953)」「現在の就業状況(1,913,1.155-3.167)」「食習慣(1.653,1.055-2.591)」が多変量解析によって退職後の睡眠障害と有意に関連した.退職後の睡眠障害を防ぐには正しいライフスタイル,良好な健康状態を保つことが,特に交代勤務経験者において大切である.
著者
佐久間 正泰 小田 健市 高木 市教 三田 安幸 梅田 臣也 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.649, pp.125-130, 2005-01-28
被引用文献数
1

ゴルフ中継において、3次元形状計測による正確なデータを用いて描いたCGで、グリーン上のアンジュレーション(起伏)をより分かりやすく表現できるシステムを開発した。バーチャルシステム用カメラ雲台を使い正確なカメラデータを取得することにより、グリーンの実写映像から、同じカメラ位置のCG映像に滑らかな乗り換えを行う。その後、ゴルフ選手が行うように、低い視点から、ボール側からカップ側、または、カップ側からボール側を見るなど、CG内で自由な視点変更を行うことで、効果的にアンジュレーションを表現できる。今回、このアンジュレーション表示システムの開発について紹介すると共に、第69回日本オープンゴルフ選手権中継で本システムを使用した例を報告する。
著者
木下 健 高木 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-53, 2005-06
被引用文献数
2

The present paper proposes a Sailing Wind Farm as main energy resource with small load on an environment. It sails around EEZ of Japan seeking appropriate breezing and avoiding meeting heavy storm like Typhoon. This is a concept of main energy resource of Japan to minimize environmental load when fuel cell and hydrogen will be available for daily life. A prototype design shows feasibility of safe sailing even in case of Typhoon and structural strength in storm. If Sailing Wind Farms, 3900 units of the prototype replace coal power plants, then we can obtain 18% of total electric power generation of Japan and reduce 10% of exhausting CO_2 of the 2002 level.
著者
高木 久 福田 俊 飯田 治三 佐藤 淳 佐藤 れえ子 内藤 善久
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.311-316, 1996-04-25
被引用文献数
4

ビタミンAD_3E(V-AD_3E)の合剤, ビタミンA(V-A)あるいはビタミンD_3(V-D_3)の単剤を哺乳期の子牛へ生後7日齢から10日間大量経口投与し, 牛ハイエナ病の発症試験を実施したところ, V-AD_3E剤(日量V-A 300万I.U., V-D_3 30万I.U., V-E1, 200I.U.)を投与したV-AD_3E群(2頭中2頭), その半量を投与したHalf V-AD_3E群(2頭中1頭), およびV-A 300万I.U.を投与したV-A群(2頭中1頭)の計4頭に発症が認められたが, V-D_3 30万I.U.を投与したV-D_3群では観察されなかった. 発症子牛では, V-Aの過剰を示す血中のエステル型のV-A(レチニルパルミテート)が高値を示し, 長骨の成長軟骨板は狭窄や構造の変性などを示した. V-AD_3E群はV-A群と比較して, 発症年齢が早く, 体重増加率の低下および後肢だけでなく前肢の成長不全も重度であった. 以上, 牛ハイエナ病は, 子牛の成長軟骨板に対する過剰なV-Aの作用により発症し, さらにV-D_3によって発症が促進されるものと推測された.
著者
高木 浩一 山口 利幸 岸本 昇
出版者
和歌山工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

梅干しの調味廃液の有効利用を図るために、(1)調味廃液中のグルタミン酸,クエン酸などの有効成分の分離回収、(2)調味廃液に含まれる糖およびクエン酸を用いたムメフラールの合成法の確立、(3)調味廃液中の色素を用いた色素増感型太陽電池の作製に関する研究を実施した。その結果、(1)選択的回収法に関する知見を得た、(2)調味廃液からマイクロ波を用いた反応で5-ヒドロキシメチル-2-フルフラールの合成に成功した、(3)太陽電池を作製し、発電を確認した。
著者
加藤 邦庸 高木 浩一
出版者
岩手大学地域連携推進センター
雑誌
岩手大学生涯学習論集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.48-68, 2009-03-01 (Released:2016-05-17)

「ロボット大会」をものづくり教育などに活用する動きは、ますます広がっている。代表的なものとして、NHKで放送されている「高専ロボコン」(1) がある。テレビ番組で継続して放送され注目を浴びる理由として、ロボットに対して興味を持っている人が多いことや日本において、ものづくり教育の必要性が高まっていることがある。また、ロボットをターゲットとした大会はこの他にもいくつかあり、参加資格は大会にもよるが子どもからお年寄りまで幅広く対応しており、比較的解放的なものとなっている。これらのことから、「ロボット大会」をターゲットとすれば、成果が目に見えて理解しやすいため、学生も興味を持って取り組み、ものづくり教育のいい教材となる。加えて大会優勝という明確な目標があることから比較的良好な教材になると考え、本稿で述べるロボット大会参加へ向けた取り組みを行った。