著者
辻 澄子 柴田 正 小原 一雄 岡田 直子 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.504-512_1, 1991-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
31
被引用文献数
11 19

コーヒー中の過酸化水素 (H2O2) をTLCで確認し, 酸素電極法及び改良4-アミノアンチピリン法を用いて定量することにより, その生成要因を検討した. コーヒー浸出液からはH2O2を検出したが, 生コーヒー豆からはH2O2を検出しなかった. ドリップ式ろ過器で浸出あるいは溶解したものはコーヒーメーカーで浸出あるいは溶解したものに比較してH2O2含量は高かった. また, コーヒー豆のばい煎度が深くなるに伴いH2O2の生成量が増加した. 焙り豆中のH2O2の生成は光及び温度の影響を受けた. コーヒー豆の成分であるショ糖, クロロゲン酸, グリシン, カフェイン, コーヒー酸及びキナ酸からH2O2は検出されなかった. また, これらの成分を混合し, コーヒー豆と同様に, ばい煎して浸出した液からH2O2が検出された. 特にばい煎したコーヒー酸からのH2O2の生成率が他の成分よりも高かった.
著者
佐藤 郁哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.4-17, 2003-03-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
33

日本における学術出版産業の動向について実証研究を通して分析を進めていく際の概念的枠組みを構築していく.「制度固有のロジック」概念を用いて米国の出版産業について分析した Thorntonの研究(1995,1999,2002)を批判的に検討した上で,学術出版に関わる個人や組織が,複数の制度固有のロジックを組み合わせ,また象徴資本と経済資本を組み合わせることによってみずからの利害関心を追求していくプロセスを記述し分析するための感受概念として「ポートフォリオ戦略」を提案する.
著者
沼上 幹 浅羽 茂 新宅 純二郎 網倉 久永
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.64-79, 1992 (Released:2022-07-15)
被引用文献数
16

本稿は競争が発見をもたらすプロセスであるという視点をより具体的に展開し,競争を企業間の対話プロセスとして捉える.この視点に基づいて,1971年から82年までの日本の電卓産業における日本企業の競争行動の事例を解釈しなおし,その再解釈によって得られた知見を簡単に述べる.その上で,競争の対話観が示唆する新しい研究の方向について若干の検討を加える.
著者
生田 国男 藍澤 宏 菅原 麻衣子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.604, pp.9-16, 2006-06-30 (Released:2017-02-17)

After World War II, the Ministry of Education newly planned the construction of a national university to the region in which the empire university had not set it up. This plan assumed the national universities to be a highest educational institution, and aimed at the educational base formation in the location and the system in various places. The attracting movement of national universities by the activity group was done in the major city in the Chugoku region and the Hokuriku region that had become a candidate site. In the national universities attracting movement, the age immediately after end of the war, the feasibility of university establishment and the public opinion are attached to importance in the movement.
著者
西川 正憲
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.1683-1691, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
5
著者
高橋 節子 元岡 展久
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.20, no.44, pp.207-212, 2014-02-20 (Released:2014-02-20)
参考文献数
22

This study aims to investigate to what extent current Japanese Montessori nursery schools embody the physical elements of the environment suggested by Maria Montessori. Based on these elements, a questionnaire was constructed and mailed to a total of 701 Montessori and non-Montessori nursery schools all over Japan. Replies from 95 and 192 schools (Montessori, non-Montessori, respectively) were analyzed. It was indicated that: (a) Montessori schools embody significantly more elements than non-Montessori ones; (b) Montessori schools maintain their policy of providing various sizes of tables and a special room for afternoon nap that will support children’s self-directed activities.
著者
Mio Masuda Osamu Tomonaga
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.60, no.24, pp.3879-3888, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
44
被引用文献数
1

Objective The stress brought on by changes in social conditions due to COVID-19 is diverse. However, there have been no studies examining the relationship between the type of stress felt by an individual due to such changes in social conditions and the degree of change in HbA1c, prompting us to conduct this study. Methods We conducted a collaborative study at two diabetes clinics. A total of 1,000 subjects responded to the questionnaire. Data on HbA1c and body weight before and after the declaration of the state of emergency were collected. Results We conducted a questionnaire on some stressors, but when comparing the two groups with respect to whether or not they felt stress from each item, only "school closures for children," seemed to be associated with a significant difference in the amount of change in HbA1c. In the stressed group, i.e. the group of parents who experienced stress due to their children's schools being closed, the HbA1c value changed from 7.30±0.78 to 7.30±1.13 (p=0.985). By contrast, in the unstressed group, the HbA1c value significantly decreased from 7.28±0.98 to 7.06±0.85 (p<0.001). In addition, as a result of comparing the amount of change between the 2 groups, a significant decrease was observed in the unstressed group compared with the stressed group (p=0.032). There was no significant difference in body weight change between the two groups. Conclusion Stress that cannot be avoided by one's own will, such as school closures for children, may affect glycemic control.
著者
林 秀紀
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.347-355, 2021 (Released:2021-12-24)
参考文献数
12

With the promotion of the maintenance and utilization of domestic forest resources, a variety of educational activities, called “mokuiku,” which aims to raise awareness of forestation through hands-on experience with wood from early childhood, have been developed with a focus on “mokuiku” toys. In a preliminary study, through a survey and analysis of wooden toys, the author created an index that clearly indicated their educational characteristics and the relationship between children’s developmental stages and design. In this study, we created five prototype designs based on this index, and examined how they would affect children’s growth. The evaluation results of the experiments at the nursery school confirmed the educational effects of each of the prototypes on the nursery school children, including the development of fingertips, concentration, imagination, and coordination, suggesting that the toy designs created based on the indexes may promote children’s growth and development.
著者
苑田 亜矢
出版者
法制史学会
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.117-150,en8, 2012-03-30 (Released:2017-08-22)

本稿は、二重の危険〔の禁止〕の原則の歴史的起源を辿る際に必ず言及されてきたベケット論争における二重処罰禁止原則に焦点を当て、二重処罰禁止原則がカンタベリ大司教トマス・ベケット自身によって主張されたとする、従来の研究においては自明視されてきた点を、再検討するものである。ベケット論争とは、一二世紀後半にイングランド国王ヘンリ二世とトマスとの間で生じた、主として裁判管轄権をめぐる争いのことである。この論争の一契機となったのは、ヘンリ二世によって成文化された一一六四年のクラレンドン法であり、特に問題となった条項の一つが第三条である。第三条は、犯罪を行なった聖職者に対する世俗裁判権の行使を宣言しているとともに、教会裁判所における有罪判決に基づく聖職剥奪という制裁後の世俗裁判所における処罰を定めている。それ故にトマスは、聖職者の特権と二重処罰禁止原則を主張して、これに反対したとされている。従来の研究において、トマスが二重処罰禁止原則を主張したとする根拠として用いられてきた史料のほぼ全ては、トマスの死後に作成されたトマス伝等であり、それらはどれもトマス自身の手によるものではない。そこで、トマス自身の書翰の分析を試みたところ、トマスは、二重処罰禁止原則ではなく、例外なき聖職者の特権を主張したとみることができることが判明した。このトマスの主張は、当時の教会法理論と合致するものではない。というのは、ベケット論争開始から一一七〇年のトマス死去までの間、ボローニャ学派であれ、アングロ・ノルマン学派であれ、彼らの教会法理論の中では、二重処罰が容認されているからである。また、トマスの死後、教会法理論の中からは二重処罰容認の考えが消えるが、それに変わって登場するのは二重処罰禁止原則ではなく、聖職者の特権の主張である。二重処罰禁止原則を採用して主張する考え方は、ベケット論争当時、ボローニャ学派のみならず、イングランドでは、アングロ・ノルマン学派においても、国王においても、トマスにおいても、そして(大)司教達においても見られない。それが見られるのは、イングランドにおいては、トマスの死後に作成されたトマス伝等においてのみである。この点が、二重の危険の原則(或いは二重処罰禁止原則)の歴史的起源の文脈でベケット論争に言及する場合の注意点である。
著者
藤田 寿伸
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.217-224, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
43

ブルーノ・ムナーリによる子どものための芸術教育について,その活動と先行研究を調査し,ムナーリの教育観と教育手法がどのように形成されたか,先行研究を参照しながら考察する。本研究ではムナーリ本人の著書研究と関連文献調査,関係者への聞き取りによってムナーリの教育の概要の把握と後継者たちが展開する「ブルーノ・ムナーリ・メソッド®」を調査し,またイタリアにおいてムナーリの教育がどのように理解されているか,ムナーリによるワークショップ教育と幼児教育の関係性について考察した。日本でのムナーリの教育の周知は遅れているが,ムナーリと日本の関わりは深く,芸術家ムナーリへの関心も高い。ムナーリの影響が指摘されるレッジョ・エミリアの幼児教育への関心が日本では高まっており,ムナーリの教育手法と教育哲学の理解が,日本の幼児教育における創造的教育方法開発のヒントとなることが期待できる。
著者
松井 徹
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.171-174, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

芳香族有機硫黄化合物であるチアンスレン(TA)はジベンゾチオフェン(DBT)脱硫細菌Gordonia sp. TM414株とRhodococcus erythropolis KA2-5-1株により分解されたが,ベンゾチオフェン脱硫細菌Rhodcoccus jostii T09株には分解されなかった。当該培養液の酸性酢酸エチル抽出液を分析したところ,TA-スルホキシド,TA-スルホン,2-phenylsulfanylphenolが検出され,DBT分解に関して報告されている4S経路と類似の分解経路であることが示唆された。チアンスレンの脱硫は,Gordonia属細菌に類縁のRhodococcus 属細菌を用いても可能であることが知られた。
著者
長谷川 浩一 沢山 俊民 鼠尾 祥三 忠岡 信一郎 覚前 哲 中村 節 井上 省三 河原 洋介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.903-907, 1990-08-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
14

陰性U波(NU)および「右側胸部誘導のT波減高を伴うU波増高(PU)」は,高度冠狭窄枝ないし心筋虚血領域と関連が深い心電図指標と考えられている。今回,発作時の12誘導心電図記録が得られ,かつ冠動脈造影で少なくとも1枝以上に75%以上の狭窄を有する狭心症84例を対象として,NUとPUの罹患枝別出現誘導部位・出現時相について調査した.LAD狭窄では,NUはV4(59%)>V5(56%)>V6(37%)>V3(33%)の順に前胸部誘導に出現したが,PUは1例にもみられなかった.LCX狭窄では,NUはV6(52%)>V5(48%)の左側胸部誘導に,PUはV2=V3(86%)>V5=V5(43%)に出現した.RCA狭窄では,NUはIII(29%)>aVF(24%)の下壁誘導に,PUはV2V3(63%)>V4(44%)>V51(26%)に出現した.発作時心電図上のQ-NaU時間とQ-PaU時間とQ-PaU時間が等しいことより,NUとPUは同一領域の心筋虚血に起因するものと考えられた.また右側胸部誘導と食道誘導心電図の同記により,PUは後壁虚血の表現と考えられた.したがって12誘導心電図上のNU出現誘導部位および右側胸部誘導のPUを検討することは,狭心症の罹患枝推定に有用と思われた。
著者
沢山 俊民
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.447-450, 2001-07-25 (Released:2010-09-09)
参考文献数
9

川崎医科大学循環器内科に入院し, 冠動脈造影で冠狭窄部位が特定された患者を対象に, マスター負荷試験の成績を解析したところ, 以下のように虚血性U波の有用性が見い出された.1.従来のST・T異常例に虚血性U波例を加算すれば, 心筋虚血の検出率は心筋シンチや負荷エコー所見に勝るとも劣らないものと思われた.2, 心電図検査では弱点とされていた後壁虚血も, 右冠動脈疾患か左回旋枝疾患かの鑑別も含めてT波とU波の組合せ所見で検出可能である.3.U波異常は, トレッドミル法によらなくても, より簡便なマスター2階段法で検出可能である.
著者
大原 賢了 鈴木 マリ子 新潟 尚子 白井 千香 井戸口 泰子 川平 茉智子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2020-039-B, (Released:2020-12-19)

目的:病気を理由とした退職(転職)は,病気の種類や障害の程度,職場の支援など,様々な要因の影響を受ける.指定難病を理由とした退職(転職)防止のため,介入すべき要因を明らかにする.対象と方法:2019年度(7~12月)に枚方市保健所に医療費助成の更新申請を行った全指定難病患者3,210人にアンケート調査を行い,この内,発病時に正社員,契約社員・派遣社員,パート・アルバイトであった20~59歳の539人を分析対象とした.指定難病を理由とした退職(転職)をイベントの発生,調査時に指定難病の理由で退職(転職)していない者を打ち切り例として,発病後就労期間別の退職(転職)者の割合の推移をKaplan-Meier法により求めた.また,対象者の性,発病時年齢,疾患群,日常生活動作(ADL),発病時雇用形態,発病時の会社で経験した支援内容(勤務時間の短縮,時間単位の休暇の取得など),発病時の会社で病気治療に関する解決できない困りごとといった要因と指定難病を理由とした退職との関係について,Coxの比例ハザードモデルを用いて検討を行った.結果:指定難病を理由とした退職(転職)者の割合は19.4%であった.指定難病を理由とした退職(転職)に有意につながりやすい独立した要因は,発病時年齢50歳代(30歳代基準,HR=2.55,95%CI(1.21–5.37)),外出介助必要以上(一人で外出可能基準,2.31(1.13–4.71)),契約社員・派遣社員(正社員基準,2.66(1.20–5.89)),解決できない困りごとあり(困りごとなし基準,4.15(2.43–7.09))であった.経験した会社の支援には,有意に退職(転職)防止につながる支援はなかった.結論:指定難病を理由とした退職(転職)は,発病時年齢,障害の程度,雇用形態,会社での治療上の困難の存在と有意に関連していた.会社による患者支援と退職(転職)との関連は明確では無かったが,会社での治療上の困難を減らすため,支援を拡大する必要がある.仕事と治療の両立支援は,事業者の義務ではない取組であり,支援拡大のためは事業者が取り組みやすい制度の構築が望まれる.