著者
Shizuka Tetsuhito
出版者
日本言語テスト学会
雑誌
日本言語テスト学会研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.108-127, 2004

The purpose of this study was to explore the potential of 'invisible-gap filling' items primarily as an in-house achievement measure of reading-oriented courses and secondarily as a more general overall-ability measure. More specifically, it compared multiple-matching 'invisible-gap filling' items and their 'visible' counterparts in terms of item facility, item discrimination, test reliability, and test validity. Eighty-eight Japanese university 1st year students took a 25-item invisible-gap filling test and its visible counterpart, along with two 25-item c-tests, the combination of which constituted a semester-end examination of a reading-oriented course. The invisible and visible gap filling tests were based on the same passage covered in the course. Target words (i.e., words to fill the gaps) were also the same between the versions, making the salience of the gaps the only difference between the two. Hence, psychometric property differences between these two versions, if any, should be attributed to the gap visibility condition difference. One c-test was created from a passage already covered in class and the other from a new passage. The former served as an achievement criterion while the latter was considered a proficiency criterion. Results indicated that the invisible-gap filling items had (1) lower facility values, (2) higher discriminations, (3) higher reliability, (4) higher validity as an achievement measure, and (5) higher validity as a proficiency measure, than its visible counterpart. Based on these findings, it is contended that invisible gap filling is a technique that can be used to produce reliable and valid achievement tests with relative ease. After discussing possible limitations of the format, two possible modifications are proposed.
著者
薛 献宇 神崎 正美 Shatskiy Anton
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.130-130, 2007

We have applied one-dimensional (1D) 1H and 29Si MAS NMR and 1H-29Si cross-polarization (CP) MAS NMR, and 2D 1H NOESY, high-resolution 1H CRAMPS (FSLG)-MAS NMR, 1H double-quantum filtered (DQF) single-quantum (1Q) -1Q correlation MAS NMR and 1H-29Si heteronuclear correlation (HETCOR) NMR techniques to gain new insights into the structure of two phases of potential mantle water reservoir, phase D and superhydrous B. Two samples containing both phases have been synthesized from a mixture of Mg(OH)2 and SiO2 at 24 GPa and 900-1100C. For phase D, the 29Si NMR spectra contain a nearly symmetric, broad peak near -177.7 ppm, attributable to octahedral Si with a disordered local structure. The high-resolution 1H CRAMPS spectra contain a main peak near 12.6 ppm with two shoulders near 10 and 7 ppm, suggesting a disordered proton distribution, mostly with shorter hydrogen bonds than previously suggested. For superhydrous B, our 2D NMR data have clearly revealed that it contains dissimilar proton (H1-H2) pairs and one tetrahedral Si site, consistent with space group Pnn2.
著者
小林 酉子
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1570年代からロンドンでは商業劇場が次々と建設され、ルネサンス演劇最盛期を迎えた。その当時、商業劇団は市井の劇場で公演するだけではなく、宮廷や貴族の館、あるいは市の祝祭で役を演じてもいた。本研究は、商業劇団が深く関わったpageantry(野外式典)を研究対象とする。これは royal pageantry(入市式や巡幸)とcivic pageantry(市長就任式等)に大きく分けられる。それぞれの記録を基にpageantry衣装演出の具体像を追って、その意匠が商業劇場舞台に与えた影響を明らかにし、エリザベス朝の商業劇場でどのような衣装演出が用いられたかを検証した。
著者
廣瀬 雅代 Partha Lahiri
出版者
統計数理研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

小地域推定の現場でよく用いられている経験的最良線形不偏予測量(EBLUP)に対する研究を行った.具体的には, 数値実験を用いて近年提案された複数のEBLUPの性能比較を行い, 先行研究より広いモデルのクラス下においてEBLUPを用いた非現実的な予測値発生回避法の理論的保証を与えた. さらに, EBLUPの予測精度指標に対する非現実的な推定値の発生回避法や信頼区間法の改良も行った.
著者
高橋 優 南谷 さつき 中東 真紀 石原 領子 長太 のどか 古屋 かな恵 張本 浩平
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101610-48101610, 2013

【はじめに、目的】 春日井市は、65歳以上の老年人口が20.1%であり全国平均と比較し現状の老年人口は若干少ない地域である。超高齢社会において高齢期の健康の保持と増進においては栄養は重要なものである。今回、在宅における栄養摂取の現状把握をMini Nutritional Assessment-short form(以下MNA-SF)を用い、実際に摂取している総カロリー量及びたんぱく質量と比較し若干の知見を得た。【方法】 評価期間は平成24年8月20日~平成24年9月15日の4週間とした。対象は、本調査の趣向を説明し同意を得られた、当訪問看護ステーションを利用している10名(男性6名・女性4名)、平均年齢75.3±8.9歳とした。 (1)栄養評価は、MNA-SFを用い、栄養障害の状態を栄養障害あり・低栄養のおそれあり・栄養障害なしの3つに分類した。栄養評価は、担当スタッフに検査方法を十分に説明し、(2)の開始前の訪問時に実施した。(2)摂取カロリー・摂取たんぱく質量については3食3日分の食前・食後の写真撮影を利用者または家族により実施した。写真撮影の漏れがないよう3食3日分の食事チェック表を作成し間食の記録も行なった。なお、外食に行かれた場合、撮影漏れ・撮影不良が起きた際は、1日分の食事を後日改めて写真撮影をするなど行なった。摂取カロリー・摂取たんぱく質量の測定は管理栄養士が統括した。(3)統計学的解析は、MNA-SFスクリーニング値と摂取カロリー・摂取たんぱく質量・BMI値で回帰分析を用い有意水準5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には、調査を行う前に本調査の趣向を紙面と口頭で説明し、インフォームドコンセントを得た。【結果】 (1)MNA評価結果は、栄養状態良好4名、低栄養のおそれあり6名、低栄養0名、BMI平均21.1±4.3であった。(2)摂取カロリー・たんぱく質量は、1日分の平均摂取カロリー1543.8±220.4キロカロリー、摂取たんぱく質量62.4±15.3グラムであった。(3)MNA-SFスクリーニング値と摂取カロリー・摂取たんぱく質・BMIの回帰分析の結果、摂取カロリー、摂取たんぱく質量とは有意な相関を認めなかった。BMIはR値:0.46、 p値: 0.02で有意な相関がみられた。【考察】 在宅における栄養摂取の現状を把握するためにMNA-SF評価ツールと食事撮影・測定を実施した。MNA-SFと摂取カロリー・タンパク質量の相関はみられなかったが、BMIとの相関はみられた。MNA-SFとBMIは密接な関係にあり栄養状態の把握にBMIが有用に働く事が示唆された。MNA-SFの結果からは、MNA-SFの最大の特徴は低栄養の階層化における低栄養のおそれありというグレーゾーンの設定である。今回の結果より低栄養のおそれありの6名は、低栄養となる可能性がある。摂取カロリー・摂取たんぱく質量からは、普段の食事より、写真撮影時の方が多めの食事となりバランス良く摂取されている可能性があるが、全国平均では、摂取カロリー1821.5±101.5キロカロリー、摂取たんぱく質量68.3±4.0グラムであり、平均一日あたり摂取カロリー数は約300キロカロリー、摂取たんぱく質量は約6グラム足りていない結果となった。以上のことから、MNA-SFと摂取カロリー・摂取たんぱく質量の相関は得られていないが、低栄養のおそれありの利用者が低栄養になる可能性があり、サルコペニア等の問題も浮上してくる事が考えられた。今後は、詳細な栄養摂取の現状把握が行なえるよう対象者を増やし、摂取カロリー・たんぱく質量の測定方法を考慮して実施したいと考える。【理学療法学研究としての意義】 高齢者における栄養の摂取量低下は、健康に多大な影響を与える事が、多くの研究により明らかにされている。高齢者が地域で満足した生活を営む為に栄養状態の把握・改善に対してアプローチしていかなければならないと考える。
著者
宮下 和士 三谷 曜子 綿貫 豊 米崎 史郎 服部 薫
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

北方海洋生態系を広く回遊し,摂餌を行っている海鳥や海棲哺乳類などの高次捕食者をモデルとして,様々な計測機器や分析によりモニタリングを行った.各種において回遊や摂餌生態は個体・地域によって様々であり,このような違いが繁殖成功や生残を左右する可能性が考えられた.また,高次捕食者の生態を通じて,海洋生態系の変動を捉えることができた.今後もモニタングを続けていくことで,我々の目には見えにくい海の中での生態系変動を把握することができるようになるだろう.
著者
西岡 健一 南 知惠子
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ICTはビジネスへ直接的に影響を与えるのではなく、他の組織内外のリソースを働きかける間接的な機能を持ち、価値を創出する。ICTの「統合」機能は、オペレーションの効率性と生産性の向上、情報交換の正確性とタイムリー性を実現する。「協同」機能は、組織的な協同関係を実現し、促進、モニター、コントロール、ガイドするという役割を果たしている。さらに、ICTには情報集約的なサービスを管理する能力があり、「高度な分析処理」を実現化させる。これら3つのICTのイネーブリング機能から、「ビジネス・プロセスの発展」と、「イノベーティブなビジネスシステムの創出」つまり狭義のサービス・イノベーションが起こることになる。
著者
金子 知適
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究課題では,コンピュータの人工知能の判断力が,高度に訓練された人間の判断力に匹敵しうる分野を対象に,コンピュータプログラムを用いて人間の判断を支援する手法を研究を行なった.具体的には,囲碁や将棋において,コンピュータプログラムがMinMax探索を行なって得た評価値やモンテカルロ木探索をもちいて得た勝率として提示した判断と,人間の熟達者の判断との差について研究を行なった.
著者
平沢 純一 村上 久幸 田中 幸 木伏 祐治
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.10, pp.1-4, 2010-10-22
被引用文献数
1

音声認識エンジンを用いて音声認識 HMI の製品・サービスを開発するカスタマは,品質 (認識精度) について何をどのようにリクエストしてくるのか?を紹介しながら,音声認識エンジンのベンダはどのような技術サポートを提供することが可能なのか?を議論する.議論のポイントは,「カスタマからの期待」 と 「現在の音声認識技術で可能な技術サポートの現実レベル」 との間に存在する溝を,どのようにして埋めたらよいのか?である.This article describes how customers developing products and services with speech HMI would question and request for speech recognition engine vendors in terms of speech recognition accuracy requirement. It also discusses what types of support speech vendors can provide in response to their requests. The key issue here is to fill the gaps between customers' expectations and what speech vendors could actually provide.
著者
茂木 一司 宮田 義郎 苅宿 俊文 上田 信行 福本 謹一 阿部 寿文 熊谷 保宏 大泉 義一 稲庭 佐和子 郡司 明子 下原 美保 刑部 育子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、日本伝統文化, 身体とメディアなどを活用したアートワークショップ(型学習)が現代の多元的共生社会に実現に有効なことが実証できた。美術、音楽、ダンス、演劇など(広義の)アートワークショップ(型学習)で起こるコミュニケーションやコラボレーションは単なる方法(手法)ではなく、自己表現と他者理解を促し、ヒトの学び(学習)を根源的に能動的に変化させ、創造的思考力(Creative thinking)を育てる。
著者
藤井 寛 山中 康史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.1945-1955, 1997-10-15
被引用文献数
29

ディジタル画像流通においては品質を保持したコピーおよびネットワークによる転送の容易さに起因する,違法コピー氾濫の防止が重要な課題である.違法コピーの危険性から提供者には見本画像の公開に抵抗があり,そのため利用者は事前の内容確認が困難である.我々は画像情報流通を阻害する本問題を解決する,JPEGおよびMPEG1画像データのスクランブル方式を開発した.本方式は暗号を用いて画像データを変換し,品質を劣化させたスクランブル画像を生成する.スクランブル解除は暗号鍵によって制御され,高速な変換に基づくリアルタイム・スクランブル解除によって違法コピーを防止できる.効果的宣伝と違法コピー防止のためにはスクランブルの程度が制御可能であることが望ましい.本方式はブロック内パラメータ,密度,領域の3つのパラメータでこれを制御する.さらに,画像データは複数の鍵によって多重にスクランブルすることも可能である.多重スクランブルは鍵の個数による画像品質制御および複数の著作権の存在する画像の保護に利用できる.During the distribution of digital images,protection against peracy is important because it is easy to duplicate digital data without deterioration and to spread pirated versions through networks.Providers of image data cannot disclose the original data for fear of piracy,yet still need to advertise their products and to allow customers to evaluate a product prior to paying for it.This paper presents a method for scrambling image data encoded in JPEG or MPEG1 in order to solve this problem.Our method uses a cipher algorithm for data transformation to generate a deteriorated version of the image data.Its high-speed transformation enables real time descrambling,thereby preventing illegal copying.For effective advertisements and copyright protection,the degree to which image data is scrambled should be controllable.Using our method,scrambling can be controlled by the intra-block parameters,density and area.The method also allows a single image to be scrambled a number of times using different scrambling keys.Multiple scrambling can be used to determine the image quality based on the level of payment.It can also be used to protect image data composed of several parts,the copyright for each part being owned by different authors.
著者
野田 政樹 山下 照仁 二藤 彰 田村 正人 川口 奈奈子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本基盤研究においては、骨粗鬆症の病態生理学の基礎となる骨芽細胞・破骨細胞の研究を展開した.その結果、本研究による現在までの骨吸収に関する研究領域の成果としては,カルシウム向性制御因子である副甲状腺ホルモン、ビタミンDやTGFβを含むホルモンおよびサイトカインによって制御されるオステオポンチンのノックアウトマウスを作成し(Journal of Bone and Mineral Research,1998)、このマウスにおいては、閉経後骨粗鬆症モデルを作成すると、骨吸収が明らかに抑制されることから、オステオポンチンが骨粗鬆症の成立の上で重要な促進的役割を持つ分子であることを発見した(Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A.,1999).更に、骨形成領域の研究の成果としては,骨芽細胞機能の制御の分子機構を解析し、新しいBMP制御分子TOBが、特異的に成体の動物の加齢後期において骨の形成の制御に関わることをin vivoで明らかにし(Cell,2000)、Smadの下流におけるCbfaの発現制御の機構(Journal of Biological Chemistry(JBC)1998)、ビタミンDによる抑制性の転写制御因子Idの発現阻害のメカニズム(JBC,1997a)、helix-loop-helix型転写因子Scleraxisの機能の制御(JBC,1997b)、骨・軟骨系の分化に際してのHMG型の転写因子の制御メカニズム(JBC,2000)を発見した。骨粗鬆症において重要な上記のような骨吸収および骨形成に関わる破骨細胞ならびに骨芽細胞の機能の平衡維持のメカニズムの研究領域の成果としては、老化に関わる制御分子、Klothoの機能(Endocrinology,2000;Journal of Endocrinology,2000)、ウィルスの発現系によるKlothoの遺伝子の制御機構(Journal of Gene Medicine,2000)を解明した。さらに本研究の成果として、この重力などのメカニカルストレスがオステオポンチンとKlotho遺伝子がを介する制御(Journal of Experimental Medicine,2001)(Journalof Endocrinology,2001を明らかにした。本基盤研究A(2)の遂行により、骨粗鬆症においてて骨形成・吸収・平衡バランスと老化の3つの主要な局面において中枢的な役割を持つ遺伝子を現在までの研究で解明し、個々の遺伝子の機能の解析に成果を上げた(英文原著39件,国際学会発表57件,受賞13件)。
著者
井田 喜明 田中 良和 西村 太志 小屋口 剛博 谷口 宏充 岡田 弘
出版者
兵庫県立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本特定領域研究の目的は、火山爆発の素過程や発生機構について学術的な理解を深め、火山災害の軽減に寄与することである。その基礎として、火山爆発の性質を詳細に調べるために、「火山探査移動観測ステーション」が開発され、火口近傍での観測や試料採取、機器の設置を遠隔操作で行うことが可能になった。広帯域地震計や空振計などを用いた観測が、小爆発を繰り返す複数の火山で実施され、爆発に先立って特徴的な膨張や収縮が存在することがつきとめられ、爆発直前に進行する物理過程が明らかにされた。地下のマグマの上昇過程については、室内実験や理論的な考察によって、脱ガスやマグマ破砕の機構が究明された。また、シミュレーションによって、噴火の爆発性を決める原理が見出され、地殻変動の加速性がそれを予測する手段になりうることが示された。地表で進行する爆発現象については、火口から噴出する噴霧流の3次元シミュレーション手法が開発され、噴煙や火砕流を生む物理過程が究明された。また、爆発強度のスケーリングや、爆風に伴う衝撃波のシミュレーションなど、火山爆発の影響を見積もる有力な手法が得られた。本領域の各分野にわたる研究成果を基礎に、噴火現象に関連する各種の知見やデータを集めて、データベースが構築された。このデータベースは、現象の体系的な理解に役立つ。また、本領域で開発された計算コードと合わせて、噴火過程の総合的なシミュレーションをする基本的なツールになり、噴火や火山災害の予測に寄与する。噴火現象の評価や予測のためには、WEBサーバーを用いた合議システムも開発され、専門家の合議を迅速かつ能率的に進めることが可能になった。火山爆発に関する知識を広く普及する目的には、一般向けの講演会が催され、観測や野外実験の一部が公開された。また、研究成果を平易に解説する一般向けの書籍が出版される。
著者
吉本 和生 中原 恒 佐藤 比呂志
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,小型・低消費電力の強震動観測システムの開発,地震波形データ取得のための地震観測,波形データの解析による関東平野の大深度地盤構造の推定,及び大規模な堆積盆地構造と長周期地震動の関係に関する以下の研究を実施した.①乾電池で動作する小型・低消費電力の強震動観測システムを製作した.②関東平野北東部の計11地点での臨時地震観測を実施した.③地震波干渉法により地下構造の時間変化を検出した.④地震波干渉法に基づいて近地地震波形を解析し,地震基盤までの地盤構造を詳しく推定した.また,大深度地盤構造モデルを構築し,関東平野北部における長周期地震動(ラブ波)の励起の特徴の説明に成功した.
著者
小川 明子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:甲3084号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2010/3/1 ; 早大学位記番号:新5351
著者
鈴木 賢 高見澤 磨 石塚 迅 坂口 一成 宇田川 幸則 崔 光日 川島 真 石井 知章
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

国家と市場の間の市民社会に射照することにより、中国の権威主義的政治と市場経済という組合せが、いかなる構造によって接合されているかを解明した。民間組織は意図的に不安定な法的地位におかれ、自主的活動空間を偶然的にしか与えられず、社会は政治に飼い慣らされている。共産党が国家、市場ばかりか、社会にまで浸透し、国全体を覆い尽くす存在として君臨し続けている。しかし、悪化する環境、労働、差別、弱者、食品安全の問題など、政治制度と経済システムの軋みは、外部不経済となって拡大し、有効な処方箋の提示が急務である。政治の民主化によるミスマッチ解消というシナリオはなお見通せず、宛てなく徘徊を続けている。
著者
上田 しのぶ 黒田 雅彦 高梨 正勝 大野 慎一郎 土田 明彦
出版者
東京医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

microRNA(miRNA)はがんの発生や抑制に関与しており、血中ではエキソソームによって運ばれている。また、がん幹細胞は現在の治療法では残存し再発や転移を起こす可能性がある。我々はがん幹細胞に結合する分子をエキソソーム膜上に発現させ、がん幹細胞の増殖を抑制するmiRNAをエキソソーム中に取り込ませて血中に投与することで、がん幹細胞を標的とした治療法を確立できると考えた。乳がん細胞のEGFRに結合するペプチド(GE11)を発現させたエキソソームにlet-7aを内包させ (let-7a/GE11エキソソーム)、担がんマウスに尾静脈接種すると効率よくがん細胞へ到達し増殖抑制効果を示した。