著者
石井 英真
出版者
日本教育方法学会
雑誌
教育方法学研究 (ISSN:03859746)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-58, 2003-03-31 (Released:2017-04-22)
被引用文献数
1

本稿は「改訂版タキソノミー」(以下「改訂版」と略す)に関する論稿である。「改訂版」は,かつてブルーム(B. S. Bloom)らによって開発された「教育目標の分類学」(以下ブルーム・タキソノミーないしは初版)の認知領域を改訂したものである。本稿では,初版との比較を通して「改訂版」の意義を探った。まず,本改訂における変更点について考察した。そして,特に注目すべき構造上の変化として,知識と認知過程の二次元構成を取り上げ,その中身について論じた。次に,初版の意義と限界を明らかにするために,初版における目標構造化の論理(タキソノミーの構造に内在している授業改善の方向性)を抽出し,その背後にある学習観についても検討した。最後に,「改訂版」の学習観と目標構造化の論理について分析を加えた。以上より,次のようなことが明らかになった。初版と「改訂版」との間には,学習観における重大な差違があり,「改訂版」の学習観(構成主義,領域固有性)は,初版の学習観を転換させるものである。そして,この学習観の転換がカテゴリー構成のレベルで具体化された結果,「改訂版」は初版にはない二つの視点(知識習得の質を問い直す回路,高次の認知目標を支える知識を問う回路)を生み出している。こうして,初版から「改訂版」への改訂は,目標構造化の論理を再構築する過程として捉えることができるのである。
著者
鈴木 仁
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-21, 2016-12-15

本論は、樺太における地名選定と、その後の地名研究の活動から、日本領に再構築される樺太での日本人の領土意識を考 察したものである。 第一節では、幕府や開拓使における樺太の地名の取り扱いをまとめた。アイヌ語地名を漢字表記した行政地名化は北海道 で実施され、開拓使・北海道庁や各支庁による選定がなされており、樺太では明治六年(一八七三)に「樺太州各所地名」 が定められる。だが、各地の表記が整理される前に、明治八年のサンクトペテルブルク条約(樺太千島交換条約)により島 の全域はロシア帝国領となった。 第二節では、日露戦争中に樺太を占領した現地の部隊による地名改称と、これに対する地理・歴史学者たちの反応をまと めた。明治三十八年(一九〇五)七月に占領が進められたロシア領サハリン(樺太)には、勝利を記念して地名が付けられ たが、北海道にもあるアイヌ語地名が樺太で消されていることに反対する意見が出されている。 第三節では、明治四十年(一九〇七)四月に開設された樺太庁による地名選定事業についてまとめた。一部に意訳や日本 語地名の新たな設置もあるが、選定の基本方針はロシア語地名を排除し、原名となるアイヌ語地名を調べ、その語音の漢字 表記としている。大正四年(一九一五)八月に、樺太で郡町村が編制されると、広域地名にも採用されている。 第四節は地名研究史とした。樺太の地名には多様な民族と歴史変遷により、アイヌ語以外の言語も影響しているため、島 内では歴史研究の資料として調査されている。本論では、その調査活動のなかから、昭和期には広まった郷土研究により、 異文化であったアイヌ語が郷土の文化として研究される過程をまとめ、昭和五年(一九三〇)に樺太郷土会から発行された 『樺太の地名』を日本人住民による一つの成果として取り上げた。加えて戦後の出身者によるアイヌ語地名研究の見直しや、 郷土の記憶として資料化されたことも補足した。
著者
平野 真理
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.343-354, 2012-12-30 (Released:2013-06-04)
参考文献数
37
被引用文献数
6 4

本研究の目的は, 「生得的にストレスを感じやすい」というリスクを, レジリエンスによって後天的に補うことができるかを検討することであった。18歳以上の男女433名を対象に質問紙調査を行い, 心理的敏感さと, 資質的レジリエンス要因(持って生まれた気質の影響を受けやすい要因)・獲得的レジリエンス要因(後天的に身につけやすい要因)の関係を検討した。分散分析の結果, 心理的敏感さの高い人々は資質的レジリエンス要因が低い傾向が示されたが, 獲得的レジリエンス要因については敏感さとは関係なく高めていける可能性が示唆された。次に, 心理的敏感さから心理的適応感への負の影響に対する各レジリエンス要因の緩衝効果を検討したところ, 資質的レジリエンス要因では緩衝効果が見られたものの, 獲得的レジリエンス要因では主効果のみが示され, 敏感さというリスクを後天的に補える可能性は示されなかった。また心理的敏感さの程度によって, 心理的適応感の向上に効果的なレジリエンスが異なることも示唆され, 個人の持つ気質に合わせたレジリエンスを引き出すことが重要であることが示唆された。
著者
山本 康貴 高山 マミ 野々山 忠芳 近 裕介 北川 孝
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12359, (Released:2023-05-29)
参考文献数
30

【目的】本研究の目的は,慢性閉塞性肺疾患急性増悪(acute exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease:以下,AECOPD)患者における運動療法およびセルフマネジメント教育の身体活動性(physical activity:以下,PA)改善に対する有効性を検討することである。【方法】本研究はシステマティックレビューおよびメタアナリシスであり,2022年3月に5つのデータベースを検索し,AECOPD患者に対し運動療法およびセルフマネジメント教育またはどちらかの介入が単独で行われたランダム化比較試験(randomized controlled trials:以下,RCT)を収集した。コクランが推奨する方法でバイアスリスクやデータの統合,エビデンスの確実性の評価を実施した。【結果】13件のRCTが特定され,メタアナリスの結果,運動療法のみ歩数の有意な改善を認めた。各介入の歩数に対するエビデンスの確実性は「非常に低い」であった。【結論】AECOPD患者を対象とした運動療法はPAの改善をもたらす。セルフマネジメント教育を併用した介入については今後の解明が必要である。
著者
篠原 博
出版者
宝塚医療大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

先行研究ではアーチェリー動作中に生じる「腕のふるえ」はパフォーマンス低下や肩甲骨の安定性を減弱させる要因と指摘している。この「ふるえ」は障害の原因にもなると考えられるため、軽減させる必要がある。我々は表面筋電計および加速度計を使用し、「腕のふるえ」のパワーを解析することや、筋活動を周波数解析することで「腕のふるえ」を引き起こす原因を解明することに取り組んだ。腕のふるえと相関関係を示す筋の活動を分析し、またその筋に対するトレーニング方法を考案した。そのトレーニングを実施した際にどの程度「腕のふるえ」が軽減するのかを検証し、実際に軽減することを確認した。
著者
大島 洋志
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.197-209, 2004-10-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

筆者は長年, 鉄道の地質技術者として主に鉄道トンネルの路線計画や設計・施工計画にかかわってきた. 本稿は, 筆者が体験してきたことがらのうち, トンネルの路線選定を対象に, 一地質技術者としてどのような点に留意してきたかを, 事例を交えながら随想風にまとめたものである.
著者
Takumi Teraoka Kanako Amei Yutaka Fukai Kohei Matsuno Hiroji Onishi Atsushi Ooki Tetsuya Takatsu Atsushi Yamaguchi
出版者
The Plankton Society of Japan, The Japanese Association of Benthology
雑誌
Plankton and Benthos Research (ISSN:18808247)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.369-382, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
67

Knowledge about the taxonomic and size composition of mesozooplankton is of critical importance for both fisheries and oceanography. In this study, we collected an annual time series of mesozooplankton samples in Funka Bay and analysed them using ZooScan to reveal the seasonal changes in taxonomic and size structure. Both zooplankton abundance and biovolume peaked in April and were dominated by an appendicularian Oikopleura labradoriensis which has been reported as being are being important food source for flatfish larvae. Furthermore, Noctiluca scintillans was abundant from September to December. The occurrence of this species may be related to the recent increase in the transport of Tsugaru Warm Current water into the bay. The Normalized Biomass Size Spectra (NBSS) was significant for 16 of 21 sampling dates. Insignificant NBSS, with an extremely flat slope, was observed for January–March. Significant NBSS with a flat slope was observed in April. Then, the relatively steep slopes of the NBSS were the case from mid-May to December. These seasonal changes in the slope of NBSS suggest that the energy transfer efficiency for higher trophic levels varied seasonally. The observed slopes of the NBSS in Funka Bay ranged from −1.09 to −0.30, which was flatter than the theoretical value (−1) and the previously reported values for the oceanic region of the western North Pacific. This suggests that the energy transfer efficiency to organisms at higher trophic levels in the Funka Bay is higher than in the adjacent oceanic region.
著者
身内 賢太朗 濱口 幸一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.68-76, 2020-02-05 (Released:2020-08-28)
参考文献数
34
被引用文献数
1

暗黒星雲,ブラックホール,ダークエイジ,ダークマター,ダークエネルギー.いずれも宇宙の中の「黒そう」なモノたちである.いずれも実際に宇宙に存在するもので,中でも暗黒星雲,ダークエイジについてはよく知られており,ブラックホールについても地球規模の電波干渉望遠鏡による「撮影」に成功するなど,その姿が知られるようになってきている.ダークマターはヒーローもののテレビ番組の敵役やチョコレートの商品名として登場するなど,名前自体は世間に知られるようになってはいるが,その正体は不明である.ダークエネルギーについても,宇宙の加速膨張に寄与する何らかのエネルギーであることは知られているが,その根源については分かっていないため,名前を付けて満足している状態である.ここではダークマターに焦点をあて,その正体解明を目指す理論的研究および直接探索実験について述べる.ダークマターは,宇宙に存在する「目に見えない」(光学的に観測されない)未知の「物質」である.重力的にはそこに質量がなくてはならないが目に見える物質はない,という観測結果の一例として銀河の回転曲線がある.万有引力の法則を考えると,観測される銀河の回転速度を説明するには,見える星のみでは足りないのである.この矛盾を説明するために多くの仮説が立てられてきたが,我々の知っている宇宙に対してもっとも少ない拡張で自然に説明できるものがダークマターという未知の素粒子の存在を仮定することであった.その後の様々な宇宙観測により,我々は宇宙の構成要素を右図に示す通り精密に知るに至った.宇宙の記述に「大成功」している素粒子の標準模型で説明される「通常の物質」はエネルギー換算で宇宙全体の1/ 20に満たない.通常の物質の5倍以上のダークマターと,さらにその2倍以上のダークエネルギーが宇宙のほとんどを構成する,というのが現在広く受け入れられている宇宙の姿である.こうした謎の物質,ダークマターの正体解明のために,数十年にわたって多くの理論的,実験的な研究が進められてきた.理論的に多くのダークマター候補が提唱されてきたが,その中でも宇宙初期に生成され,宇宙の膨張と共に他の物質から切り離され現在に至るという「WIMP」が有力候補のひとつである.こうしたWIMPを探索する手法に,通常の物質との相互作用を用いて探索するという「直接探索」実験がある.直接探索実験では,ダークマター以外の自然放射線起源の事象を低減するために低バックグラウンド化した大質量の検出器を用いて観測を行い,ダークマター反応の事象を待つ.半導体検出器,固体シンチレータ,低温熱量計など多様な検出器による探索が行われ,現在では数トンの質量の液化希ガス検出器による探索が世界をリード,直接検出に迫っている.直接探索をはじめとして,間接探索・加速器を用いた探索によってダークマターの正体が数年の内に明らかになる可能性が高まってきている.現在の物理学に課せられた大きな問題であるダークマターへの我々の取り組みに今後もご注目いただき,正体解明へのみちのりを一緒に楽しんでいただければと思う.
著者
八木橋 宏勇
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.43-49, 2018 (Released:2018-03-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

女性と男性を区別しない社会はない。世界には約5,000もの言語があると推定されているが,女性と男性を区別しない言語もないと考えられる。言語は社会の有り様を映し出す鏡であり,両者は常に相互作用しているからである。長く,生物学的にも,文化的にも,両性は異なる社会的役目を担い分業を営んできた。それは言語にも反映されている。一方で,言語を意識的に変えることで,社会に変革を迫ることも可能だと思われる。本稿は,言語現象に垣間見られる女性と男性の姿を社会言語学の観点から紹介するとともに,医療の現場で女性医師のコミュニケーションスタイルが患者の予後に望ましい影響を与えている可能性を指摘する。
著者
上野 雄己 飯村 周平 雨宮 怜 嘉瀬 貴祥
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.397-414, 2016 (Released:2018-03-21)
参考文献数
143
被引用文献数
2

Stress-related research in psychology has traditionally focused on both understanding and reducing stress responses. This paradigm has changed in recent years to more detailed studies on recovery from extreme stress responses and on growth. Therefore, in addition to paradigms of the past, it has become necessary to develop a process model that includes recovery from psychological maladaptation and trauma, as well as growth. Such a model is expected to facilitate new approaches to both maintaining and promoting well-being during the total lifespan of an individual, as well as to preventing the recurrence of maladaptation. This study focused on “resilience,” “posttraumatic growth,” and “mindfulness,” which are areas that are attracting the attention of researchers working in fields related to stress research. Moreover, a model of recovery from and growth after difficult situations is suggested by applying these concepts.
著者
稲垣 大紀 イナガキ ダイキ Daiki INAGAKI
雑誌
東洋英和大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.121-135, 2006-03-15

This thesis summarizes fact-finding studies and the history of disputes concerning the Nanking Massacre that broke out in 1937. The center of the dispute today concerns the scale of damage (the number of those killed) in the massacre, but there is more to it than that. The author made a thorough investigation into the truth of the atrocity by tracing its cause back to the Second Shanghai Incident and focusing attention upon the Nanking occupation and post-conquest activities by the Japanese Army. The author estimates the number of people slain to be approximately 40,000 at the maximum, and discusses the essence of and questions raised by the subject matter by taking account of the history of relevant disputes to date.
著者
植田 康孝 野津 めぐみ
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.32, pp.203-221, 2022-03-15

本稿は,リベル・エンタテインメントが提供しているスマートフォン向けアプリゲーム「A3!(エースリー)」を舞台化した,「MANKAI STAGE『A3!』」におけるキャラクターの感情や発言傾向を分析し,女性客が2.5 次元舞台でキャラクターらしさを感じる理由について考察することを研究目的とする。「MANKAI STAGE『A3!』」動画から音声合成技術を用いてテキスト変換,関連するウェブサイトや書籍で補足して,セリフからキャラクター達の特徴を挙げ,舞台における“らしさ”の表現を分析した。「MANKAI STAGE『A3!』」において「キャラクターのファンは,他のキャラクターとのやり取りで感じられる関係性から物語における“推しらしさ”を見出しており,舞台ではキャラクター同士の関係性を見せることで“らしさ”が表現されている」と仮説を立てた。本稿では,2020 年までに上演された公演の戯曲本全6 冊から劇中の会話データを抽出し,自然言語解析を用いてキャラクターごとに分析した結果を基にキャラクター同士の関係性や傾向などについて図表を作成することにより,仮説を検証した。使用したソフトは過去のデータをAI に学習させて言語理解力を培っている。人だのみでは素早く正確に分析することが出来ないため,恣意性を排除できる人工知能(AI)が最適な分析手法と捉えた。
著者
江島 由裕 藤野 義和
出版者
日本ベンチャー学会
雑誌
日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.25-39, 2019-03-15 (Released:2021-02-21)

本稿は、発達障害特有の資質がアントレプレーシップというコンテキストで大きく開花する可能性を学術的な視点から捉え展望している。世界では著名な起業家がADHD をかかえていることが逸話として知られているが、学術的な視点からの実態とメカニズムの解明は途に就いたばかりといえよう。本研究はこの開拓途上の領域に一石を投じる。実証分析に際しては、まず日本の発達障害をもつ起業家の現象と特徴を俯瞰した上で、次にそこから2 つのケースを抽出しその実態を描写し分析を加えている。起業や事業を軌道に乗せるプロセスで、発達障害という資質がどのように影響を与えているのかについて、探索型リサーチによる分析結果から5つの学術的含意とプロポジション(命題)を示す。
著者
奥田 裕 荻野 禎子 小澤 佑介 原田 慎一 江連 亜弥 内山 靖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.357-362, 2006 (Released:2007-01-11)
参考文献数
22
被引用文献数
20 12

臨床的体幹機能検査(FACT: Functional Assessment for Control of Trunk)を開発し,信頼性を明らかにすることを目的とした。FACTは体幹にかかわるパフォーマンスの可否を判定するもので,10項目20点満点で構成されている。脳卒中者23例を対象として,理学療法士5名でペアを作り,別々にFACTを実施した。検者間信頼性について,合計点では級内相関係数(2,1),項目毎の合致率は%と κ係数を用いて検討した。内的整合性はクロンバックの α係数を用いた。合計点は検者間で高い信頼性を認めた(ICC(2,1)=0.96)。項目毎では87~100%の一致率が示され, κ係数は0.62~1で臨床導入が可能な信頼性を有することが示された。また,クロンバックの αは0.81であった。FACTは体幹機能をパフォーマンスによる得点尺度で捉えることができ,治療指向的な検査法の一つとして臨床,研究両分野での適用が期待される。
著者
Hidehiro Someko Yuki Kataoka Taku Obara
出版者
Society for Clinical Epidemiology
雑誌
Annals of Clinical Epidemiology (ISSN:24344338)
巻号頁・発行日
pp.23013, (Released:2023-05-18)

Drug fever is an adverse drug reaction accompanied by a febrile response and is a common problem among clinicians, hence an updated knowledge of drug fever is important. A consensus regarding the definition of drug fever is lacking. Thus, descriptions of drug fever in previous literature are often inconsistent. In this narrative review, we summarized various features of drug fever, including its definition, epidemiology, risk factors, clinical presentation, diagnosis, treatment and prognosis, based on the earliest literature. Recent advances in information technology have encouraged researchers to use pharmacovigilance databases for clinical and pharmacological research. We outlined how a pharmacovigilance database, along with recently developed research methods, could be used to research drug fever.