著者
堀河 俊英
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、創・蓄・省エネルギー化が求められ、化学プロセスから排出される低位レベルの熱エネルギー回収システムのひとつとして水蒸気吸着式ヒートポンプ(WAHP)が注目されている。そこで本研究ではWAHP運転圧力範囲で急激かつ大きな水蒸気吸着を示す高性能炭素系水蒸気吸着剤の開発に取り組んだ。炭素系吸着剤に対する水蒸気吸着等温線の立ち上がり位置を低相対圧部へシフトさせるために細孔特性を制御した多孔質炭素材料を調製し、また、それらに窒素原子を導入することで、WAHP運転圧力範囲において水蒸気吸着量差は、窒素ドープを行っていない炭素材料に比べて5倍となる高性能炭素系水蒸気吸着剤の開発に成功した。
著者
学習研究会 編
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
vol.尋常6年程度, 1925
著者
李 仁子 二階堂 裕子 金谷 美和
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、東日本大震災の津波被災地において人々の生活再建や地域の復興がどのように進むのかを明らかにするために、複数の調査地で長期にわたる文化人類学的調査を行い、被災者の移動に伴う生活相の変化や、被災者をとりまく社会的環境の変化、さらには彼らのコミュニティに生じた再生や変容を詳細に記録した。再建や復興のプロセスは一様かつ直線的なものではなく、被災の程度、行政による施策の影響、震災前から家族やコミュニティに内在していた諸条件、外部からのボランティアとの関わり方等々といった様々なファクターにより多様かつ複雑に展開するのだが、その全容を民族誌的に記述するためのデータを蓄積することもできた。

1 0 0 0 OA 吉原さいけん

著者
藤田吉右衛門 編
出版者
藤田吉右衛門
巻号頁・発行日
1883
著者
大塚 和夫 小杉 泰 坂井 信三 堀内 正樹 奥野 克己 鷹木 恵子 赤堀 雅幸
出版者
東京都立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

3年間にわたる調査・研究の結果、北アフリカのムスリム社会が、近年のグローバル化の大きな波に洗われ、伝統的生活のあり方の一部を維持しながら、さまざまな側面での変容を経験していることが明らかになった。それは食や衣といった物質文化の側面から、女性労働のあり方、歌謡曲などの大衆文化そしてイスラームに関わるさまざまな活動の領域にまで及ぶ。それらを明らかにする過程で、ジェンダーのあり方、イスラーム復興、情報社会化、観光化などのきわめて今日的な人類学的テーマに関しても今後の研究の調査・研究の見通しを得ることができた。その一方において、これまで我が国ではほとんど知られていなかった「伝統的」なイスラーム活動のいくつかの側面に関する基礎データも収集できた。それは、モロッコのスーフィー教団、同じく伝統教育のあり方、そしてエジプトなどにおけるムスリム学者の大衆に対する法的助言(ファトワー)の実態などである。これらは今後のイスラーム研究においてもきわめて貴重な資料である。今回の調査・研究を全体的に見渡すと、やはり広い意味でのグローバル化の影響が、北アフリカのムスリムの日常生活のいろいろな面にまで浸透していることが明らかになった。その結果,今後の人類学=民族誌学的研究においても,フィールドを取り巻くさまざまな環境、とりわけ国家やグローバルなレベルからの政治・経済・文化的なさまざまな影響を、これまで以上に真剣に考慮する必要性が痛感されるようになった。そのような所見に基づき、北アフリカに限定せずにアラブ世界全般を視野に入れグローバル化の過程に着目した人類学的研究のプロジェクトを企画し、その一つを科研費補助(基礎研究C)をえて実施してるところである。
著者
河村 能人 萩原 幸司 相澤 一也 木村 滋 古原 忠 東田 賢二 乾 晴行 奥田 浩司 中谷 彰宏 君塚 肇 中島 英治 大橋 鉄也
出版者
熊本大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

総括班の役割は、各計画研究と公募研究が緊密に連携して十分な研究成果が出せるように、本領域の組織的かつ効果的な運営と研究支援活動ならびに若手人材育成を図り、本領域の目的達成と次への展開に資することである。運営面での特徴は,①6つの部会と4つの事務局による効率的な運営、②量子線共同利用施設や共通試料提供等による研究支援、③若手人材育成への注力、④国際交流,異分野交流,産学官交流の推進である。総括班としての主な成果は、各種領域内会議による効果的な運営、研究支援による効率的な研究推進、領域内交流による連携推進、国内外シンポジウム等の開催による本領域のプレゼンス向上、若手研究者の活躍等である。
著者
阿部公彦著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2012
著者
千本 英史 小川 豊生 深澤 徹 大谷 俊太 礪波 美和子 伊藤 聡 柳田 征司
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

「国文学」という学問は二〇世紀に成立した。芳賀弥一の『国文学史十講』が冨山房から出版されたのは一八九九年の十二月である。それから百年が過ぎ、研究領域の拡大および深化は、研究方法の多様化とともに、「正当的作品」自体の意味をきわめて不安定な、宙づりな存在とした。ことは文学の一分野にとどまらない。すべての分野における「正当」なるもの、「標準」なるものの見直し、「正当」と「虚偽」二分割の思考の枠組み自体が問われようとしているといえる。こうした情況のなかでもう一度、古来の「偽書」の系譜をたどり、それぞれの作品に込められた文学史の力動を再発見し、そのことをとおしていま一度、「文学」という営為を検証しなおしたいと考えた。そのために、思想史的、歴史的文献をも含めて、個々の偽書の体系的把握が必要となる。関心が重層しながらも、多分野にわたる研究者によって、共同チームを組み、それぞれの分野での偽書を検討し、それぞれの分野の特性を明らかにし、そこで得られたもののうちから、代表的なものを選び、それに注釈作業を行い、さらにその特性を解明していった。研究期間の間に「偽書」についての興味が多分野から見られたが、たとえば「月刊言語」の特集や、佐藤弘夫氏著『偽書の精神史 神仏・異界と交感する中世』でも、いまだ「偽書」は断片的に扱われている段階である。これまでの研究の成果を生かしつつ、早急に「偽書」全体を俯瞰する叢書が提供されることが望ましい。これについてはすでに、科研メンバーを中心に、さらに幅広い研究者に呼びかけて、三〜五巻程度の叢刊の刊行を準備し、原稿も相当部分集まりつつある。諸般の事情から、いまだ第一巻の刊行も遅れている状況であるが、早急に刊行体制を再構築したい。現在確認できているところでいえば、秘伝・口伝を特徴とする中世期の「偽書」と平安〜鎌倉の人物に仮託した近世記の「偽書」(擬書)との間には、性格付けに一定の差異がみられる。両者のありようの性格的な断絶と継承の関係を、さらに成立の背後の社会的な視野を加えつつ検討する必要があると思われる。さらに中国を始めとする周辺諸国の「偽書」との比較検討は、まだ研究の緒についたばかりである。今後の進展を期したい。
著者
吉田 由紀 中嶌 信弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.14, pp.35-40, 1999-02-05
被引用文献数
6

規則音声合成技術を用いて,MIDI対応の歌声合成システムを開発した.Standard MIDI Fileを利用して入力された楽譜から,各音符のピッチと時間長を自動的に抽出後,付与された歌詞を音素系列に分解,波形編集型音声合成法により歌声を合成,その後,MIDIと同期を取りBGMと合成された歌声を同時に出力する.本システムの特徴としては,単に音符に歌詞を当てはめて歌声を出力するだけではなく,歌詞入力時に,パワー調整や声質変換などの情報を付加することができ,歌声を自由に演出できる点があげられる.さらに,歌詞を付与するトラックを複数用意することで,ハーモニやデュエットなども実現可能とした.We developed a singing voice synthesis system, CyberSingers, based our high-quality text-to-speech synthesis (TTS) technology. Given a standard Musical Instrument Digital Interface (MIDI) file as input, the pitch and duration of each musical note in the input file are extracted automatically. The phoneme series of the typed-in lyrics are passed to the CyberSingers TTS module to synthesize a singing voice. After synthesizing vocal parts of a score, CyberSingers generates an intermediate data that includes timing information. By referring to this timing informed by a MIDI player, CyberSingers supports several options such as power modulation, a voice changer function, and multi-vocal feature. CyberSingers adds a new function to desktop-music technology.
著者
山崎 昌廣 長谷川 博
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

脊髄損傷者(脊損者)の発汗機能は基本的には脊損レベルに依存しているとされているが、これまでの研究では脊髄損傷(脊損)レベルと発汗障害部位および発汗量の関係については明確にされていない。特に暑熱環境下における運動時の発汗応答に関する研究はほとんど行われていない。そこで、本研究ではまず脊損レベルと発汗部位との関係を明らかにすることを目的とした。また、暑熱環境下での運動中の飲水により発汗および体温がどのように変化するのかを健常者と比較し、さらに冷却ジャケットが脊損者の体温冷却にどれほど有効な手段なのかを検討した。対象とした被験者は成人男子で、損傷レベルはL1〜Th6であった。暑熱環境に暴露した際の安静時局所発汗量は脊損レベル別および部位別による顕著な違いが観察された。前額部、胸部および腹部では全被験者において明らかな発汗が観察された。一方、大腿部および下腿部では発汗量は少なく、Th6およびTh7の被験者では発汗がまったく観察されなかった。暑熱環境下における運動時の全発汗量は運動30分後および運動終了時とも、上位脊損者群が低い値を示した。しかし、下位損傷者群と比較して統計的有意差は認められなかった。大腿部および下腿部皮膚温は上位損傷者群が有意に低い値を示したが、前額部、胸部および上腕部の皮膚温には有意差は認められなかった。また、鼓膜温は両群に有意差は認められなかった。局所発汗は脊損レベルの影響が顕著であったが、全身発汗量はそれほど損傷レベルの差は認められず、その結果暑熱環境下の運動時体温調節において上位脊損者群と下位脊損者群には顕著な差はないと結論することができる。脊損者に対する体温冷却効果は健常者と同様に、飲水に加え冷却ジャケットを着用すると、循環系の負担が軽くなり、さらに体の許容蓄熱量に余裕ができ、運動中の体温上昇が抑制されることが明らかとなった。
著者
伊達 宗和 田中 敬二 加藤 謹矢 酒井 重信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.131-136, 1996-02-21
被引用文献数
8

ホログラフィック高分子分散液晶(HPDLC)を用いたフルカラー反射形ディスプレイについて報告する。HPDLCは、高分子樹脂中に液晶の微粒子を分散させて作製した、電界によりon/off可能なホログラムである。動作速度は1ms以下と動画表示に充分で、階調表現も可能である。さらに、偏光に依存せず積層が可能なので光の利用効率が高く、色純度も高いなど基本特性において優れている。今回我々は、任意の波長の素子の作製法を確立するとともに、TFT駆動により32×32画素のモノクローム表示パネルを作製し、HPDLCを用いた反射形フルカラーディスプレイが実現できることを明らかにした。
著者
吉川 清次
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

EMTレポータースクリーニングにて、EMTを誘導因子としてSnail・Twist2を、EMTと協調してHMLEに軟寒天コロニー形成能を付与する遺伝子としてミトコンドリア電子伝達系構成因子、シグナル伝達ハブ遺伝子が同定されノックダウン実験では、SUM159間葉乳癌細胞のコロニー形成を抑えることが分かった。METスクリーニングでは、E-cadherin発現を強力に誘導するshRNA(shP1と命名)を同定した。軟寒天コロニー形成能の解析から、SUM159細胞にはshP1に感受性をもち軟寒天コロニー形成能が低下する集団と、shP1によりコロニー形成能が変化しない細胞集団が存在することが判明した。

1 0 0 0 富山県史

著者
富山県編
出版者
富山県
巻号頁・発行日
1970

1 0 0 0

著者
柳田国男 比嘉春潮編輯
出版者
一誠社
巻号頁・発行日
1933

1 0 0 0 愛媛県史

著者
愛媛県史編さん委員会編
出版者
愛媛県
巻号頁・発行日
1982
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.59, pp.170-173, 2000-06

■ネットオークションに参加し、入札した経験があるユーザーは、回答者全体の4分の1に当たる23.5%に上った。実際に落札したことがあるユーザーは回答者全体の12.6%である。■今後入札してみたいと答えたユーザーは回答者全体の63.9%。通常のオンラインショッピングでは「買い物したくない」ユーザーの中でも、15.8%はネットオークションなら入札したいとした。
著者
中村 強 山元 涼子 田中 芳明 山田 健一
出版者
福岡女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、近年では軽視できない重要な生活習慣病の一つとされているが、現状は的確な効果が見いだされていない。本疾患は酸化ストレスに伴って発症することに着目し、病態モデルの開発および抗酸化物質の投与を中心にNASHへの発症予防に関する検討を行った。すなわち、新規な病態モデルであるSTAMマウスはヒト疾患に極めて近いこと、比較的短期間に、かつ安定して発症することを確認した。また本マウスを用い、ビタミンEならびにアミノ酸(イソロイシン、ロイシン)、D-グルコースの異性体であるD-アロースの投与の効果を検討し、STAMマウスの肝障害を有意に抑制することを認めた。
著者
安元 隆子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

チェルノブイリ原発事故がどのように描かれてきたのかを考察した。主にスベトラーナ・アレクシェービッチの『チェルノブイリの祈り』、グードルン・パウゼヴァングの『雲』、若松丈太郎の連詩「かなしみの土地」、チェルノブイリ原発事故を予見した映画としてタルコフスキー『ストーカー』を論じた。『チェルノブイリの祈り』は社会主義からの訣別と人間の生と愛への希望というテーマを証言集全体の構造を分析することで明らかにした。また、『雲』では登場人物の核に対する意識の差が主人公の父方、母方の意識の差と重なること、「かなしみの土地」では想像力の飛躍に基く詩法を明らかにし、福島原発事故への架橋の意味があることを評価した。