著者
松平修文著
出版者
雁書館
巻号頁・発行日
1995
著者
藤巻 裕之
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.485-499, 2017-01

冷戦期、米国とソヴィエト連邦はそれぞれ地域機構を作ることで安全保障環境を構築した。両陣営は、第三次世界大戦を未然に防ぐために政治/安全保障面と経済面において両陣営内に地域主義の「網」を張り巡らせた。 本稿の問題意識は、冷戦期における米ソ両陣営の地域主義は何を目指したのか、にある。冷戦期にこれら両陣営の地域主義が直接的に対決する場面がなかったのは、政治/安全保障において、米ソの地域主義の目的のすれ違いがNATOとWTOに深刻な安全保障上の対立関係を作り出さなかったのではないだろうか。 本稿では、米ソの主導した地域主義に新たな視覚を提供するために、冷戦の起源を辿り、修正主義の立場から冷戦期の米ソ地域主義の目的の相違を比較検討する。そのために、第一章では冷戦の起源を伝統主義、修正主義、ポスト修正主義に整理する、第二章において安全保障面ではNATOとWTO、経済面においてはWTO/IMFとCOMECONなど米ソ地域主義の比較を試みる。第三章においては、米ソ地域主義がそれぞれ何を目指していたのかを明らかにしたい。
著者
Ruijters Vincent
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2020-03-25

令和元年度
著者
大和田 国男
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.29, no.339, pp.271-276, 1963-04-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
3
著者
滝波 章弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.621-644, 2003-08-01
参考文献数
52
被引用文献数
1 2

本稿は,都市のホテルにおける雰囲気について,空間的な議論を試みたものである.従来の研究は雰囲気を商品や情感として実態的に扱ってきたが,本稿では雰囲気を空間的かつ社会的に構成されるものと考え,その意味を考察した.すなわち事例として,ホテル産業が大きな位置を占めるジュネーブ市街地の著名なホテルを取り上げ,雰囲気を提示することがホテルの当事者にとってどのような意味を持つかを,ホテル関係者のコメントを中心に,ホテルのパンフレット,ホテル編集の雑誌,ホテルの空間構造などを参照しながら分析した.その結果,ホテルにおける雰囲気は,単なる場所の状態ではなく,ホテル側の戦略に基づき,ホテルという場所を,フランス語圏地理学でいうような領域とする役割を持つものとして意識されていることが明らかになった.
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.742-756, 2021

<p>本論文では,鳥肌,発汗,および震えを用いたロボットの皮膚上のクロスモーダルな生理的表現に関する検証を紹介する.人間や他の生物は生理的現象を介して随意的,不随意的な状態を示し,視覚的かつ触覚的表現が皮膚に現れる.特に,上記の3つの不随意表現を組み合わせることにより,感情の表現性と本能的感情の要素や強度に焦点を当てた.検証の結果,ロボットの恐怖感情は,3つの異なる不随意表現のうち1つのみで伝達できたことから,各モダリティの強い有効性による天井効果が起きた可能性がある.この皮膚上のクロスモーダルな生理的表現はロボットの生物感とその他の印象にも影響する.因子分析の結果,恐怖の要素として4因子が抽出された.各因子の標準因子得点の分散分析から,それぞれの因子の表現において3種の不随意な生理表現が有効であること,および少量の発汗と多量の鳥肌表現量の組み合わせにおいて煩慌性が高くなるなど,複数の不随意表現の量的組み合わせにより異なる効果が示された.</p>
著者
Sakamoto Taiichi Kim Mi Hee Kurihara Yasuyuki SASAKI Nobuyuki NOGUCHI Tomoaki KATAHIRA Masato UESUGI Seiichi
出版者
社団法人 日本生化学会
雑誌
The journal of biochemistry (ISSN:0021924X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.2, pp.288-294, 1997-02-01
参考文献数
48
被引用文献数
1

The properties of a mutant hammerhead ribozyme system, which consists of two RNA oligomer strands and in which stem II is deleted (replaced with a UUUU loop), are described. The effects of temperature, pH, and metal ions on the cleavage reaction were similar to those for the parent ribozyme with stem II. The mutant ribozyme showed a much lower cleavage rate (k<sub>cat</sub>=0.04min<sup>-1</sup>) in the presence of 10mM MgCl<sub>2</sub>, where the parent ribozyme showed full cleavage activity. However, increasing the concentration of MgCl<sub>2</sub> from 10 to 100mM restored the cleavage activity of the mutant ribozyme to the original level (k<sub>cat</sub>=0.2min<sup>-1</sup>). CD titration experiments with MgCl<sub>2</sub> using a noncleavable substrate were carried out. Deletion of stem II resulted in an about 20-fold reduction of the apparent Mg<sup>2+</sup> binding affinity when the Mg<sup>2+</sup> concentrations of half-saturation are compared. The results were analyzed by curve-fitting analysis and compared with those for the parent ribozyme. The analysis showed that the Mg<sup>2+</sup> concentration dependence data in CD and cleavage experiments for the mutant enzyme can be explained by a two Mg<sup>2+</sup> ion binding mechanism. These results suggest that stem II is important for maintaining the conformation of the catalytic core suitable for Mg<sup>2+</sup> binding.
著者
勝浦 康之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.6-16, 1965

昭和40年5月1日より開園した兵庫県立西武庫公園分区園の利川状況を調査した結果次のような結果が得られた。<BR>1.夏、秋花壇の草花腫類は平均10種類、最低21腫類であつた。<BR>2.費した費用は種苗、肥料合せて平均1,200円である。<BR>3.所有している園芸用具は、平均4種類、最高10種類であつた。<BR>4.利用者の年令層は比較的若い層が多く、20代、30代の利用者が約60%である。<BR>5.利用者のうち77%が団地居住者であり、分区園の近くに居住するものが多いので、利用回数は全体の60%の人が一週間のうち2日以上来園している。<BR>6.分区園利用は、子供の情操教育、健康増進、団地生活にうるおいをもたらすなど、都市生活者にとつて広範囲な効果があつた。
著者
伊川 耕太 中村 幸人
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.403, 2004 (Released:2004-07-30)

伊豆大島の気候的極相林はオオシマカンスゲ-スダジイ群集となるが、噴火の影響を受けている現存植生とは異なる遷移段階の植生がみられる。本研究では植物社会学的方法(Braun-Blanquet 1964)を用いて植生調査を行い(1)伊豆大島に存在する植生単位を抽出する。(2)一次遷移、二次遷移の系列ごとに植生単位を整理し、両遷移系列を明らかにする。(3)両遷移系列の関係について明らかすることを目的とした。一次遷移には、ハチジョウイタドリ_-_シマタヌキラン群集→ニオイウツギ_-_オオバヤシャブシ群集→オオバエゴノキ_-_オオシマザクラ群集→オオシマカンスゲ_-_スダジイ群集という遷移系列がしられている。二次遷移では、その成立要因として人為的影響があげられた。また、火山による攪乱が比較的弱い立地では、火山による二次遷移が見られた。それらは、火山灰の影響をうけ、林床にダメージを受けているが、種や個体サイズの違いによって生存に違いが見られた。また、低木以上の種も、火山灰や高熱により被害を受けるが、胴吹きなどによって再生する個体が見られる。その結果、火山の影響を受けた二次遷移の系列が成立し、植生単位として、ハチジョウイボタ_-_オオバエゴノキ群落、ツルマサキ_-_オオシマザクラ群落、オオバエゴノキ_-_スダジイ群落が判定された。これらの群落は、オオシマザクラ_-_オオバエゴノキ群集との共通種が出現しているものの、その標徴種を欠いていた。この群落はニオイウツギ-オオバヤシャブシ群集に対応し、オオバエゴノキ_-_オオシマザクラ群集へ遷移していくと考えられる。オオバエゴノキ-スダジイ群落は高い優占度でスダジイが混交するものの、オオシマカンスゲ_-_スダジイ群集の種は出現していない。この群落はオオシマザクラ-オオバエゴノキ群集に対応し、オオシマカンスゲ-スダジイ群集へ遷移していく。
著者
安藤 藍
出版者
お茶の水女子大学生活社会科学研究会
雑誌
生活社会科学研究 (ISSN:13410385)
巻号頁・発行日
no.23, pp.17-30, 2016-11

本稿は,里親が通常18歳までの満期措置委託期間を過ぎた元里子との関係を\いかに再編・調整し,意味づけているのか,その経験的世界から明らかにする\ことを目的とした.分析には,元里父母10名を対象とした半構造化インタビュー\調査による語りをもちいた.分析の結果,措置委託解除には,責任の終わる区\切りと捉えられる場合がある一方,基本的には今後の関係継続を見越した通過\点という見方がなされていた.本調査において元里親は,元里子との関係調整\にあたり,子どもの経済的・生活や精神的自立を主に基準としており,元里親\たちはそれに至るまで可能な限りの支援をおこなっていた.元里子の現状はさ\まざまであり,元里親子の意向があわず再編のすすまないケースもあった.し\かし元里子の現況にかかわらず,元里親たちは子どもとの間になんらかのつな\がりを感じており,独自の意味づけがみられることを確認した.
著者
橘野 実子 大久保 真道 陶山 恵 松中 義大 大島 武 鈴木 万里
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

大学の英語教育においては、コミュニケーション能力を伸ばすためプレゼンテーション演習など多様な活動が取り入れられる傾向にある。しかしメディア芸術作品の英語によるプレゼンテーションについては、指導方法が確立されていない。本研究では、望ましいプレゼンテーションの要素に関するデータを収集分析し、メディア芸術分野のプレゼンテーション技術向上のための指導方法の開発を目指す。研究方法としては、メディア芸術各分野で求められる語彙・言語表現の調査、発表スタイル調査、海外での実態調査を実施し、指導プログラムを作成する。その案に基づきプレゼンテーション技能向上指導を実施し、その効果を測定し、さらに改善を図る。
著者
吉野 由美子 加藤 俊和 原田 敦史
出版者
視覚障害リハビリテーション協会
雑誌
視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.5, 2011

東日本大震災が起こり、その規模の大きさに呆然としていた時に、ある会員の方から「協会としても何か支援活動をしないのですか」「何か役に立てませんか」と言う問い合わせをいただいたが、会員400人の協会で、財政的にも行き詰まり状態である中「何ができるのか」と考えあぐねていた時に、日盲委を中心として「対策本部」を作るので視覚リハ協会も視覚障害の専門家集団として協力して欲しいと言う申し出を受けた。<BR> この動きの中心となった加藤さんは、阪神淡路大震災の時に、被災した視覚障害者の支援にあたった経験があり、その経験から、「連携の大切さ」と「初期戦略として何をなすべきか」の見極めができているのだと言うことを知った。また、阪神淡路大震災の体験などの重要な先人の知恵が、私たち専門家に共有の財産となっていないことも分かってきた。<BR> 本シンポジュームでは、東日本大震災で被災した視覚障害者に対する支援の初期戦略と今後の見通しについてを対策本部の指揮を取っている加藤さんから伺い、また現地で実際に被災した視覚障害当事者の方に会って、その現状をつぶさに見ている原田さんからその状況を伺い、視覚障害リハビリテーションの専門家として、次にこのような災害が起こったとき「何をなすべきか」「どのような備えをしておくべきか」の知識を共有する事を第一の目的としている。<BR> また、大震災からの復興過程の中で必要とされる長期的な支援についても問題を提起することができればと考えている。
著者
井口 正人 2015年口永良部島火山噴火総合研究グループ
出版者
京都大学防災研究所自然災害研究協議会
雑誌
自然災害科学総合シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
no.53, pp.16-23, 2016-09-22

平成28年9月22日(木)-23日(金), 於 : 静岡県地震防災センター2015年5月29日に口永良部島の新岳火口において火山噴火が発生し, 我が国の火山において初めての特別警報(噴火警戒レベル5)が発表され, 島外への避難が行われた。2014年8月3日にも噴火が発生しており, それ以降, 火山噴火発生の前兆過程である火山ガス放出量の増加, 地盤変動, 火山性地震活動の活発化は段階的に進行した。2015年5月の火山噴火では噴煙高度は火口上9km以上に達し, 火砕流も2㎞超離れた海岸線あたりまで到達した。噴火に伴う爆発地震は2014年噴火が大きいが, 火山灰放出量や空気振動の大きさを考慮した噴火の規模は2015年噴火が大きい。火山灰の大気中の拡散は移流・拡散モデルで再現できる。また, 火砕流についてもシミュレーションを行った。火砕流の堆積後, 土石流が発生している。現地調査によって, 浸透能などの特性を調査した。島外への脱出を含む避難計画および避難の実施に2014年噴火の経験が極めて重要な役割を果たした。2015年5月29日の噴火の6日前に発生した有感地震後に, 国および自治体は必要な措置を講じたが, 住民の避難についての意識との乖離が大きい。噴火後に, 火山性地震の活動は低下し, 火山ガスの放出量は低下した。2015年10月には警戒区域を新岳火口からおよそ2.5kmとする決定がなされ, 多くの島民の帰島が実現した。さらに, 2016年2月ごろから火口周辺の地盤の収縮傾向が検知されたので, 警戒区域が2㎞に縮小され(噴火警戒レベル3に引き下げ), 避難が解除された。
著者
松縄 隆 小松 ゆり枝 洪 正徳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.61-66, 1986-10-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
6

The purpose of this paper is to analyze the management intention of the Wooden Apartment Managers in Down Town of Yokohama city, and get the important informations to the urban renewal for the future. From the results of questionnaires set out at nine typical areas, the following becomes clear: (1) There is a strong possibility of renewal in twenty percent of the Wooden Apartments in the immediate future. (2) Wooden Apartment Managers can be classified into two types in large; a) Management type b) preservation of wealth type