著者
新上 和正 北川 美宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08
被引用文献数
2

前回の講演でデータグラム型のネットワークで最大のパフォーマンス(遅延時間とスループット)を持つ理想的ルーチングを真似ることでルーチングアルゴリズムAMRを創りました。AMRは[ic_1]AMRは分散的である、[ic_2]AMRはOSPFと同じ程度に簡単である、という条件の下で、あるノードにあるパケットを隣接するノードq'にe^<-βQ^<q'd>_<ospf>>(ホップ数を減少する), e^<-β[Q^<q'd>_<ospf>+νdist_Γ(s,d)]>(ホップ数を保存する), 0(以外)に比例する確率で送り出しました。Q^<q'd>_<ospf>はOSPFの遅延コストでキュー長とサービス時間の和を最少にする通信経路(ルート)です。dist_Γ(s,d)]は発信ノード(s)と到着ノード(d)の間のホップ数です。そして、(M/M/1キューイングモデルを想定して)AMRの外部パラメータであるβとνは平均パケット遅延時間(D)をトポロジー(Γ)と入力トラヒック強度(λ)に以下のよう決めました:(1)Γとλに依存してDを最少にする、(2)Γだけに依存してDを最少にする、(3)Γとλに依存しないでDを最少にする。
著者
内田 龍男 片岸 智之 小野寺 政信 柴田 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.984-990, 1986-10-20
被引用文献数
2

先に提案したマイクロカラーフィルタ型フルカラー液晶ディスプレイ(LCD)は多くの研究開発者の努力ですでに実用レベルに達しているが, 一部でバックライトの消費電力が重要な問題となっている.そこで本研究では, このバックライトを取り除いた反射型マルチカラーLCDの実現の可能性を検討している.まず, 各種の表示モードを検討し, 明るさとコントラスト, アクティブマトリックスとの適合性などの点から相転移型ゲストホストモードを採用した.次いでこの電気光学的特性の理論解析を行い, パラメータの最適化をはかった.さらに, その設計条件に基づいて実際にパネルを試作し, 従来の白黒表示のTNセルとほぼ同程度の明るさのマルチカラーLCDが実現できることを示した.
著者
永崎 研宣 鈴木 隆泰 下田 正弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.57, pp.33-40, 2006-05-26
参考文献数
9
被引用文献数
2

大正新脩大蔵經テキストデータベースは、すでにすぺてのテキストの入力を終了し、その正確性を高めるという次の段階に入っている。これを効率的に行っていくためには、より効率的かつユーザフレンドリーなコラボレーションシステムの開発が有効である。コラボレーションシステムは、それまでの作業のルーティンを損なうことなく、その問題点を解消できるものでなければならない。そのため、Webベースのシステムを基本としつつ、コア部分では、作業者のスキルの格差を考慮し、ローカル側での作業に比重を置くインターフェイスと、Web上ですべての作業を行うインターフェイスの二種類を併用する形とした。The text-database of the Taisho Tripitaka has entered a correction phase since inputting of all texts has been finished. It is useful to develop a more efficient and user-friendly collaboration system to solve previously experienced problems without disturbing the routine of the work. Therefore,we developed a Web-based collaboration system which has two interfaces accomodating the differences of workers,skill levels. One is based on the work done on the local computers and the other is carried out entirely on the Web.
著者
平岡 直樹 佐々木 邦博 伊藤 精晤
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.331-336, 1999-10-15
参考文献数
30
被引用文献数
2

本著作物の著作権は(社)日本都市計画学会に帰属します。本著作物は著作者である日本都市計画学会の許可のもとに掲載するものです。ご利用に当たっては「著作権法」に従うことをお願いいたします。The aime of this paper is to reveal the historical transition of the planning thought on parks and avenues of Brussels, the capital of Belgium, and to clarify how it had been affected by the Haussmann's projected transformation of Paris. We analysed two pairs Of projects late in the 19th century. At the mid-century, the thougt of planning valued the aesthetics and city beauty- At the end of the century, parks and parkways system developed as the method to connect with important institutions and areas each other. The influence of Paris was not only simply copying Of the planning, but stimulated by social results and effect on upsurge of national prestige, in consequence of construction of magnificent parks and parkways.
著者
中尾 雄三
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.99-101, 2005-01-20
参考文献数
5
被引用文献数
3
著者
渡辺 幹男 中川 潤 鈴木 峰男 西村 允
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.99, pp.27-32, 1994-06-17
被引用文献数
2

人工衛星には、衛星本体と太陽電池パドルの間ですべり摩擦をしながら電気信号や電力を伝達するスリップリングが用いられている。宇宙用スリップリングには、超高真空中においてトライボロジ及び電気特性に高い信頼性が要求される。ホットプレス法で作製した4種類の銀系複合材の摩擦、摩耗、通電特性をピン, 円板摩擦試験機とスリップリングモデル機を用いて真空中で評価し、宇宙用スリッピングへの適用性を検討した。試作したAg-MoS_2-NbSe_2系複合ブラシ材と銀系リング材の組合せは、通電量1〜20A、通電密度4〜800A/cm^2の全領域にわたって、現在人工衛星で使用されているスリップリングよりも優れた摩擦、摩耗、通電特性を保持しており、電気信号伝達用、電力伝達用、さらには今後の大電力伝達用のいずれのスリップリングにも適用可能である。
著者
Hau-Jie Shiu Ken-ichi Tokita Emiko Morishita Emiko Hiraoka Yinyin Wu Hiroshi Nakamura Hiroyoshi Higuchi
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
ORNITHOLOGICAL SCIENCE (ISSN:13470558)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.151-156, 2006 (Released:2007-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
24

In order to examine fidelity to migration route, breeding, wintering, and stopover sites, we analyzed the migration of two adult Grey-faced Buzzards Butastur indicus and an adult Honey-buzzard Pernis apivorus that were satellite-tracked in East Asia for more than two migration seasons. The Grey-faced Buzzards showed a high degree of route fidelity across seasons and years. On the other hand, the migration routes of the Honey-buzzard were distinctly different between fall and spring seasons, whereas, within each season they were roughly similar between years. All three raptors were strictly faithful to their breeding and wintering sites. They also showed fidelity to several stopover sites in which the raptors stayed for relatively long periods to replenish energy. Our findings have important implications for the conservation of the migratory raptors.
著者
神原 弘之 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.171, pp.45-52, 1995-07-21
参考文献数
11
被引用文献数
2

KUE-CHIP2(Kyoto University Education-CHIP2)は,LSI設計教育と計算機ハードウェア教育のために開発した8ビットマイクロプロセッサである。本稿では,KUE-CHIP2の仕様とその教育への応用について報告する。計算機ハードウェアの入門教育用に開発したKUE-CHIP2を搭載したワンボードコンピュータは,40以上の大学あるいは高専で約260台が使用されている.LSI設計教育の設計対象として,KUE-CHIP2互換のマイクロプロセッサが,UDL/I処理系を用いて,九州大学の学生により設計された.実現された互換チップの動作テストはワンボードコンピュータに実装されて行われたKUE-CHIP2については,アーキテクチャからレイアウトレベルまで,すべての設計データが公開されている.UDL/I,SFL,VHDLなどの各種ハードウェア記述言語による動作仕様も作成されている.
著者
Mafi Shaban Ali VANG Le Van 中田 恵久 大林 延夫 山本 雅信 安藤 哲
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.361-367, 2005-11-20
被引用文献数
2

ミカンハモグリガの処女雌抽出物をGC-EADおよびGC-MSにて分析し, ランダムスクリーニングですでに雄の誘引物質として見出されている(7Z,11Z)-7, 11-hexadecadienal (Z7,Z11-16:Ald)が真の性フェロモン成分であることを確認した.第2成分の探索を目的にZ7,Z11-16:Aldに関連化合物を混合しカンキツ園で誘引試験を行ったところ, 共力効果は認められず, いくつかのモノエン化合物はZ7,Z11-16:Aldの誘引活性を強く阻害することが明らかになった.さらに, 合成フェロモンを用いた交信撹乱技術を確立するため, 以下の2つの実験でZ7, キャップを配置した.誘引される雄蛾の数はコントロールに比べ低下せず, 明瞭な定位阻害効果は認められなかった.一方, Z7,Z11-16:Aldを1本当たり60mg封入したポリエチレンチューブを圃場に配置した実験では, 本種の卵や幼虫の新葉における密度低下を認めるに至らなかったが, モニタリングトラップへの雄の定位が強く阻害される結果を得た.すなわち, 無処理区では7月から9月の間に一晩当たり27〜127頭の雄蛾が誘引されたのに対し, 1ha当たり500本あるいは1300本のチューブを処理した圃場では, 雄蛾はほとんど誘引されなくなった.
著者
石本 万寿広 佐藤 秀明 村岡 裕一 青木 由美 滝田 雅美 野口 忠久 福本 毅彦 望月 文昭 高橋 明彦 樋口 博也
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.311-318, 2006-11-25
参考文献数
34
被引用文献数
2 15

水田内におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長を調査する手段として既に確立されているすくい取り法の代替手段として,合成性フェロモントラップの有効性を評価した.トラップは両面に粘着物質を塗布した粘着トラップを使用し,誘引源として合成性フェロモン0.01mgを含浸させたゴムキャップを粘着板上辺の中央部に設置した.粘着トラップは,イネの草冠高かそれよりやや低い位置に設置すると捕獲効率が高かった.そこで,2005年6月に,粘着トラップを新潟県上越市・長岡市,富山市の各水田2筆の中央部,イネの草冠高に設置し,誘殺される雄数を毎日調査した.また,約5日間隔でトラップの位置を中心に捕虫網ですくい取りを行い,成虫数の推移を調査した.すくい取り調査で,地域,品種を問わず6月中旬から7月上中旬にかけて成虫が発生し,7月中旬に減少し,その後,出穂期の早い品種で成虫の増加傾向が早くなり8月中旬までには減少するという成虫の発生消長が明らかとなった.水田内に設置した粘着トラップの誘殺雄数の推移は,概ねすくい取り調査での雄数の推移とよく似たパターンを示した.したがって,水田内で本種のモニタリング手段としてフェロモントラップが利用できる可能性を示唆している.
著者
山添 和明 日比野 千里 工藤 忠明 柳井 徳磨
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.739-745, 1994-08-15
被引用文献数
2

ハトに実験的上腕骨骨幹骨折を作製し, 骨セメント注入法とプレート固定法の併用が骨折の治癒機転に及ほす影響を検討するとともに, 飛翔能力の回復についての観察も行った. その結果, 骨セメント注入法あるいはプレート固定法単独では術後2週目以内に単純X線所見で全例再骨折を認めたが, 併用法では全例に再骨折を認めず, 術後6週目以降ほぼ正常な飛翔が可能であった. マイクロアンギオグラムおよび組織学的検査から骨セメントによる内仮骨形成の阻害が観察されたが, 血液供給は術後2週目ですでに回復しており皮質壊死像も認められなかった. また骨セメントが皮質骨折端間に高度に残存した場合皮質がつながらず, 海綿骨様化が認められた. しかし飛翔能力が早期に回復したことからプレートと骨セメントが骨折部の変位を防止する良好な支持体になると考えられた.
著者
山口 尚
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2010-03-23

新制・課程博士
著者
池田 七衣 門田 亜矢 荻野 敏
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.464-470, 2005
参考文献数
7
被引用文献数
2

【目的】花粉症患者数は増加傾向にあるが, 医療機関を受診せず市販薬ですませてしまう患者も多い. 患者動態を把握するにあたり, 医療機関だけでの調査では不十分と考え, 患者が比較的利用しやすいWebサイトを用いその実態についてアンケート調査を行った. 【方法】2003年2月1日から4月30日, B製薬会社のWebサイトによるアンケート調査を行なった. 花粉飛散数とアクセス数の相関, 花粉症情報収集源, 初期治療につき検討した. 【結果】Webへのアクセス数は348,045件, アンケートに回答した患者は1,612名であった. アクセス数と花粉飛散実測値には有意な正の相関がみられた. 花粉症の情報源はテレビ/ラジオが61.2%, インターネットが61.2%であった. 治療開始時期について, 年齢別には, 40歳未満は症状出現後が多く, 40歳以上は症状出現前が多かった. また, 地域別にみると, 東日本では症状出現前が多く, 西日本では症状出現後が多かった. 【結語】年齢, 地域などが受診状況に影響を与えることが認められた. 近年パソコンの普及率も急速に広がり, 今後さらにインターネットからの情報提供は重要性を増す. 情報提供者には信頼性の高いWebサイトの製作が求められる.
著者
西城戸 誠
出版者
法政大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

研究最終年度において、北海道浜頓別町、北海道石狩町、秋田県秋田市、潟上市、青森県鰺ケ沢町の市民風車立地点における市民活動、市民参加の調査と、2006年7月実施の石狩市民風車の出資者へのアンケート調査を踏まえて、現時点における市民風車事業・運動の成果と課題を考察した。その結果、市民風車事業・運動の社会的認知の上昇と、出資者が初期3風車の出資者に比べ、風車へのコミットメントを求める動機や経済的な点を重視する傾向が見いだせた。また市民風車事業・運動は、相対的に環境意識は高いが具体的な行動にまでは至らなかった人々に対して、具体的な貢献の窓口として機能している。また、それぞれの市民風車立地点の市民活動の実態は、風車の設立経緯や立地点での活動実績の違いによって異なったが、市民風車と出資者との関係性を構築する試みや、市民風車立地点における地域活動を活性化することの重要性とその困難さの一端が明らかになった。従来の研究のほとんどは市民風車事業・運動の出資者に対してのみ注目が当てられていたが、市民風車事業・運動が市民風車らしくなるためには、立地点を含んださまざまな市民活動、運動の存在が重要であることが明らかになった。一方、市民風車事業・運動のインキュベーター的な存在であった生活クラブ生協北海道に対する継続的な調査によって、生活クラブ生協の反・脱原発運動の展開と現状の課題について考察した。さらに、2006年に市民風車の出資を募集した大間・秋田・波崎・海上の4つの風車への出資者調査を実施し、現在、分析をしているところである。これらの調査研究を踏まえて、市民風車事業・運動の現段階と今後の可能性、課題を考察していく予定である。
著者
長谷川 公一 青木 聡子 上田 耕介 本郷 正武
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

温暖化防止活動推進員に対する郵送調査によって、推進員は、高学歴者の割合が高く、定年後あるいは定年を目前にした男性と活動的な専業主婦が主力であり、男性では、これまでの経験を活かし社会的に有意義な活動に貢献したいという意欲が高く、女性では婦人会役員などが行政の勧誘によって推進員になっている場合が多いことなど、男女別の相違点が明らかになった。3年間の各都道府県代表の全国大会応募申請書をもとにデータベース化を行い、関係主体間の連携と環境学習を重視し、地域資源を活用したすぐれた実践が多いことが明らかになった。
著者
小田 良助 綿貫 宏光 藤井 勝仁 谷川 靖信
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.247-254, 1981-11-30

沖縄本島南部地区は, 近年著しく酪農が発達した。筆者らは昭和54年度の経営を対照に5市町村から36戸の中堅農家を選定し, その経営調査を行った。その要約は次の通りである。(1)成牛飼養頭数20&acd;40頭の農家が多く, 家族経営が殆んどで堅実な酪農経営であった。たゞ, 育成牛飼養頭数が成牛2&acd;3に対し1の比程度に飼われ, やゝ多い傾向が窺えた。(2)1頭当り年間産乳量は, 3000&acd;4500kgが大半を占めており, 5000kg以上は僅か5%にすぎなかった。これは沖縄の牛が資質が悪いことではなく, 夏期高温による夏バテによって泌乳能力が低下しているものと考えられる。従って暑熱対策を考え, 産乳量の増加を図ることである。(3)一般に乳飼率は高く40&acd;55%を示したものが, 調査36農家中15農家(42%)を数えた。このことは夏期高温により, 必然的に熱発散によるエネルギー消費補充が要求されることによって, 濃厚飼料の消費が多くなるものと考える。(4)労働時間は, 1日平均12時間を数えた。従って1人1時間当り労働報酬は1000円以下が約50%を数え, 低賃金であった。(5)粗飼料は, 沖縄県独特のネピアグラスが栽培され, 1頭平均5アールの小面積乍ら本草の多収穫栽培によって夏期は充分に粗飼料確保が可能である。しかし冬期粗飼料が不足するので, サイレージの利用を考えるべきである。