著者
森本 滋郎 堀尾 誠 田淵 敏明
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.59-65, 2015-09

It is said that if the competition rate to get into university decreases by two times it will be difficult to secure the present competiveness. Therefore it is essential to create as soon as possible a competitive environment as well as review the admission quota. As well, in order to reduce the rate of students dropping out of school, we must offer a better education. The fluctuation of the number of applicants and the number of incoming students is a severe problem in regards to management, educational research, and grant donors. However, even if various measures to create a better education are implemented, it not easy to avoid the problem of failing to achieve the admission quota. One proposal to solve this difficult issue is making clear the structural phenomenon of the decrease of the number of applicants and the number of incoming students. By doing so it might be possible to see what needs to be done. For this study we could understand the condition of the fluctuating number of applicants and incoming students by using a model, namely, the model of Kermack-McKendrick that maps the spread of infectious diseases, and we considered the implementation of a plan for increasing the number of incoming students. In our conclusion we describe two main results in order to increase the number of incoming students to match the admission quota.
著者
吉井 善弘 伊東 昭芳 平嶋 恒亮 真鍋 修
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1986, no.8, pp.1117-1121, 1986
被引用文献数
2

Friedel-Crafts反応によるo-キシレン,インダンとテトラリンのフェニルスルホニル化を行ない,反応温度と配向比(3-位/4-位)の関係を調べた。その結果,インダンの配向比は高温になるほど増加するが,o-キシレンとテトラリンでは減少した。log(3-/4-)と1/Tの関係から,o-キシレン,インダンとテトラリンの3-位と4-位の活性化エネルギー差およびエントロピー差はそれぞれ,-O.39kcal/mol,2.Oe.u./mol;0.16,-O.2;-O.31,-1.5であった。また,o-キシレンとテ- ドラリンには等速温度があり,それぞれ-81,-62℃ であった。これらの結果はo-キシレンとテトラリンのフェニルスルポミニル化は求めた配向比は等速温度より高い温度であること,インダンでは低い温度であることがわかった。また,o-キシレンとテトラリンの3-位にくらべ4-位の大きい反応性は塩化アルミニウムの強い酸触媒作用と3-位の脱プロトン化の塩基触媒作用の協奏反応機構で説明できることを明らかにした。
著者
伯耆田 悟 高信 英明 鈴木 健司 三浦 宏文 稲田 喜信
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
no.119, pp.19-24, 2015-10-30

Even if the ability of one individual is low such as an insect, a fish and a bird, they are often able totake orderly action by swarming. This is called swarm intelligence. The purposes of this research arerealization of which is based on group of nature with enhancing of crowd action to three dimensions byusing flying robots, and analyze it. The habit that a fish forms a group and lives by becoming a groupwas inquired using the airship robot. Extension into the three dimensions of group action was realized bymaking group action of fish into a norm of the airship
著者
原 俊彦
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.99-117, 1997-06-30 (Released:2009-11-16)
参考文献数
28

「テクノロジーが申し分のない発達をとげれば,それは魔法と見分けが付かなくなる」というアーサー・C・クラークの言葉が示すように,西暦2001年を目前にして,我々は,マルチメディアパソコンやインターネットの普及,シミュレーションをべースとしたバーチャルリアリティ技術の登場など,急速な情報技術革新の波に呑み込まれようとしており,このような変化が最終的にどのような社会を生み出して行くのか,あるいは,どのような社会を生み出しうるのかという問題は,極めて今日的な社会学的テーマとなりつつある。そこで本稿では,まず,近年の情報技術革新の発展方向を(1)デジタル化(2)メディアの融合(3)ネットワーク化(4)データベース化(5)仮想現実化という5つの側面から分析し,それらがメディアをどのように変貌させうるかについて検討する。次に,エンタテインメント,商取り引き,行政,教育の4分野を例に,これらの情報技術の背景に想定されている潜在的社会需要を探り,いわゆる「マルチメディア・ブーム」の社会的モチーフについて考察する。最後に,仮に現在進行しつつあるメディアの変貌が全面的に実現するとすれば,それが,どのような生活環境の変化を産み出すことになるのかについて,メディア接触時間の拡張や現実感覚の変化,情報メディアの環境化などの問題を取り上げ,「仮想現実社会の到来」の可能性を提示する。
著者
菅原 祥
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.5-17, 2016-03-01

20世紀後半のポーランドを代表する作家スタニスワフ・レムは、自身の作品の中で一貫して人間の認知の問題、とりわけ理解不能な「他者」を前にしたコンタクトの可能性について考察してきた作家である。こうしたレムの問題関心は、現代の多くの社会学的問題、例えば認知症患者のケアの現場などにおける介護者-被介護者の相互理解の問題などを考える際に多くの示唆を与えてくれるものである。本稿はこうした観点から、スタニスワフ・レムの短編『テルミヌス』を取り上げ、理解不可能な存在を「受容する」ということの可能性について考える。『テルミヌス』において特徴的なのは、そこに登場するロボットがまるで老衰した、認知症を患った老人であるかのように描かれているということであり、主人公であるピルクスは、そうしたロボットの「ままならない」身体に対して何らかの応答を余儀なくされる。本稿は、こうしたレム作品における不自由な他者の身体を前にした人間の責任-応答可能性について考えることで、介護に内在する希望と困難を指摘する。
著者
村上 周子 柴谷 雅美 竹内 宏佑 SKARZYNSKI Dariusz J. 奥田 潔
出版者
Japanese Society of Animal Reproduction
雑誌
The Journal of reproduction and development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.531-538, 2003-12-01
被引用文献数
5 24

ウシ子宮内膜を構成する上皮細胞および間質細胞のプロスタグランディンF2α(PGF)合成は、それぞれオキシトシン(O;上皮細胞)、および腫瘍壊死因子(NF;間質細胞)により促進される。本研究では、ウシ子宮内膜から単離し、継代培養および凍結保存した上皮ならびに間質細胞が子宮機能の解析に供することができるかを、OおよびNFに対するPGF合成の反応性から検討した。ウシ子宮(発情周期Days2-5)より単離した内膜上皮および間質細胞をPrimary細胞とし、約半量を培養、残りの半量を凍結後(-80C)、融解、培養した。また、Primary細胞を4回継代培養し、継代ごとに細胞の半量を次の継代に用い、残りの半量を凍結後、融解、培養した(Passage 1-4)。コンフルエントに達した後、NF(1ng/m1)またはO(100ng/m1)を添加し、4時間培養後、上清中のPGF濃度を測定した。継代および凍結融解した細胞に形態的な変化は認められなかった。間質細胞のPGF基底合成能に凍結および継代の影響は認められなかったが、凍結により上皮細胞の基底合成能は有意に低くなった。また、上皮細胞のみPassage2以降に基底合成量が有意に低くなったが、上皮はPassage2まで、間質はPassage4までそれぞれO、NFへの有意な反応性を示した。以上から、上皮細胞は1回まで、間質細胞は少なくとも4回まで継代および凍結保存しても子宮機能の解析に十分なPGF合成能を有することが明らかとなった。
著者
戸川 晃子
出版者
神戸常盤大学
雑誌
神戸常盤大学紀要 (ISSN:18845487)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-47, 2013-03-31

クラシック音楽コンサートは、対象とする観客によって分別した際、マタニティーコンサート、親子のため のコンサート、そして「未就学児入場不可」のコンサートと、大きく3つのスタイルに分かれると考えられる。 しかし、未就学児の入場が可能でなおかつ、一般的なクラシック音楽で構成されたコンサートについてはあま り例がないと言える。本研究は、クラシック音楽の生の演奏を聴くことは、未就学児を含めた多世代に有用で あると考え、未就学児における、いわゆる単なる「子ども向け」ではない、一般的クラシック音楽プログラム コンサートの有用性について考察するものである。
著者
五十嵐 悠紀
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究ではコンピュータを用いて手芸作品の設計を支援する研究を行っている.学術的にはモデリングを行いながら並行してシミュレーションを行うことで,布や毛糸など素材の特性を活かしたモデリングを効率良く行うことができることを提案してきている,身近な手芸作品を例に挙げ,スケッチインタフェースを用いて物理的制約の下でのモデリングツールをいくつか提案することでこの手法の有効性を示してきた.本研究によりこれまで初心者ではできなかった手芸作品の設計(デザイン1をコンピュータで支援することが可能になり,これは手芸分野への大きな貢献であると言える.今年度は昨年度から引き続き、ビーズデザインの設計支援および制作支援について研究を行った.我々の開発したBeadyシステムを利用することで,子どもや主婦でも簡単に自身のオリジナルのビーズデザインを設計することができる.また,従来の2次元の制作図ではなく,3次元CGを用いた制作支援により制作も簡便になるように工夫した.以下に詳細を記す.3次元ビーズ作品のデザインおよび制作のためのインタラクティブなシステムを提案した.ユーザはまずビーズ作品の構造を表すメッシュモデルを制作する.それぞれのメッシュの辺はビーズ作品のビーズに対応している.システムはユーザのモデリング中に常に近傍のビーズとの物理制約を考慮して辺の長さを調整する.システムは次にメッシュモデルを適切なワイヤーつきのビーズモデルへと変換する.ワイヤー経路の計算のためのアルゴリズムも提案した.システムは手動でビーズ作品を制作するための1ステップごとの制作手順ガイドを提示する.前年に研究開発したインタラクティブにデザインするインタフェースの他に,主に六角形から成るようにデザインしやすい六角形メッシュモデル用インタフェースの提案,既存3次元モデルからの自動変換アルゴリズムの提案を行った.
著者
五十嵐 悠紀
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではコンピュータを用いて手芸作品の設計を支援し、製作過程も支援する研究を行ってきた.今年度はパッチワークを題材にデザイン・製作を支援するシステムPatchyを作成し、研究・開発を行った。パッチワークは布をつなぎ合わせてデザインを作成する広く普及している手芸の1つである。ところが、出来上がり図は縫い合わせたあとでしか見ることができず、色合わせや柄合わせなどはあらかじめ出来上がりを想像してデザインするしかなかった。通常は鉛筆画でデザインをしたあと、色鉛筆で布に対応するような色を塗って配色を確かめてから実際に作ることが多く、初心者はデザインに長けた人がデザインした図柄を真似て作ることが多い。そこで我々はシステムを使って外形をデザインし、デザインした閉じた領域の中に、画像ファイルをドラッグアンドドロップすることで出来上がり図を試行錯誤してみることのできるシステムを提案する。画像ファイルには、実際に使いたい布をスキャンしたテクスチャ画像を用意し、これを用いる。ユーザは布と布の切り替え線(実線)の他、ステッチとしての縫目(点線)もデザインすることができる。既存研究のつまんで引っ張る機能[Igarashi et al. 2005]を実装してあり、ユーザが外形をつまんでひっぱることで、テクスチャもリアルタイムに追従する。内部的なデータ構造としては2次元であるが、ピクセルごとに擬似的な法線方向を計算し、法線と光線方向を加味した色合いを計算し、描画している。このようにすることで、あたかも実際に縫い合わせたかのようなぷっくりとした立体的な描画を、一般家庭に普及しているような安価なノートPCにおいてリアルタイムで実現している。
著者
五十嵐 悠紀
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究はシミュレーションとモデリングを同時に行うことにより,物理的な制約条件を加味した3次元形状モデルを作成することを目的とする.予め物理的制約条件をデザインプロセスに組み込むことで,モデリング後に制約条件を評価してい従来手法に比べて効率よくモデリングすることが可能になる.我々はシミュレーションとモデリングを並行して行うというフレームワークを利用して,物理的制約付の3次元形状デザインという研究テーマに取り組んだ.今年度はカバーデザインという制約付のモデリングに関する研究を行った.カメラやティーポット,車など,日常の3次元物体にはカバーが存在する.各々の持ち物に応じて自分だけのカバーをデザインしたい場合もあるだろう.しかし,既存の3次元オブジェクトを包むためのカバーをデザインすることは素人には難しい.そこで我々は既存3次元モデルを包むカバーをデザインするシステムを提案し.既存3次元モデルからカバー形状を計算し,領域分割をした後,2次元へと展開し型紙を生成する,また,ユーザによってデザインされた取り出し口から3次元モデルを取り出すことが可能か否かを取り出しテストによって検証した.また,制約付きモデリングを2次元に適用した例として,ステンシルデザインのためのドローエディタの研究開発を行った,ステンシル型版は常に1枚につながっているという制約を満たすようにデザインしていかなくてはいけないため,素人がオリジナルなステンシル型版をデザインすることは大変難しい.そこで我々はステンシル型版を生成するための手法を提案した.
著者
松本 忠明
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.352-358, 2012

帝人在宅医療株式会社では,東日本大震災発生直後から被災地をはじめ,停電エリアの在宅酸素療法患者への支援活動を実施した.震度5弱以上の被災地には約2万5,000人に及ぶ当社酸素濃縮装置の使用者がおり,地震発生直後から災害対応支援システム(D-MAP)を活用した安否確認を開始.仙台に災害対策本部,東京に災害支援本部を設置して,全国から応援要員の派遣や酸素濃縮装置,酸素ボンベの緊急配送を行い,避難所や医療機関で酸素療法が継続できる体制を整備した.今後の課題としては,「地震災害対策マニュアル」の改訂を進めるとともに,緊急時の携帯用酸素ボンベへのスムーズな移行,低流量で乗り切るための呼吸リハビリテーション指導など,患者指導の支援があげられる.加えて,災害時支援における行政,医療機関,在宅酸素事業者の連携体制の確立が重要である.