著者
荻野 達史
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

(1)日本における産業精神保健の歴史を詳細に記述し整理することができた。これは、この領域については先行研究がないため、新たな課題への研究上の基礎を築くものである。(2)この問題の中核的な社会的背景となる個人化についての研究を進めた。具体的にはU. BeckのIndividualizationの翻訳プロジェクトを立ち上げ、来春には刊行の予定である。(3)小中学校教員のメンタルヘルスに関する調査票調査を教員組合と協力して実施した。高い回収率を達成でき、分析を継続している。
著者
前田 一男
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、主に2つあった。第1は、新たに発掘された森戸辰男(1888年〜1984年)関係の諸史料を整理分類し、データベース化したうえで文書目録を作成・公刊することである。このことによって、膨大な森戸関係の文書整理は、ひとつの段階を終えることになるだろう。第2は、それらの諸資料を活用して、特に中央教育審議会において4期連続で会長の職にあった時期(1963年6月〜1971年7月)を中心に、高度経済成長期における教育政策分析の基礎研究を行うことにある。政府・財界と教育運動との対立といった単純な図式を越えた基礎研究の必要性が求められている。このような研究目的に即して、3年間の研究実績は、以下の2つの点に認められる。第1に、森戸関係資料の段ボール箱98箱の分類整理作業が精力的に進められた。文書の整理作業は、有効な分類項目が検討されながら進められた。分類整理の段階は、史料の多寡(量)によってまとまりをつけている段階で、それらをさらに質的な観点から分類していくことを課題とした。とくに◇日本学術会議・教育美術振興会、国立大学事務局長会議・教育刷新委員会・国際理解研究会・日本育英会・教育改革・教育(社会・一般)は、さらなる分類が必要であり、◇森戸メモ、◇森戸講演関係、◇森戸宛書簡、◇森戸原稿は、分類整理に工夫を要する項目である。第2は、現在までに分類整理を終えた資料の文書目録を作成することである。現段階で整理し分類しうる範囲での、森戸辰男関係資料目録の作成を行った。森戸の広範な活動が浮かび上がらせることができるよう、(1)戦前・戦中、(2)戦後I、(3)原稿・その他、(4)書簡、(5)中央教育審議会関係資料の観点から『森戸辰男文書の分類整理に基づく1960年代教育政策分析の基礎研究』として研究成果を刊行した。
著者
大塚 洋子
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

福島県の過疎地金山町を調査地域として選定し、高齢者の生活自立を支援する子世代である30歳代から50歳代の住民に対し、健康づくりや今後の生き方に関するアンケート調査を実施した。その結果は以下のようであった。1.健康づくりのために定期的な健診受診、十分な睡眠休養、気分転換の心がけについては実行率が高いものの、定期的な運動は低かった。2.健康づくりの施策として、運動環境の整備や精神保健事業の充実が高く望まれていた。3.自分の老後について考えている者は、半数以上であり、好きなことを優先する、のんびり気ままに過ごす、近所づきあいを大切にする生き方は高く望まれていた。4.ボランティア活動には6割以上に参加の意思をもっており、興味のある活動内容は、地域活動、環境活動やスポーツレクリエーション活動であり、国際交流活動や児童や障害者を対象とする活動は低調であった。5.世代間交流が重要であると捉えられており、世代間交流を進めるにあたっては餅つきや祭りなどの伝統行事、共同農作業、伝統芸能やむかし遊びなどの企画に高い関心がみられた。生活の質の向上においては、生活の安心と安定、生活の自立が重要であり、とりわけ生活支援は、支援する側と支援される側双方の健康資源が重要となること、また、生活の拠点である地域に根ざした、相互の助け合い支援としてのネットワークを活用しての健康資源の向上への期待は大きく、地域特性を配慮したきめ細やかな施策の取り組みが個人の主体的な取り組みとともに、地域社会の健康実現に肝要といえることを明らかにした。
著者
山川 充夫
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

地方都市の中心市街地空洞化は、世界都市化経済のもとでの都市システムの変容、都市化経済のもとでの郊外化、少子高齢化社会での空間市場縮小といった3つ過程の複合化現象として捉えられ、少子高齢社会では人口の空間的流動性が二極化していくので,地方における中心部の機能構築と空間整備は定着性の強い人口に焦点を当てて都市空間整備を行なう必要ある。地方都市の中心市街地の空洞化を促進したのは、改正大店法である、これは大型店出店を原則自由とするもので、巨大化・複合化戦略のなかで資本規模の大小にかかわらず、売場面積の拡大をはかりつつ、大店舗網のS&Bを進めた。例えばジャスコは提携・合併を繰り返し,中部・近畿をホーム地区としつつ全国に拡大しつつ、店舗のS&Bを進め、店舗が「ストック」としてではなく,「フロー」として取り扱われていること、そして規模と業態の異なる店舗を組み合わせて商圏の重層的掌握をねらっている。地方中核都市を中心とした30都市を選定し、小売業概況、大型店立地動向、中心市街地における商業活動や歩行者通行量、中心市街地再構築の視点などを人口規模別に検討すると、商業集積拠点としての中心市街地が維持されうるか否かの分岐点は人口規模20〜30万人台にある。また福島県内においてみると、一方の極としては地方中核4都市における駅前型・市街地型の商業集積の空洞化が進んでおり、他方の極としては郊外におけるロードサイド型ないしは郡部町村での商業集中の動きがあり、これらの動きの中間地帯に住宅背景型や中小6市の中心市街地が位置している。地方都市の中心市街地を活性化するには、消費者ニーズに対応した業態の転換や質の良い商品・サービスの品揃えを充実しなければならず、同業種・異業種を含め魅力ある個店が集積させることによって中心的機能としての結節性を獲得できる。当面の活性化のポイントはTMOであり、なお個性を見出せないが、特定会社型は商工会商工会議所型に比べれば、まちづくり運動に一定の蓄積があり、より多様な活動を行っている。例えば福島県会津若松市七日町通り商店街では「商業の活性化」ではなく、明治・大正期の建物の「修景を軸とした」まちづくり運動がワークショップ方式で進み、修景事業による空き店舗の解消、基本計画の策定、イベント導入などが積極的に進められ、会津若松市のまちなか観光の中心的役割を果たすまでになった。
著者
山下 博司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、インドの近代を準備するに当たってのヨーロッパ宣教師の貢献について、彼らの「文化適応(インカルチュレーション)」という行為・方法を通じて浮き彫りにしようとする試みである。考察の中心に、南インドで展開したイエズス会のマドゥライ・ミッションを据え、彼らがヒンドゥー教の支配的な環境の中でどのように宣教活動を繰り広げたのかを、現地語(タミル語)による創作活動・翻訳活動に焦点を当てて検証しようとするものである。ヨーロッパ人宣教師たちのインド近代文学の生成に果たした役割を吟味することで、具体的側面からキリスト教ミッションの近代史における役割を再考しようとしたものである。研究対象は、エンリケ・エンリケス、ロベルト・デ・ノビリ、コンスタンツォ・ジュゼッペ・ベスキに絞り、彼らの文学作品を収集し、読解して分析することで、文献に即して実証的に跡づけるという方法を採った。また、インドにおける現地調査を行った成果も、本研究の中には活かされている。特に、積極的な文学活動を展開し、南インドの印刷・出版の黎明に大きな貢献を為したデンマーク・ミッション(ルター派)の根拠地であったタミルナードゥのトランキバールでの取材、およびC・J・ベスキが長年にわたって宣教活動を行い、中世末期キリスト教文学の代表作である『テーンバーヴァニ』を著した場所・イェーラークリッチでの取材は、本研究成果報告書にも纏められ、有機的関連のもとに数編の論文の一つを構成している。これらに加え、現代アジアにおけるキリスト教、特にカトリシズムの問題をめぐって、「宗教多元社会」、「グローバリゼーション」、「異宗教間対話」の観点を踏まえて報告した<現状調査広告>の2編収録している。
著者
松尾 和典
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

サシバエは吸血性の畜産害虫である。吸血には強い痛みをともなうため、肉用牛・乳用牛ともに多大なストレスを受け、生産性への悪影響が報告されている。さらに、サシバエは牛伝染性リンパ腫ウイルスをはじめ、多くの家畜病原体の媒介者でもあることから、有効な防除法の確立は喫緊の課題である。こうした中、申請者は国内で初めてサシバエの天敵寄生蜂を発見した。この寄生蜂の持続的な活用を目標に、本研究では、下記3点の調査結果を総合しサシバエの保全的生物的防除の基盤を整備する。①全国各地での寄生蜂の種構成の解明、②寄生蜂の発生消長の解明、③サシバエと主要寄生蜂の地理的遺伝構造の解明
著者
平井 宏昭
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

月面基地や有人火星探査のための食料生産への関心が高まっており、イネは宇宙における日本特有の栽培作物候補として極めて有用である。超矮性イネ‘小僧の栖’は世界最小の糯種であり、水田において草丈約30cmのコンパクトな草姿は、宇宙の狭い閉鎖環境内での栽培に最適である。本種を栽培するための装置と管理方法の開発は必須である。また、食味についての評価も必要である。そこで、水田と容器栽培による生育と収量を調査するとともに、コメの成分と食味について明らかにした。さらに、新たなイネ栽培装置を企画し、新規のLED照明を備えた装置を組み立て、性能を評価した。
著者
藤永 壮 伊地知 紀子 高 正子
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、まず血縁と地縁で結びついた在日朝鮮人のネットワークが、その渡航過程や日本での生活において果たした役割を究明するため、済州島のある村の住民たちの、解放直後から1970年代ごろまでの生活史を復元しようとした。その結果、とくに解放後の済州島側のプッシュ要因としては、済州4・3事件が重要であり、また多くは「密航」という形態で渡日していたことを指摘した。さらに朝鮮人の「密航」をめぐるインタビューの記録を韓国で刊行し、近現代史の中でのディアスポラとしての朝鮮民族の姿を描き出した。
著者
宮脇 美保子 宮林 郁子 谷垣 静子 酒見 隆信
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

看護師がとるべき倫理的行動について判断できているにもかかわらず、その判断に従って行動できないことにより生じる「倫理的悩み」についてのインビューを中堅看護師を対象に行った。データをM-GTAを用いて分析した結果、【患者の尊厳を傷つけること】【看護師の都合を優先すること】【必要なケアを省略すること】【ケアの公平さを欠くこと】【患者に対して誠実さを欠くこと】【組織から行動を制約されること】の6つがカテゴリー化された。「倫理的悩み」は看護師に〈後ろめたさ〉〈あきらめ〉〈無力感〉〈感情の平坦化〉といった心理的ダメージを与え、看護の質に影響を及ぼしており、倫理的支援システム構築の重要性が明らかとなった。
著者
布目 寛幸 池上 康男
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

サッカーにおいてより速いボールを蹴ることは重要な能力のひとつである。日々のトレーニングを通じて選手達は以下に足部と脚の運動量を効果的にボールに伝える術を習得する。本研究では、子どもから青年期までのサッカー選手を対象にインステップキックにおけるボールインパクトの特性の横断的な変化を概観した。8歳~24歳までの選手(プロ選手を含む)を対象に2台の超高速度カメラを使い、ボールインパクト局面における下腿部、足部、ボールの動きを毎秒2000コマの速度で撮影した。3次元映像解析法から足部の3次元的な動きを定量化するとともに、よいボールインパクトの指標であるボール/足部速度比を求めた。さらにボールインパクトに有効なstriking mass(有効質量)との関係を求めた。ボールインパクト直前の足部速度、ボール初速度、ボール/足部速度比は年齢とともに一定の増加傾向を示した。ボールインパクト中の足部の動きは年齢を問わず、ほとんどの被検者で底屈、外転、外反していた。本研究ではAsami and Nolte(1983)による足関節の固定具合がよりボールと足部のインパクトの重要な要素であるという示唆とは異なり、前述した受動的な足関節の動作とボール/足部速度比との有効な関係をみつけることができなかった。(足部)有効質量は、被検者の体重(r=0. 89),足部質量(r=0. 91)およびボール/足部速度比(r=0. 89)と強い相関を示した。Lees and Nolan(1998)は、足関節の固定により、足部のみならず下腿部の質量を有効質量に加えることができると推測しているが、本研究の結果からは、足部がボールにその重心付近の適切な位置でインパクトするならば、サッカーインステップキックのボールインパクトは、ほぼボールと足部のみの衝突であると考えることができた。したがって、身体のサイズ≒足部の質量は、ボールインパクトの効率に大きな影響を与え、特に身体のサイズが小さい子どもはこの観点から技術的ではなく、物理的なハンデがあると考えられた。
著者
平林 二郎 吹田 隆道 名和 隆乾
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

既存の仏教学研究では,初期仏教文献は韻文の伝承を基に散文経典を作成した,というのが定説となっていた.しかし,近年の研究成果から初期仏教文献の原形には韻文のものと散文のものがあり,韻文のものについては仏教以外の宗教やインドの叙事詩の思想などが組み込まれていると明らかになってきている.それでは仏教教団はどのように仏教外の思想を初期仏教文献に組み込んでいったのか.本研究は韻文経典と散文経典を分けた新たな初期仏教文献史の構築を目的とし,経蔵と律蔵にみられる経典読誦の分析,在家者による経典読誦と出家者による経典読誦の実態解明を行い,不明な部分が残る古代インドの仏教教団と在家者の関係性を明らかにする.
著者
大原関 一浩
出版者
西南学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

明治・大正期、中国や東南アジアに渡航し売春に従事した「からゆきさん」については注目されてきたが、英語圏の諸外国に渡航した「からゆきさん」についての研究は進んでおらず、未だ解明されていない点が多い。本研究では、アングロアメリカ系が政治的に支配的な勢力を持った太平洋の諸地域―カナダ・アメリカ合衆国・ハワイ・オーストラリア・アラスカ―における性管理のあり方と日本人売買春の実態について検討を行う。そのために、これまで日本国内の研究では十分に利用されてこなかった海外現地における英語の公文書を収集・分析し、どのような論理と社会的状況下で日本人売買春が広まり管理されていたのか、その実態を明らかにする。
著者
塚本 敏夫 小村 眞理 橋本 達也 初村 武寛 田中 由里
出版者
公益財団法人元興寺文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

(1)東アジア出土甲冑の比較研究による再整理の結果、韓半島でも鉄革併用甲がたくさん存在することが判明した。また、腰札で、草摺部を連結するタイプの小札甲が日本にも入っている可能性が判明した。裲襠式の存在については椒浜古墳出土品の調査ができず、結論は次の機会に先送りとなった。(2)復元模造品による武具の堅固性の比較実験の結果、連結材として、組紐が革紐より強度的に優れていることがわかった。(3)武器武具の祭祀具(鎮物)としての利用について古墳時代から室町時代にかけ、沖縄から北海道にかけて行われていたことが調査の結果判明し、武器武具祭祀には3つの画期段階が認められた。
著者
静 貴生 樋口 和秀 富永 和作 後藤 昌弘 紀 貴之 山口 敏史 宮本 敬大 島本 福太郎
出版者
大阪医科薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

炎症性サイトカインであるinterleukin-6(IL-6)は、がん細胞の増殖・浸潤・転移に関わり、また抗がん剤による殺細胞効果に対して抵抗性を示すことが知られている。一方で臨床上問題となる悪液質も、がん組織から産生されるIL-6により惹起されることから、腫瘍-宿主の相互作用におけるIL-6が中心的役割をになっていることが理解される。IL-6調整作用を有する漢方薬(補中益気湯)は、病状改善の候補薬として十分に期待される。本研究では、がん患者に対する漢方薬併用と、腫瘍増殖抑制の付加的効果、化学療法継続期間の延長、悪液質の抑制など、治療からQOLの側面に到るまでを、IL-6の血中動態と共に評価し、漢方薬の有効性を解き明かしエビデンスを構築する。膵癌および大腸癌を対象に漢方投与群と非投与群へランダムに分け、使用薬剤:[(補中益気湯7.5g分3+牛車腎気丸7.5g分3)+桂枝茯苓丸7.5g分3]を登録日より上記用法にて一次化学療法終了まで連日投与を行う。治療開始前、治療開始2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後の合計6回採血を行いIL-6の測定を行う。本年度は研究経過に基づき、対象患者へのリクルートおよびIL-6の採血を行い、SRL社に依頼しIL-6の測定を行った。
著者
渡部 明彦 森井 章裕 小川 良平
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

血管内皮細胞に超音波照射することによってヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)が発現増強することを見出した。プロモーターアッセイおよびマイクロアレイ解析により、酸化ストレスによるNrf/StREシグナル経路が関与していると考えられた。またラット陰茎に照射した場合においてもHO-1発現が確認できた。HO-1は抗炎症作用、抗酸化作用、血管拡張作用、血管修復作用など様々な作用を有しており、HO-1を発現誘導する超音波照射は勃起不全治療への臨床応用が期待できるものと考える。
著者
塩谷 英之 宮脇 郁子 北野 貴美子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究を通じてメタボリックシンドローム患者の運動介入に関しては運動量増加という観点から歩数の増加、体力増加などを積極的に支援していくことの重要性が明らかとなった。ただ運動量の増加だけでは不十分で一方では血圧低下の観点からはリラックスを主目的とした東洋的運動の効果も重要であり、日常生活にこれらの有酸素運動と東洋的運動をうまく組み合わせることで効果的な運動療法になると考えられた。したがって運動療法支援にはこれらの運動を組み合わせて支援することが重要と考えられた。
著者
熊澤 恵里子
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

幕末維新期来日外国人の平田国学研究の事例として、アーネスト・サトウとペーター・ケンペルマンを中心に日英独における史料調査・収集を行った。ドイツ書記官ケンペルマンについては、先行研究がなく詳細は不明であったが、本研究では現地調査により出自、学歴、職歴をはじめ、その人物像ならびに平田国学への関心を明らかにした。
著者
鈴木 智大 前川 文彦 浅川 倫宏 崔 宰熏
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

スギヒラタケは食用とされていましたが、摂取者に原因不明の急性脳症が相次ぎ、現在もその毒性メカニズムは不明のままです。申請者らは複数の毒成分が、スギヒラタケによる急性脳症の発症機構に関与するという以下の仮説を立てています。本研究ではこの説を立証するだけでなく、この毒性物質の新規なタンパク質分解活性に着目することで、治療・予防への道筋を切り開くとともに新たな酵素としての応用展開を目指します。
著者
清水 惠子 松原 和夫 浅利 優
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

医薬品の犯罪への使用は、目的外使用であるから、刑事裁判の審理に必要な医薬品のデータは整備されてない。ベンゾジアゼピン系薬物が犯罪に使用される場合を想定した、薬剤の飲料への溶解試験と、投与後の一見大胆に見える被害者の行動解析を動物実験により検証した。
著者
安藤 宏 今村 泰弘 増田 裕次 北川 純一
出版者
松本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

咽頭・喉頭領域の感覚は、迷走神経の分枝の上喉頭神経に受容される。この神経において43℃以上の温度およびカプサイシンに活性化されるTRPV1チャネル、冷刺激やメントールに応答するTRPM8チャネル、冷刺激やマスタードに応答するTRPA1チャネルが発現していることを免疫組織学的方法により明らかにした。さらに、これらのチャネルの活性化物質であるカプサイシン、メントールおよびマスタード成分による咽頭・喉頭領域の刺激は、嚥下回数を顕著に増加させた。これらの結果から、上喉頭神経に発現するTRPV1、TRPM8およびTRPA1を介して、嚥下が誘発されることが示唆される。