著者
竹中 晃二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

現在,糖尿病を中心とする生活習慣病罹患者の数は増加の一途をたどり,この増加傾向はとどまるところを知らない.従来,運動処方の名のもとに,運動やスポーツの推奨が行われてきたものの,運動を実施する人口は増加していないのが現状である.本研究は,これらの現状に鑑み,運動と言わないまでも,日常生活における人々の身体活動量をいかに増加させるかという問題を,1)行動変容理論・モデルの活用,および2)多様な介入デリバリーチャンネルの使用という2つの観点で多様なプログラムを開発し,評価を行うことを目的としていた.実際には,自治体健康保健センターと連携を保ちながら,特に中高年者のライフスタイル改善を目的とした健康行動カウンセリング・プログラムをソフトおよびハード面から支援できる地域型システムの開発を行った.研究期間の初期では,中等度の強度(4メッツ以上に相当)の身体活動を行った数とその時間を提示させる簡易機器を開発し,また主観的身体活動量の測定尺度の開発を試みた.その後,これらの機器,および尺度も一部使用しながら,自助冊子,郵便による通信教育,およびインターネットプログラムを開発し,その評価を行った.プログラムの内容は,対象者に同一の介入を行うことを避け,トランスセオレティカル・モデルをもとに,初期ステージ者と後期ステージ者に分け,それぞれに異なる情報を送るように勤めた.その結果,ステージ・マッチドが行われていない統制群と比べて,ステージ・マッチド群の方が大きな身体活動量改善を示した.本研究では,地域における職域の健康づくりにも注目し,健康行動変容プログラムの開発とそれを配信するチャンネルとの組み合わせに関して検討を行った.地域介入を職域にも広げていった本研究は,そのプログラム開発だけでなく配信などの現実的実践方法の検討を行い,包括的観点から議論を行えた.
著者
荒尾 孝 稲山 貴代 北畠 義典 劉 莉荊 仲里 佳美 根本 祐太 大滝 裕美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

小学5年生を対象に身体活動の促進および正しい食事の知識とスキルの習得を目標とした教育介入を実施した。その結果、介入終了直後では介入校で遊びに対する積極的な態度や、放課後に友人と遊ぶ頻度が増加し、総エネルギー消費量では対照校に比べて介入校は有意に高い水準が維持された。食生活については、食事バランスガイドの知識が増え、望ましい食事をとることの結果期待や自己効力感が向上した。しかし、介入終了1年後では、これらの変化のうち行動に関する効果は維持されない傾向が示された。
著者
前原 直樹 佐々木 司 松元 俊
出版者
(財)労働科学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,1週間から10日前後の実験研究およびフィールド調査において,睡眠脳波による睡眠構造の変化と,尿中17-KS-Sと17-OHCSのバランス,主観評定,生活時間調査および疲労感の評定尺度との関連を捉え,「睡眠不足」状態を定義,新しい疲労観測法を開発することを目的として行った。実験研究は,10日間にわたる5時間睡眠短縮実験であり,フィールド調査は16時間連続夜勤を行う病棟看護師であった。実験室実験の結果は,数週間にわたる慢性疲労状態では,労働日,特に勤務週の後半日において眠気や身体のだるさなどの疲労感の増大や熟眠感の低下が見られ,勤務や勤務後の生活に意識的な努力が必要となる事態が出現,その睡眠時の尿中S/OH値も低下した。また,休日でもこれらの値は回復せず,主観評価値や尿中S/OH値の低下が持続し,2日程度の休日では休息効果が認められなかった。またフィールド調査では,休日日数が1日の場合より2日以上の連続となった場合のS/OH値は大きい値を示した。2連続休日における健康水準が良好であることが示された。中でも特に3日以上の場合に有効性が高い結果が示された。2勤務サイクル調査での連続休日が2日以上配置されていた例の解析からは,尿中S/OHの変化の結果は3パターンが見られた。また,休日後の尿中S/OHの変化が次第に低下する事例において,連続休日が健康水準を回復させる上でどの程度有効となっているのかを検討した結果,図示された3例とも尿中S/OHは上昇していた。休日における生活調整の結果が示唆された。したがって,これらのことから,尿中17-KS-Sと17-OHCSのバランスは,睡眠短縮実験の疲労回復度との相関が高く,測定時点も少なく,調査対象者の負担も少ないことから,慢性疲労指標として有効性が高いと結論付けた。
著者
納富 信留 栗原 裕次 佐野 好則 荻原 理 大芝 芳弘 田中 伸司 高橋 雅人 土橋 茂樹 田坂 さつき 近藤 智彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

古代ギリシアにおける「正義」概念を明らかにし、現代社会の諸問題に応える目的で、プラトン『国家』(ポリテイア)を共同で検討した。その研究成果は、将来まとめて欧文研究書として海外で出版することを目標に、国際学会や研究会で報告され、欧文論文として海外の雑誌・論文集に発表されている。2010年夏に慶應義塾大学で開催された国際プラトン学会大会(プラトン『国家』がテーマ)では、メンバーが運営と研究の中核として、内外の専門家と共同で研究を推進した。
著者
矢吹 映 大和 修 市居 修 保坂 善真 水上 圭二郎 美谷 沙和音 富永 なおみ
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

犬と猫の腎疾患の病態解析、特に、シクロオキシゲナーゼ(COX)とレニン・アンジオテンシン(RA)系の関与を解析した。その結果、腎疾患の進行には腎臓内 COXと RA 系が複雑に関与しており、その機序は犬と猫で異なることが明らかになった。また、モデルマウスを用いた解析では、COX 阻害剤であるピロキシカムには腎保護作用があり、その作用には TGF-βの発現抑制が関与することが示唆された。

2 0 0 0 OA 干宝晋紀考

著者
尾崎 康
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.285-316, 1970-12-01
著者
金子 由芳 松永 宣明 駿河 輝和 太田 博史 藤田 誠一 香川 孝三 三重野 文晴 川畑 康治
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アセアン諸国の従来の制度構築は、欧米モデルの端的な移植、あるいは多国籍企業の便宜に応える設計に重きが置かれてきた。本研究は、中小企業の利益に根ざした制度構築の課題を、グローバリゼーションにおける中小企業政策、コーポレート・ガバナンス、金融促進、労働者の保護育成、などの多角的視点から、経済学と法学の融合的アプローチを通じて分析することをめざした。成果として、中小企業の技術効率の総合的な評価手法、中小企業の効率の特殊要因を反映した中小企業政策、企業経営判断と企業規模分布の関係性の複合要因、輸出志向型産業への労働移動の貧困削減効果、輸出牽引型産業における金融部門の貢献の限定性、中小企業促進に立った教育政策・労働法制の見直し、閉鎖会社・無限責任会社に重点を置いた企業法制の見直し、といった諸点が明らかにされた。
著者
家永 真幸
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

『アジア研究』誌55巻3号に掲載された論文「南京国民政府期における中国『パンダ外交』の形成(1928-1949)」は、1941年に中国国民党中央宣伝部が対外宣伝活動の一環としてアメリカヘパンダ贈呈を行う背景となった歴史の重層的な文脈を明らかにし。その上で、それはパンダに対する振舞いが国家の「外部正統性」を構成する要素となりうるような国際関係に中国が組み込まれていく過程にほかならなかったと結論し、そのような状況は今日まで引き継がれているのではないかと問題提起した。▼同論文の続編として、台湾との交流シンポジウム『Academic Exchange Programme at Komaba Camnpus』で行った口頭報告『Why did pandas come to Japan in 1972?』では、1972年の日中国交正常化に際して行われたパンダ贈呈が、両国間の価値観の共有を前提にしている点や広告塔の存在などの点において、戦前からの中国の対外宣伝の延長上に捉えられるべきであることを指摘した。▼『中国研究月報』誌63巻7号に掲載された書評論文「北京オリンピック2008の歴史的意義-〔書評〕Xu,Guoqi, Olympic dreams : China and sports, 1895-2008, Harvard University Press, 2008.」では、一国内における国家と国民の身体の関係や、国際社会における国家間の関係を、スポーツという考察対象から総体的に捉えようと試みているという点に同書の重要性があることを指摘した。これは書評という場を借りて、報告者自身の問題意識であるところの、国家が国家としての正統性を獲得するプロセスにおいて文化的シンボルが果たす役割を明らかにすることの意義を説明した論考でもある。▼『新明社会学研究』誌に掲載された論考「語られ始めた陳紹馨-『台湾社会学の父』に見る現代史の断絶と連続」は、戦後の脱植民地化が日本ではなく中華民国に代行された台湾において、戦前日本ですでにキャリアを積んでいた台湾人研究者がどのような評価を受けることになったのかを論じたものである。外交や対外宣伝とは直接関わらないテーマであるが、「学知」という一種の文化的シンボルが国家の正統性とどのように関わるのかに関する試論として報告者の研究の中では位置づけられる。
著者
北川 えみ 北川 忠生 能宗 斉正 吉谷 圭介 細谷 和海
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.146-150, 2005-03-15
被引用文献数
5 2

1988 年にオオクチバスフロリダ半島産亜種が放流された池原貯水池では,1996, 1997 年の遺伝学的調査においてフロリダ半島産亜種由来のミトコンドリア DNA(mtDNA)をもつ個体の割合は 56.8% であった。今回(2003 年)再調査を行った結果,本亜種由来の mtDNA をもつ個体は全体の 86.7% となり,前回調査より有意な増加がみとめられた。また,近畿地方の池原貯水池とは別水系の湖沼(津風呂湖,宝ヶ池,深泥池)からも本亜種由来の mtDNA をもつ個体が検出された。<br>
著者
熊谷 信男
出版者
関西大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

チタン合金を高品位・高能率に研削するために、従来の砥石低周速度研削法に代わって、砥粒の熱伝導率が高いダイヤモンド砥石を使用し、研削点に高圧力の注液を行いながら通常(32m/s)の砥石周速度で研削した。この方法で研削した仕上面の品位を解明するために、Ti-6A1-4V合金の焼純材などをプランジ研削した。その結果、砥粒には靱性が比較的高いダイヤモンドが適し、ボンドの砥粒保持力が強力で、砥石表面に研削液が充分に浸入しうる気孔をもつダイヤモンド砥石が適することがわかった。また、砥粒の粒度には最適値が存在する。仕上面品位は、研削液の注液圧力の増加に伴って向上し、圧力2MPaでは、材料除去率が約5mm^3/mm・s以下で砥石の目づまりや研削焼けなどがない加工が可能であり、仕上面直下の残留応力分布は圧縮タイプになる。材料除去率の増加に伴って変質層の深さは増加するが、研削表面に残留応力が発生することは少く、内部のピーク応力は引張り側へ移行する傾向がある。仕上面の性状は工作物速度を速くし、切込みを少なくすると向上する。また、βチタン合金はα+β合金より仕上面の品位が悪くなり難削である。次に、焼純したTi-6A1-4V合金薄板疲労試験片の表裏両面を長手方向に平面トラバース研削して、これを両振り平面曲げ疲労試験を行った。その結果、次のことが明らかになった。疲れ強さは、上述の砥石を使用すると向上して焼純材よりも強化される。また、注液圧力を増加すると向上する。研削液は冷却性が重要であるが、冷却性以外の油性も強さを支配している。水溶性研削液の濃度は、気泡が発生しない範囲で高くするのが良く、供試研削液の中ではW1種1号相当品の10%希釈液の場合に最も高い疲れ限度が得られた。研削によって仕上面に生じる残留応力及び加工変質層は、仕上面粗さ以上に疲れ強さに大きい影響を及ぼす。
著者
松井 良明
出版者
奈良工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

近代スポーツはその大半がイギリスで礎を与えられた。だが、近代スポーツが出現する以前のイギリスには、前近代的な娯楽・スポーツが数多く存在した。たとえば、闘鶏、闘犬、熊がけ、牛がけ、牛追いといったアニマル・スポーツは、今日からすればいずれも残酷で血なまぐさい娯楽であったし、拳闘や棒試合など、人間が直接行うものでも、流血を不可避とするスポーツが少なからず存在した。本研究によってあきらかとなったのは、以下の点である。1.「ブラッディ・スポーツ(流血をともなうスポーツ)」の多くは、とくに王政復古後、ジェントルマン階層のパトロネジを得るとともに、賭を介して民衆のあいだでも大いに人気を博したこと。2.18世紀後半からは、とくに福音主義勢力とそれによる娯楽批判の高まりとともに、その残酷性に対する批判が高まり、「ブラッディ・スポーツ」がその批判対象となっていったこと。3.アニマン・スポーツについて1835年の動物愛護法が、また拳闘についてはコモン・ロ-の罪状が適用されることで、非合法と見なされたこと。4.しかし、ジェントルマンのパトロネジを得た「ブラッディ・スポーツ」は、「八百長試合」を排除し、賭けを公正に行わせるために、ルールの成文化、そして統轄団体の成立を促した。すなわち、民衆の社会規範とジェントルマンの文化が賭博や残酷性を介して、近代スポーツ成立の素地を作りだしていたのである。
著者
三好 鮎子
出版者
東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
雑誌
詩・言語 (ISSN:09120041)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.93-111, 2009-03-24

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』は成長小説の一種として読むとき、詩的な意味において、エンデの「語り手論」としても読むことが可能になる。「ほらふき」と呼ばれていた主人公バスティアンは、人間界とファンタージエンの往還を経て、物語の語り手になったことが暗示される。「はてしない物語」を読むとは、バスティアンにとってどのような意味をもつことだっただろうか。バスティアンが往還したのは、どのような世界のあいだだったのか。これらのことを詳細に検討してみると、バスティアンがファンタージエンで得た特別なもの――〈想像し語る〉というバスティアンの特性を展開させたもの――の姿もまた見えてくる。/「人間界とファンタージエン」とは何を意味するのか。これらの世界――本の内と外――は、ほとんどの場合、「現実―非現実」という対比で理解される。確かにバスティアンは、初めは本の外の世界を「現実」、内の世界を「ただのお話」ととらえている。しかし、彼が〈現実に〉本の中へ巻き込まれてしまったことが明らかになるとき、この「現実―非現実」の区別はもはや意味をなさなくなる。バスティアンにとって、両方の世界が「現実」となるのである。/ヨッヘン・ヘーリッシュが「日常性」をこの物語のテーマとしてとらえているのは示唆的である。実際に、この物語において「日常―非日常」の対比が重要な意味を担っていることは、物語の論理を追うことで明らかに認めることができる。本の外の世界とは「日常の世界」、内の世界とは「非日常の世界」なのである。/バスティアンが成し遂げたのは、日常の世界と非日常の世界の往還だった。この物語において、日常と非日常を差異づける最も大きなものは、名と物語のあり方である。つまり、日常と非日常との差異とは、言語の働きの差異なのである。日常の世界においては、バスティアンの作る名や物語は役に立たないもの、「ほら」でしかないのに対し、非日常の世界においては、それらは直ちに実体化する。名すなわち体となるのである。/バスティアンにとって特に重要な体験だったのは、コレアンダー氏も明言するように、ファンタージエンに友人ができたことだった。その友人アトレーユは、バスティアンの「代理人」としての性格をもつ。彼は、「バスティアンの名において」、バスティアンがファンタージエンで始めた物語をすべて終わらせるという課題を引き受ける。バスティアンを物語のなかに引きずり込んだ張本人であり、また帰した者、バスティアンの課題を引き受けた者である〈詩の言葉〉としてのアトレーユこそ、バスティアンを「ほらふき」から「語り手」へと成長させることになる特別な存在である。/〈アトレーユがバスティアンの名においてバスティアンの物語を締めくくる〉とは、それではどういうことなのか。アトレーユの性格をエンデの詩学に照らして考えてみると、次のように解釈できるように思われる。大人になって作家となったバスティアンの、名――ファンタージエンに行ってきた彼にとっては、すなわち体――を借りて、バスティアンの内なる〈詩の言葉〉であるアトレーユが、物語の続きを書くのだと。
著者
石原 昭彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

高齢期のヒトおよび実験動物(マウスおよびラット)を用いて筋萎縮および骨粗しょう症を抑制するための方法を検討した。30歳代(17名)、60歳代(15名)、70歳代(12名)、80歳代(9名)の女性を被験者として、最大努力での膝伸展筋力と踵骨の骨密度を測定した。さらに、60-80歳代の被験者には、最大努力の50%(最初の2ヵ月間)、70%(3ヵ月間の休息を挟んで次の2ヵ月間)、100%(さらに3ヵ月間の休息を挟んで次の2ヵ月間)で膝伸展筋力を発揮する運動を行った。30歳代に対して60-80歳代は、有意に低い最大努力での膝伸展筋力と骨密度を示した。さらに、60-70歳代に対して80歳代は、有意に低い最大努力での膝伸展筋力と骨密度を示した。最大努力の50%と70%の運動では、年齢に関係なく最大努力での膝伸展筋力に変化はみられなかった。一方、最大努力の100%の運動では、60歳代と70歳代において、最大努力での膝伸展筋力に有意な増大認められた。骨密度については、年齢および運動強度に関係なく変化はみられなかった。以上の結果より、60-70歳代では、強度の高い運動を継続することにより低下した筋力を改善できる可能性があること、一方、骨密度については、運動に関係なく改善がみられないことが明らかになった。高齢者でも日ごろより強度の高い運動を継続することにより比較的高い筋力を維持できることから、そのような運動プログラムを作成することが今後の課題となった。骨密度については、運動の影響を受けなかったことより、若いときから骨密度を高めておくことが重要であると考えられる。一方、実験動物を用いた研究では、運動量よりも運動強度に依存して高齢期の筋萎縮および骨粗鬆症を抑制できることが明らかになった。したがって、高齢期の骨粗鬆症および萎縮の抑制には強度の高い運動を継続することが必要であると結論された。
著者
柴田 重信
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

我々の体内時計は24時間よりずれており24時間に合わせる機構として同調がある。同調刺激には光と食事が重要であることが分かっている。そこで、マウスを用い、朝・昼・夕食のいずれが、同調刺激として有効であるか、また、食事の内容によって同調刺激に差が見られるか否かについてマウスを用いて調べた。その結果、長い絶食の後の食餌(ブレイクファスト)が、血糖値を上げ、インスリン分泌を引き起こしやすい食事内容が体内時計を同調させやすかった。