著者
岩田 美香
出版者
法政大学現代福祉学部
雑誌
現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
no.11, pp.223-240, 2011-03

本報告は、児童自立支援施設入所児童に関する入所前の生活実態と意識について、同様の調査を行った少年院生との比較から分析を行った。その結果、児童自立支援施設入所児童は、親と一緒に暮らしていても、児童から見ると不十分なケアしか受けておらず、そのために具体的な生活場面においての不満が多くあがっていた。また、その保護者が十分に機能できない中で、児童にとって学校の先生や施設の先生の存在は大きく、家族以上に頼りにされていた。今後は、施設退所に向けた、さらには退所後の家族援助が重要になると同時に、予防的な視点から、施設を利用する前の学校や、それ以前であれば保育所や幼稚園といった段階における、教育や保育に加えたソーシャルワークとしての家族援助の展開が要請される。
著者
兎内 勇津流
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.1-14, 2005-03

NII の総合目録においては,著者名典拠レコードの新規登録件数が低下傾向にあり,書誌レコード中の著者標目フィールドと著者名典拠とのリンク形成率もまた低下傾向にある。その一方,著者名典拠レコードの「歩留まり」には向上が見られるが,これには新規レコード作成に与かる館の減少が関係している可能性がある。NII の総合目録システムにおいては,参加館が多く登録書誌レコードが増えるほど目録負担が軽減され,それがさらに拡大を生むという循環の一方で,参加館の中に目録作成能力が十分でない館が増え,「歩留まり」の低下により,維持コストを引き上げる等の負の循環が生じるおそれがあり,それを踏まえた運営体制が要請される。
著者
芦川 平 坪井 創吾 後藤 和之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32, pp.13-18, 2007-03-22
被引用文献数
3

ナレッジワークとは、情報の収集、選択、編集、創造と、コミュニケーションを介した意思決定が絡むプロセスであり、様々な業務や組織での活動に現れる。我々は、ナレッジワークを支援し、知識の形成と再利用を目的とするナレッジワーク支援システム Trino を開発し、実際の業務において社内運用を行った。本報告では、Trino のモデルと機能について説明し、営業や開発等の実際の業務に長期間適用して得られたデータをもとに、業務の成果物とその作成過程に着目することで、本システムの有効性を評価し考察する。Knowledge work can be defined as the processes of collecting, selecting, editing and producing information with decision-making via communication. We have developed a new system Trino to facilitate creating and reusing knowledge by supporting such knowledge work processes. This paper describes the concept, functionality and evaluation of the system from the results of task and their related communications by analyzing the operated data in a long time experiment in our company.
著者
平井 義彦
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.642, 2008 (Released:2009-05-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1
著者
平賀 紘一 山本 雅之
出版者
富山医科薬科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

1.グリシン開裂系構成酵素をコードする遺伝子の発現が協調的に調節されているかどうかを知る目的で研究した。このためには、本酵素系は4種の構成酵素から成るので、少なくともこの中の2種の蛋白をコードするcDNAをまずクローン化しなければならない。そこで、我々はまず、本酵素系が触媒する反応の最初の段階に必要なグリシン脱炭酸酵素とH蛋白のそれぞれをコードするcDNAをクローン化した。Hー蛋白cDNAは840塩基長であり翻訳開始メチオニンから164アミノ酸より成るHー蛋白前駆体をコードしており、これに続いて約300塩基の非翻訳領域をコードしていた。一方、グリシン脱炭酸酵素cDNAは3514塩基長であった。翻訳開始メチオニンコドンはcDNA中に含まれていなかったが、遺伝子をクローン化して解析すると、cDNAの5'末端から24塩基上流にそのメチオニンコドンが発見された。グリシン脱炭酸酵素前駆体は1004アミノ酸から成る分子量約12万の大きなサブユニットであった。3.この2種のcDNAをプローブとして、35:11:1の割合で本系活性を示す肝腎、脳での両遺伝子の転写、両mRNAの存在量を調べた。その結果、これらの臓器ではグリシン脱炭酸酵素遺伝子とHー蛋白遺伝子は1:2の比率で転写されるが、転写量は比酵素活性の違いを反映していた。また、両mRNA量はどの臓器でも等モルずつ存在していたが、それらの絶対量はやはり、比酵素活性の比率と等しい割合で各臓器に分布していた。これらの結果は、グリシン開裂系構成酵素遺伝子の発現は協調的に起こるよう調節されていることを示す。4.しかし、心筋、脾など本系活性を示さない臓器では、グリシン脱炭酸酵素遺伝子だけが発現しておらず、本系構成酵素遺伝子は臓器により、ある時は協調的に、或は非協調的に発現される。
著者
浅井 武 瀬尾 和哉 藤井 範久 高木 英樹 小池 関也 藤澤 延行
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,先端的スポーツ流体科学・工学の基盤創生と展開研究の一環として,実際にキックされたナックルボールに対して,高速度ビデオカメラと発煙物質を用いて可視化し,渦放出の動態について検討した.その結果,飛翔するボールに働く横力と揚力の周波数と,大規模渦構造における渦振動の周波数に高い相関がみられた(r=0.94,p<0.01).これらのことから,大規模渦構造における渦振動がナックルボールの不規則な変化を引き起こす大きな原因の一つになっていると考えられた.
著者
福林 徹 鳥居 俊 柳沢 修 倉持 梨恵子 井田 博史 奥脇 透 赤居 正美 赤居 正美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

膝前十字靱帯損傷のメカニズム解明, およびその予防法の構築を行った. メカニズムの解明においては, Point Cluster法を用いた三次元動作解析法により着地動作や切り返し動作を計測し, こうした動作時の脛骨の内旋および膝外反の強制が,そのメカニズムに関連していると考えられた.予防法については,バスケットボール,サッカー,スキー,テニスの各競技において外傷予防プログラムを作成し,各団体において普及,推進を行った.また,その効果検証を行った.
著者
平川 澄子 中澤 眞
出版者
鶴見大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、運営状況がきわめて対照的な、アメリカの女子プロサッカーリーグ(WUSA)と日本の女子サッカーリーグ(Lリーグ)の観戦者特性を明らかにすることによって、日本の女性スポーツリーグの発展に有効な知見を得ることを目的とした。調査は2001年6月から11月にかけて、WUSAとLリーグの各3会場において、観戦者を対象とした質問紙調査及びスタジアム内での観察調査を実施した。WUSA調査では、998票の有効回収票を得た。Lリーグ調査では、335票の有効回収票を得た。観戦者調査の比較分析から、(1)WUSAでは女性観戦者が62.1%を占めていたが、Lリーグでは男性観戦者が72.1%を占めていた、(2)WUSAでは94.2%が家族や友人と来場していたが、Lリーグでは40.2%が一人で来場していた、(3)WUSAではWWC99が女子サッカーファン増大の契機になり、女性観戦者の73.8%が女子サッカーを選好していた、ことなどが明らかになった。また、観戦行動に関わる杜会心理的要因として、「サッカーへの関心」「サッカー鑑賞」「ゲームのドラマ」「健全な環境」など、サッカーという種目に直接関わる要因の重要性では共通の傾向がみられた。しかし、WUSA観戦者では特に女性観戦者において「ロールモデル」「女性スポーツのサポート」が重要な要因となっていたのに対して、Lリーグ観戦者では「代理達成」「娯楽」「選手への関心」が重要な要因となっていた。以上の結果から、アメリカの女子サッカー人気の背景として、(1)WWC99の成功、(2)女性の機会均等を開拓するロールモデルとしてのスター選手の存在、(3)女性達による女性スポーツサポートの意識、(4)家族や友人と楽しむ健全な娯楽としてのスポーツ観戦、などが推察された。
著者
河野 一郎 秋本 崇之 赤間 高雄 河野 一郎 福林 徹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

簡易型SIgA測定キットの開発本年度はまず市販のSIgA特異的なモノクローナル抗体を用いて,比濁法による測定を行ったが,おそらく抗体自体の力価のあるいは抗体のエピトープの問題により良好な測定系を構築できなかった.そこで,比濁法に適応可能なモノクローナル抗体の作製を試みた.現在,クローンを選別しているところであり,本補助期間にはキットの開発までにはいたらなかった.しかし,キットの開発に必要となる基礎的なデータは得ることができ,今後の展開に利するところは大と考えられた.SIgAレベルと感染症の関係昨年度,2ヶ月に渡って30名の被験者から唾液を採取し,SIgAと上気道感染症の関係を調査し,SIgAの低下と,上気道感染症の発現に一定の関係があることを見出した.本研究成果は臨床スポーツ医学に掲載された.また,高強度トレーニング(試合期)のSIgAの変化と,心理的・肉体的ストレスに関する成果についてまとめ,論文としてアメリカスポーツ医学会の機関紙(Med Sci Sports Exerci)に掲載された.本研究の結果,SIgAと上気道感染症罹患リスクには一定の関係があることが明らかとなり,今後SIgAを上気道感染症リスク把握の手段として応用することが可能であることが本研究の結果により示されたと考える.また,SIgAの測定は非侵襲的であり,その応用範囲は大と考えられた.本研究の成果により論文発表5件(国内誌3件,国際誌2件),学会発表7件を公表することができ,基礎研究としては十分な研究成果が得られたと考える.
著者
内田 直 堀野 博幸 矢島 忠明 泰羅 雅登 渡邉 丈夫 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

成果をまとめる。○スポーツに使われる脳機能を形態学的研究により行った。この研究は、機能的に発達した皮質の部位が肥大することを根拠に、皮質各部位の大きさを比較する研究である。この研究からは、バレーボール選手では両側楔部・楔前部の灰白質が大きいことが示された。これは視空間的注意・処理、運動技能を、長期間に渡って獲得・反復することに適応して生じた構造の変化を表していると考えられた。○手足の屈伸運動を運動習熟者、非習熟者にfMRI撮影中に行わせ、脳の賦活部位を調べた。その結果、補足運動野、運動前野などの皮質部位は非習熟者で、大脳基底核は習熟者でより賦活が見られ、日常的運動でも習熟者では運動学習が進んだ脳機能を用いていることが想像された。○Go/No-Go課題によるソフトボール選手と非アスリートの脳機能の比較では、ソフトボール選手でNo-Go課題の際に両側前頭前野の賦活が有意に強く見られた。これは、ソフトボール選手ではより強い運動の抑制があるということを示しており、実際のバッティングの場面でも、より強い抑制が選球に関連している可能性を示唆していた。○サッカーなどでは、しばしば2次元⇔3次元の認知的置き換えを行っている。このような置き換えに使われる脳機能について明らかにした。コンピュータグラフィックスを用い円筒の配置を2次元⇔3次元で置き換える課題を用いた。これにより、3D→2Dでは上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。2D→3Dにおいて、上頭頂小葉、下頭頂小葉、前頭前野、右海馬傍回、左小脳後葉の賦活が見られた。以上、多くの成果を得たが、今後さらに競技スポーツだけでなく健康スポーツという視点からも、運動と脳機能の関連についての研究を発展させてゆきたいと考えている。
著者
宗像 恒次 橋本 佐由理 橋本 佐由理
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

がん生存者の効果的なストレスマネジメントのために、Webを用いた電子学習プログラムを開発することを目的とした。研究1で、DVDを用いた電子学習プログラムを開発し、実施前、後、1週間後において、ストレス対処力が有意に高まり、ストレス蓄積性の高い行動特性や抑うつが低下し、免疫力の向上が見られた。研究2では、筑波大学にサーバーを置き、Webで無料配信するeプログラムを構築し、効果を分析した結果、ストレス蓄積性の高い行動特性が有意な低下を示した。がん生存者が自らの感情を過度に抑えず、素直に自分を表現し、必要時に周りに救援を求められる行動特性への変容が考えられ、DVDと同じようなストレスマネジメント効果が確認できた。
著者
茂木 積雄 天木 秀一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

原発性胆汁性肝硬変(PBC)に特徴的な抗ミトコンドリア抗体(AMA)亜型である"M2"抗体はミトコンドリア内膜に存在する酵素である2-oxoacid dehydrogenase complex(2-OADC)ファミリーに属するpyruvate dehydrogenase(PDC),branched chainα-ketoacid dehydrogenase complex(BCOADC),2-oxoglutarate dehydrogenase complex(OGDC)を構成する5つのsubunit enzymes(PDC-E2,BCOADC-E2,OGDC-E2,protein X,PDC-E1α)を特異的に認識する。分子生物学的および遺伝子工学的手法を用いた研究により,M2抗体が認識する主要なミトコンドリア抗原であるPDC-E2,BCOADC-EおよびOGDC-E2上のlipoic acid binding resionであるリポイルドメイン上に主要な抗原エピトープが各々存在することが明らかになった。これらのエピトープマッピングの成績に基づき高感度AMA測定法の確立を試みた。すなわち,PDC-E2,BCOADC-E2およびOGDC-E2の各々のリポイルドメインをコードするcomplementary(c)DNAを同一のプラスミドベクターにサブクローニングすることによりHybrid cloneを確立した。Hybrid cloneおよび各々のE2 component cDNA cloneによって発現されたリコンビナント抗原をグルタチオンアガロースビーズを用いてアフィニティー精製した。イムノブロット法による検討で,これらの精製リコンビナントミトコンドリア抗原はPBC患者血清と特異的に反応し,自己免疫性肝炎やC型慢性肝炎などの対照疾患および健常人血清などとは反応しなかった。また,PBC 112例においてラット腎胃組織切片を抗原とした蛍光抗体法(IF)および市販の酵素抗体法(ELISA)によってAMAの検討を試みたところ9例はAMA陰性であったが,リコンビナントミトコンドリア抗原を用いた検討によってPDC-E2以外のM2抗原とのみ特異的に反応するPBC血清を明確に検出することが可能となった。
著者
塩川 徹也 佐藤 淳二 中地 義和 月村 辰雄 田村 毅 菅野 賢治 岩切 正一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

古典修辞学がヨーロッパの知的世界においてはたしてきた役割については、近年わが国においても理解が深まりつつあるが、各種教育機関におけるその実際の教育法や、また修辞学と文学との関わりについては、欧米の研究者間でも未だよく認識されてはいないのが現状である。本研究は、その対象がフランスに限定されてはいるものの、とりわけ実際の学校教育で用いられた修辞学教科書の収集とその分析を通じて、各時代の修辞学教育が提示したディスクールの規範型(パラダイム)の抽出に務め、一定の成果を挙げた。その結果、各時代の修辞的な規範型と実際の作品との対比的な検討によって、フランス文学における文学的創造のひとつのメカニスムを明らかにし得たのである。とりわけ中世ラテン語詩論書にみられるエロ-ジュ・パラドクサルの典拠の探求、および、俗語フランス文学中に見られる各種の風刺的類似例との関係性についての考察、19世紀における中等教育機関での修辞学的教育の数次にわたる改革と複数の文芸思潮との関係を歴史的に考察することに成功するという業績を得ることができた。この結果については、最終報告書の刊行により広く共有できるものとして公開されている。修辞学という広い視点からも、プル-ストと絵画との関係を視覚の修辞学的観点から研究した吉川一義(研究補助者)の大部の論考が同報告書に公表されている。
著者
松田 修
出版者
名古屋産業大学
雑誌
名古屋産業大学論集 (ISSN:13462237)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.79-88, 2005-11-30

ASEAN was established in 1967 by the five original member countries, namely, Indonesia, Malaysia, Philippines, Singapore, and Thailand. Brunei Darussalam joined in 1984, Vietnam in 1995, Laos and Myanmar in 1997, and Cambodia in 1999. As the effort for global convergence in accounting, there is a move by countries in ASEAN adapting the standards of IASC and its successor IASB. This paper deals with historical overview of accounting standard-setters and accounting developments in ASEAN.