著者
境 雄大
出版者
Japanese College of Surgeons
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.145-149, 2008

症例は62歳,男性。全身倦怠感と腹痛を主訴に当院を受診し,内視鏡検査で胃体上部から幽門前庭部に不整形の腫瘍があり,生検で低分化腺癌と診断された。腹部CTで胃壁が著明に肥厚し,壁外性伸展を認めた。開腹すると胃体中部から前庭部に巨大な腫瘍があり,横行結腸間膜と膵臓に直接浸潤していた。腹水貯留と大網に結節性病変を認め,術中細胞診で癌性腹膜炎と診断した。胃全摘術を行った。T4,N1,H0,P1,CY1,M0,Stage IV,根治度Cであった。胃体部大彎を中心に18.5cmの壁外性発育を示す腫瘍があり,病理組織学的には裸核状の異型細胞がびまん性,充実性に増生し,ロゼッタ様の構築を認めた。免疫組織染色はシナプトフィジンとNSEが陽性,クロモグラニンが一部陽性で,神経内分泌細胞癌と診断した。術後,遺残腫瘍が急速に増大し,第52病日に死亡した。胃神経内分泌細胞癌は稀であり,他臓器浸潤を伴う壁外性発育の症例について文献的考察を加えて報告する。
著者
肥田 登 石川 悦郎 太田 由紀子
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.23-33, 1999
被引用文献数
4

六郷扇状地は.39°25'N.140°34'Eの周辺にある.標高90mの扇頂と標高45mの扇端との問は約4kmである.ここで池を用いた地下水人工涵養の実験を実施した.期間は.1998年4月13日から4月27日までの14日間である.涵養池は扇央に設置した.池底の面積は1,045m<SUP>2</SUP>.深さは3mである.扇状地の帯水層は主に砂礫から成り.透水係数は10°~10<SUP>-2</SUP>cm/secのオーダにあり.比産出率は20%強である.<BR>本実験の結果.つぎの点が明らかにされた.1.涵養期間中の池への平均給水量は.71.2l/秒.この間の池底からの平均浸透速度は.24.5cm/時であった.2.涵養池から480m下流の観測井では.給水を開始後2日めより地下水位は上昇を始め.同11日めに最高水位を記録した.この間の水位の上昇高は.1.40mであった.3.涵養を実施している間.涵養池の下部には地下水堆が形成された.4.地下水堆の形成により.涵養池の西~北西方向の一帯において.地下水面は上昇した.扇端にある琴平観測井の4月の地下水位は.平年的には低下するが.人工涵養を実施することによって一定の高さを推移した.5.人工涵養により地下水位の保全を図れる範囲は.扇端の湧泉帯までである.地下水は.この湧泉帯から流出する.
著者
谷口 智雅 濱田 浩美 Bhanu B.Kandel 岡安 聡史
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

高濃度のヒ素が検出されるテライ低地のナワルパラシ郡パラシの東西約6km、南北約10kmの地域において、地下水の動態とその利用の実態を把握するために、地下水調査を実施している。この地域における生活用水の水源の多くは地下水に依存しており、各家庭で掘られた井戸や共同井戸から地下水が汲み上げられている。井戸は伝統的な開放井戸と15年ほど前から掘削の始まった打ち込み井戸に分類されるが、その多くは打ち込み井戸が中心で、開放井戸の数や分布は限られている。本発表では、対象地域におる開放井戸について報告する。 調査地域内の25の集落を対象に地下水調査を実施し、各集落において開放井戸、掘り抜き井戸1か所を原則とし調査を行っている。その過程の中で聞き取り調査により集落内の開放井戸の有無について調査を行った。調査は2012年3月2日~6日、8月19~23日に実施した。観測項目として、現地において井戸の形状・大きさ・地下水位・ヒ素濃度・水温・pH・EC・ORP・DO等を測定した。その結果、開放井戸のある集落は未使用と見られる4つを含む15集落で、Mahuwa(地点8)については集落内に2つの開放井戸が存在していた。聞き取りによる井戸の作成年は150~200年前と回答した井戸が11箇所と非常に古くから設置されている。井戸の形状はAtharahati(地点2)の正方形、Khokharpurwa(地点4)の五角形を除き、円形である。また、Goini(地点26)の井戸は井戸自体が円形だが、前方後円噴のような型どりになっている。2012年3月の観測結果に基づく井戸概観において、井戸枠高は0.00~0.95mで、地盤高と同じ高さを除く、井戸枠の高さの平均は0.43mである。井戸底までの深さは、Mahuwa(地点8)の9.3mが一番深く、一番浅いのは井戸枠も崩れて未使用井戸であるPipara(地点9)の2.55m、使用されている井戸の中ではGoini(地点26)の3.40mであった。井戸底までの深さの平均は6.02mである。 2012年3月における地下水面までの深さは2.15~6.55m、湛水深は0.4~4.35mであった。8月の地下水面までの深さは0.94~4.73m、湛水深は1.61~4.22mであり、3月の乾季における湛水深が小さくなっている。地下水面は、乾季(3月)より雨季(8月)の方が低く、湛水深でSarawal(地点21)の4.9m差が最大、最小でManari(地点27)の0.69m、平均は1.76mであった。浅層地下水の流動形態は、地下水等高線図として示すことが有効であるが、地下水面計測および対象地域の地形や地質構造の把握が不十分なため、今回は示すに至っていない。
著者
成松 眞樹 八木 貴信 野口 麻穂子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.167-175, 2016
被引用文献数
1

<p>カラマツコンテナ苗の植栽適期を明らかにするために,5月から11月の各月に苗を植え,翌月以降に掘り取って,活着と根,樹高,地際直径の成長を植栽月で比較した。植栽月は当年と翌年の成長に影響し,植栽月によっては根と樹高の成長が連関した。苗は各植栽月で97% 以上の活着率を示したが,秋植えでは根鉢からの根の伸長量が減少した。8月以前は地温が高く迅速に根が伸長し,10月以降は地温が低く根の伸長が抑制されたと考える。植栽当年の樹高成長は5月と6月の植栽でのみ明瞭だった。そのピークは各々8月と9月に現れ,根長成長ピークから1カ月遅れた。7月以降の植栽では,樹高成長が根長成長後に生じるカラマツの特性により,樹高成長開始前に秋を迎えたと考えられる。植栽当年11月の地下部重量は早い植栽月で大きく,植栽翌年7月までの樹高成長率と正の相関を示した。その結果,植栽当年11月にみられた樹高の差は,その1年後でも完全には回復せず,11月植栽苗の樹高は,8月以前の植栽苗より小さかった。本研究の結果は,カラマツのコンテナ苗は春から秋まで植栽可能だが,9月以降の植栽は冬季枯損や植栽翌年までの成長不良のリスクが高まる可能性を示唆している。</p>

1 0 0 0 OA 古暦

出版者
巻号頁・発行日
vol.[23],
著者
橋本 雄太
雑誌
じんもんこん2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.153-158, 2016-12-02

近年,機械処理の適用が困難な大量のデータに対して,不特定多数のボランティアの協力をインターネット上で募り,分類やタギング等のタスクを実施するクラウドソーシングの手法が人文学分野でも一般的になりつつある.一方で,日本語の歴史資料の翻刻に同手法を適用するためには,①現代人には解読困難なくずし字と,②多数のボランティアを長期的に従事させる適切な動機付けの設計の2点が課題となる.本研究では,人文学コンテンツの学習サービスと,クラウドソーシングシステムを統合することによって,ボランティアの学習意欲を動機づけに利用するとともに,タスク実施スキルの向上を図る手法を提案する.また実際に,くずし字の学習サービスと前近代災害資料の翻刻システムを統合したWebシステムを構築し,その有用性を評価する.
著者
中原 さおり 松本 順子 市瀬 茉里 畑中 玲 武山 絵里子 与田 仁志 武村 民子 石田 和夫
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.1217-1223, 2013-12-20 (Released:2013-12-20)
参考文献数
28

【目的】臍帯潰瘍は胎児上部消化管閉鎖症に合併し,ひとたび臍帯からの出血が起こると,高頻度に子宮内胎児死亡や児の重度障害を起こすことが知られている.原因として胎児の吐物による臍帯のワルトンゼリー変性の可能性が挙げられているが,詳細はいまだ不明である.胎児吐物中の膵酵素がワルトンゼリー変性に関与する可能性を探るために,羊水中の膵酵素濃度の上昇の有無を調べた.【方法】2009 年7 月から2011 年6 月までに当センターで経験した上部消化管閉鎖症6 例(A 群)とこれらを伴わない羊水過多症6 例(B 群),計12 例の羊水中の胆汁由来物質(総ビリルビン,直接ビリルビン,胆汁酸),および膵酵素(膵アミラーゼ,リパーゼ,膵フォスフォリパーゼA2,トリプシン)の濃度を測定した.【結果】A 群では膵アミラーゼを除く膵酵素の異常高値を認めた.具体的にはB 群の膵アミラーゼ9 IU/ l,リパーゼ3.5 IU/ l,膵フォスフォリパーゼA2 99 ng/dl,トリプシン170 ng/ml(それぞれ中央値)に対し,A 群6 例の中央値はそれぞれ16.5 IU/ l,4,055 IU/ l,63,050 ng/dl,30,400 ng/ml であった.【結論】限られた症例数ではあるが,臍帯潰瘍を合併することが知られている十二指腸閉鎖症および空腸閉鎖症の羊水中では,膵アミラーゼを除く膵酵素の濃度が著明に上昇していることが明らかとなった.羊水中の膵酵素濃度の上昇が臍帯潰瘍発生に関与する可能性があると考えられる.
著者
栗田 崇徳 井手口 哲夫 田学軍 奥田 隆史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.231-236, 2008-02-27
参考文献数
6

近年、公衆無線LANを利用したインターネット接続が普及してきている。しかし、その利用エリアは限られたものとなっており、携帯電話のようにどこでも利用できるものではない。この利用エリアを拡大する方法として、アドホックネットワークによる中継機能を利用して、利用エリア外のノードが利用エリア内のノードに中継してもらうことが挙げられる。そこで我々は、アクセスポイントに接続するためのアドホックネットワーク専用のルーティングプロトコルA^2P^2(Ad hoc based Access Point Protocol)を提案している。本稿ではA2P2において中継ノードをhop数や配下ノード数から総合評価して選定する手法を提案し、計算機シミュレーションにより評価を行う。Recently, internet access using the public wireless LAN is widespread. However its service area is limited and isn't able to use anywhere like the cellular phone. As a potential method, Ad hoc networks can be used for expanding this area. Basing our research work of A^2P^2 (Ad hoc based Access Point Protocol), in this paper, we propose the selecting method of relay node with A2P2. And we evaluate the performance of A2P2 using a computer simulation.
著者
野口 陽一
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.185-189, 1960

季節の異なる特定の月のみの無降雨鋤こおける流出量を用い,その月の地下水流出量を代表できるような範囲において同時化法により地下水正常漸減曲線を求め,その範囲内の定積分値に日数比例の常数を乗じて平均的なその月の地下水総流出星とみなした。この方法で2流域を比較すると質的に予想される2流域の水文学的差異が量的に示される。また同法により季節ごとの地下貯留量曲線を求め,これにより平均的なある1ヵ月間の重力水貯留分の変化量を求め,水分収支式における来知因子である蒸発蒸散墨を推定した。

1 0 0 0 OA 偐紫田舎源氏

著者
柳亭種彦 作
出版者
鶴屋喜右衛門
巻号頁・発行日
vol.四編下, 1829
著者
岩波 悠紀 佐藤 庚
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.168-177, 1970
被引用文献数
1

ヨード染色および化学分析法により,ススキ体内の炭水化物(全糖・澱粉)の分布およびその季節的消長を火入れとの関係において調査した。1.越冬直後の地下茎は多量の澱粉粒を含有し,この場合形成年次の古い地下茎ほどその量が多く,また澱粉粒の大きさは大きかった。2.地下茎内炭水化物は地上部の伸長に伴ない,形成の新しい部位から順次消費され,6月の節間伸長開始期に最低となった。その時期には約3年前に形成された地下茎内に僅かに澱粉粒を認めたが,その他の部位にはほとんど存在しなかった。同時に地上茎内の炭水化物の蓄積も最低であった。3.その後再び蓄積の過程に転じ,地下部は10月末から11月には最高に達した。蓄積の過程では,消費の場合とは逆に形成の古い部位ほど早くから蓄積しまた量が多かった。4.地上茎については,主としてその中・下部に澱粉が蓄積され,出穂完了後にその量は最高に達した。それらは葉身が枯れる時期に急速に地下部へ移行した。5.火入れ時期が早い区では,体内炭水化物の季節的消長はU区とほぼ同様に経過した。しかし火入れ時期が遅い区では,地上器官の枯死に伴ない,地下部に蓄積した炭水化物を急速に消費し,再生および炭水化物の蓄積が遅れた。6.6月の地下茎内炭水化物がほぼ最低になる時期に火入れした場合でも,晩秋には体内炭水化物含有率はU区とほぼ同じレベルに回復した。

1 0 0 0 OA 正宝録続

出版者
巻号頁・発行日
vol.[12],
著者
吉岡 陽
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.317, pp.52-55, 2011-02

「『これが俺たちの仕事だ』と世の中に誇れる自社のオリジナルブランドを作りたい」(日向野吉一社長)。そんな思いを30年以上貫き通した会社がある。それがヒガノ(埼玉県草加市)だ。知名度ゼロの下請け企業が技術を磨き、地道な営業を重ね、ユニークな建築向け金物製品メーカーへと進化を遂げた。 特に強いのがビルや公共施設などに使われる大型の門扉だ。
著者
宮村 泰直
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

昨年度までに、独自に開発した重合闘始剤を利用した「ジエンモノマーのシンジオタクティック選択的立体規則性重合」によって、剛直な主鎖に対して側鎖が上下方向に交互に突き出した「くさび型ポリマー」を得ることに成功している。また、その特異な分子構造によって側鎖が分子間で互いに噛み合い、ナノファイバーを形成することで溶液をゲル化するなどの興味深い性質を有していることが明らかになっている。上述のように、シンジオタクティックな立体配置を有するくさび型ポリマーは側鎖を一次元的に突き出した構造をもつため、側鎖に導入した官能墓を対面的に固定することが可能である。当該年度は、このくさび型ポリマーにπ共役系の機能団を導入し、これらの側鎖官能基群が対面型に配置されることを利用したエキシマー発光材料の開拓に取り組んだ。最も単純なπ共役ユニットとしてフェニル基を選択し、これを側鎖に導入したくさび型ポリマーの合成を行った。得られたポリマーの溶液・固体状態ともに、紫外光(320nm)照射によってほぼ白色に発光することが明らかになった。単体では紫外領域にのみ発光性を示すフェニル基が可視光領域に及ぶ広い発光スペクトルを示すようになったことから、エキシマー発光を与えるポリマーを得られたことがわかる。対象実験として、立体規則性の異なるイソタクティックポリマーの側鎖にフェニル基を導入して同様の実験を行ったところ、発光強度・量子収率が低い水準に留まった。イソタクティックポリマーはらせん型構造をとることがしられており、以上の検討からフェニル基が対面型に配置されるくさび型構造がエキシマー発光に重要であることが示された。本研究で開拓した単一の発光種から白色発光をあたえる分子デザインは、今後の有機白色LEDの開発に新たな指針を与えるものである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.51, pp.102-104, 1999-10

サイボウズは自社開発のビジネスソフトを既存の流通を使わずにインターネット経由で販売する。営業員を持たず、ネット広告などで企業内の担当部署に直接アプローチする戦略を採り、98年度に3億2000万円弱の売り上げを達成した。 97年8月に会社を設立したばかりの社員9人の小さな会社が、ビジネスソフトのオンライン販売で急成長を遂げている。その会社はサイボウズ(大阪市北区)。
著者
木下 富夫
出版者
武蔵大学経済学会
雑誌
武蔵大学論集 = The journal of Musashi University (ISSN:02871181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.11-38, 2016-01

日本の出生率は1990年に1.5を切りその水準が続いている.この結果,生産年齢労働人口は7,700万人(2015年)から6,300万人(2035年),5,300万人(2045年)へ減少すると予想されている.経済規模の縮小は財政規模を比例的に縮小させるから,公債管理政策や年金制度は大きな困難に直面することが予想される.少子化は先進国に共通した現象であり,それは人口転換(demographic transition)と呼ばれている.しかしながら出生率が1.4まで下がる国と2.0前後でとどまる国があり,その差の理由は必ずしも明確ではない.わが国が少子化を食い止めるには,出産と育児に対して強力なインセンティヴを与える制度改革が必要であろう.少子化に対して移民を受け入れてはどうかという意見がある.フランス,ドイツ,英国では移民人口は総人口の一割を超えているが,EU はその拡大とシェンゲン協定により,今やヨーロッパを包含する巨大な労働市場となっている.また米国,カナダ,オーストラリアの移民人口比率はさらに高い.移民の受け入れは文化摩擦や犯罪率の上昇などから反対意見も少なくない.とくに国籍に血統主義をとる日本では移民への抵抗感は大きい.これに関してヨーロッパ諸国の経験は大いに参考になろう.また欧州におけるユダヤ民族の歴史は,移民問題を考える上で学ぶべきものが多いであろう.JEL Classification Codes:J11, J13, J15, J18