著者
海江田 隆博 黄 宏軒 川越 恭二
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.14, pp.1-10, 2011-10-27

Twitter の Hashtag によりイベント情報を得る際に,Hashtag 間に相互関連がないため適切なイベントが得にくい.そこで,Hashtag を構造化した多次元空間を持つ contextHashtag を提案する.contextHashtag の多次元空間内で既存 Hashtag を領域として自動的に位置付けることで,過去イベントと類似したユーザが望む未来イベントを領域間類似性により求めることが可能となる.contextHashtag を用いたイベント推薦システムの試作について説明する.When Twitter users can obtain event information using Hashtags on Twitter, Hashtag based event retrieval can not meet the user expectation due to Hashtag property where they are no mutual relation between Hashtags. In order to solve this problem, we propose contextHashtag in its a structured Hashtags space with the multidimensional space. Each of event Hashtags can be automatically located as a region in the contextHashtag multidimensional space. Similarity between Hashtags can be easily calculated in the contextHashtag multidimensional space. As a result, Twitter users can get new events based on the contextHashtag. We also explain an event recommendation prototype of system using the contextHashtag.
著者
高橋 正也
出版者
National Institute of Occupational Safety and Health
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-30, 2014

労働者の安全と健康を確保するためには,労働の量的および質的側面の改善が必要である.現在でも,長時間労働の削減や職場の心理社会的環境の改善に向けて,多くの努力がなされている.このような職場の労働条件の向上に加えて,職場以外における過ごし方,特に余暇,を適正にすることは,労働安全衛生の水準をさらに高めるのに有益であると期待されている.最も基本的な余暇は終業後から次の勤務までの時間である.欧州連合の労働時間指令に示されているように,この時間間隔の確保はなにより重要であり,そこで行われる休養や睡眠の充実に不可欠である.同時に,労働に費やす時間の減少にもつながる.一日ごとの余暇活動の中でも,量的および質的に充分な睡眠は労働者の安全,疲労回復,健康維持に必須であることが実証されている.一方,週休二日制であれば,週末に二日間にわたる休日が得られる.こうした一週ごとの余暇を適切に過ごせると(例えば,長い朝寝を避ける),疲労回復には一定の効果がある.ただし,週内で蓄積した睡眠不足による心身への負担を完全に解消するのは難しいことに留意する必要がある.さらに,良好な睡眠を長年にわたってとれない状況が続くと,高血圧,心疾患,糖尿病,肥満などの健康障害が起こりやすくなるばかりか,筋骨格系障害や精神障害などの理由で早期に退職せざるをえない確率が2~3倍高まることが示されている.多くの労働者では,一生の中で労働者として過ごす時間はほぼ半分を占める.一生涯の生活の質を高めるためにも,労働時間の中,そして外の要因(余暇と睡眠)が最適化されなければならない.この課題を達成するには,行政,事業所,労働者個人それぞれの層で,余暇の見直しと根拠に基づいた実践が求められる.
著者
田村 淳 入野 彰夫 山根 正伸 勝山 輝男
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.11-17, 2005-06-30
被引用文献数
11

ニホンジカの採食圧により林床植生が衰退した丹沢山地冷温帯の3タイプ(オオモミジガサーブナ群集, ヤマボウシーブナ群集, イワボタンーシオジ群集)の植物群落に設置した植生保護柵25基において, 設置4年後に植物相を調査した.柵の中(3.7ha)で334種の維管束植物を確認した.その中には県の絶滅種, 絶滅危惧種など12種, および県新発見種1種が含まれていた.オオモミジガサーブナ群集は出現種の5.1%が希少種で他の2群落よりも希少種の出現率が高かった.対象地域の過去の植物相と比較すると, シカの採食圧下で一度消失したと考えられる希少種5種が出現し, 過去に未確認だった希少種も6種出現した.したがって, ニホンジカの採食圧が強い丹沢山地冷温帯において, 植生保護柵の設置は単に林床植生の保護だけでなく, 希少種の保護・回復にも有効な手段と考えられた.
著者
山崎 恭 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1335-1346, 1996-08-25
被引用文献数
22 7

個人の身体的特徴・特性の一つとしてオンラインで取得された筆跡情報に着目し, より信頼性の高い筆者認識手法の確立に必要となる新たな個人性の抽出手法を提案する. 従来の筆者認識研究では, 個人の特徴を反映するパラメータ (特徴パラメータ) が, 個人の特徴の現れやすい部分から抽出されたものであるか否かということは, 必ずしも問題とされていない場合が多い. これに対して筆者らの提案する個人性の抽出手法では, 複数のグループ (カテゴリー) に特徴パラメータを分類し, 個人の特徴の現れ方に応じて特徴パラメータに重み付けを施すことで, 従来よりも筆跡情報に現れる個人性をより明確化することが可能となる. また, 提案手法では, 字種への依存度を可変とする特徴パラメータを使用しており, 筆者照合方式へ適用した場合, テキストを固定する従来の署名照合方式に対し, 登録時と照合時に異なる字種を用いることの可能な, 字種選択の自由度が高い照合方式を構築することができる. 本論文では, 筆跡情報からの個人性の抽出手法を提案すると共に, 実際の筆記データを用いたシミュレーション実験により, 提案手法の信頼性を評価した結果について報告する.
著者
早川 一郎
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 : JOURNAL OF Synthetic Organic Chemistry JAPAN (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.1225-1226, 2007-12-01
参考文献数
9

Halichondrin B is a polyether macrolide that exhibits an extraordinary cytotoxicity <I>in vitro</I> and antitumor efficacy <I>in vivo</I>. A structurally simplified macrolactone right half segment of harichondrin B was identified to retain the potent cell growth inhibitory activity of the natural product <I>in vitro</I>. Kishi and coworkers developed a practical, an efficient and scalable synthesis of the right half segment of harichondrin B.
著者
産業組合中央会 編
出版者
産業組合中央会
巻号頁・発行日
vol.第1輯(1931年版), 1932
著者
後藤 純一
出版者
日本国際経済学会
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
pp.kk2015.03.g, (Released:2015-08-19)
参考文献数
10

本稿の目的は, 一般均衡論的フレームワークを用いて, 日本における外国人労働者の特徴を明らかにし, その経済的インパクトを考察することである。「定住移民」と「出稼ぎ的外国人労働者」を峻別した分析により, 以下の3点が明らかになった。①日本における外国人労働者の大多数は, 軸足が本国にある出稼ぎ労働者である, ②出稼ぎ労働者の受入れは, きわめて大規模(ハリケーン)でない限り受入国の厚生を減少させる, ③定住移民の受入れは出稼ぎ労働者よりも受入国にとって好ましい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.58-65, 2004-08

「TSUTAYAの店舗は、『10分商圏』を意識して出店している。かなり前から消費者のニーズにリアルタイムで応えることを意識してきた」(ツタヤ オンラインの服部達也社長) がまんできない消費者への対応が進んでいる企業の代表例は、店舗を多数持つことに加え、ショッピングサイトの認知度や売り上げが高いところだ。
著者
小倉 博之 吉川 周作 此松 昌彦 木谷 幹一 三田村 宗樹 石井 久夫
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.179-185, 1992-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

大阪平野の上町台地南部の台地構成層中に挾在する火山灰・含有化石の記載・分析ならびに有機物の14C年代測定をおこなった. その結果, 中位段丘層相当層の上町層上部から北花田火山灰, 吾彦火山灰を発見し, それぞれ広域火山灰のK-Tz, Aso-4に対比し, 上町層上部の堆積時期を知る手がかりを得た.さらに, 上町層を不整合に覆う常盤層の存在を指摘し, 平安神宮火山灰が挾在すること, その直下から23,400年BPの14C年代測定値を得たことから, 常盤層を低位段丘層に対比した. 以上より, 従来中位段丘面とされていた本地域の台地面は, 常盤層の堆積面, すなわち低位段丘面であることが明らかになった.
著者
栗田 宣義
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.122-138,188, 2000-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
36

「教育水準」「被雇用者」「消費財保有」「資産保有」といった4系統の社会経済カテゴリーの通時的変動をみると,1955年から1995年にかけての40年間における日本社会の変動は,(1)高学歴化,(2)被雇用者化,(3)消費財普及,(4)資産格差の持続,といった4点に要約できるが,この社会経済変動と社共支持率低落を関連づけ,インテリ左翼溶解仮説,労働者左翼溶解仮説,脱物質仮説,資産格差仮説からなる左翼主義逓減の説明モデルを提示する。SSMデータを用いた5時点のロジスティック回帰分析によれば,労働者左翼溶解仮説を除いては,ほぼ仮説の確認がなされた。かつて,1955年時点では,高学歴層,被雇用者層,消費財を持たない層,資産を持たない層が左翼主義であった。日本社会の変貌は左翼主義への支持を溶解,矮小化させ,40年後の1995年時点には,被雇用者層,資産を持たない層のみが左翼主義である構造にとって代わられたのである。社民党が左翼大衆政党としての歴史的使命を終えた構造的背景がここにある。
著者
田中 孝明 渡辺 勝彦
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.651, pp.1219-1224, 2010

By surveying village <i>Sinto</i> architecture with historical plaques of <i>Simousa</i> fief once a part of Chiba-ken, we can find out the activities of the sculptors represented as <i>Takeda Juzaburo</i> in the late Edo period.<br> We are able to draw out our results by examining the materials as follows; Four sculptors named <i>Takeda Juzaburo</i> once lived in <i>Yuuki</i>, near the northern part of Kanto area, where some shrines have an extreme amount of wood-curving. They had spread the use of large amounts of wood-curving in shrines in the fief, and carved onto not only the panels used as decorative transoms but also entire wooden walls of shrine from 1806 to 1822.
著者
宮崎 澄雄
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.341-345, 1994
被引用文献数
1

溶血性尿毒症症候群(HUS)は近年増加傾向にある。その病因としてverotoxin産生大腸菌(VTEC)がもっとも重要である。演者らは全国調査により1976年から1980年までの5年間に146例のHUSを集計した。このうち122例について詳細な解析を行った。122例中101例(82.8%)が全治し,中枢神経系や腎障害などの後遺症例15例(12.3%), 死亡例6例(4.9%)であった。この全治群と後遺症+死亡の予後不良群について臨床症状を比較すると,予後不良群において意識障害,けいれん,高血圧の頻度が有意に高かった。また検査成績では,BUN, クレアチニン,GOT, GPT, C3, CH50, CRPなどの生化学的検査が有意の差を示した。VTECあるいは血清抗体は35例で検査され60%が陽性であった。国立小児病院の竹田氏によれば,わが国では毎年1,200例の出血性大腸炎が発生し,HUSは年間100例前後がみられ,その70%はVTEC感染によるという。
著者
宇野 脩平
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.317-330, 1957
著者
海老沢 勝二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1264, pp.135-139, 2004-10-25

NHKは受信料制度によって成り立っており、視聴者・国民の皆様の信頼に基づいています。その信頼を番組制作費の不正流用など、一連の不祥事で裏切ってしまいました。大変申し訳なく感じています。私はNHKの責任者として、本当に重く受け止め、深く反省しております。職員の処分を行い、役員も全員減給しました。
著者
西山 正彦 吉田 和弘 頼島 敬 田中 卓 峠 哲哉
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.1942-1947, 1992-07-01
被引用文献数
12

80歳以上の高齢者胃癌手術症例52例について合併症,とくに精神障害との関連を検討した.精神障害を含む術後合併症の発生率は術式と密接に関連しており,幽門側胃亜全摘:31%(11/35人),胃全摘:67%(8/12),下部食道胃噴門側亜全摘:100%(3/3),下部食道胃全摘および食道抜去胃全摘:100%(1/1)となった.せん妄は術後最も発生頻度の高い合併症であった(14/52:27%).その発症率と平均発現期間は,幽門側胃亜全摘:32%(8/25),4.5日,胃全摘:43%(3/7),7.0日,下部食道胃噴門側亜全摘:100%(3/3),10.0日であった.また胃幽門側亜全摘術後には老年期痴呆の改善が認められたが,胃全摘術後には西村式評価で39.9から33.0(p<0.05,t検定)と日常生活動作の低下が認められた.器質的,精神的障害両面への影響からみると,幽門側亜全摘術では良好な経過が期待できるが,それ以上の侵襲を有する手術では周到な周術期管理が必要と考えられた.