著者
渡辺 喜代美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.266-272, 2010 (Released:2010-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
3 2

近年,洋雑誌の高騰が続いたため,購読誌が激減してしまった。その打開策として,冊子体を購読中止し,電子ジャーナルを導入し,情報の効率的な活用に努めている。しかし,電子ジャーナルもまた,毎年値上げがあり,今後の利用頻度によっては,別の入手方法に切り替えることも想定される。オープンアクセスやリンクリゾルバ等の活用も含め,今後の活用については課題が多い。本稿では,近年の洋雑誌の価格高騰(いわゆるシリアルズ・クライシス)に対する企業の情報部門における対応について事例を報告する。まず弊社の知的財産部の情報関連実務について2章で紹介した後,3章で雑誌価格の高騰に対する当社の対応について詳述する。4章で,今後の課題と展開について述べる。
著者
齋藤 美穂 野嶋 栄一郎 松居 辰則 石川 真 野嶋 栄一郎 松居 辰則 石川 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、小学校の一斉授業場面において、教師と生徒のノンバーバルなコミュニケーションの手段であり、また教師のソーシャル・プレゼンスの一要因でもある表情を分析することにより、表情が学級風土に与える影響を検討した。教師の特徴的な表情や表出程度、印象などを多角的に検討した結果、表出される表情や程度は教師によって様々であったが、教師の表出する表情は、教師自身の印象や児童との一体感、学級風土に影響を与えることが明らかとなった。
著者
石田 亨 八槇 博史 溝口 理一郎 中小路 久美代 高田 司郎 中西 英之 荒井 幸代
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

セマンティックWebで提案されている基本技術は計算中心の技術であり,コンテンツを作成,利用するユーザ(人間側)への考察が欠けている.セマンティックWebの成功のためには,人間社会のWeb利用とセマンティックWebの計算中心のアプローチとのギャップを埋める人間中心の技術開発が必要である.このような問題意識に基づき,本研究では以下の三拠点に分かれて研究を展開した.京都大学では,厳密なオントロジーを人が記述することは容易でないとの立場から,人間が既に表現したコンテンツからオントロジーを抽出する研究を進めた.Web情報に関しては,既存データからのオントロジーの抽出に取り組み,カテゴリを特徴付けるキーワードの自動抽出や,表データからのオントロジーの抽出などを行った.また,既存オントロジーを整理して一覧とし,新しいオントロジーの設計を支援する研究を行った.大阪大学では,人間中心のセマンティックWebのためのオントロジー開発には小規模で分散したオントロジーを状況に応じてマージしたり,マッピングしたりする技術が不可欠であるとの考えから,オントロジー分散開発過程を包括的に支援する計算機環境を開発した.東京大学では,異なる「文化」に属するメンバ間の協調作業における,協調・交渉オントロジーの発現と発展に着目して研究が進められた.上記の研究と並行して,この分野を推進する活動も行った.人工知能学会にセマンティックWebとオントロジー研究会を継続的に発展させると共に,2004年にはセマンティックWeb国際会議(ISWC)をわが国で開催する中心的役割を果たした.また,2003年にElsevierから出版が始まったJournal of Web Semanticsの初代共同編集長を務めた.
著者
松井 良明
出版者
奈良工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ともに1835年に成立した動物虐待法と公道法は、イングランドにおける前近代的なスポーツに対する法的規制としての歴史的意義を有していた。両法は、アニマル・スポーツと公道でのスポーツ活動を合法的に実施するための条件として、「生活妨害」、「風紀紊乱」、「迷惑行為」に該当する要素の払拭と、「動物の福祉」、「万人の通行権」への配慮を提示し、それらの近代化を促した。両法が成立するまで、動物闘技ならびに公道でのスポーツ活動の違法性は、コモン・ロー上の「生活妨害罪」の適用を通して示されているに過ぎなかった。だがその一方で、両法は狩猟、テニス、ファイヴズ、クリケットなどを意図的に対象から除外してもいた。そのため、それらの近代化を停滞させ、前近代性を温存させる側面も有していた。続いて『チティの実用制定法集』第5版を検討した結果、19世紀の制定法に基づくスポーツ規制の広がりは以下のとおりであることが明らかとなった。「動物」、「陸軍」、「鳥」、「刑法」、「犬」、「魚」、「狩猟の獲物」、「遊戯と賭博」、「公道」、「未成年者と子供」、「酩酊アルコール飲料」、「市場と定期市」、「首都ロンドン」、「警察」、「大衆娯楽」、「公衆衛生」、「鉄道」、「歳入」、「船舶」、「日曜日」、「放浪者」19世紀イギリスにおけるスポーツの近代化に関しては、上記項目に分類された制定法諸規定を検討する必要がある。また、その際には個々の制定法の背後にある政治的意図に加え、個々の制定法が施行された後の諸判例の検討も必要となるだろう。イングランドにおけるスポーツに対する政治的な介入はその近代化を促すきっかけになると同時に、その背後にあった政治的な意図についての再考を促している。
著者
小田 寛貴 中村 俊夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.13, pp.186-188, 2002-03

本報においてその^<14>C濃度を報じる試料は, 青銅製の爵とよばれる器の底部に確認された付着物である.これらの青銅爵付着物は中京大学文学部の佐藤房儀氏より提供されたものであり, 爵が火にかけられた際に付着した煤とのことであった.表1に示した九点が提供された資料である.しかしながら, これらの付着物は明確に炭化物と判断できるものではなく, 緑青などが混入しており, 土壌もかなり含まれているように見受けられた.また, 爵を包んでいた布のものであろうか細かい繊維も確認された.特に, 試料No.4,7は緑青, 試料No.5,8,9は土壌と判断して間違いないような試料であった.緑青色〜黒褐色を呈する残りの四点についても, 実際に試料調製を行ったところ, その炭素含有率は1%にみたない結果であった.すなわち, 見た目からも炭素含有率からも, 炭化物ではなく土壌・緑青などの混合物と考えることが自然であるような付着物であった.この1%におよばない炭素についても, 煤に由来すると考えるよりも, 主成分は土壌に含まれていた炭素であると考えた方が無理がない.この点を明らかにするため, また^<14>C年代には適さないこうした試料が実際にはどのような^<14>C濃度を呈するものであるか, その一つの実例を示すため, 土壌・緑青混合物と考えられる青銅爵付着物についての^<14>C濃度測定を実施した.本報では, その^<14>C濃度測定の過程と得られた青銅爵付着の見かけ上の^<14>C年代を報告する.
著者
百橋 明穂 LUDVIK Catherine CATHERINE Ludvik
出版者
神戸大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

・弁才天と宇賀神の結び付き、いわゆる『弁天五部経』の英訳;宇賀弁才天の漢訳儀軌を解読;宇賀神の姿と名前の起源を判明するため、経典に登場するインドと中国の蛇神の系譜を調べた。・比叡山弁天堂の年中行事、儀礼を調査し、さらに他の弁才天関係の現地調査した:鎌倉の鶴岡八幡宮旗上弁財天社、銭洗弁天宇賀裾神社、江ノ島神社、竹生島宝厳寺と都久夫須麻神社、鹿児島の最福寺大弁財天、名古屋の桃巌寺等。九月に研究室の中国での研究調査旅に参加し、弁才天関係の志発見・新知見を得た。・弁才天像のデジタル・フォトアーカイブを作成した。従来の印度・日本の弁才天の図像に加え、今回殊に調査に基づいた中国の新発見・新知見の作例増加させて完全なものとした。・上の三つの研究方法で宇賀弁才天関係の資料や写真を収集した結果、当初本一冊を刊行する計画であったが、中国の新たな作例と新知見の増加により、研究が大幅に展開し、著書2冊と論文を執筆することとなった:Uga-Benzaiten: The Origins and Development of the Combined Deity(準備中);The Indian and East Asian Metamorphoses of a Goddess: From Sarasvati to Benzaiten(準備中)。・仏教学と美術史学関係のセミナーや学会に参加し、意見交換した。
著者
北村 美穂子 下畑 さより 介弘 達哉 池野 篤司 坂本 仁 折原 幾夫 村田 稔樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.67, pp.97-102, 2008-07-10

近年インターネットの普及と価値観の多様性の拡大により,様々なサービスやコンテンツが提供される時代になっているが,多種多様化しているサービスやコンテンツは様々な言葉や形式で表現されているため,従来のキーワード型の検索サービスだけでは自分のニーズに合ったものを見つけることができない.我々は,対話システムにおいて,「対話の中で徐々に掘り下げた質問を繰り返すことにより,ユーザの真のニーズや価値観を引き出す」 ラダリング手法を用いることによりシステムがユーザに質問を投げかけ,ユーザが単独では表現できなかったキーワードや表現を引き出し,多種多様でかつ大量のサービスやコンテンツの中からそれとマッチするものを探し出す 「ラダリング型検索サービスシステム」 を構築した.本稿は,対話エンジン部を中心に本システムの全体概要を説明する.It has become common to search needed services and contents using the Internet, but it is difficult to find exactly what one is looking for through keywords as each service is described in just too many ways. We developed "Laddering" Search Service System that matches users with the search targets by communicating with the users through interviews. The system consists chiefly of the laddering dialog engine employing "laddering method" which enables the engine to ask questions to users and extract keywords and expressions that users probably would not have been able to express on their own. This paper describes the outline Laddering Search Service System, focusing the laddering dialog engine.
著者
佐藤 容子
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

まず、宮崎県内でのLD児についての理解の浸透を図って、学校単位での講義や全県規模での教員対象の講義を行った。同じ教員に複数回の講義をした。また、保護者にも、地域ごとに、LDについての講話を行った。その上で、公立の大規模小学校1校と中規模小学校3校(児童数合計2,230名)に対して、PRSを用いたLD児のスクリーニングを行った。抽出された児童にWISC-III、K-ABC、DAMなどの検査を行い、67名のLD児が確認された。出現率は約3%であった。次に、これらのLD児について、彼らの学級での仲間関係と適応感を査定するために、自己報告による孤独感尺度、社会的コンピテンス尺度、社会的スキル尺度、そして、学級における人気投票を行った。また、担任教師には、子どもの社会的スキルと学校への適応状況について評価してもらった。その結果、LD児は健常児に比べて孤独感が強く、社会的コンピテンスは低く、向社会的スキルが少なく、外面化問題行動と内面化問題行動が多かった。仲間からの人気度も明らかに低かった。教師評価でも、LD児の社会的スキルは低く、学校への適応度も低かった。そこで、小学校2年生と3年生の学習障害児をターゲットにして、3週間にわたって、文脈論モデルに基づいて、学校ベースのソーシャルスキル・トレーニングを実施した。ターゲット・スキルは、「上手な聞き方」、「仲間への言葉かけ」、「集団活動への入り方」であった。トレーニングの結果、ターゲット児だけでなく、学級の仲間達も、孤独感と外面化問題行動、内面化問題行動は低下し、向社会的スキルが増加した。さらに、トレーニングの維持効果をみるために、1年後に再び、ベースライン時と同じ査定を行った。その結果、トレーニング効果は比較的よく維持されていることが明らかになった。
著者
磯部 彰
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

明清時代以来、宝巻は民間秘密宗教の経典として見られて来た。そして、反体制の出版物であったがゆえに、原刻本は多く禁書とされたため、写本や清末民国の重刻本が残るにすぎず、出版文化史からは研究しにくい分野であった。しかし、実際に、中国やアメリカに残る明代の宝巻を調査すると、古宝巻は教派系と呼ぶ民間宗教経典と故事系と称する民間文学作品に大別され、明代前期以前は教派系宝巻が主流であったことが判明した。本計画研究の、前半2年間は、明代及び清初の教派系宝巻の原刻本の所在調査とその書誌研究に重点を置き、従来知られてはいなかった『普覆週流五十三参宝巻』という黄天道の教派系宝巻を発見し、その内容及びその製作者が華北の宣府(宣化県)出身で、出版は北京城内にあった経舗の一つ、党家に依託したことを明らかにした。後半2年の研究では、明刊教派系宝巻を刊行した版元の性格について分析を行なった。明代の宝巻は、かなりの種類が北京城内で出版され、版元は党家などの経舗が受け負い、施主は弘陽教の宝巻などが巻頭に記すような皇妃・宮女、皇親・官僚、或は、地方の地主や郷紳などが資金を提供しつつ、各教派の宗教活動を支援していたらしいことがわかった。経舗では、北蔵などの官版も印刷を受け負っていたので、宝巻と官版宗教経典とは版本としての体裁も似通うか、同類に属していた。つまり、版元から宝巻の性格を考えた時、明代から清初にかけて、経帖装の教派系宝巻は、王朝の出版統制の網にはかからず、禁圧されることになるのは、清の雍正時代以降のことであった。
著者
中道 正之 安田 純 志澤 康弘
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究では、自然・科学教育の重要性が叫ばれている今日において、動物園はその絶好の場所と捉え、動物園における人と動物の相互作用についての基礎研究を行い、「動物園行動学」という新しい研究分野を確立することを意図した。このために、来園者の行動、動物の行動、動物と来園者の相互作用を記録した。今年度は、特に実際に動物園に来て、動物を直接見ることによって、「好きな動物、見て楽しめる動物」が変わることを確認した。これは、動物園で実際に動物を見ながら楽しむことによって動物への印象が変わることを意味している。また、動物園で新築されたサルの新動物舎が、来園者にどのように評価されるのかを、行動観察、来園者へのアンケート調査で分析した。新動物舎の展示環境が見やすいことが、来園者の滞在時間を増加させること、そして、動物を見つけ出そうとする探索行動も増加することが、旧動物舎との比較から、確認できた。直接観察とアンケート調査の併用で、新動物舎の簡便な評定が可能であることを実証した。自然の中で暮らすニホンザルを近くで見て楽しむことが可能な野猿公園での来園者の意識に関する調査も、昨年度に続いて行った。来園者の関心は、おとなよりも子ザルに、動きの乏しい休息時のサルよりも、毛づくろいなどをしてかかわっているサルや遊んでいる子ザルに対して高かった。また、寿命などの生物学的な点だけでなく、母ザルと子ザルの関わりなどに注目する傾向が確認された。教育価値としての野猿公園の潜在力が確認された。
著者
杉本 一直
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシア語ロシア文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
no.23, pp.55-69, 1991-10-01

Reading Nabokov's Invitation to a Beheding (1937), we can find two features which makes the novel seem different from the ordinary novels based on the third person. The first feature is distinctive way of presenting a fiction to the reader, while the second is bold devices of style. The interaction of these two features brings a strange ending of the story. Let's follow the process. The protagonist, Cincinnatus, is a prisoner to be executed, whose crime is unknown to the reader, or, rather, he hasn't committed any crime at all. That means a prison and a prisoner are lying here just as a fictional setting, and the details of the crime haven't been created. In the same way, the setting as to time and space of this story remains obscure enough for the reader to find that beyond the stage of a prison there exists nothing concrete. Thus the protagonist is forced to stand in the simplest, minimum setting, which reminds us the plays of Beckett. Such extreme fictiousness of this work is reinforced by the element of play. The characters always appear with makeup, with wings and padding, and so on. And we notice the more interesting fact that Cincinnatus himself recognizes such fictiousness or such element of play, as is illustrated in his words, such as "I'll act to the end my role in your idiotic play". Like an actor, Cincinnatus belongs to the fiction just partly or temporarily. In this respect the fiction of this novel is presented on two levels, saying, on the level of the protagonist and on the level of the fictious stage. This is the first feature of Invitation to a Beheading. Half of Cincinnatus thus takes part in the "play", while the other half is absorbed in thinking and writing down his thoughts, so that Cincinnatus's words, in the form of the first person sentences, occupy a considerable part of the text. Furthermore, Cincinnatus's thinking and imagination creep in the third person sentences of narration. In some cases, the narration describes the visions which Cincinnatus's imagination produces as if they were actually going on on the fictional stage, for they are described in a deliberately "low-keyed", calm tone, such as that in which one narrates customarily the commonplace. And that prevents us from knowing imaginary visions from actual matters. These stylistic devices, where the elements of fantasy and actuality are intentionally mixed, turn out to be the second feature of this novel. When Cincinnatus's fantasy creeps in the narration this way, the order and objectivity on the fictional stage may break down. We can see such breakdowns from time to time in the course of the novel, but they boldly appear especially in the last chapter. While Cincinnatus daydreams on the way to the beheading platform, the fictional stage is pulled down little by little, which means, of course, narration describes Cincinnatus's daydream as if were real. And finally, on the platform, Cincinnatus's daydream completely controls narration, so that the whole fictional stage collapses into dust. In this work Nabokov presents a fiction as a readily broken set like that of a western film beyond which there is nothing but a wilderness, and after that he pulls down this fiction with stylistic devices. So I dare say the real story of Invitation to a Beheading is performed by style and bare fictiousness.
著者
武 小萌 張 文利 上條 俊介 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.41-46, 2003-07-10

近年,映像情報システムの構築を目的とする研究が盛んに行われてきたのだが,このようなシステムに基づいて提案された実用的なアプリケーションはまだ少ないのが現状である.本稿では,映像内のオブジェクトに注目し,ドラマ登場人物人気投票システムと呼ばれるオブジェクト記述を利用した対話型映像情報利用システムを提案する.提案システムにより,ネットワーク上で複数のユーザが同じ放送映像を見ながら,登場人物に対して好感度に分けて投票する.投票情報がサーバ側で収集・蓄積・利用される一方,異なった登場人物の人気度,そして異なった映像時間帯の投票率等に関する統計量を提供することが可能である.
著者
中山 慎吾 下満 ゆかり
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.68-79, 2009-08-31

十分で適切なスタッフ教育は,訪問介護の質を高めるために重要な方法のひとつである.訪問介護事業所のサービス提供責任者は事業所内のホームヘルパーを教育する役割を果たすことが多いが,サービス提供責任者自身も学習ニーズをもっている.本研究では,サービス提供責任者の研修内容として重要なものはなにかを,3段階のデルファイ法を用いて検討することを目的とした.第1段階で自由記述の内容分析を行い,第2・第3段階では重要度を数量的に評価してもらうという方法をとった.その結果,41項目の研修項目が見いだされ,そのなかで特に重要度評価が高い上位16項目が特定された.上位16項目には"訪問介護計画の作成"などのサービス調整業務に関する項目とともに,"ヘルパー同士のコミュニケーション・関係形成"を含むヘルパー管理業務に関する項目が含まれていた.事故予防や事故対応,監査や情報開示への対応に関する項目の重要度も高く評価された.
著者
大島 規江
出版者
国際教養大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究はオランダのアムステルダムを事例にエスニック・エンクレイブの変容を(1)人口的側面、(2)空間的側面、(3)社会・経済的側面、そして(4)文化的側面から包括的に分析・実証したものである。1990年代からのエスニック・エンクレイブの郊外への拡大には、福祉国家オランダの住宅供給システムのみならず、エスニック事業所やエスニック・コミュニティの存在が大きな要因となっていることが実証された。
著者
千葉 龍介
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

近年,自律ロボットによる家庭内・オフィス内作業が達成されつつあるが,未だその作業効率には疑問が残っており,適切なロボットの行動計画を行う必要がある.本研究では,家庭内・オフィス内という未知・動的な環境で高効率かつロバストな行動を達成するため,ロボットの行動計画法の提案を行う.家庭内での掃引作業を例に採り,遺伝的プログラミングにより高効率性を,遺伝的アルゴリズムによりロバスト性を獲得する.これらを同時に行うための競争的共進化手法を提案し,シミュレーションによりその有効性を検証する.