著者
内田 千代子 高橋 由光 杉村 仁美 UCHIDA M KING R OSTROFF R FINN-STEVENSON M
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本自殺予防教育により、多くの学生が「自殺の危険のある友人に、効果的に支援を申し出ることが自分にできる、自殺したいと思っているか聞ける、それにより友人を救う可能性がある」「死別による悲しみで苦しんでいる人に、カウンセリングや精神科受診を進めることがあると思う」と感じるようになった。友人の危険に際し適切な援助を勧めることができることによる自己効力感(self-efficacy)、遺された人をサポートできる力をもち、ピアサポーティブな行動をとれる学生を養成するという本研究の目的に叶った効果が認められた.
著者
吉村 誠 葛 崎偉 中田 充
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,頭に浮かぶイメージから的確な言語表現を見いだす「思考イメージの言語表現支援システム」を実現することを目的としており,以下のような技術の開発を行うものである.1)単語から連想語を導き出す機構を構築する.2)単語から文例を導き出すプロセスを実現する.3)1)と2)を統合することにより,「思考イメージの言語表現支援システム」を実現する.1)を実現するために,概念階層を持つ連想語辞書を構築した.また,2)のために毎日新聞社の新聞記事データを用いた文例DBを実装した.連想語辞書の構築にあたっては,基準辞書としてEDR電子化辞書を用い,その概念階層を利用して連想語を求める仕組みを構築した.その際,EDR電子化辞書の「関連概念」と,他の電子化辞書中の関連語,反義語などを登録できる機能を辞書システムに持たせることで,概念体系を横断した検索を実現した.文例DBでは,指定されたキーワードを含む文例を高速に検索する必要があるため,連想語辞書にある単語と文例データベース中の文例との間の対応表を作成し,全文検索を行う際の時間の短縮を実現した.さらに,キーワードを入力して,文例を提示する「思考イメージの言語表現支援システム」のプロトタイプを作成した.最後に,連想語辞書の妥当性を検証するために,50人程度の被験者に対してアンケートを行い刺激語から導き出された連想語が被験者にとって妥当であるかどうかを評価した.その結果,妥当な連想語が求められているものの,ある種の連想語についてはその妥当性に問題があることも判明した.また,刺激語・連想語から導き出した文例についてもその妥当性を検証するため,同様のアンケート調査を行った,その結果として,多くの場合妥当な文例が得られているものの,特定の場合において妥当性が低い文例が得られていることが明らかになった.
著者
生田 宏一 谷一 靖江 原 崇裕 今井 久美子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

IL-7は胸腺や骨髄のストローマ細胞や上皮細胞が産生するサイトカインであり、リンパ球の増殖・生存・分化・成熟に不可欠である。しかしながら、リンパ組織におけるIL-7産生細胞の分布と機能については不明の点が多い。我々は、この問題を明らかにするために、まずIL-7-GFPノックインマウスを作製した。IL-7-GFPマウスでは骨髄ストローマ細胞、胸腺上皮細胞、腸管上皮細胞とともに、リンパ節やパイエル板のT細胞領域ストローマ細胞やリンパ管内皮細胞でGFPが発現していた。さらに、DSSにて大腸炎を誘導すると大腸上皮細胞におけるGFPの発現が上昇した。したがって、IL-7-GFPマウスは生理的ならび病的状態におけるIL-7産生細胞を明らかにするために有用であることがわかった。次に、我々はIL-7-floxedマウスを作製した。このマウスをFoxN1-Creトランスジェニック(Tg)マウスと交配し、胸腺上皮細胞でのみIL-7を欠損したコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを得た。FoxN1-Cre IL-7flox/floxマウスでは胸腺の全細胞数とγδT細胞数が1/15に減少した。一方、腸管上皮細胞でのみIL-7を欠損したVillin-Cre(Vil-Cre) IL-7flox/floxマウスでは、小腸のαβIELにほとんど変化がなく、またγδIELも30%程度減少しているもののかなりの数が残っていた。これらの結果から、胸腺上皮細胞が産生するIL-7が胸腺細胞の増幅と生存に大きなはたらきをしていることが明らかとなった。さらに、小腸のγδ型上皮内リンパ球が著しく減少したことから、この細胞集団が胸腺に由来することが示唆された。次に、Albumin-Cre(Alb-Cre) Tgマウスと交配し、肝細胞でのみIL-7を欠損したcKOマウスを得た。このマウスでは成体肝臓のNKT細胞とT細胞が減少し、胎児肝臓におけるB細胞の分化が低下していた。この結果から、肝細胞が産生するIL-7が肝臓におけるNKT細胞の維持やB細胞の分化に一定のはたらきをしていることが明らかとなった。
著者
中田 誠一 角谷 寛
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

平成22年度から平成24年までの3年間で北海道八雲町での1年に1回の耳鼻咽喉科地域検診と睡眠や眠気に対してのアンケート調査を行い、かつ簡易睡眠呼吸検査装置を地域に常備し行っていった。睡眠時無呼吸は無呼吸低呼吸指数.が、10.6±7.7回/hrであり、高齢者の数値として考えると病的というより加齢に応じた無呼吸が徐々に進行していると思われた。また睡眠の質の調査では入眠障害や中途覚醒よりも、より早朝覚醒での訴えが多かった。
著者
廣津 信義 宮地 力
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

記録系・採点系・格闘技系五輪競技として、陸上(リレー競技) ・体操・柔道を主な対象とし、競技をシステムして捉えて定式化する数学モデリングを行った。リレー競技については、合計タイムの確率分布を算出するモデル、体操については、団体戦での総合得点の確率分布を算出するモデル、柔道については、団体戦でのチーム・選手を相対評価する AHP (Analytic Hierarchy Process)を用いたモデルを作成した。指導者の意見を反映し競技現場で適用可能な数学モデルを提示することができた。
著者
三浦 玲一 川端 有子 戸田山 みどり 渡辺 美樹
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

戸田山の日本における『ちびくろサンボ』の受容史研究から、児童文学の評価においては、「優れた」作品であることが、(児童文学として)「教えるに値する」という価値観/イデオロギーと密接に繋がっていることが示された。渡辺の考察は、このことと関連して、児童文学においては、先行する作品から断絶することで成立する独創性(オリジナリティ)の重視が比較的希薄なこと、同時に、ある種の作品においては、児童文学のコンヴェンション/規範に積極的に依拠しようとする姿勢が見られ、それが評価されていることを調査した。非政治的な「美学的価値」や作者の「オリジナリティ」の虚構性は、いわゆる文学研究においても(多くの論争を巻き起こしながら)既に指摘されている点である。本研究は、そのような性質が、より明示的、あからさまに承認されている場としての「児童文学」を対象とした。個々の作品がその固有性としてもつ、オリジナルな美学的価値とは、20世紀初頭のいわゆるハイ・モダニズムの時代に、芸術としての文学という体制が確立すると共に、自明視されることになる。エレイン・ショウォールターの著作に代表されるような、歴史的なジェンダー研究は、このハイ・モダニズム体制の成立を、文学が(性的な含意を伴った)「表現」として認知される過程と同時進行し、それゆえ、このような美学の成立は、世紀転換期のジェンダー配置の転換と、密接に結び付いていることを示唆している。三浦および川端の研究は、クィア理論以降の拡張されたセクシュアリティの理解から見るとき、児童文学のテクストとみなされるものも亦、セクシュアリティ、ジェンダーの力学から構成されており、そこでは、「児童文学」であることからむしろ積極的に、伝統、規範に依拠しようとしつつ、そのことでむしろ逆説的に、転覆的なジェンダーを描くこととなった諸作品のありようを考察した。
著者
篠原 和大 藤井 道彦 小松 かおり
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

弥生時代の農耕集落として著名な登呂遺跡の復元された環境を活用しながら、弥生時代の農耕を中心とする生業のありかたを具体的に復元することを試みた。復元された水田での栽培実験や静岡・清水平野を中心とした弥生遺跡の検討、レプリカ法を用いた植物資料の収集をおこなった結果、「登呂モデル」としてある地域で弥生時代に農耕が形成され展開していく過程を示すことができた。
著者
佐藤 環
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究においては、近代日本における中等学校学科課程への弓道教育導入過程に関してその歴史的特質を考察した。まず、学科課程に弓道教育が導入可能となった昭和戦前期の全道府県の学校種ごとに実施状況をデータベース化して全体像を明らかにした。次に山形県を事例とした旧制中学校の弓道教育については、山形県中等学校体育連盟主催の体育大会で活躍することを目標にして活性化がなされた。最後に、東京府、茨城県および新潟県における高等女学校では、殆どの学校で弓道部活動が行われており男子校に比べて活発であった。戦前期中等学校における弓道教育は、主として女子中等学校に浸透していたことが明らかとなった。
著者
伊藤 信博
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

17 世紀から 18 世紀初期における東アジアと西欧との文化交流の軌跡を、フランス国立図書館蔵書の研究を行うことで明らかにした。つまり、文化交流史の流れの中で生まれた仏国での東アジアおよび日本研究、そして、東アジアの西欧文化受容を、特にイエズス会宣教師により中国で出版された西洋科学書漢訳書や在日大使でもあったヴィクトール・コラン収集漢籍の目録作成、日本の絵巻である『酒飯論絵巻』などからの分析、研究を行った。
著者
黒沢 直俊
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ポルトガル北部からスペインの北部に分布するアストゥリアス・レオン諸語の、アストゥリアス語とミランダ語という上層言語の異なる変種を歴史言語学的観点から考察した。アストゥリアス州での前後3回の現地調査で、現地の専門家などと協力しながら言語状況の把握や資料の収集を行い、コーパス構築に向けた作業を開始した。この分野は、中世ポルトガル語研究にも様々な視点を提供し、この間、所有詞に関しポルトガル語研究の枠では指摘されなかった研究展開の方向を示した。日本では研究者は少ないので、現地と関係を保ちながら研究調査する意義は大きい。今後、研究代表者の専門のポルトガル語研究にも新たな知見を提供出来る。
著者
鈴木 孝庸
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

臺灣大學圖書館特藏組所蔵・平曲譜本に関する研究成果。―この譜本は、波多野流譜本一点(零本二册)、平家正節二点(零本四册。零本十五册)、正節譜による平家物語一点(零本三册)である。虫損等甚だしかったため、特藏組における修復の支援を行った。修復の後、詳細な閲覧調査を行い、波多野流譜本と平家正節に関してほぼ終了した。調査と併行して臺灣大學圖書館によるこれらの譜本の影印刊行企画に関する話しあいを行い、三回に分けて刊行することが決まった。国内の平曲伝承資料の調査および写本等の入手。―8所蔵機関の平曲譜本を調査した。平曲譜本4点、當道資料4点を入手した。
著者
大木 聖子 中谷内 一也 横山 広美 纐纈 一起 泊 次郎 桒原 央治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

社会が災害科学に期待することは自然災害の防止や軽減であり,それには災害を予測する必要があるが,予測が困難な場合が多いため,災害科学の社会貢献は不定性が高くなる.それを念頭に置かずに「踏み越え」が行われると科学者が刑事責任まで問われることがあり,イタリアのラクイラ地震裁判はその最近の例である.我々は,資料収集や聞き取り調査,判決理由書の分析等を行い,そこでの災害科学の不定性と科学者の責任を検討した.その結果,裁判の対象となったラクイラ地震の人的被害は,災害科学の不定性を踏まえない市民保護庁副長官の安易な「安全宣言」が主な原因という結論を得た.また,これのみを報じた報道機関にも重大な責任がある.
著者
村上 東 大田 信良 塚田 幸光 中山 悟視
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

予定より遅れていた『冷戦とアメリカ 覇権国家の文化装置』(臨川書店)を2014年3月に刊行し、成果を世に問うことができた。問題意識を共有する執筆者を得て成果を活字にできたのみならず、この論集を読んでくれた方々と意見の交換、研究の相互乗り入れが以前よりも容易になったという大きな副産物を確保している。また、新たに基盤研究(C)「冷戦期合衆国表象文化(史)とナショナリズム/ソフト・パワーの関係性に関する研究」を採択していただくことが叶い、調査・研究を継続、発展する途が開かれた。
著者
半沢 康 武田 拓 加藤 正信 小林 初夫 本多 真史
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

同一のインフォーマントに同じ方言調査を繰り返し実施した場合,その調査結果はどの程度安定するのだろうか。本研究は方言調査データの「信頼性」(調査データがどの程度安定するのか)を明らかにすることを目的とする。宮城県角田市と伊具郡丸森町および福島県田村郡小野町において実験的調査を実施し,方言調査データの信頼性を把握した。伊具地方の調査では,多くの項目の安定性(2回の調査の一致度)は80%程度との結果が得られた。他のデータについても今後も分析を進め,結果を公表する予定である。
著者
久保 誠二郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

戦前日本におけるマルクス主義の普及を、主にその出版史から考察した。研究成果として、1800点以上にのぼるマルクス主義文献を収録する文献リストを作成するとともに、学術あるいは社会運動を背景とする啓蒙書を探索、調査して特徴づけた。加えて、一部ではあるが社会主義文献への発禁処分の実効性を『出版警察報』(内務省秘密資料)から数値で明らかにするとともに、マルクス主義の普及と検閲に関する新たな課題を得た。
著者
伊達 仁美
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、膨大な量の民俗資料に対し、安全にかつ容易に施工できる防錆処理として、椿油による防錆処理の普及が目的である。様々な条件を持つ収蔵施設に試験試料を設置し、油の差異による効果や経年変化の確認を行なった。その結果、防錆効果は油の差異により若干見受けられたが、処理後の保管環境によるところが大きいことがわかった。また、本研究の成果をふまえて、「博物館等民俗資料収蔵施設における簡易的な資料保存と修復マニュアル」を作成した。
著者
酒井 正子 小林 公江 久万田 晋 小林 幸男
出版者
川村学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

沖縄本島北部に伝承される「手踊りエイサー」は、現在盛んな太鼓の群舞とは全く異なるスタイルのエイサーである。殆ど知られていないその実態を調査し、全体像と芸能史的な位置づけを探った。その結果約60集落で伝承を確認、曲目や歌詞、演奏スタイルの違いなどから、いくつかの系統や地域性が見出された。また近代には舞台芸能や流行歌を取り込み、戦後は太鼓エイサーへと進化し、1980年代以降は創作エイサーの強い影響を受けるなど、芸能の変遷とダイナミズムが明らかになった。
著者
秋元 美晴 河住 有希子 藤田 恵 北川 幸子 浅野 有里
出版者
恵泉女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、日本語能力試験点字冊子試験のユニバーサルアクセス化を目的とした研究である。視覚に障害のある学習者への日本語教育現場の環境整備に着手し、日本語能力試験受験までの学習プロセスを支援した。本研究の成果として、視覚障害教育への知識を持たない晴眼の日本語教師のための、授業支援マニュアルを作成した。同マニュアルはウェブサイト『さわって、きいて、あじわう日本語』にて公開している。
著者
大西 範和
出版者
愛知みずほ大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

平成13年度には健康な成人男子6名を対象に、70%VO_2maxの運動強度で25分間の自転車運動を、週4回の頻度で4週間行う持久的トレーニング、平成14年度には健康な男子7名、女子4名を対象に、ハンドグリップ・エルゴメータを用い、8RMの運動負荷強度で、両側の掌握運動を一日に左右各8回を3セット、週3回の頻度で4週間行う筋力トレーニングを行わせた.毎回トレーニング後に、一側の運動肢を持久的トレーニング後には5±1℃、筋力トレーニングの場合は10±1℃の冷水に20分間浸し(持久的トレーニングでは2回)、身体トレーニング後に習慣的にアイシングを施すことが、持久能や筋の発達、パフォーマンスの変化などに及ぼす影響を観察した。持久的トレーニングに伴い、一側下肢の運動負荷テストにおける運動持続時間は対照側で有意(p<0.05)に延長したが、冷却側では有意な変化は認められなかった。最高酸素摂取量の増加率は、対照側に比べ冷却側で有意(p<0.05)に低かった。筋力トレーニングに伴い、最大筋力は両側で増加(冷却側p<0.05、対照側p<0.01)した。しかし、トレーニング前の最大筋力の30%の負荷強度で疲労困憊に至るまでの掌握回数で評価した筋持久力は、対照側で統計的に有意(p<0.01)な増加率を示したのに対し冷却側では変化しなかった。いずれのトレーニングによっても、持久能の向上が冷却によって減衰し得ると推察された。運動後の筋の温度、代謝量や血流量などの差異に起因する応答やそれに伴う適応性の違いが機序として考えられ、今後解明が課題である。また、スポーツ現場などで、急性外傷の治療などの必要のない健常な筋に、アイシングを行う意義や適用条件について検討する必要性を示唆する。被験者の鍛錬度、トレーニング期間、強度、冷却の方法などの条件の違いが結果に影響する可能性もあり、さらに検討を要する。
著者
原田 優也
出版者
沖縄国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

デジタル・ネットワークの登場により、娯楽産業の伝統的商業活動は大きく変容した。世界的ITネットワーク網の拡大により国境を越えた違法ダウンロードの蔓延など企業は新たな経済問題に直面している。本研究は日本製娯楽ソフトを対象とする違法ダウンロード後(ポスト違法ダウンロード)消費行動モデルを構築し、日本製娯楽ソフトの人気と不正利用が多いアジア市場において流通現場の視察や違法ダウンロード経験者に対するヒアリング調査などを実施した。