著者
中屋 晴恵(益田晴恵) 三田村 宗樹 奥平 敬元 篠田 圭司 西川 禎一 隅田 祥光
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

アジア諸国で拡大しつつあるヒ素汚染地下水の形成機構を研究した。バングラデシュの調査では,ヒ素を含む緑泥石が完新世の帯水層上部で化学的風化作用により溶解してヒ素を地下水中に溶出させていることを明らかにした。パキスタンやベトナムの調査でも整合的な結果が得られた。ヒ素を含む酸水酸化鉄が還元により分解されるとした定説を翻し,この観察事実はヒ素汚染地下水形成の最初期の過程として一般化できる。
著者
工藤 昭彦 斎藤 健二
出版者
東京理科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

NiをドーピングしたZnS光触媒が,正孔捕捉剤存在下,可視光照射下でCO_2還元反応に活性を示す光触媒であることを初めて見いだした。NiドーピングZnS光触媒は,可視光照射下でほぼ定常的にH_2とHCOOHを生成した。一般に,光触媒反応ではPtなど助触媒が必要であるが,この反応において助触媒は不要であり,光触媒自身が活性点を有していることが特徴である。カットオフフィルターを用いたNiドーピングZnSによるHCOOH生成反応の波長依存性より,HCOOHが生成し始める波長と吸収スペクトルの立ち上がりが一致した。このことから,NiドーピングZnSによるCO_2還元反応は,Niのドナー準位から伝導帯へのエネルギーギャップ励起によって進行していることが明らかとなった。一方,(ZnGa_2S_4)-(Znln_2S_4)複合体が,正孔捕捉剤存在下,可視光照射下でのCO_2還元反応に活性な光触媒であることを初めて見いだした。主なCO_2還元生成物として,COとHCOOHの両方が得られた。CO_2還元反応の活性は用いる正孔捕捉剤の種類に大きく依存しており,NaPH_20_2を用いた場合に最も高い活性を示した。また,基盤となるZnIn_2S_4ではほとんどCO_2還元反応が進行しないが,それにGaを10%置換したZnGa_<0.2>In_<1.8><S_4>を用いた場合は,CO_2還元反応の活性が飛躍的に向上した。Znln_2S_4にGaが置換されることで,CO_2還元反応に対するドライビングフォースが増加し,活性点が形成されたため活性が飛躍的に向上したと考えられる。
著者
岩井 正浩
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

2004年〜2006年度の調査・研究によって得られた成果は以下の通りである。(1)2004年度のよさこい祭りでは、音楽制作のキーパーソンである三谷章一氏との長時間対談を始め、地区競演場の責任者、数多くの音楽および振付け制作者を対象として、聞き取り調査を実施し、よさこい祭りを支えている人々の役割と位置づけを明らかにした。(2)2005年度では、実際に地方車に搭乗し、パフォーマーの側からのアプローチを実施した。チームは52回皆勤の地元町内会チームである「上町よさこい鳴子連」である。地方車の役割、子どもチームにおけるパフォーミングが、子どもの成長、よさこい祭りの発展にとって大きな役割を果たしていることを明らかにした。(3)2006年度では、53回皆勤の商店街チームである「帯屋町筋」チームの地方車に搭乗した。テレビ局の取材(全国放映)を受けつつ、地方車のトップから鳥瞰的に祭りを調査し、全体像を把握することができた。そして商店街の重要な要として、祭りが位置づけられていることを明らかにした。中間的まとめとして単行本『これが高知のよさこいだ!いごっそとハチキンたちの熱い夏』を、岩田書院から刊行した。(4)以上、現代の都市の祭りであるよさこい祭りの創造と進化は、町内会と商店街、そして地区競演場の底支えで成立していること、人口30万人規模が、都市の祭り規模として適正であったこと、さまざまな課題を市民レベルで克服してきたことにある。さらに重要なのは、祭りへの参加規程を最小限にして自由性を正面に据えたことである。それらは、(1)音楽《よさこい鳴子踊り》の一部を含めること、(2)鳴子を両手に持つこと、(3)前進すること、である。これらは土佐人の自由性・開放性の精神表出であり、パフォーミング・アーツを常に創造し進化させている。
著者
武藤 伸明 斉藤 和巳 池田 哲夫 大久保 誠也 藤澤 由和 小藪 明生
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、 ソーシャルネットワークから収集可能なエゴセントリック情報より、全体ネットワーク構造を推定する手法の開発を目的とする。このネットワークの構造推定は NP-困難クラスに属する組合せ最適化問題を扱うことになり、その効率的な解法として遅延評価付き貪欲法の応用法を考案した。また、ネットワーク構造推定法の妥当性を評価するために、ネットワークの本質的構造を表す評価尺度の考案や、ネットワークデータを含む各種データの可視化法の考案を行った。
著者
木村 健二郎 平田 恭信 菅谷 健 佐藤 武夫
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

尿蛋白による腎臓の間質尿細管障害の発症と進展の機序を明らかにする目的で実験を行った。(1)マウスの蛋白負荷モデル:12週齢のBalb/cマウスの腹腔内に牛血清アルブミン(BSA)を連日14日間投与して、腎臓の間質尿細管障害を観察した。(1)組織学的検討:通常のBSA(Fraction V, Sigma)では強い間質尿細管障害が生じたが、脱脂したBSAでは間質尿細管障害は軽度に止まった。(2)BSA(Fraction V)中の脂肪酸分析:BSAに含まれる脂肪酸は主としてoleic acid, stearic acid, palmitic acid, linoleic acidであり、ヒトの血清脂肪酸とほぼ同様であった。(2)培養マウス近位尿細管上皮細胞におけるBSAの取り込みの検討:培養液中にBSAを添加して、BSAがどの程度細胞内に取り込まれるかを見た。通常のBSAでは247ng albumin/mg proteinであり、脱脂したBSAでは494ng albumin/mg proteinであり、両者に有意差は見られなかった。(3)ヒト脂肪酸結合蛋白(L-FABP)トランスジェニックマウスでの蛋白負荷モデル:ヒトのL-FABPの染色体遺伝子を導入したマウスを樹立して、腹腔内蛋白負荷を行った。(1)と同様に、脂肪酸を含むBSAを投与したマウスでは強い間質尿細管障害が、脱脂したBSAを投与したマウスでは軽い間質尿細管障害が見られた。脂肪酸を含むBSAを投与したマウスでは尿中のL-FABPの排泄が増加し、また、腎組織中のL-FABPの遺伝子発現ならびに蛋白発現量は著明に増強した。(4)腎組織に浸潤しているマクロファージを免疫組織化学的に染色した。通常のBSA投与群では著明なマクロファージの浸潤を間質に認めたが、脱脂したBSA投与群ではマクロファージの浸潤は軽度に止まった。トランスジェニックマウスにおいても同様に、腎組織に浸潤しているマクロファージは通常のBSAを投与した群で著明であったが、これは野生型マウスで見られるマクロファージの浸潤よりも軽度であった。脱脂したBSAを投与したマウスでは遺伝子導入マウスと野生型マウスの間にマクロファージの浸潤には有意差が認められなかった。考察と今後の課題:尿蛋白に含まれる脂肪酸が間質尿細管障害を惹起し、L-FABPの発現を増強させていることが明らかになった。今後はL-FABPの細胞保護作用を明らかにする必要がある。
著者
増子 恵一
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

ノコギリハリアリ1個体から抽出できるDNA量を働きアリを材料にしてまず検討した。ノコギリハリアリは体長4mmの微小な種だが、個体あたり400-700ngの高分子DNAが抽出できることがわかった。次にこのDNAを鋳型に用いたPCR法によって、ノコギリアリ個体間のDNA多型の検出を試みた。次のような種々のプライマーを合成し用いた。:(1)CAP-PCR法におけるdegenerateプライマー:(CA)_7および(AC)_7の3'端にDG,DA,DT,DCをつなげたもの(Dはnot C)。さらに(CA)_7および(AG)_7の3'端にHG,HA,HT,HCをつなげたもの(Hはnot G)。(2)(GA)_7および(AG)_7の3'端に4塩基をつなげたもの。(3)(GA)_7および(AG)_7の3'端に2塩基の配列をつなげたもの。)(4)アンカー配列を繰り返し配列の5'端につなげたもの(Wu et al. 1994による):CCAG(GT)_6、CCC(GT)_6、CCT(GA)_6、CCC(GA)_6、GCTTG(GT)_6、GCCA(GA)_6。(6)マイクロサテライトなどの基本単位の数回の繰り返し:(CAG)_5、(TAG)_5、(GATA)_4、(GCGT)_4。さらに制限酵素を併用して、鋳型DNAまたは増殖産物を4塩基識別の制限酵素で消化し泳動する方法も検討した。その結果、特異性の高い(3)のプライマーの1つで常に個体間の多型が生じる別のプライマーも確認した。さらにアガロース電気泳動に加えて、ポリアクリルアミド(+銀染色)も併用し、アガロースでは検出できないわずかな断片長の差異を検出することができた。今回の研究効果だけではまだ手法的には十分とは言えないが、近い将来にノコギリハリアリの血縁解析とreproductive skewの研究に本格的に取り組めるだろうと予測される。
著者
鈴木 啓司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

DNA二重鎖切断で誘導されるヒストンH2AXのリン酸化が、クロマチン損傷部位を特定する分子タグとして機能し、それを目印にMDC1/53BP1センサーシャペロンがクロマチン損傷を検出している可能性を明らかにするために、分裂中期染色体上でリン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成を検出できる実験系の検討を行った。放射線照射によるDNA二重鎖切断に起因した染色体異常は、照射直後は染色分体型の異常が、照射20時間後には染色体型の異常が観察されることを確認した。リン酸化ヒストンH2AXのフォーカスは、染色分体型の異常部位に確認されたが、MDC1フォーカスを同じ部位に局在することがわかった。さらに、染色体型の異常でも、リン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1のフォーカスは局在し、その部位は染色体異常が確認されない個所であった。以上の結果から、照射直後にDNA二重鎖切断部位に局在するリン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1は、照射後時間が経つにつれて必ずしも損傷部位に残存しないことが示唆された。さらに、MDC1/53BP1センサーシャペロンが、放射線照射後初期の段階でどのような役割を果たしているかを明らかにするため、EGFP-53BP1蛋白質を発現する正常ヒト二倍体細胞を樹立し、X線照射後のEGFP-53BP1フォーカスをタイムラプス法により解析した。その結果、放射線照射後15分以内に形成される初期フォーカスは、その後30分の間に徐々にその領域が拡大することが判明した。さらに、この拡大したフォーカスには、ヒストンH2AXやその他のDNA損傷チェックポイント因子が共局在し、多重蛋白質複合体を形成していることもわかった。MDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成に重要なATMによりリン酸化をATMの特異的阻害剤であるKU55933で阻害したところ、リン酸化ATMフォーカスが完全に消失した条件で、53BP1フォーカスは消失することから、MDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成には、ATM機能依存的なリン酸化が必須であることが明らかになった。
著者
緒方 茂樹 相川 直幸
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は障害児教育における「音楽を活用した取り組み」をより効果的に行うことを目的として計画されたものである。「音楽を活用した取り組み」を理論的に計画し、さらにその教育効果について科学的に評価するためには、音楽が人間に及ぼす効果や影響について客観的に知る事が不可欠である。初年度は琉球大学内にまず脳波計を軸とした生理学的な指標全般の計測システムを整備した。この琉球大学内に整備した計測機器を用いて今年度も引き続き実験的検討を進め、特に健常者を対象とした基礎実験を継続的に行った。この実験的検討から得られた所見として、音楽鑑賞時の脳波変動には、特に「心理的構え」の相違がきわめて大きな影響を与えていることが明らかとなった。次の段階としては障害児を直接的に対象とする前に「心理的構え」について重点的にデザインされた実験的検討を行うことの重要性を指摘した。そのことによって音楽鑑賞時に生じる意識変動の特異性について、今後さらに詳細な所見が得られるものと考えている。さらに昨年度には学校現場や臨床場面での計測を可能とするために小型の計測機器を導入し、その使用の可能性と有効性を検証した。今年度は解析のためのソフトウェアを導入しながら様々な状況での計測を試みた結果、将来的に学校現場やフィールドにおける有用性を実証することができた。一方、混入雑音が多くみられる障害児からの生理学的指標に関わるデータの分析には、デジタル信号処理を応用したフィルタリングの手法を用いた検討を進めてきた。これまでに265次のFIRデジタルフィルタを用いた広域遮断型の特性が有効であることが明らかとなっている。今年度は従来的なアナログフィルタと移動平均との方法論的な比較を行うことによって具体的な波形変化を示しながらその有効性を明らかとした。
著者
白濱 圭也 本多 謙介
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究は、ナノポア中ヘリウム同位体混合液のエネルギー離散化を利用して超低温を生成する新手法を開発することと、ヘリウム3を用いた準粒子スピントロニクスを開拓することを目的とする。ポーラスアルミナの表面に金を堆積させ、細孔が直径10nm程度まで狭窄化することに成功した。この手法を追求することで、エネルギー離散化が顕著に表れる直径5nm程度のナノポアアレイの作成手法を確立できる見通しが立った。
著者
上田 裕市 坂田 聡 平原 成浩
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

音声特徴量の可視化と定量化に基づく構音障碍診断支援・発声訓練ツールの構築を行った。可視化においては、音声画像化処理技術を用いて、音素歪みを視覚イメージとして表現し、それらを定量化する機能を持つ機能を持たせた。また、自己発声を模擬する合成母音を目標音として発声訓練を行うツールを試作した。診断機能については、口腔外科臨床現場での評価実験を開始する。一方、構音学習ツールは数校の聾学校で試用されている。
著者
西嵜 照和
出版者
九州産業大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

巨大ひずみ加工法は,バルク状の金属材料に巨大ひずみを加えることで結晶粒径を微細化できる方法であり,この方法で作製された金属材料をバルクナノメタルと呼ぶ.本研究では,バルクナノメタルの特異な超伝導物性とその機構を解明することを目的として,磁化や電気抵抗などの巨視的物性測定に加え,走査型SQUID顕微鏡を用いてミクロな磁気分布の測定を行い渦糸構造を観測した.以下に平成26年度の主な研究成果を示す.(1)HPT加工で作製されたNbTi合金の超伝導特性NbとTiの粉末を原材料としてHPT加工で合金化したNbTiの超伝導特性を調べた.強磁場領域における磁化M(T)曲線の測定結果より,N = 1,N = 2の試料ではNbの超伝導特性に加えてわずかにNbTiの信号が観測されたが,Nの増加とともに合金化が進みNbTiの信号が増加することが分かった.HPT加工による合金化の結果,N = 20以上ではX線回折や電子顕微鏡観察に加えて,上部臨界磁場Hc2(T)などの超伝導特性の観点からもほぼ均質なNbTi合金が形成されていることが分かった.(2)SQUID顕微鏡による磁束量子の観測超伝導体の磁場中の物性を支配する磁束状態を走査SQUID顕微鏡を用いて直接観測した.加工前 (N = 0) のNbでは第2種超伝導体で予測される磁束量子が試料全面で観測された.磁束構造は三角格子ではなく,ランダムな分布をしておりピン止め効果が強いことを示唆している.一方,N = 5のNbの磁束量子の空間分布は,空間的に不均一でクラスター状の分布を示た.このようなクラスター状の磁束分布はバルクナノメタル化したNbの特徴であり,結晶粒の微細化が磁束状態に影響を与えていることが分かった.
著者
大島 幸代
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

中国仏教美術にみられる護法神像の中から、特に金剛力士像と天王像が造形の上で明確に差別化される時期や事情を探るために、関係する造形作品や史資料の収集、整理という研究基盤の整備を行った。旧東魏・北斉地域の山西・河南・山東省を主たる調査地とし、作品情報を収集した結果、今後検討対象とすべき重要作品を抽出することができた。また、護法神像の造立記録が残る高僧について、関連史資料の収集と検証も行った。
著者
野瀬 正治
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、研究者・技術者・企画担当者の活性化を図るため、活性化要因の研究、組織均衡実現の研究およびミクロレベルでの当事者間の調整システムの研究等を実施した。2011年調査の結果について動機づけ要因をみると、モラールへの影響のあり方は一様ではなく,モラール向上に直接影響する場合とそうでない場合があり,どのように影響を与えているかを踏まえてモラール管理をする必要があるものの,研究者・技術者の職場集団がより高いモラールを維持する方策の1つとして、彼らの抱える個別的問題の効率的な解決が,人事管理上(モラール向上等),有効な施策であることが分かった。個別の対立・トラブルが解決されない状態ではモラールは維持できずその改善が必要なのである。具体的に,問題解決度との関係をみると、モラールの高いグループにおける問題解決度は,モラールの低いグループより、有意に高かった。
著者
左近 直美 上林 大起 中田 恵子 駒野 淳 中村 昇太
出版者
大阪府立公衆衛生研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ノロウイルスの長期にわたるシステマティックな疫学研究により、ノロウイルスに対する免疫は集団レベル、個体レベルともに遺伝子型特異的であり、その持続期間は2~3年であることを示した。また、繰返される感染によって免疫は増強されることが推察された。多様な遺伝子型の存在下で、年齢や感染歴を背景にダイナミックにヒトの中で流行している。これらはノロウイルスワクチンの基礎的知見となる。
著者
有馬 澄佳
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、半導体製造等の微細加工を要する製造装置・生産ラインの管理において、良品のスループットを最大化する工場内物流の管理方法と装置・生産ラインの設計方法を研究することを目的とした。ブロッキングを考慮した待ち行列とTOCを用いたマルチチャンバ装置内部の物流適正化方法を提案し実工場で応用された。また、品質保証時間を考慮して多品種生産の良品スループット向上と装置稼動率向上を同時に達成し設備総合効率を1.4倍以上向上する管理方法を考案した。
著者
小林 一郎 田中 尚人 星野 裕司 ギエルム アンドレ マルラン シリル 本田 泰寛 岩田 圭佑 永村 景子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,高齢化・過疎化の著しい中山間地の農村を対象に,歴史的構造物や文化的景観を含む土木遺産を基盤とした,地域コミュニティと基礎自治体の協働による持続可能な観光支援システムを構築することを目的とする.そのために,地方分権により既存の道路ネットワークと農村の持つ利点を活かした観光支援政策,事業の先進地であるフランスに範を求め,同地と地理的・歴史的に共通点を多く有する熊本県,鹿児島県の中山間地域の農村を事例として,日仏の事例分析を行う.さらに,フランスにおける現地事例調査,国内における実践的地域づくり活動を通して,農村観光支援のための政策,人材育成,道路ネットワークの活用手法を提案する.本研究の研究対象地は,全て農業を主産業として発展してきており,道路や橋梁,運河,水利施設などを社会的資産としてストックしてきている.フランスにおける先進事例分析として文化的景観保全調査を行い,観光支援に繋がる社会的資産を分析,評価する.さらに,自立した農村観光を成功させている基礎自治体の政策立案・実施システムについて調査する.国内では,文化的景観保全調査及び,先進事例分析を受けて,日本でも実施可能な政策としていくための,地域コミュニティと基礎自治体の協働による地域づくりとして実践する.さらに,このシステム開発に有用と考えられる,研究者,行政担当者,実務者の交流を行う.研究の成果として,フランスの文化的景観制度ともいえるシット制度について,策定手法,住民参加の意味合い,歴史・景観の価値共有手法を整理した.この文化的景観保全地域の現地踏査を行うとともに,海外事例との比較調査を実施し,さらにフランスにおける景域保全計画策定への地域住民参画について整理した.日本においては,各地において,着地型観光の担い手となる観光ボランティアガイド導入の支援を行い,農業や各地の生活・生業の持続可能性に着目した地域内外の交流促進に資する視点・手法の提供を行った.
著者
與倉 弘子 増田 智恵
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は永く着用できる品質のよい衣服のための素材性能の明確化を目的とする。ここでは基本的な衣服として綿クレープ肌着に着目した。衣生活の段階として、(1)快適に着る、(2)品質の良い衣服を永く着続ける、(3)資源として使い切ることの三段階を設定した。綿クレープ肌着の伸び易さと曲げ剛さは、高温多湿な日本の夏用肌着に適していた。約1200時間着用により、ソフトさの基本風合い値が増加することを確かめた。着用後の肌着を裂いて糸にする「裂織」の技法は環境学習教材としての有効であることを確かめた。
著者
伊藤 正子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

韓国民主化後、タブーであったベトナム戦争中の韓国軍による民間人残虐事件に関し、進歩的新聞社や市民団体によって事実の掘り起しが行なわれたが、退役軍人会などからは強い反発も出た。本研究では、韓国側の戦争についての多様な語りを検討するとともに、ベトナム側では、当時の韓国軍駐屯地周辺各省において現地調査を行い、ベトナム側における国家から村までの各級の事件に対する語りを分析した。その結果、韓越双方とも、政治体制や外交方針、地域の違いなどによって、戦争の記憶の語り方に様々な相違があることが明らかになった。現ベトナム国家は被害国にもかかわらず、国家間関係を優先するあまり、虐殺の生き残りの人々の記憶の語りを抑圧しているのに対し、韓国の市民団体は世論が分裂する中でも、負の歴史を明るみに出して未来の平和のために生かすための努力を続け、ベトナムでは公定記憶にならない韓国軍の「負の過去」を記憶しようとしている。
著者
中野 眞一
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

いくつかの平面構造を格納する、コンパクトなデータ構造を開発した。これらのデータ構造は少ないメモリしか必要とせず、簡単で、基本的なデータに高速にアクセスできる。さらに、必要であれば、元のデータを再構成することもできる。たとえば、各点の子の個数が高々2であり、かつ、兄弟間に順序がない木を格納するコンパクトな2進文字列を開発した。この文字列の長さは圧縮の理論的限界に非常に近いことも示した。
著者
酒井 富夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、中国の飼料穀物(トウモロコシ)の米国からの輸入可能性について、EUと比較しつつ、農業生産・流通構造の視点から考察したものである。その結果、(1)EUでは、農場の規模拡大、農協の企業化により国際価格に対応していること、(2)中国でも、国際価格が低下すると輸入増大の可能性があり、それを回避するには流通コストだけでなく生産コスト削減が必要であること、(3)しかし、中国では規模拡大は困難であり、単収増加に期待をかけていること等が明らかになった。