著者
飯高 哲也 定藤 規弘
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

情動写真や表情に反応する扁桃体の活動が、遺伝子多型や文化的背景により影響を受けるかどうかを調べた。日本人、日系アメリカ人、白人系アメリカ人の3群を被験者としてfMRI実験を行った。同時に遺伝子解析のための血液採取と、性格傾向質問紙(NEO)調査も行った。NEOによる神経症傾向は、白人系アメリカ人と比較して日本人で有意に値が高かった。扁桃体の活動は、日本人で日系アメリカ人及び白人系アメリカ人と比較して有意に高い活動を示した。現在はセロトニントランスポーター(5-HTTLPR)多型を米国において調べており、その多型に基づいて結果を再解析している。社会感情神経科学研究会と題した講演会を主催し、その中で本研究結果が発表された。情動の生成に関わる扁桃体と前頭前野の関係を、顔と声を用いた嫌悪条件づけ課題とfMRIを用いて研究した。24名の日本人被験者のデータを解析した結果、扁桃体の活動は開始早期に一過性に上昇するが前頭前野は実験を通して賦活されていた。米国の共同研究先で5-HTTLPR多型を調べ、その多型に基づいてfMRIデータを再解析した。ストレスに脆弱性があるとされるs/s型被験者では、条件づけに伴う前頭葉の活性が有意に低下していることを示した。社会性に関わる認知機能として、自分が成育した環境と類似した風景に対する学習・記憶の実験を行った。ここでは日本と米国(国籍)、都市と田舎(場所)という2要因を含んだ風景写真のfMRI記憶実験を行った。米国のNortbwestern大学では白人被験者を対象とした実験が終了しており、当方では16人の日本人被験者を対象としたデータ収集を行った。同時に被験者から得られた血液サンプルからDNAを抽出し、BDNF多型を調べている。白人被験者のデータ解析では、海馬および海馬傍回の活動が認められている。今後は国籍やBDNF多型の脳活動に与える影響を検討する予定である!

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著者
尾鍋 史彦
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.P_202-P_205, 2004 (Released:2006-02-15)
著者
柴山 知也 三上 貴仁
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

2010年のチリ地震津波、同年のスマトラ島沖地震津波(メンタワイ諸島)、2012年のハリケーン・サンディー高潮(米国ニューヨーク)、2013年の台風ヨランダ高潮(フィリピン国レイテ島)などの海外で発生した沿岸域災害の調査を実施し、被災機構を解明した。近年の沿岸域土地利用の高密度化と輻輳化、さらに高潮の場合には地球気候の変動による台風の巨大化が大きな被害をもたらしていることが解った。高潮、高波被害の将来予測を行うために、気候モデルに基づいた高潮・高波数値モデルを開発し、インド洋、北太平洋などに適用した。温暖化後の変化について検討し、高潮の規模が拡大する可能性が高いことを指摘した。
著者
鑓田 征雄 伊藤 正登
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.391-398, 2008-10-01
被引用文献数
3 3

The temper rolling is applied to eliminate the stretcher strain, to improve the flatness and to control the surface roughness of rolled-sheet as the finishing process in cold rolling. However, there are some problems remain in analysis of the temper rolling. The classical rolling theory based on the rigid plastic theory, can not deal with non-uniform elastic-plastic deformation in the thickness direction, because the deformation is partly concentrated on the surface layer of the sheet. This paper presents an elastic-plastic finite element analysis of stress and strain behaviors in plane strain temper rolling for as-annealed mild steel sheet. In the analysis, the upper yield stress, the lower yield stress and yield point elongation are taken into account for the stress-strain relation of material rolled. For the contact boundary between roll and deforming material, both slipping and sticking are considered, and the Coulomb friction law is employed to represent the slipping friction. Furthermore, calculated rolling force by the EP-FEM is compared with that by the classical rolling theory as Karman's equation and that obtained by a laboratory scale rolling experiment with bright rolls or dull rolls. As the results, in the case of small friction between roll and deforming material, the rolling force obtained by Karman's equation coincide with that by EP-FEM and that by experiment.
著者
岡崎 真紀子
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

平安時代から鎌倉時代にかけての時期にしるされた歌学書の叙述と、同じ時期にしるされた仏典の注釈類の叙述との間に、接点が見られることを具体的に検討した。その結果、当時の歌学に、法会の場で語られていた内容や、梵字の音声に関する学問である悉曇学における言語意識などが、深い影響を与えていることが明らかになった。
著者
藤井 秀登
出版者
明治大学大学院
雑誌
商学研究論集 (ISSN:1340914X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.177-203, 1997-02-28

現在、日本の主要な都市には、地下鉄が運転されている。設立された順にならべると、東京、大阪、名古屋、神戸、札幌、横浜、京都、福岡そして仙台である。東京に地下鉄が開業してから仙台に地下鉄が開業するまで、六十年の開きがある。経営形態に着目すると、東京に都営と営団が併存することを除き、日本の全ての地下鉄は市営となっていることが指摘できる。東京に異なる経営形態が並立し、それ以外の都市では市営となっていることの契機は、日本で初の地下鉄である早川徳次の東京地下鉄道株式会社と、日本で初の市営地下鉄である関一(せき はじめ)の大阪地下鉄とを比較・検討することによって、明確にできると思われる。東京に日本で始めての地下鉄が開業したのは、1927(昭和2)年であった。
著者
山下 絢
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.13-23[含 英語文要旨], 2008-03
被引用文献数
3

学級編制標準に関する法制度改革を背景として、各自治体において少人数教育が実施されると同時に、その効果検証がより重要になっている。また政策評価の観点からも、少人数教育の効果をどのように測定していくのか、その方法論の検討が重要性を増していると言える。こうした状況を踏まえて、本稿は学級規模縮小の効果に関する研究蓄積が豊富である米国の研究動向を明らかにしていく。具体的には、1970年代後半から2006年までの研究を対象として、インパクトファクターなどを用いた引用回数別のリストを作成し、(1)論者、(2)データセット、(3)分析モデル、(4)効果の捉え方(知見)および政策的含意の整理、検討を行った。先行研究ではGlass and Smithの研究が主にレビューされてきたが、本稿は作成したリストをもとにレビューを行い、学級規模縮小の効果検証における有効な方法論の提示を志向する。
著者
藤井 秀登
出版者
明治大学大学院
雑誌
商学研究論集 (ISSN:1340914X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.185-206, 1996-09-10

現代の都市交通機関として、地下鉄ほど確実な「移動」を保証するものはない。なぜなら、都市部においては、専用通路部分を持つ鉄道、特に地下鉄は定時性という点で、路面交通機関の機能を遥かにしのいでいるからである。これに対して、私的交通機関の発達に伴い、道路交通の混雑が顕著になってきたことが、私的交通機関・公共交通機関の両者に、交通の本来の目的である「移動」の阻害という現象を生じさせている。ところで、こうした都市部の交通機関は、「都市」と不可分の関係にある。よって、都市交通を検討する場合、まず、その母体である「都市」から考察していかなくてはならない。そもそも現在の日本の「都市」の原型は、明治時代に形成されたものである。
著者
兼子 直 佐野 輝 中村 祐輔 辻 省次 大沼 悌一 満留 昭久 小国 弘量 磯村 実
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

てんかんおよび熱性けいれんの原因遺伝子解明を目標に、「てんかん・熱性けいれん遺伝(子)解析に関する共同研究グループ」を設立し、家系収集とサンプリングおよび連鎖解析を進めている。1999年末の時点で収集した家系は223家系であり、そのうち85家系でサンプリングが進行中である。家系調査の対象は、特発性てんかん、beingn adult familial myclonic epilepsy (BAFME)、autosomal dominant nocturnal frontal lobe epilepsy(ADNFLE)、benign familial infantile convulsions、severe myoclonic epilepsy in infancyおよび熱性けいれんである。このうち、特発性全般てんかんの一型であるbenign familial neonatal convulsios(BFNC)では、KCNQ3遺伝子としては2番目の変異が見いだされた家系がみつかり、罹患者のエクソン5 (KCNQ3チャネルのポタシウムイオンの通過路のP-ループ部分をコード)のcDNAの塩基配列925番のTがCに変異していることを発見した。これはKCNQ3チャネル異常がethnicを超えて、重要な遺伝子異常であることを示している。BAFMEは、遺伝素因の関与が大きいわが国に特有なてんかんの一型であるが、その遺伝子座位は第8番染色体長腕上にマップ(8q23.3q24.1)された。現在、責任遣伝子を検索中である。ADNFLEは夜間睡眠中にのみ部分発作を起こす稀な遺伝性てんかんであるが、本邦における最初ADNFLEの家系において、neuronal nicotinic acetylcholine receptor α4 subunit(CHRNA4)遺伝子のM2 domainにおけるSer^<252>がleucineにより置換(C755T)されていることを見出したこれはADNFLEに関連する第3番目のpoint mutationである。現在、BFNC以外の特発性てんかんおよび熱性けいれんについても、収集家系について連安鎖解析が進行中であり、さらに、これらの遺伝子異常によりてんかんが発病する機序について検討中である。
著者
平田 武弘 表 友宏
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, 1977-12-15

大阪市交通局が, 都島〜守口間6.4kmに建設中の地下鉄2号線のうち, 旧淀川河床タイ積とみられる地下水の豊富な砂レキ層に, 直径7mのシールドを掘進した今市工区での工事報告である。土カブリは約10m, 地下水の滞水は, シールドの天端から上部4mに存在する厚さ2mの連続したシルト層によって, 2層に分けられる。シールドの通過する滞水砂レキ層の透水係数は2.5×10^<-1>cm/secと大きい。工事は, 滞水砂レキ層部分の施工長さ360mの両側に粘土モルタルによる止水壁をつくり, 坑内圧縮空気の漏気と周辺地盤からの地下水の流入を防ぎ, 止水壁内部においては揚水によって砂レキ層の地下水位を低下させる漏気防止圧気工法によって行なわれた。切羽の安定を確保するために, 薬液注入工法も実施している。これらの掘進方法によれば, 坑内空気圧を0.35〜0.40kg/cm^2に維持するために必要な逆風空気量は, 最大80m^3/min, 工事中の止水壁内外での地下水頭の差は約1mで, 止水壁は, 地下水処理や圧気効果を高めるうえで有効であったとしている。
著者
佐々木 仁 曽我 祥子 磯 博之 井上 徹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

色覚刺激が生体に及ぼす影響について、以下の、4つの実験を実施した。1)色の単純反応時間:色相、彩度、輝度を変化させた刺激を用いてヒトの単純反応時間を計測した。有彩色では赤と緑に対する反応時間が速い傾向が認められ、無彩色と有彩色の比較では、青を除いて有彩色の方が反応時間が有意に速かった。他方、彩度による反応時間の相違は認められなかった。また、SD法を用いて調べた色彩刺激の嗜好度は青が最も高く、黄が最も低く、反応時間との相関は認められなかった。以上より、色相は覚度、情動に影響することが示された。2)色の記憶:異なる色相の刺激を用い、ヒトで遅延見本を合わせ課題を行った。明所視下に標本刺激を中心窩に提示し、3秒の遅延後、同一色相で、明るさ、または彩度が異なる比較刺激を同時提示して標本選択の正答率を求めたところ、緑の正答率が高く、青では低かった。一方、比較刺激だけを提示した弁別は緑で低く、青で高かったことから、色相により記憶の困難さに相違があることが示された。3)閃光刺激が脳波に及ぼす影響:ポケモンTV放映によって入院した患者について3-20Hzの閃光刺激を提示し、脳波を解析したところ、特徴的な、α波成分の引き込み現象が観察された。色刺激に対する反応については、今後の課題である。4)色が驚愕性眼瞼反射に及ぼす影響:角膜への空気の吹き付けによって生ずる驚愕反射を記録した。空気の吹き付けに100ms先行させて、色相の異なる刺激を提示したところ、1)いずれの先行刺激も、驚愕反射の振幅を有意に減少させ、2)黄色に対する振幅は他に比べて小さかったことから、黄色は情動反応の抑制効果が高いことが示唆される。
著者
安蒜 俊比古 浅野 二郎 藤井 英二郎
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.85-92, 1988-03-18

築山庭造伝前編と後編に於ける役木を対象として,役木の配植位置と注視部位,庭園構成の格(真・行・草)に於ける役木の取扱いについて検討した.同一の配植位置にあっても,役木に対する注視部位が細部,局部,全形と役木によって異っている.真・行・草の庭園構成に於ける役木の取扱いは,庭園構成の格に関らず取扱われるものと,格によって取扱いが省略される役木がある.配植位置や庭園構成の格によって異なった傾向が見られるのは,とくに近景と中景の役木である.これは庭園構成の主景的な立場としての役木であるか,装景的な立場としての役木であるかによるものと考えられる.
著者
飛田 範夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.49-54, 1984-05-31
被引用文献数
1

摘要:作庭に関する江戸時代までの造園古書の書名,著者,成立年代及び内容等について調べた結果,少なくとも30種類程あることが判明した。最古のものはやはり『作庭記』だが,『山水並野形図』に続く『嵯峨流庭古法秘伝之書』には多くの異本があり,江戸時代の作庭書にも強い影響を与えているようである。江戸時代に於いては,それに対抗する説を唱えた『築山根元書』も重要であろう。『築山庭造伝(前 後)』のユ二ークさも見逃せないものである。
著者
宮崎 信次
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
no.17, pp.227-234, 2004-08-25
被引用文献数
2 3

Several mouse emulator devices are commercially available for patients with high-level cervical cord injury (CCI), muscular dystrophy, and rheumatoid arthritis. These include head mounting pointers which linearly convert the 2-dimensional deviation of head motion to the 2-axis movements of the cursor. Limitations of inherent accuracy of the neck movement controllability restrict the use of these pointers to people with a good range of motion of the trunk and neck. Other mouse emulators utilize a miniature 2-dimensional position sensor which can be activated by mouth, then convert the information to the cursor movements. When the transformation is from 2-dimensional deviations to the position of the cursor, a problem similar to the head mounting pointers arises. When the 2-dimensional deviation is converted to the velocity of the cursor, the problem is solved. However, the currently available devices of this last type have other problems, e.g., overshoot and drift of the cursor during no input. The purpose of this study was to develop an inexpensive mouse emulator device utilizing a mini joystick and analog pressure sensor, and to test its clinical utility in shortterm experiments and middle-term field tests conducted by volunteer monitors. The study also aimed to combine this mouse emulator with commercially available automatic Japanese voice recognition software to enable those who cannot use their fingers for striking keyboards. The new mouse emulator, named "Joystick," converts the 2-dimensional angular deviation nonlinearly, i.e., stepwise parabolically, to the velocity of the cursor, and also provides a dead movement zone and automatic tracking of mechanically neutral position to prevent drift of the cursor during a resting state. A thorough investigation was made to find the automatic voice recognition software best suited for the present purpose. Japan IBM's Via Voice with ATOK15 was selected. Four CCI patients and four healthy subjects participated in the short-term evaluation of the device. The first task was to control the movement of the cursor around the monitor, and to drag and drop certain portions of the text. The second task was to activate Word, define text format, input predetermined text, revise it, and store it as a file with a name. The performance of each subject using the new device was compared with the performance of one C4 CCI subject using a conventional mouth stick and a track ball. The results were promising. Twelve volunteer monitors participated in the mid-term field evaluation of the device, and 6 out of 9 monitors wanted to buy the device after the 2- to 4-week monitor period, which proved that the device is useful for a large part of the subject population at which the present study was aimed.
著者
黒沢 健至
出版者
科学警察研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

動画像に施された画像改ざんに対する検出法に関する開発を行った。本研究では、CCDやCMOSなどの半導体撮像素子における画素ごとの電気特性のばらつきに起因する個体特徴を利用して、改ざんの有無並びに改ざんの時空間位置の特定を行うことに特色がある。撮影に用いられたカメラが既知で入手可能な場合にはコンテンツ改ざんやシーン挿入を検出できたほか、撮影カメラが未知の場合でもシーン挿入を検知可能な方法を開発した。
著者
石橋 悠人
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.47, no.246, pp.85-94, 2008-06-25

This paper aims to demonstrate institutional characters of the Board of Longitude for the purpose of examining the relationship between science and polity in the 18th century Britain. In 1714, British parliament established the Longitude Act and appointed Commissioners of the Board who were experts familiar with navigation, astronomy, and geography. Their main role was improving navigational science, especially achieving the practical solution for finding the longitude at sea. The Board as a scientific institution had close relations to two public bodies: the Parliament and Royal Navy. The Parliament financed the Board and rarely intervened into or controlled their activities. Nevertheless, the determinations which parliament made were obviously priority to the Board's, accordingly only through the parliamentary act, its reorganization could be carried out. Several scientific activities of the Board were operated for the service of the Royal Navy : introducing newly invented methods for finding the longitude and navigational instruments, transferring geographical knowledge, and cooperating actively for the voyages of discovery to the Pacific ocean and Arctic. It is well known that until second half of the 19th century, British government seldom patronized scientific activities and organizations. The example of the Board presents that from second half of the 18th century on, however, the state had put huge public money into scientific projects related to navigation, commerce, and exploration.
著者
三上 俊介 杉谷 貞男 山口 光代 土井 幸雄 黒木 哲徳 下村 宏彰
出版者
福井大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

緩増加な不変固有超関数(IED)の場合に成立する指標等式,Weyl群の表現およびstableな緩増加なIEDのliftingの間に成り立つ関係を緩増加の条件を外した場合への拡張を目指した。Gをコンパクトカルタン部分群T_0を持つ実半単純Lie群(R上定義されたreductive線形代数群の実点全体として実現されるものに限る)とする。t,〓をT,GのLie環の複素化,μ〓t^*に対し,Gのcoーadjoint表現によるμ〓t^*〓〓^*のstabilizerをL,μより定まるC上のθーstable放物型部分環をqとする。πをLの1次元表現(λ=dπ:微分表現)とし、三つ組(q,L,π)に対応してcohomological parabolic inductionで定まる(〓,K)ー加群をA(λ)と書く。(KはGの極大コンパクト部分群)また,Wを(〓,t)のWeyl群とするとWが自然に三つ組(q,L,π)に作用し,w(q,L,π)=(q_w,L_w,π_w)と書く。いま表現とその指標を同じ文字で表すと,{A(wλ),w〓W}は,それらが生成する有限次元部分空間V(λ)内にstableなIEDが存在するような拡張されたLーpacketになるので,最初に掲げた問題をこのV(λ)に限定して考えた。そして階数の低い群(SU(p,q);p+q≦3,Sp(2,R))の場合に次の結果を得た。定理次の(1),(2)は同値である。(1)Θ〓V(λ)がGの極大splitカルタン部分群上恒等的に0に等しい。(ΘはG'={Gの正則元全体}上の実解析関数とみなせることを用いる。)(2)L_wの極大splitカルタン部分群T_w(これはGのカルタン部分群にもなる)およびT_o上でΘ(w_ot)=ーΘ(t)(tはT_w〓G'またはT_o〓G'の元)が成り立つ。ただしw_oは(〓,t_w)あるいは(〓,t_0)のimaginary Weyl群の最長元である。これは緩増加な場合に自然な拡張になっている。これまで得られてきた事例をもう少し発展させ一般化できることを期待しており、その時点でまとめて公表するべく考えている。
著者
三成 賢次 松川 正毅 高橋 明男 高田 篤 茶園 成樹 松本 和彦 中山 竜一 養老 真一 福井 康太 仁木 恒夫 水島 郁子 佐藤 岩夫 佐藤 岩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、法曹の新職域として注目が集まっている弁護士業務の調査研究を行い、これに法領域横断的な理論的検討を加えることを通じて、近未来における法曹新職域のグランドデザインを提示することを目的とする研究プロジェクトであった。本研究では、諸外国の法曹とその養成課程に関する現状と課題を明らかにするとともに、主として最先端の企業法務を対象とする聞き取りおよびアンケート調査を実施し、法曹の職域の今後に関する模索的な研究を行った。本研究で特に力を入れたのは、全国2000社を対象とする「企業における弁護士ニーズに関する調査」、大阪弁護士会会員の約半数にあたる1500名を対象とする「弁護士業務に関するアンケート調査」、そして全国の企業内弁護士259人を対象とする「組織内弁護士の業務に関するアンケート調査」という3つのアンケート調査であった。それゆえ、本研究では、主として企業関連の弁護士の新しい職域の動向を明らかにすることとなった。