著者
渡邉 大
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.154-121, 2018-02-28

本論は、著述のあり方、学術の変遷について考察する文史・校讎の学という観点から、章学誠の六経皆史説を再検討したものである。章学誠にとって、経書の経書たる所以は、それが実際に天下を経綸した先王の政典である点に存し、六経皆史説も古人無著書説もそれを前提として成り立つものであった。また、両説の背景には、官師合一、治教無二と称する、政治・学問・教育が一体となった古代の理想状況が想定されていた。章学誠は、六経をあらゆる学問・著述の淵源として位置づけたのと同時に、あらゆる学問・著述は、六経がそうであったように、経世を志向するものでなくてはならず、また、変化してやまないその時々の情勢に即応したものでなくてはならないと主張したのであった。
著者
Shota YABUI Takenori ATSUMI Tsuyoshi INOUE
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing (ISSN:18813054)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.JAMDSM0078, 2019 (Released:2019-11-07)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3

To increase recording density, a head positioning control system of a hard disk drive (HDD) has to compensate for vibration due to mechanical resonances of the system. In this study, a novel scheme of an adaptive feedforward cancellation (AFC) is proposed to compensate for the vibration due to the mechanical resonances. Compared to a notch filter, which is commonly used to compensate for the vibration, the proposed AFC has the advantage of estimating the amplitude of the vibration from the output signal. In addition, although the proposed AFC can be implemented as a discrete system, the design parameters: frequency, damping ratio, and gain can be set directly in a digital signal processor. The proposed control system was applied to a dual-stage actuator system, which is the mainstream head positioning control system of the current HDDs. The results indicate that the proposed system could compensate for the vibration due to the mechanical resonance.
著者
澤田 いずみ 道信 良子 石川 幸代 小川 賢一 原田 瞳
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.652-660, 2022 (Released:2023-02-16)
参考文献数
42

目的:日本の医療分野で健康問題を抱える人へ実践されている応援の概念分析を行い,定義を明らかにする.方法:国内文献29件を対象にRodgersの概念分析を行った.結果:前提要件3つ,属性4つ,帰結4つのサブカテゴリーから,各一つの【カテゴリー】が抽出され,医療分野の応援は,生き方の模索が続く健康問題を抱える人への【自分らしくあることの困難性への共感】に基づいて,医療者が【その人が自分らしく生きるために味方になり新たな活動を試みる】ことで【その人の主体性の高まりに医療者としての自分らしさが充実していく】過程であった.味方になるとは,医療情報を分かりやすく伝えること,対象者と願いを共に考え支えること,対象者の思いを代弁し共感を周囲に波及させ仲間を作ることにより,その人らしさを支えることだった.結論:医療分野での応援は,対象者のその人らしさを大切にしたい医療者の新たな活動の創出を助ける概念と考えられた.
著者
Cabral Horacio 垣見 和宏 内田 智士
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

We will first develop a series of T-cell targeted mRNA-loaded nanocarriers. These nanocarriers will be optimized for stability, targeting and protein production in vitro.Promising formulations will then be tested in vivo. to determine the targeting efficacy to the CD8 T cells, the production of CAR T cell in situ and the antitumor activity against models of leukemia and solid tumors. Finally, we will check the toxicity of the treatments.
著者
坂本 多穗
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1084, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
2

閉経時における17βエストラジオール(E2)やプロゲステロンといった女性ホルモンの急激な減少は,更年期障害として多様な身体変化を引き起こす.その中に骨格筋や肝臓,脂肪組織といった糖代謝器官の機能低下が含まれる.骨格筋は全身のインスリン依存性グルコース吸収の大部分を引き受けており,その代謝機能の低下はインスリン感受性低下に直結する.一般的に,E2をはじめとする性ホルモンの効果は,核内受容体やGタンパク質共役型受容体を介した細胞内シグナル経路の活性化によると理解されている.ところが,最近Torresらは,E2がミトコンドリア内膜の物理化学的性質の変化を介して呼吸代謝に影響することを報告したので紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Mauvais-Jarvis F. et al., Endocr. Rev., 34, 309-338(2013).2) Torres M. J. et al., Cell Metab., 27, 167-179(2018).
著者
緑川 敬
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.5-8, 1975-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

今年は, 知識集約化が本誌編集の一つの柱として採択された。この問題は, つとに政策当局の関心を惹いて, すでに中小企業の構造改善事業にも主要課題の一つとしてとりあげられている。知識集約化は, 来るべき情報化社会への推進力であるが, 業界もまたこの重要性を理解の上, 政策当局と呼応して前進されることを希って, 手始めに問題意識の高揚と総論をお願いすることにした。
著者
中島 秀之 野田 五十樹 松原 仁 平田 圭二 田柳 恵美子 白石 陽 佐野 渉二 小柴 等 金森 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_875-I_888, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

バスとタクシーの区別を無くした,主として都市部を対象とした新しい公共交通システム(Smart Access Vehicle System)の概念を示す.これは,コンピューターにより全ての車輛の位置と経路を管理し,固定路線やダイヤを持たず,乗合いで,デマンドに即時対応するシステムである.これを交通サービスのクラウド化と呼ぶ.タクシーの利便性とバスの経済性を併せ持つことが可能である上に,渋滞,事故,天候変化,災害などに柔軟に対応できる.筆者らは函館市内において小規模な実験を行い,数日間の完全自動配車に成功している.

1 0 0 0 移民地事情

著者
外務省通商局編
出版者
不二出版
巻号頁・発行日
1999
著者
日本國際問題調査會編
出版者
河出書房
巻号頁・発行日
1935
著者
道下 慈英 中島 孝寛 八重嶋 克俊 衣笠 竜太
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.298-304, 2022 (Released:2022-12-20)
参考文献数
23

本研究では,セーリング競技のフルハイクアウトの姿勢を模したハイクアウトテストを実施し,その持続時間および下肢への負担の観点から,フルハイクアウトの有効な足首の使い方を明らかにすることを目的とした.足関節を背屈させ舟状骨上にフットベルトをかけるフォーム(NAV)と,足関節 を底屈させ中足骨上にフットベルトをかけるフォーム(MET)でのハイクアウトテストを行い,持続時間と膝関節伸展筋群の筋活動電位(EMG)を比較した.EMG の電極は内側広筋(VM),外側広筋(VL),および大腿直筋(RF)の筋腹に貼付した.MET の持続時間(95 ± 18 秒, 平均値と標準偏差)は,NAV の持続時間(73 ± 20 秒)よりも有意に長かった.全ての対象者は股関節角度を維持できなくなったことにより測定終了したことから,フルハイクアウトの持続時間を決定するのは股関節屈曲筋群の筋持久力であると考えられる.しかし,フォームによる各筋のEMG に有意な違いは認められなかった.股関節屈曲にも寄与するRF に関して,フォームに関わらず,時間経過に伴うEMG の振幅が増大することが確認された.以上のことから,フルハイクアウトの姿勢を長時間持続させるフォームとして,足関節を底屈させるMET が有効であると示された.
著者
藤木 亮介 秋山 哲一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.635, pp.223-231, 2009-01-30 (Released:2009-11-02)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2

This study analyzes the difference of maintenance cost of individual building of the complex of condominiums. As a result of the analysis, the following items were clarified. •In the complex of condominiums of the similar shape, the large difference of the maintenance cost is caused in the renewal of the incidental hardware of the buildings. •In the complex of condominiums of the different shape, the large difference of the maintenance cost is caused by the difference of the construction area.These results show that it is necessary to manage the maintenance cost of each building separately.